2度目の人生はワンピースで   作:恋音

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第279話 魚人島のブームは青いリボンです

 

 

 キラキラと陽光が差し込む。

 海底1万メートルとは思わないほど明るく、大きな2層のシャボンに包まれたその島は、幻想的に美しかった。

 

 シャボンの周りには巨大な木の根があり

 

「やだぁん♡美しいわね」

「サンジさん、またおかまになっちゃってるわ」

「……は!くっ、俺はまだ、おかまの呪縛に囚われて……!ありがとう、ビビちゃん、ウチらズッ友だょ」

 

「光?なぜこんな深海に?」

「眩しすぎて目がくらみます!くらむほどの目、無いんですけど」

 

「ナミ、リィン、ハチ!あれか!?あれ、魚人島か!?」

「えぇ、指針はあそこを指してる。間違いないわ」

「同意ぞり」

 

 初見だろうと、改めてだろうと、やはり魚人島は美しい。

 景色に感動はあまりしない質なのだけど、この景色はいつまでも見ていたいくらい好きだ。

 

 そこにある闇さえ見なければ。

 

「魚人島の入口を探しましょう。私の天使(リィン)!ここは海流がなさそうだからお願い出来る?」

「ちょっとルビが不穏だったような」

 

 そういえば、一般的な海賊はどうやって島の入口まで入るのだろうか。シャンクスさんもロジャーも割と特殊な方法で入ったというか、迎えが来て入った形になるから……。

 

「ねぇ、あれ何!?」

 

 メリー号の悲鳴に近い声。

 海獣の群れが現れた。6匹くらいの海獣が船を取り囲んでいる。しかも指示ありのようで、背に誰か乗っている。

 

 ルフィが目を輝かせている隙に周囲を確認した。遮蔽物も無し、伏兵も無し。

 まぁそれはそうか。だって、陸の人間はここまで囲まれたら為す術なしだ。

 

 海獣の上に乗っていた魚人は私たちに向けて『お前たち、麦わらの一味だな。死にたくなければ降伏しろ』みたいなことをおっしゃる。

 

「何言ってんだおめー」

「あぁ!?どうやら状況が分かってないらしい」

 

 敵の魚人は胸にアーロン一味の刺青を入れていた。

 

「新魚人海賊団の傘下に、加わるか、深海1万メートルで為す術もなく死ぬか。どっちだ」

 

 帆は閉じている。

 私たちは何も準備せずに傍観していた。

 

 言うなればあれです。

 『為す術があるから全然脅しになってねぇんだよなぁ。可哀想になぁ』って感じの顔です。はい、便利なリィンちゃんが何とかしますよ。

 

「ハモンド!何をやってるんだ」

「なっ、ハチさん!?」

「新魚人海賊団って、一体俺が居ない2年間で魚人街はどうなっちまったんだ!」

 

 どうやら知り合いだったようだ。

 アーロン一味とも縁があったのか、はっちゃんって。便利だなぁ〜。

 

「はっちゃん、どうするです?」

「にゅ、何がだ?」

「一旦船ぞ降りるか、このまま一緒に入国までしちゃうか」

「にゅー……、俺も海賊だからな、本土に入国は出来ないかもしれねぇんだけど」

「あ、いや、そこは心配なくてですね。まぁいいや、情報欲しいですし、どっちの立場でもいけるようにしますか」

 

 私は刃物をはっちゃんの首筋に添わせた。

 

「人質とは卑怯な……!」

「俺たちが、お前らの傘下になんか入るわけねぇだろ!ばーーーか!全員、しがみつけ!」

「もうとっくにしてるわルフィさん」

「よし!リィン、頼んだ!」

「了解キャプテン」

 

 しがみついていれば吹き飛ばされない微妙な力加減で私は、海を操り船を吹き飛ばした。

 

「なぁ!?」

 

 魚人が驚く顔を下に、バランス用の箒とはっちゃんを掴みながら船は魚人島の入口へと向かう。

 

「便利だな」

「便利だ」

「困った時のリィン」

「クオー!」

「クエー!」

 

