2度目の人生はワンピースで   作:恋音

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第275話 王の凱旋

 

 

 エースの海賊団とバレットがぶつかったとの情報を入手した。青い鳥(ブルーバード)で隠し持っていた情報を振り回してね。(上空物理)

 

 あいつらほんとに兄の情報隠すのやめて欲しい。

 ルフィは私が、サボは革命軍という組織で、情報が流れて着やすいし情報戦で勝てる。

 

 しかし、白ひげさんの船から外れたエースは1番把握しにくい。

 そして現在1番狙われやすい立場だ。

 

 エースはシャンクスさんともぶつかったばかり。

 両者痛み分けでシャンクスさんは左腕に大怪我を負うほどだ。

 

 回復しきっていないスペード海賊団なら、相手がまずい。

 

 

 ──〝鬼の跡目〟ダグラス・バレット

 

 

 (ロジャー)の死後、最も脅威を持つ史上最強の男で後継者として注目されていた国家戦力級の能力者。

 

 ロジャーの元で『仲間では無い』と言いながらもロジャーの強さに執着を持っていた。

 

 

「古兵が口を揃えて『やめておけ』と言う奴が……っ!」

 

 

 

 エースのビブルカードを辿って向かった島はデルタ島と呼ばれる島だった。形が特徴的な島は永久指針(エターナルポース)が無かったとしても頭には入っている。

 

 『俺』は空中で箒を仕舞い、女狐の格好のまま降り立った。

 

 

 急げ。エースが死んでしまう前に……っ!

 

 

 島中に音響機械が置かれ、なにかの飾り付けがされている途中だったのだろう。チグハグな島の中を私は駆け抜けた。視界が開けたその時、俺は衝撃的な光景を目にすることになる。

 

 

「──なぁバレットっ!俺の仲間になってください!!!」

「「…………は???」」

 

 はい。バレットに馬乗りになって勧誘してるエースの姿です。

 

 

 えっと、ごめん、心配返してくれる?

 

「なん、えっ、はぁ???」

「いいだろバレット!俺、お前、気に入った!俺の仲間になってください!」

 

 戦闘態勢に入っていた私の勢いがどんどん殺されていく。思わず膝から崩れ落ちた。

 

「……?誰だ」

「白いフード……?」

 

 エースとバレットの声だ。

 俺は眉間に皺を寄せ、顔をあげた。

 

「……っ!」

「……んん?」

 

 バレットは顔を見て仰天した顔をし、エースは悩ましげな表情を浮かべている。

 

「久しぶりだな、バレット。──火拳のエース」

 

 そう声をかけた。

 

 今はリィンではなく幻のエース君だ。

 なんでかって言うと……変装の時間がもったいなかったからです……。

 

「お前、起きたのか」

「起きてたぜ」

 

 ザッザッと足音を響かせて歩み寄るとバレットは警戒して全身の筋肉に力を入れた。溜めに入ったそのモーション、見慣れている。恐らく間合いに入った途端ぶん殴るつもりなのだろう。

 

 そうはさせるか。一瞬で意表を突く。

 

「──クロコダイルがショタ化したそうだぞ」

 

 

「…………………………待ってくれ」

 

「待たん。シャンクスが幼女に手も足も出ない上にバギーは七武海でおもちゃにされてるぞ」

「待て、頼むから待て」

「副船長様は娘をセンゴクに奪われたぞ。笑えるよな」

「だから待て。本当に待て」

「ところでお前何連敗だったっけぇ〜?暴力はんたーい。遊びですら勝てねぇ小童が逃げ越ししようとしてんじゃねぇよ」

 

 バレットは顔面に手を当ててふっかいため息を吐いた。戦意喪失である。

 分かるよ、どうでもよくなるよね。

 

「……リーとリーの母ちゃんに似てる、ような?」

 

 エースのその呟きに俺とバレットはお互いに顔を見合わせて「「カナエの事か」」と納得した。

 

「エース、俺たちの音楽家が起きたぞ」

「お、今回の功労者……!お疲れ様」

 

 スペード海賊団の副船長兼船医のデュースが声をかけた。

 

 人混みから現れたのは、一人の女の子。

 

 何が起こったのか、この場の人間は誰一人として傷付いて居なければ島も無事。

 バレットの強さを把握するには島を犠牲にしたっておかしくない。

 

