「鈴音が美人なの納得いかないから頭ぐちゃぐちゃにしてやるっ!」
「折角セットしたのに!」
「ただ結んでるだけじゃんか」
「それでも!アホ毛を閉じ込めるのにどんっっだけ苦労したか…──!」
不知火 叶夢
日本生まれ九州育ち、そして、東都生まれ東都育ち。とある紙の中の世界、言えばこの世界の傍観者の皆様はよく分かることだろう。
首都に存在するちょっと有名な高校の2年生。
成績は中の上。模試の判定はB判定。偏差値は学校としては少し低めの60前後。人当たりも良く、彼女のことを嫌いだと言う人間は極わずかだろう。
その世界で叶夢は──2度目の人生を歩んでいるのである。
『かなえ』は九州の海の見える田舎で生まれ育った。
不知火、というのは九州で言われる怪火のひとつで、近付いても近付いても海面に漂い辿り着けない妖怪だと言われていた。もっとも、現代においてそれは蜃気楼なのだと判明したのだが。
幻のように、手を伸ばしても届かない。
『かなえ』はそんな伝説を聞きながら小さい頃から船に乗り、海ではしゃいだり山で駆け回ったりとわんぱくな生活を送っていた。
おじさんが柔道教室を開いていたため、学校帰りに週3回。国語はまだしも英語が苦手で、算数もちょっと苦手。柔術を学んで、家に帰って宿題は後回し。レンタルショップで借りたアニメを肴に、親に内緒でこっそり濃度濃いめのカルピス。そんな小学生時代だ。
『かなえ』はある日、衝撃の展開を目にする。コンビニがまだ立ち読み可能な時期だ。親に連れられ立ち寄った時に読んだシーンはエース死亡のシーンだった。
「え、エースが死んじゃった……お兄ちゃんなのに……!?」
手に持っていたガリガリ君が地面にごとりと落ちて、食べにくい形へと変化した。ミンミンうるさいセミの音だけが聞こえる、小さい頃の夏休み。
その日から改めてそのアニメを1から見直した。母親に『見すぎよ!』と叱られるギリギリまで見ていた。そんな、神様、どうか嘘であってください。頂上戦争のアニメ版は悲しいことに原作よりもガツンとした衝撃でむねにつきささった。神はいなかった。
そうして『かなえ』の人生で衝撃を受けハマった作品の一つになったのだった。
そして死んだのだ。──描きかけの同人誌、燃やしときゃ良かったな、と。
──転生
「おう、叶夢。今日も元気そうだな」
叶夢は東都に生まれた。あっすごく二次元やんけ。そう察して顔が死んだの、叶夢はずっと覚えてる。
死んだ後の記憶が無いので何が起こったのか分からないが、知識を生かしてまずは警察学校組を救済しようとした。
1.マンションにて爆死する機動隊の救済
……失敗。規制線を超えられなかった。
2.観覧車にて爆死する刑事の救済
……失敗。乗り込もうとするも突き返された。
3.スパイ活動中に自殺する潜入捜査官の救済
……失敗。夜中に抜け出しても歩いても見つからず。
4.交通事故に遭う刑事の救済
「うん、元気だよ航お兄ちゃん」
「妹がこんなに大きくなって俺は嬉しいよ。最近交通事故も多いから気をつけるんだぞ?」
「……お兄ちゃんもね」
高校1年の夏休み。叶夢は前世の経験を生かし、今世でも柔術をしていた。近所で、そして同じ教室に通うネームドキャラクターと兄妹と言い合う仲になった。
『かなえ』の知識上、交通事故は朝の張り込みで起こる。だから叶夢は毎朝早くからランニングをしたりウォーキングをした。だから。知っていた。なのに。
「……お兄ちゃんっっっ!!!!」
驚き、躊躇ったコンマ数秒間。何百倍にもゆっくりと、進んだ。
血の生臭い匂い。ガソリンの匂い。ミンミンうるさい夏の音が、
義理の兄を目の前で失ったルフィみたいじゃないか。遠くから聞こえる救急車の音を呆然と聞きながら、現実逃避をした。