 バタバタ捕まりながら賞賛の……これ賞賛か?やんやなんだか言われながら無事追手も無く到着した。

 入口、やっぱり海賊は入れないよね。

 

「……ここが、入口か?」

 

 大きな帆船が入れるような門に船を置いた。

 守衛が船が到着したのを見てバタバタと連絡に走る。

 

「でっけーなぁ」

「ごめんリィン、ひとつ懸念事項があるんだけど、私たち海賊なのに魚人島ってこんな堂々と入れるわけ?」

「アーッ、それは」

「ふふ、大丈夫よナミさん」

 

 ビビ様がにっこり笑いながらナミさんの肩を叩いた。

 

「魚人島は『海賊達の楽園』とも呼ばれていて、海賊を客として経済を回すことに長けているの。世界政府加盟国ではあるけれど、海賊が落とす金で成り立つ観光地といったところね」

「へ〜!そうなの!」

「えぇ。その代わり守衛達はすごく強いから治安維持は大丈夫みたい。つまり島民や島に被害がなければ、穏便に過ごすことが出来そうよ」

「詳しいのね、流石王女」

「あはは、実はボスのところで勉強したの。ボスは商売を手広くやっていて、珍しいけど魚人島との貿易も行っていたから。あっ、魚人島はお菓子が有名なのよ」

 

 もしかしてビビ様、各国の知識を頭に入れてるとか?

 すると魚人島入口の守衛2人が少し躊躇いがちに声をかけた。

 

「あの、すみません、海賊の方々」

「ん?どうしたんだ?」

「手配書との確認をしたいので全員顔を見せてくれますか?」

「おー、いいぞ。ビリーは手配書になってなかったっけ?」

「おう」

 

 一味は守衛の言う通り全員顔を出した。一応念の為、と言わんばかりに船内を確認すると特に問題もなくOKをいただけた。

 そうだろうよ、怪しいものは一切無いよ。私がしまってるからね。

 

「アーロン一味のハチは案内人でしょうか」

「おう!そうだぞ。ここまで来るのにいっぱい助けてくれてありがたかったんだ!」

「なるほど」

 

 聞き取りにメモを書いた守衛は少し待っていてください、と言ったあと建物の中に入っていった。

 残された1人は嬉しそうに笑顔を見せている。

 

「普通人間の海賊はここまでさせてくれないんですけど、助かりました」

「いやいやメッソーもない」

「微妙に使い方違うな」

 

 ルフィが船長ということで大体のやり取りをしてくれている。嬉しい、妹大歓喜。ちゃんとやり取りが出来ている。会話ができている。

 自分の兄がちゃんと人とのコミュニケーションが取れる人間で良かったぁ。

 

「ところでその、救せっ、堕天使さm、んは」

「…………。はい」

「救せっ、名前でお呼びしてもよろしいですか?」

「………………。はい、どうぞ」

「ありがとうございます救世、リィンさん!」

 

 頭を九十度に曲げられた姿を見て一味がぎょっとした。

 

「下僕作るの早すぎるぞ下僕製造機」

「流石リィンの魅力ね」

「何やらかしたんだてめぇ?」

 

 私は胃痛と共にだんだん目が死んでいくのを自覚した。

 

「──確認取れました!麦わらの一味の皆さん、王宮へ招待されています!」

「「「「「「何!?」」」」」」

「あぁ……」

 

 思わず遠い目をしてしまった。そう来たか。

 

「救せっ、堕天使さんと船長の麦わらのルフィさんを名指しで!」

「ルフィも?」

「もってなんだおめーまるで自覚があるみてーに」

「なるはやで、行きましょう。観光などその後でも十分です。……あ、あと。海底で新魚人海賊団に絡まれるしますた。ここ最近、人間の海賊船無いのでは?」

「……!ありません」

「…………こちらからも報告はあげるすておきますが、一報お願いします」

 

 あーあ。

 もう胃痛が止まらないよ。

 大変な時期に来ちゃったんじゃないこれ。

 