 その解決策が、この人だと確信した。

 

「ふわぁああぁ、おはよー、エース」

「おう、おはよう。──ウタ」

 

 

 

 

 ==========

 

 

 

 スペード海賊団は白ひげ海賊団から独立した後、仲間を集めながら偉大なる航路(グランドライン)を渡っていた。

 

 そんなスペード海賊団が音楽家として起用したのはとある島で1人で歌を歌っていたウタだった。

 その歌声に惚れ込んだエースはしつこいと言われるくらいの勧誘の上、仲間に引き入れることに成功したのだ。

 

 しかし問題はここからである。ウタは四皇赤髪のシャンクスの娘であった。

 

「なら挨拶しなきゃな」

 

 シャンクス自身は同じ船には居ないものの『ウタは赤髪の海賊団の音楽家である』という認識のままであったので実質引き抜き。娘であるウタに責任を取れとは言えない分、誰にヘイトが向くかと言うともちろん船長であるエースだ。

 

 スペード海賊団と赤髪海賊団の戦争の正体である。

 

「俺の娘を、お前に預ける。預けるだけだからな、やらんぞ!!!」

「ありがとうございます!」

 

 結局シャンクスが折れたのは余談だろう。

 

 そんなスペード海賊団の音楽家の能力はウタウタの実。歌によってウタワールドという仮想空間へ取り込まれるという厄介な特性を秘めた能力だった。それが今回、『島も体も無事だった』という結論に至った最大の要因である。

 

 

 

 ブエナ・フェスタ。

 世界一の祭り屋として知られ、情報屋や武器商人とも深い繋がりがあり黒い噂の絶えなかった男だ。海難事故で海王類に食われたとの話が流れたっきり、約20年間姿を表さなかった。そんな彼は何年かに1度〝海賊万博〟という祭りを開催するのだ。

 スペード海賊団は偶然にもその万博の準備中にログを辿って訪れたのだ。

 

 海賊王の遺品とも呼ばれるレベルのお宝を用意していたフェスタは、海賊王の遺児であるエースが開催前に現れたことに心から感謝した。

 

 良い客寄せパンダだと。

 

 しかしエースは縛られることを拒んだ。であれば、武力行使に他ならない。

 

「しししっ、私のデビュー戦って感じじゃない?」

 

 開催のために仕込んでいた音響設備を乗っ取られ、島全体が音楽に包まれた。

 

 ウタワールドではウタの想像通りの事柄が発生する。全能を前に鍛えられた覇気も最強の能力も身体能力も、全て相性が悪い。

 

 

 人的被害も損害も一切ない仮想空間での、もはや戦闘訓練。

 エースは、白ひげより強い(・・・・・・・)男を目の前にして世界の広さを再認識した。

 

 誰よりも強い。誰よりも気高い。

 

 だけど。

 

「ダグラス・バレット。1人じゃ何も出来ないぜ?」

 

 スペード海賊団は弱くない。むしろ強い。

 『仲間を守る』ことにおいて彼は逃げたことが無い。そして死んでないことは負けたことがないという事だ。

 

「仲間が何になる…!俺の〝強さ〟は、俺1人だけが勝つためにある!」

バーカ(・・・)、強さの根っこには、仲間が、そんでもって守りたいものがあるんだよ……!」

 

 誰にも奪えない真っ赤な炎が

 まっすぐ狙いを定めた。

 

「この海を1人で生きてる奴なんていねぇだろ」

 

 守るため、躊躇なく繰り出された火拳はバレットの胸を焼き尽くした。

 

 

 

 ダグラス・バレットの敗因は──その言葉にロジャーを、仲間を思い出してしまった事だ。

 

 

 

 バスターコールでなければ捕えられない。または超新星や政府や海軍など様々な猛者が集わなければ勝てない様な相手。スペード海賊団は無傷で勝利を収めた。世界は激震することになるだろう。

 

 

 そして現在──

 

 エースはダグラス・バレット、そして謎の白装束の人物を見定めている。

 

「で、お前……誰だ?」

 

 火拳。海賊王の息子。そう呼ばれる男はこの世に1人しか居ない。

 

 しかし、エースと呼ばれる男は2人居る。それはこの世界の中核とも言える人物達しか知らない。

 

