2度目の人生はワンピースで   作:恋音

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第298話 一応元海軍雑用の子供なんです

 

 ひとまずスモさんとの出会いを語った。

 すると、あきれた様子のローさんがつかつかと立ち寄る。

 

「どういう、状況だ?」

「スモさんと電伝虫繋ぐすてますよ」

「白猟屋と繋いでいるのは分かる。何故だ?」

「状況説明がはやきでしょ?人質に聞くされているのですから、その上司に聞くされるも時間の問題ですし」

 

 ふっかいため息がローさんの口からこぼれる。

 

「まず、危機感無いのか?海軍と海賊とは?七武海とは?」

「まー、うちに至ってそんなの関係ねぇよ。それより久しぶりだなー!戦争ではお世話になりました」

 

 ポンポンと肩を叩いたルフィをローさんが睨みつける。

 

「私は元海軍雑用ですし、船には王族もいるですし、そもそも麦わらの一味とスモさんは革命軍と一緒にクロコデールを叩き潰すすた仲です」

「クロコダイルよ。リィン貴方、まさかとは思うけどはるかに長い付き合いしておきながらボスの名前言えないの?」

「はい!七武海、割と名前ダメです!」

 

 全体的にダメ。くまさんとバギーくらいしか呂律自信ない。

 

「で、妹屋。どこまで説明した」

「あのですね。急にこの島に来たのはルフィも私も何も違いは無きですよ!?」

 

 想定外の訪問者側に説明を任せるもんじゃ無いと思うんだけど。

 

「──黒幕がシーザーで、子供が実は病気では無きことくらいです」

「まて。なんでそこまでわかる?ほとんど説明してるじゃねぇかよ」

 

 私だからです。どやぁ。

 

 まあ、本当のことはさておき私の抱えている情報は各陣営の7割ずつを摘んでいるような状況。7割分かれば残りの3割なんて容易に想像出来る。だから周りに驚かれるだけだ。大したことはしてない。

 自陣営を10割把握しているよりそれぞれを把握している方が合計情報数は多いよね。うんうん、情報屋が手札にあるのってでかーい。

 

 さも情報屋のおかげ、って顔してるけど。実際ベースの情報集めてるの私なんだから世の中って世知辛いよねぇ。

 

「リィンは新しい七武海とも仲良いんじゃなあ」

 

 嬉しそうに微笑むジンさんに微妙な顔をしてしまった。

 

 さて、麦わらの一味は昔に出会ったことがあるとは言えど、ジンさんも増えたことだし改めてローさんの説明をすべきだろう。

 

「改めますて。ローさんとは昔出会いますた。個人的な同盟関係です。あとルフィとエースを救った恩人」

 

 その説明に麦わらの一味はパッと明るい顔をした。からかう様な笑顔も数人浮かべている。

 

「新聞見たぜ。なんか最悪の兄弟とか言われてたな」

「リィンじゃなくてトラファルガーが三人兄弟として紹介されてたのウケたな」

「確かに、本当は兄弟でもなんでもないのよね?」

 

 頂上戦争で上手い具合に勘違いされていたので、世間はルフィとエースと、私ではなくローさんが兄弟扱いしている。

 血縁はともかく、住民登録的には私の方がルフィと兄妹なんだけど。

 

 まぁ、あれだよ。三人兄がいるのはしっくりくるから抵抗は諦めて欲しい。情報操作出来る私がしてないどころか兄弟説を強く推してるので本当に諦めてね。

 

「おやー、あれデマだったんですか?」

「誰が麦わら屋なんかと兄弟になるか。妹屋なら貰ってもいいが」

「ダメだ!!いくらトラ男でもそれはダメだ」

「うきゅ、るふぃ、くる、くるし」

 

 そんなに抱き着かれたら首しまるって。

 

「それより、皆質問無きですか?今ならローさんが情報大放出すてくれるですきっと」

「勝手に売るな」

「あー、では僭越ながら私から質問いいですか?」

「たしぎさんすごい度胸……」

「答えられる範囲なら答える」

「素直か」

 

 たしぎさんが手を上げているので、私は彼女に質問を任せた。

 

「シーザーの後ろには誰がいるんですか?」

「…………へぇ?」

 

 いいな。

 黒幕、って私が言っているからそこで終わりだと思ってもいいはずなのに。たしぎさんは限られた情報のなかで背後関係まで察した。ローさんも感心したような声を漏らした。

 

「シーザーはあくまでも科学者で、資金の調達や人員の調達などが己の力で出来るとは思えません。対等な関係ならともかく……。この島に来る時も妨害がありましたし、今の今までお二人の言葉以外で気配も何もありません。まるで隠れているようで」

 

 私はそこまで行くとパチンと手を叩いた。

 このままじゃローさんが答えを言ってしまいそうだったから、強制的に切り上げさせる。

 

「──海軍は余計なことは知らなくていいですぞ」

 

 すごくいい着眼点。

 でも首突っ込み過ぎるのはよろしくないな。これ以上はマズイ。

 

 ピリッとした緊張感が漂うけれど、電伝虫の奥から我が親友殿がふっかいため息を吐いたのがわかった。

 

『つまり、そういう事か』

「やだなぁ。何も言ってませぬよ?」

『どれだ?』

「フッフッフッ、マリンコード返上してくれるのであれば教えてあげますぞ。スモさん♡」

『…………たしぎ、シーザーの裏側については何も知るな。シーザーが黒幕だ。今は(・・)その認識で動け』

 

 スモさんも頭の回転が早くて助かるよ。

 

「つまり、何?何を話したの?」

「分からないわ……。全部リィンと海兵さんの中で終わっちゃったみたい」

「わからんわからん、頭良い奴の会話は絶対わからん。ロビンでさえ分からないんなら俺らに分からないって」

 