「それと同じくお2人に伝言が」

「「伝言?」」

 

 兄妹揃って首を傾げると守衛が嬉しそうな顔をして言った。

 

「『王宮にて待つ』と、タイヨウの海賊団のジンベエさんから」

「ジンベエ!?」

「ジンさん!?」

 

 

「にゅ!?ジンベエのアニキに麦わら達が!?」

 

「お、ハチも知ってるか?友達なんだ!」

「ジンベエって元七武海の……あぁ……七武海か」

「2年後魚人島で会おうって約束したんだ」

 

 ジンさんはタイヨウの海賊団という海賊の船長で元王下七武海。

 タイヨウの海賊団は七武海だからこそ魚人島への出入りは出来ていたけれど、七武海から脱退した今どういう状況になってるのか分からないけど王宮で待っている模様。

 

 戦争後魚人島への影響がどんな感じになったか分からないけれど。王宮の出入りは可能だったか。

 

「ジンベエさんと麦わらは知り合いだったのか」

「おう。戦争で助けてくれたんだ」

 

 ルフィがはっちゃんに説明している中、ビビ様が私の肩を叩く。振り返るとコソコソと顔を近寄らせた。

 

「ねぇリィンちゃん。ネプチューン王ってあのオレンジのもじゃもじゃしてる人だったよね。あのおっきい」

「はい、そうですぞ。あのおっきい人魚の」

「魚人島は綺麗ね。まだ入ってないけど、キラキラしてて……行ってみたいってずっと思ってたの、リィンちゃんの話を聞いた時から」

 

 かつて世界会議でアラバスタの護衛としてお呼ばれした際、会議中はビビ様と共に外で遊んでいた。

 窓からこっそり覗いた先にリュウグウ王国の国王が居たことを未だに覚えていたのだろう。

 

 私は細かく覚えてないけどね!!

 それよりその後に起こったジェルマのうだうだで頭支配されちゃったから、そんな平和な幕間みたいな話覚えてない。

 

「来れて良かった!」

 

 ビビ様の楽しそうな笑顔に似たような笑顔を返して、入国許可証と王宮への通行券を受け取る。

 

「ケイミーちゃん達と合流してから王宮に向かうって事で会ってるかしら?」

 

 おかまサンジ様が小指を立てながら顔に手を当てて聞いてきた。

 

「そう、ですけど」

「やめろォサンジィ!おかまのせいでリィンが今まで見たことないくらい微妙な顔をしてるから!」

「ドクターチョッパー、どうにかしてやってくれよ!こいつ、人魚をエロい目で見るのが夢だったんだよ……!こんな、性欲の欠けらも無い状態だなんて、虚しくって仕方ねぇよ……っ!あまりにも可哀想だ!」

「ごめんなサンジ、俺が、男に戻すことさえ間に合えば……っ!」

「ホントこの2年で何が起きたおめーに」

 

 チョッパー君とウソップさんがおかまサンジ様にしがみつく。

 あーもうやってられるか。

 

「それでは開門します!」

 

 魚人島は2層のシャボンで出来ており、外側の門で入国審査を終えたあとは内側の門まで空中の通路を通らなければならない。

 船は水の流れでゆっくりと前進している。

 

 そして内側の門が開かれ、入江へと船は進んだ。

 

「すごい、海の中なのに太陽と雲がある」

「どういう仕組みかしら。空に魚影が見えのは深海の証拠ね」

「気圧とかは一体どうなっているのかしら」

 

 それぞれが疑問の声をあげる。

 すると、船の周りから声が聞こえた。

 

「海賊船だわ!」

「あ、ほんと。いつぶりかしら」

 

 魚人島の海の中から、そして空から。女性の声だ。そしてここは人魚の入江と呼ばれる場所。つまり女性の人魚が多いということ。

 

「こんにちは、あんまり怖そうじゃないのね」

「あら、人間っぽくないのもいるわ」

 

 すると隣でおかまサンジ様がポタポタと涙を流し始めた。

 