 火拳のエースが小さく疑問を口に出した瞬間、常に仏頂面だったバレットが小さく口角を上げた。

 

 

「ただの通行人Aだよ。あと、バレットの元仲間」

 

 A(エース)があっけらかんと言い放てば、エースは驚きの表情、そして安堵をした。

 

「なんだ、ひとりじゃねぇじゃん」

「バレットは1人になりたがり病だからな」

 

「…………仲間は判断を鈍らせる。無駄だ」

 

 エースはそれを真っ向から否定した。

 

「違う。仲間は、力だ。俺はデュースと出会ってから死に目を何度も乗り越えてきた。デュースが居なかったらそもそも島から脱出できなかったし……。とにかく誰かに助けられて、誰かを守る信念が自分を奮い立たせてくれる。この世でたった一人でも俺を愛してくれる人がいるなら、そいつを守るために頑張れる」

 

 差し出した手をバレットは見つめた。

 

「だから、俺の仲間になってください。バレット、俺は諦めねぇよ」

 

 数秒か、数分か。

 悩んでいたバレットはその手を叩いた。

 

「……船には乗ってやる。だが、仲間なんて呼ぶな」

「やったー!皆!バレット口説き落とした!!!仲間だ!!!」

「バレットさん強かったもんな。あーあ、エースがまた調子に乗り始めるぞ」

 

 

 バレットはその男にかつて叶わなかった2人の男の影を見た。1人は隣にいるA。そしてもう1人は死ぬ寸前まで勝てずに終わった海賊王。

 

「(海軍も海賊も楯突くやつ全てを殺して、この男を海賊王にする。──そして、俺が最強となる)」

 

 万博を隠れ蓑にしなくともバレットの目的である『数多の敵と戦い勝つこと』ができるだろう。そしてエースは強くなるはずだ。ロジャーのように。

 

 

 だが、そんな思考を読んだ者が1人。

 

「──エースはロジャーとは違うぜ、バレット」

 

 喜んでいたスペード海賊団も、バレットも、思わず息をとめた。

 

「なんで、海賊王の名前が……?」

「教えてやるよスペード海賊団。バレットはお前をロジャーのように強くして、ロジャーではなし得なかった勝利を味わうつもりだ」

 

 思っていた事を丸々当てられたバレットは表情には出さないもののAを恨む。

 これだから、この男の底が知れないのだ。物理的な強さではなく得体の知れない、気味が悪くなる感覚。

 

「……エース、教えておいてやる。ダグラス・バレットは元ロジャー海賊団の一員だ」

 

 元白ひげ海賊団の四番隊隊長であるサッチが情報の補足をした。

 スペード海賊団において、直接ロジャー海賊団と対峙したことがある唯一の人物だ。

 

「だから、この白フードも元仲間って事は」

「…………ご明察だな」

「シラヌイ・カナエに似てる顔って時点で嫌〜な予感はしてたんだよなぁ。カナエが生き返ったのならどれほど楽だったか。お前が──〝幻〟のエースか」

 

 火拳のエースは同じ名前に目を見開いた。

 

「…………。そうだな、今はそう名乗っておこうか」

 

 女狐の仮面を取り出しかけて、再びしまったAはエースの額に指を当てた。

 

「へぇ。予想はしてたがやっぱりか」

 

 くつくつと喉の奥から湧き上がるような笑い。

 エースの冷や汗は止まらない。なんだ、この不快感は。

 

「ドーモ。リーちゃんとフェヒ爺君の名付け親の、元祖エース君だぜ?後輩エース君」

「……っ!!!」

「ふはっ、んな怯えんなよ。食いやしねぇから。せっかく生かした(・・・・)命なんだからよ」

「いか、した?」

 

 記憶を覗かれたかの様な不気味な感覚にエースは思わず距離を取った。

 

「うーん、あの小娘割と余計なことしてるんだなぁ。まさかこの場のほぼ全員に正体が割れてるとは思わなかったが……ま、面白いからいいか」

 

 なんのことを言っているのか分からないが、エースは『小娘』と呼ばれる覚えのある、しかもこの場のほとんどが知っている人物は1人しか心当たりが無い。

 真っ青になる顔色を見てバレットが思わず口を挟んだ。

 

「おい意味深女顔、それ以上はやめておけ」

「誰が女顔だ1582敗野郎」

「1579敗3引き分け」

「どっちみちじゃねーかよ」

 

 Aは不服そうな顔をして精神攻撃をやめた。不服だ。不本意でもある。これは仇討ちのようなものなのだ。

 

 

 

 

 

 ──だって、スペード海賊団にバレットは無いじゃん!