2年生に学年が上がると、この世界の主人公が登校しなくなった。この世界での原作が始まったのだ。
「鈴音、投げ技上手くなった?」
「叶夢も、上手くなったよね」
1年の時に出会った金髪に青眼のフランスから帰国した女の子。
叶夢は記憶力も割と普通の子だ。そしてジャンプ派だったので、主要キャラもあまり覚えてない。……思い出したくない。
もう、救えないから。
鏡合わせのように仲がいい2人は、共に体を動かしていた。
叶夢と同じく普通の女の子。というより叶夢と動きや思考回路が一緒のようで、よく『双子だ』と称されている。
ちなみに叶夢の目標はフランス旅行に行くことなので、鈴音と数の数え方などと初歩的なことをよく教室の隅でレッスンしていた。
『1、2、3はアンドゥトロワだよ』
『あ、バレエとかで知ってる!』
そんな鈴音は見た目で偏見を持たれるタイプだが、他人を思いやる気持ちや正義感の強いところは叶夢にも似てる、が、どちらかと言うとあの男に似ているのである。
間接的とは言え、救いたかった男に。友人を無くしてしまった男に。
「(兄妹って、いいなあ)」
誰も生かせないし誰も救えない。叶夢はそれでも生きていた。腐ることなく、諦めること泣く。
そんなある日の帰り道。
──転移
気付けばローグタウンだった。幸いなことに、転移前の世界にもワンピースはあったのでちゃんと覚えていた。
神様、私の二度目の人生はあの犯罪都市で過ごすもんだと思っていたのに、もしかしてただのジャブで本命はワンピースだったんですか?答えてくれなかった。南無三。
「麦わら帽子……?」
「ん?誰だ、そこの女?見たことねぇ」
海岸に向かうと麦わら帽子の男と金髪の男が小舟に乗っているところだった。船の上に服が干されている。あぁ、そっか、なるほど。
「……早すぎちゃったやつじゃん」
「なんだァ?」
「よしっ、いーれーてー!!!」
「いいぞ!」
「はぁ!?何言ってんだよ!俺の船だお前ら2人とも降りろ!」
ロジャーとレイリー。そして異端の存在が混入し、冒険の世界は始まった。
『異世界人?』
『そうなんだよ。だからちょっとだけ予知が使えるんだよ』
『うさんくせ……』
『おっ、言ったなレイリー。じゃあ今から3つ予言するからね。ひとつ、レイリーの名前はシルバーズ・レイリー。ふたつ、博打が好き。みっつ、煮豆がすき!』
『あんな食いでのない食材好きになるわけが無いだろふざけてんのか!』
『俺も予言してくれよ!予言っていうかもはや個人情報言い当て選手権みたいなもんだけど』
『いいよ〜。ひとつ、ロジャーはゴール・D・ロジャー。ふたつ、誕生日は年末のゴール。みっつ』
偉大なる航路を制し、海賊王になる。
「──そこからの人生はすっごく楽しかった。変えられるとか変えられないとか、そういうこと考えられないくらい衝撃と慌ただしさと、命の危機といっぱいあって。友情もたくさんあった」
「それで、わざわざ私を探してたのか?」
「予知ではシャボンディ諸島に居るはずなのに、全然居ないから探したよ」
「……その予知、何年後の話だ?」
「さぁ」
ロジャーの死から約6年後。カナエはレイリーを探していた。ようやく捕まえたのは前半の海にあるロジャー海賊団の縄張り。
「ねぇレイリー。歳とったね」
「そうだな。お前は……悪魔の実のおかげで身体能力も見た目も変わらんな」
「吸収人間だからね。人に付与するのは苦手だけど、生命エネルギー吸い取ってますから。常に全盛期!なんけどー……全盛期でも出会ったばかりのレイリーにさえ勝てる気しないんだよね」
「そりゃそうだ」
ロジャー処刑の余波で
「……ねぇレイリー」
「ん?どうしたカナエ。また無茶苦茶な予言でもするつもりか?て困惑して──」