 麦わらの一味がザワザワしている。

 仕方ないからヒントをあげよう。

 

「んーっと、アーロンになるんですぞ。シーザーが」

「は?俺?」

 

 急に話を回されたアーロンがびっくりした表情で私を見た。あ、名前出しただけなんでアーロン自体には用は無いよ。しっしっ。

 

「……ごめんなさい、流石に分からないわ」

「えぇ……ロビンさんでさえ?」

『当たり前だろ。海賊に分かってたまるか』

「それもそうですか」

 

 確かに私とスモさん以外は理解できてない様なので仕方なく分かりやすいヒントを言った。

 

「海軍っていう組織に所属する海兵は、ある程度大きな人物には自己判断で喧嘩売れないのですぞ。例えば四皇とか。海兵ってだけで海軍の名前背負うすてますからね」

「だから頂上戦争って大きな事件だったのね」

「はい。それと同時に政府直下の七武海も海兵は手を出せませぬ。大きい戦力故に、牙をむくされれば困るですから」

「確かに、ああいう大きな争いしかしないな。海軍とは。なるほどな、四皇になると政府から警戒対象に置かれるのか」

 

 ビスタさんとマルコさんは四皇のクルーなので心当たりがあったのか納得したような顔をした。

 

 だからSWORDというマリンコード返上済みの機密特殊部隊、完全自己責任覚悟ガンギマリ海兵部隊があるのだ。

 

「……故にジンさんが七武海になる際、同じ海賊団に所属すていたアーロンが釈放された。それは記憶に新しきですよね?」

 

「あぁ、そういうこと」

 

 ここでロビンさんが一抜けで理解した。

 

「海兵は『誰が背後についているか』を知ると動けなくなるんです。その情報が嘘だと良きですが、本当だと全面戦争故に」

「……つまり、シーザーの背後には海軍が動けなくなる誰かがついて」

「ビビ様、しー」

「うっっっわ、もしかしてすごい厄介な事件に巻き込まれてるんじゃねぇか?」

「や、やめてよウソップ。そういうのやめて」

 

 はい。七武海、ドンキーホーテ・ドフラミンゴが付いてます。しかもその後ろの取り引き相手に四皇までくっついて来ます。

 

「えー、でも」

 

 私はきゅるん、と涙を貯めた。

 

「私に酷いことぞすたシーザーがのうのうと生きてるの、許せぬです……」

 

 敵対してくれるよね?

 みんなの大好きで可愛いリィンに酷いことしたんだよ?復讐してくれるよね?

 

「おい、こいつ可愛い顔と言い方でとんでもなく物騒なこと言ってるぞ」

「ゾロ〜……やめとけ……。今リィンが一味の逆鱗を自ら握ったから正気の俺らは息を殺そう……」

「媚の売り方が乱雑すぎますね〜。ではここで1曲──『クイーンオブリィンさん』」

「建国するな」

「革命されちまえ」

 

 さて、随分脱線してしまったな。

 

「つまり、俺はシーザーをぶっ飛ばす。すると、ケムリン達は子供を助けられるし、トラ男も嬉しい」

「殺すなよ。生け捕りにするんだ」

 

 船長ズが後戻り出来ない相談をしていた。

 

「じゃあローさん、行くですか」

「待て待て待て待て。本当に話が早過ぎないか?」

 

「……?だってシーザーなら海兵よりも実験体の私を優先的に捕まえてこいとか言うするじゃなきですか」

 

 どうせローさんは海軍を取り逃したことよりも麦わらの一味がいた事の報告をメインでしたはず。

 するとシーザーは『リィンを連れてこい!』って言うでしょ。だから尋問もそこそこにローさんが自由になれたに違いない。

 

 私には毒殺以外で死んで欲しくないだろうから、敵を向ける訳にはいかないだろうしね。

 

「奴隷共〜〜〜!」

 

 私はニッコニコで手を振った。

 

「海兵と子供と麦わらの一味守るしろよ。例えコケるすたとしても、全部お前らのせいにする故に」

「理不尽だろ!」

「自分たちが関係ないところで起こっても責任なんて無いだ……」

「はぁ?」

 

 私はその生意気な返事に反射的に威嚇した。

 

「お前達、誰を相手すてると?我、海賊ぞ?海賊なんて理不尽の語源じゃ無きですか」

『違うが』

「私が白と言うすれば白。黒と言うすれば黒。罪状は私が作るですぞ?これでもねぇ、慈悲をぶっかけるすてるんですよぉ。世間様に悪評ばら撒くすてないだけマシだと思うすろよ」

 

 お前たちも七武海と同じ道を辿りたいか?

 

「儂はリィンと古い付き合いで、ある程度嘘が見抜ける。命をかけてもいいくらい嘘ついてないんじゃが、スモーカー助けてくれ」

『巻き込まないでくれ』

 

「お前本当に元海兵か!?」

 

 唯一、あくまでも雑用だけど海兵時代の私を見たことがあるアーロンがドン引きの表情を浮かべた。

 

「あっはっは!」

 

 海兵だよ。現役でなぁ!

 

「否定も肯定もしてないの、怖すぎる」

「スーパー、やべぇな。敵じゃなくて良かったぜ」

「拙者も何故だか得体の知れぬ恐怖が襲ってくるでござるよ」

 

 サンジ様はまだ立場的に許すしフランキーさんも発言的に許せる。けど錦えもんさん、お前は許さないからな。

 

 お前の精神を削ってやる。

 

「リー、もしかして眠い?」

「うん!……すごく」

 

 早くシーザーの所行って毒を吸い込んで効いたフリして寝たいくらいには、眠たいかな。

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