 

 心の中の幼女が胃痛な叫びを上げているので。

 

 

 ==========

 

 

 

「まー、あれだ、殺る気はねぇよ。俺が手を出して潰れたって面白くねぇし」

 

 現場のエースくんですどうも。

 心の中のリィンちゃんはとんでもなく泣き叫んでいます。

 

 女狐=エース君の布石は撒けたとは言えど、感じたことの無いレベルの胃痛に襲われている私としては追加でドンドン攻撃していきたい所。

 

 脅したりとか。

 脅したりとか。

 ……脅したりとか。

 

 記憶が読めるフリをしてSAN値を削りたかった……!

 

「ただ、後輩にひとつ忠告しておいてやる。海賊王になる道の最後の1ピースは、お前の妹だ。自覚があるかどうか分からねぇがな」

「……ん、わかった」

 

 絶対、殺すなよ〜。頼むから誰かが殺そうとしても止めてよ〜?

 拷問とか掛けられたらすぐに吐くけど。

 

「エース、妹って?」

 

 ウタと呼ばれていた音楽家が疑問符を浮かべる。

 

「あぁ、俺には弟妹が居るんだ。リーと、サボと、ルフィ」

「……ルフィ!? ルフィって、シャンクスの麦わら帽子被った、目の下に傷がある、あのルフィ!?」

 

 おっ、とぉ????

 これは、どういう事ですか?

 

「そうだけど、ウタ知ってんのか?」

「知ってるも何も、幼なじみ!シャンクスと一緒にフーシャ村に行ったもん!」

 

 興奮気味のウタさんの言葉と、私の記憶を辿る。

 

 ふむふむ、つまり私がルフィと出会う前にウタさんとルフィは既に出会っていて、私がフーシャ村に訪れた時は船で寝ていたということか。

 

 え、シャンクスさんの娘ってまじ?

 

「おいエース、あいつらは何に盛り上がってんだ?」

 

 バレットが俺に説明を求めてくるので渋々説明をする。

 

「インペルダウンでバギーとクロコダイルと戯れていた金髪分かるか」

「あぁ、お前の名付け子」

「後輩エースとアレの義兄弟の1人。麦わら帽子と幼なじみ。シャンクスの娘、以上」

「説明が雑すぎる」

「もう眠てぇんだよ、帰らせろ……」

「また『眠る』のか」

「…………いや、暫く起きたままだろうな」

 

 俺はバレットを見上げた。

 

「俺の名付け子は味方につけれるならつけとけ」

「……!お前がそんなことを言うとはな」

「そっちの方が面白ぇんだ。なんせアレ、色んな海賊の弱点を握ってくるからよぉ?聞いてみろよ、笑えるぜ」

 

 本当に笑えるんですよね。胃が痛すぎて。

 スペード海賊団にダグラス・バレットとシャンクスさんの娘は無いってマジで。やめて欲しい。ほんとにやめて欲しい。私の命だけは助けて……。

 

「嘘だ!嘘だ嘘だ嘘だ!俺の、完璧な祭りが!」

 

 胃痛を必死で隠す中、顔のでかい男が起き上がった。

 

「こんな……っ!ぽっと出のやつらに!」

「………誰だ?」

「ブエナ・フェスタだ」

「説明足りねぇんだよガキンチョ」

 

 胃から鈍痛が聞こえている中、私の長年のトラブル系直感がここでこいつを無視しちゃダメだと訴えてくる。

 

 なぜ?

 バレットをとっ捕まえた手腕?何かを沢山でいた形跡?それともエースが来たから?

 

 ぐるぐると思考が必死に正解を求めている中、それは判定した。

 

「──せっかくラフテルの永久指針(エターナルポース)を手に入れたって言うのに」

 

 ……………………は??