「えっちしよ」
「──ブフゥウウウウッ!ゲボ、ゲホゲホ、なん、は、なんだって?」
4年前。カナエは突然体の衰えを感じた。衰えるはずなんてないのに。
カナエは未来を変えみたかった。自分の王様の血筋を守りたかった。もういっそロジャーの病気が無くなってしまえばと考えて。
吸収したのだ、不治の病を。
ロジャーは治りもしないし死んだ。カナエは同じ不治の病にかかった。何も変わらなかった。それどころか『お前はこの世界に要らないんだよ』と言われてしまった。クソッタレ、まだ死ねるか。
「……ひ、ひとまず、シャボンディ諸島に移動しよう。いつ海軍が来るかわか、ら無いから」
あ、転けた。
カナエはレイリーの後ろ姿を見てクスクス笑った。
「……残したいの。いつ消えるか分からない不安定なあたしの、居場所を。証明を。ここにあたしは居たってこと」
カナエは海賊で、悪い女だ。
レイリーが自分に惚れているのは知っていた。だからその恋心を利用して利用して。──そして子供が出来たことすら黙って音もなく消えるのだ。
カナエが命を賭けて産み出した、最後の
「原作知識も、もうほぼ覚えてないから」
あぁ、シャンクスに伝言を頼んでおこう。子供が出来たと確信したら、シャンクスに頼んでエースへの伝言を。
確か二日酔いで苦しんでいるシャンクスの元にスペード海賊団が向かったはずだ。
実際、それよりももっと早い邂逅を果たすのを彼女は知らない。
──誕生
東の海のオルガン諸島の端にある、定期連絡船が週に一回だけ来るような名前のない集落。その海が見える山の麓に、カナエは腰を落ち着けた。家事はあまり自信が無いが、狩りは出来る。食料は大丈夫だった。
「ミルクってこの量でいいんだっけ……?やばい、手加減に悩むとは、あわわわふにゃふにゃするどうしたらいいの!」
育児においては、大丈夫じゃなかった。
「ねぇ、きみ。あー……だめだよね。りぃん。うん、リィン」
前の世界で、『叶夢』と友達だった子の名前を呼ぶ。彼女にあやかっているとは言え、数十年と会えない友人の名前を呼ぶのは中々慣れない。育児もなれない。
「リィンを産むのは大変だったんだぞー?隣(徒歩30分)のばあちゃんが産婆してくれたから助かったけどー。うりゃ、指銃。……やわらかっ」
カナエはすやすや眠るリィンのベッドに頭を預けた。
甘いミルクのいい匂い。汚れなんて感じさせない、まっさらな匂い。
鳥が囀る春の音。窓から見えるのは桜の木。もっと大きくなったら一緒にお花見にも行きたかった。
「……ねぇリィン。あたし、ロジャーのことが好きだ。愛してるんだ。あ、もちろん君の父親の事も愛してるよ」
ごほ、と血を吐く。
口からこぼれた愛がシーツを汚す。
「でも、燃えるような海に恋をしたの」
永遠なんて来ない。保証なんて何も無い。未来は決まってる。神がなんだ、ラフテルがなんだ、天竜人がなんだ。
「なんで死んだんだよぉ……ろじゃあ……っ!世界の秘密も真実も何もいらない、ただ、馬鹿みたいに騒いで……あたしは……!……。」
「──モンキー・D・ルフィ」
希望がひとつ。
ふらりと電伝虫に向かう。よろけて花瓶に入った名前も知らない野花
「……。──もしもし、海軍本部ですか。はい、東の海で懸賞首の、はい、写真と違わなかったので。えぇ。オルガン諸島に……〝戦神〟シラヌイ・カナエが──」
──投獄
「シラヌイ・カナエ。面会だ」
「……誰?」
インペルダウンlevel6にカナエは居た。
とある海兵が電伝虫を置いて去る。元々そう司令されていたようで、そこにはカナエと電伝虫だけが残っていた。
「……久しぶりだな、シラヌイ・カナエ」
「その声、五老星?」
「左様」
度重なる航海の中で、出会う奇縁。