「人魚、人魚だ……!俺は、俺は……──男サンジだ!(ドーン)」

「治った!」

「俺はあの地獄みたいなおかまの島でおかまに惑わされながらアイデンティティを失いかねない生活から、俺は、洗脳のように、俺はレディを愛しているってのにそんな……!おれは、俺は報われてもいいはずだ……!」

「ヨホホホホ!マーメイドさんが沢山居ますねぇ!私、目移りしてしまいます!移る目、無いんですけどー!」

 

 ……。

 よし、無視しよ。

 

 

「ケイミーさんとパッパグさんと合流するにはどこに向かったらいいの?」

「ケイミーはマーメイドカフェで働いているんだ」

「へぇ、楽しそうね」

「パッパグはギョバリーヒルズで大きな屋敷を持ってて、ケイミーはハマグリを毎日持っていってるから、パッパグのところに行くのが効率がいいかもな」

 

 船着き場に船を停める。

 錨を下ろす前に私は船をアイテムボックスにしまった。

 

「っ!?び、びっくりした。なんだ、アイテムボックスか」

「あ、ごめんです。全員船から降りますし、船は隠すすておいた方がいいかなって」

「アウ、スーパー納得だぜ!サニー号丸ごと仕舞えるんだなリィン」

「はいです。前はメリー号くらいの大きさが限界ですたけど、2年後の私はサニー号もペロリですぞ」

 

 アイテムボックス経験者のメリー号が『嘘つけ、もっと入るじゃん』みたいな顔してるけど、私も限度知らないんだよね。

 知らない方が使えると思うから、知らないままにしておくよ。

 

「フランキー、抱っこしてよ」

「おう、任せなメリー」

 

 キョロキョロと辺りを見渡すメリー号はひとつの疑問を口にした。

 

「なんだか、青いリボン付けてる人が多いね」

「ほんとだな」

 

 よく見ると髪を結っている人魚はリボンをつけている個体がほとんどだった。

 

「あっちにギョバリーヒルズがあるからケイミー達と先に合流しよう」

 

 ハチの案内で街中に向かう。

 名残惜しそうなサンジ様やブルックさんをそれぞれが引き摺って進んだ。

 

「……。気の所為かもしれねぇが」

「おう、言ってみろゾロ」

「なんで魚人は青リボンが流行ってんだ?」

「さぁ?」

 

 街に行けば行くほど、小さい子はともかく大人の人魚まで青いリボンを身にまとっていた。

 しかもよりによってツインテールばかり。

 

 ギュッとフードを深く被った瞬間、遠くから人魚とヒトデが手を振りながら走り寄ってきた。

 

「お〜〜〜〜い!ルフィち〜〜〜ん!」

「ムギ〜〜〜!お前ら〜!」

 

 ケイミーさんとパッパグさんだ。

 2年前ととくに姿は変わってないらしくない、合流出来た。

 

「1ヶ月勘違いしてたけど、会えてよかったよ〜!魚人島全体に海賊が来たって通達があったからパッパグと一緒に来たんだ」

 

 ケイミーさんの説明に麦わらの一味は再会を喜ぶ。

 大雑把に今まで起こったことを説明する。

 新魚人海賊団に絡まれたこととか。王宮に招待されたこととか。

 

「えええええええええぇぇぇえ!?王宮にぃ!!?」

「うるせーよケイミー!静かに!」

 

 舌を出しながら驚く。ああ、私にもその時期あったな。

 

 

 キョロキョロとフードを深く被っているとロビンさんに不思議そうに顔を覗かれた。

 

 

「ところでケイミー、町の人って皆青いリボン付けてるんだけど、魚人島の文化なの?」

「あぁ、うんそうだよ!」

「この国にはみんなが大好きな王妃様が居て、その王妃様を守った人間がいるんだよ」

 

 

 ロビンさんは両手交差させた。

 

「それは救世主って言ってね、小さな女の子だったんだけど。救世主は青いリボンを着けていたことから」

 

 

「〝ミル・フルール〟」

 

 にょきりと私の後頭部から手が伸びてフードと帽子を引っ張って取った。

 