 

「なんで、そんなモノがこの世に……」

「パチモンだろ。ロジャーが残すわけがねぇ」

 

 エースがぽつりと呟くので俺がすぐさま否定に走った。うん、本音だ。本音だけど、ロジャーでは無い可能性だってある。

 だから『ラフテルへの指針』が偽物であると断定出来ないのだ。

 

 そしてその真偽が分かる者はこの場にいない。

 

「おい、フェスティバル野郎」

「語彙力。」

「……ブスなフェスティバル野郎」

「悪口。」

「ゴホン!……で、そのお宝はどこにあるんだ?」

 

 バレットの合いの手を交わしてブエナ・フェスタをにっこり笑顔で催促。

 ビクリと怯えた男は、ちらりと後ろにいるバレットに目をやった。

 

「だ、誰に言うか……っ!」

「おーおーそうかいそうかい。なら、拷問しないとなぁ?なぁに安心しろよ。お前が『祭りが始まるまでバレットに預けておけばこの怪物に勝てる人間なんざ出てこないから安心だ!』って言うまでちゃーーーんと可愛がってやるからよ」

 

 懐からペンチ(赤黒いインク付き)やハサミ(赤黒かったり白いインク付き)やハンマー(もちろんインク付き)をガサゴソ上機嫌に取り出す。

 え?パレット特性の脅し用ですよ。ハンマーはともかく使い回しの道具は使い勝手悪いじゃないですか。

 

「あぁ、安心しろよ。俺ァ優しーから、お前が好みじゃなくても最後まで付き合ってやるからよ♡」

「…………はぁ。エース、これだ」

 

 視線は雄弁とは言うけれど、予想通りだったのかバレットが箱をこちらに投げてきた。

 

「……………………面白いところだったのによォ」

「分かってるのに嬉々として拷問しようとすんな、タチが悪い」

 

 拷問やりたくなかったので早々に諦めてくれて良かったぁ。

 ほっとした心を隠して、舌打ちをひとつ。

 小さな宝箱にぐるぐる巻きにされた南京錠を指で壊すフリをして不思議色で壊した。中から取り出されたのはラフテルと書かれた永久指針(エターナルポース)だ。

 

「これはハズレだな。パチモン。方角が違ぇよ」

 

 バキッ。

 

 パラパラとガラス片が地面に落ちていく。

 

「そ、そんな……」

 

 絶望に顔を染めて項垂れているブエナ・フェスタ。

 

 彼は崩れた永久指針(エターナルポース)偽物発言(ただのハッタリ)か、どちらが大きなダメージを負ったのか分からないが、戦意喪失と言っても問題ないだろう。

 

「後輩エース君。つーわけだ」

「えっ、え、はい、なん……ですか」

「バレットをよろしくな。悪いことしすぎないように止める方向性で」

「えぇ……」

「バレットは後輩君をよろしくな。同じ名前のよしみだ。俺の代わりに可愛がってやってくれ」

「つまり殺せと?」

「なんでだよぶち犯すぞてめぇ」

 

 腹立つなコイツ。

 やれやれと震える胃を叱咤してニヒルに笑った。

 

「ちなみに、さっきまでそこに海兵が隠れてました。じゃーな」

「はぁ!?」

 

 

 目くらましの砂埃と共に、一直線にとある場所へと向かった。

 

 

「──負けられないな」

 

 未熟な王の胃痛案件(ライバル視)に気付かず。

 

 ==========

 

 

 

 

「──センゴクさん!」

「断る聞きたくない!」

「最悪なことと最悪なことと最悪なこと、どれから聞きたい!?」

「断る聞きたくない!」

「スペード海賊団にシャンクスさんの娘が加入してたしダグラス・バレットも加入した!ラフテルの永久指針(エターナルポース)ゲットした!」

「きゅう(久しぶりの胃痛の悲鳴)」

「私も!気絶!したいよバカーー!!!!」

 

 指針、もちろん入れ替えるよね。

 

 さーて、気絶&吐血入ります。

 

「──ごふっ!!!!!!」

 

 ……神様、私に恨みでもあるんですか。あるなら言ってください。善処しますから。




だって海賊王の唯一の血族だぜ???(言い訳)
映画悪役達を従える次世代の器です。覇王色持ってるんだしね、生き延びたからにはリィンを困らせる方向で頑張っていただきますよ。
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