「ほんとに久しぶりだ、どうしたの?残念だけど、あたしほぼ情報持ってないよ?レイリーがシャボンディ諸島にいることくらいしか」
「気軽に吐くんじゃない。いやこちらとしては助かるのだがな?」
「んー、でもさぁ。レイリーは場所を吐かれてどんな戦力向けられても、勝てるよ」
根拠のある自信だ。五老星は電伝虫の向こう側でこの女の纏う異質な雰囲気に息を飲んだ。はるかに弱いのに。あの世代の誰より。
いや、逆にどれだけ権力のある五老星だろうと天竜人だろうと、カナエは普通の対応をする。
この世界の権力など知ったこっちゃない。知識はあるが理解出来てない。だから『普通で異様』なのだ。
「それで、五老星がなんの用?」
嫌味なく言い放つまるで友達に問いかけるような言葉。5人は電伝虫の向こうで顔を見合せ、呆れたように笑った。
「ロジャー海賊団は、
「あぁ、うん。流石に驚いたけど、納得したよ。政府が隠したがるのも分かる。すっごく分かる。というか混乱が起こるからダメだよね」
「ほう、貴様がそこまで物分りいいとは」
「だって別に世界政府を恨んだから海賊になりましたとかじゃないし……。あたし達友達じゃん?友達が隠したいことくらい、手伝ってあげたいよね」
「はっはっはっ!くたばれ海賊!」
「くたばった先にいるんだけ──っゴボッ」
叫び声と共に喉の奥から赤くどろりとした血液が湧き出る。
カナエは死にかけだ。
五老星はこの面会でそれを知った。長くは無い。だから……口封じも必要ない。
ロジャー世代の最弱で、普通で異質で、インペルダウンで死にかけで、戦意は失った海賊。
「……もぅ、やれることは、全部やった」
ガープに子供を預けてエースの幼少期に添わせることも。インペルダウンでlevel5.5に目をつけさせることも。あとは時の流れに任せるだけだ。
「五老星……ひとつ、お願いがあるの……。ごほっ、あのねぇ、子供に罪はないよ、どんな人でも。天竜人だろうと海賊だろうと海軍だろうと、あなたたちだろうと。政府は……子供を守って……」
「……。全ては、不可能だ」
「わかってるよ……あぁ痛い……ごめ、ん、ねる」
──脱獄
ロジャーの息子が、20歳になる年。頂上戦争が始まった。もう子供じゃない。
「(私の
知識が、予知が、塗り替えられる。
カナエから見たリィンは、鈴音に似てるようで似てない。鈴音はすごく普通の子で、人を危険に巻き込むことに難色を示す。それは叶夢も同じだった。
……喜んで毒ガスへの被害者を増やす作業をすることなんてないだろう。いやなんて鬼の所業。人の命を命だと思ってない。お巡りさん助けて。
「アッ、そういや……俺は女狐に会ってるぜ」
「「「!!??」」」
女狐というカナエの理解外の存在について話が浮かぶと、カナエの中に仮説が生まれた。
「
ロジャー海賊団の幻、エース。その能力。
カナエはグルグルと考える。存在しないイレギュラー。自分の娘が巻き起こした事だとばかり思っていた※真実 のに、娘が存在するより遥か前から存在する人間が、原作と乖離を起こせるなんて思ってなかった。
めくるめく起こる原作乖離。予知が使えないことにワクワクとした気持ち。そうこうしている内に、リィンはマゼランを止めるために最後尾に向かうというのだ。
「──任せな下位互換ちゃん」
「よろしく、上位互換さん」
たったったっと軽快に走り出すリィンを見て、ハッとシキに詰め寄るのはカナエ。
「どういうこと!?いやいや流石にリィンが危ない……!ルフィ君でさえ敵わない男相手に」
「いやクレイジーちゃんなら平気だろ」
「リーなら平気だな」
「心配する気持ちはわかる良い。けどまぁ、リィンなら」
「リィンじゃしなぁ」
「相性最悪だろ?あぁ、最悪なのはマゼランの方だからな」