「あっ」

 

──パサッ

 

 帽子が地面に落ちて顔が露出する。

 周りから一気に視線を感じた。

 

「人間よ」

「なぁ、あれって……」

「地上でも流行ってるのか?」

「まさかそんな」

 

 疑惑、疑惑。そんな目は1人の人物によって打ち破られることになる。

 

「リィンさん!」

 

 凄まじ勢いで近付いてきた1人の人魚が、私に飛びかかる。

 視界の端で警戒するように各々が武器を構えていたけれど、ケイミーさんやはっちゃん達のギョッとした表情で見た。

 

 

「──会いたかったわ!私の、私たちの命の恩人!魚人島の救世主!」

「「「お、オトヒメ王妃!!!??」」」

「「「「ええーーーー!?王妃ーーー!?」」」」

 

 胃痛が『お前今日もやってんな』と悲鳴を上げた。

 

「キャー!!本物の救世主だわ!」

「俺本物見たことあるんだけど、大っきくなってる!」

「救世主様〜!王妃様を救ってくれてありがとう!」

「王妃様嬉しそう」

 

 私をぎゅうぎゅうと抱きしめる人物……オトヒメ王妃の身体から突然ボキッと音がした。

 えっ。

 

「い、いたーーーい!だ、抱き締めすぎて……!」

「チョッパー君!診察!」

「お、おう!……圧迫骨折だ!」

「弱っ」

 

 これ、え、傷害罪になったりしないですよね。

 胃がキリキリと悲鳴を上げている。

 

「救世主様、握手してください」

「救世主だ、救世主がまた魚人島にやってきてくれた!」

「でもパパ、あれ海賊じゃないの?」

「海賊でも皆が大好きな王妃様を救ってくれたことに変わりはないわ」

「救世主ーーーー!すきだー!!!うおおーー!!」

 

 大歓迎の魚人島の様子に、私は全てのやる気を無くしてしまった。

 

「リー?どうした?」

「……ニコ・ロビン、許すまじ」

「あら、怒られちゃったわ」

 

 気付いたな。気付いてわざとやらかしたな。

 この愉快犯を許してはならないと心底思った。

 

「う、ふふ。ありがとう不思議なお医者さん」

 

 遠くから大臣や護衛達が取り残されまいと駆け寄って来くるのを後ろに、オトヒメ王妃は微笑んだ。

 

「はじめまして、麦わらの一味の皆さん。私はこのリュウグウ王国の王妃、オトヒメよ。リィンさんには命を救われたことがあるの」

「おめー、いい加減にしろよリィン」

「またか」

「流石私のリィンね」

「王族とツテがあるって、スーパーどんな人生を送ってんだリィン」

「リーだからな、もう俺そこら辺は諦めたぞ」

「リィンちゃんオトヒメ王妃と知り合いだったの!?」

「クエーーっ!クエックエッ!」

 

 ビリーとメリー号だけ首を傾げて、それ以外の人達は呆れも混ぜた多種多様の反応を見せた。

 

「おっ、お久しぶりです、王妃様……」

「麦わらの一味がやってきたって連絡を受けて、急いでやってきたの。きっと王宮から迎えが来るわ」

 

 救世主!救世主!ヘイ!みたいな歓迎のコールが私の胃痛など知らぬ顔をしてる起こっている。

 あれー、私だけ、私だけこのノリについていけてないの?私だけまだ混乱してる感じ?

 

「リィンちゃんがあの救世主だっただなんて……」

 

 ケイミーさんの驚きの声に私は遠い目をする。

 シャンクスさんと共に訪れた時、私は王妃様を庇ったことがある。そのせいで担ぎあげられた救世主というレッテル。まさか魚人島内でここまで大きくなっているとは思わなかった。

 

 すると突然、空からラッパの音が鳴り響いた。

 

「──王子様方の、おなーーーりーー!!!」

 

 やめて!これ以上混乱を撒き散らかさないで!!!!!!




新年開けました。おめでとうございます。
ついにむず痒い救世主笑の登場です。
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