14歳の小娘1人。カナエでさえ絶対無理な相手。だと言うのにシキ、ルフィ、マルコ、ジンベエ、クロコダイル。即答である。
「リーは毒に強いから。やっさん心配すんなって」
ルフィの信頼にカナエはグッと息を飲む。
「それにマゼランって若くもないだろ?リィンの得意分野じゃねぇか」
「そうじゃなぁ。リィンじゃなぁ」
「リー、厄介なおっさん達にモテるんだよ。な、クロコダイル」
「七武海にも若いの入れ、あいつの威力を思い知らせてやる」
リィンと七武海になんの関係性があるのか分からない。カナエは頭抱えた。
「それよりリィンが居ない今、てめぇに聞きたいことが山ほどあるんだがなぁ?戦神」
「あっはっはっ、情報ないよ?」
「アレと違って情報戦に疎いのは知ってる」
「失敬な!って、言うことはリィンって情報強いの?」
「「「「べらぼうに」」」」
「……あの子、何、ほんと」
敵対した者はより一層分かる。規格外だ。
カナエも自分の娘の影響力と言うか、純粋に評価が高くてドン引きである。イレギュラーも初めから居るとこんな感じになるのか。
なお、その娘も同じことを思ったりしている。
「で、戦神。俺はアレが欲しい」
「はぁ」
本人は認めてないが、ロジャー海賊団のクルー、ダグラス・バレットのライバルだった男が放った言葉に、カナエは生返事をする。
それを宣言されても?と言う表情がとても分かりやすい。
「奪ってもいいよな?」
「あたしの物じゃないし、別にいいけど……」
「ダメだぞ!俺!おーれーのー!」
油断も隙もないとルフィが頬を膨らませる。カナエはズキズキ痛む内臓を押さえながら笑顔を浮かべた。
「さぁて、爆速で駆け上がって扉を加工しますか。シキとクロコダイルが」
「「お前は」」
「応援!」
あっけらかんと言い放つ。
あぁ気持ち悪いほど普通だ。異質だ。なぜこんな命の危機に、命を狙われた海賊に、笑顔を浮かべられるだろうか。
「……似てないようで、似てるな」
海兵にとって敵の海賊であろうと、笑顔を貼り付けて籠絡する女に。誰かが小さく呟く。
「ヒーハー!あんた達無事ね!これで逃げるのねオッケー把握!」
最後尾にいた面々も次第に集まる。リィンの事をよく知らないメンツは『ここで待つべきだ』と言うが、リィンの事をよく知るメンツは『上空を進むべきだ』と言う。飛べることを知ってるから。
その姿を見たことがないカナエも、少し不安そうな顔をする。
「……お前がそんな顔するとはなぁ」
「シキ。あんたあたしが人の心がないとでも思ってる?」
「わりと。なんつーか、無意識に信頼してるだろ。こいつはここでくたばらないだろうな、とかって。クレイジーちゃんだけだぜ、心配した顔すんの」
なんでだろうね?カナエは自分の心にそう問う。残念ながら返事は無かったので、自分で考える。
予測つかない存在だから?
しっくり来ない。もしかして──
「げほっ、っぐ、う……」
「やっさん、大丈夫か?」
「ありがとう、……平気。ところでルフィ君。なんであたしの事やっさんって呼ぶわけ?」
「なんとなくなんだけどなぁ……。んー、強いて言うなら」
ルフィは小さく唸ったあと答えた。
「おやっさん、の、やっさん?」
──そこにあるのは、小さな小さな母性だったのかもしれない。
「世界よーーーッ!あたしはこの世界に来れて幸せだぞーッ!」
ありがとう、この海に恋して良かった!
カナエにとっても2度目の人生はワンピースでした。
※あくまでもカナエ視点のリィン(鈴音)です
そういえば最近くまの過去が出たじゃないですか。わりと最近よりの加入だったようで。ちょこっと編集いれたりしてバランス測りますね。もしくは魔法の言葉、カナエ(orエース)のせい。
次回、新章。