2度目の人生はワンピースで   作:恋音

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第303話 素人質問で恐縮ですが俺のターン

 

 モネはドフラミンゴからシーザーに差し向けられた監視役である。

 そしてローがリィンを迎えに行く際、雪に紛れてモネが様子を伺っていたのだった。

 

 

「何を企んでいるのか知らないが……大人に隠し事をしてもバレるものだ、ロー」

 

 この日、偶然にもドフラミンゴの放ったスパイであるヴェルゴがパンクハザードにやってきていた。

 

「何がだ……、俺がお前らに危害を加えたか!?」

「実害が出ていたらお前はもう生きていない。良かったな、お前のドジがそこまででよ」

「………………は?」

「全く、最初は麦わらの一味と組んで悪さをするのかと思ったが。お前は天然ドジっ子だからな」

「…………………………は?」

 

 どうやら危うい発言は聞かれていないが、この二人の頭の中でローは『賢いけどどこか抜けてる天然ドジっ子のぽやぽや幼女』だと思っているらしい。

 

「交渉で連れてくる策は良かった」

「でもダメよ、ドジっ子を隠しちゃ。フォロー出来ないでしょ」

 

「……………………………………は?」

 

 初代ドジっ子が広めた噂のおかげで、ローがここで疑われ心臓を握られて苦しむことは無くなったのだが、名誉の代わりに尊厳を失った。

 

 

 

 ==========

 

 

 

 ローさんに薬のデータの入手をお願いして、私はシーザー本人の動向とローさんの心臓確保と全体の把握のためにシーザーを探していた。

 

「シーザー?」

 

 いない。

 

「シーザー!」

 

 いない。

 

「……シーザー?」

 

 あ、居た。

 

「おぉ、リィン。起きたか」

「まだ眠き」

「……俺は睡眠系の毒は打ってないぞ?」

「うん。ご存知。もー、本当に眠くて眠く………──ヴェルゴ中将……?」

 

 部屋に入れば、シーザーはもちろんだけど人面鳥のモネさんとヴェルゴ中将が居た。

 

「やあ、久しいな」

「貴方、リィンちゃんと会ったことがあるの?」

「いや、初めてだ。そうだ、初めてか」

 

 女狐では会ったことがあるけれど、リィンとしては会ったことないな。

 

「……はじめますて、元海軍雑用のリィンです。なにゆえ海軍中将たる人がシーザーの所に?」

「いづれ分かる。──君ならな」

 

 ふぅん。

 

 

 それより、私はシーザーが眺めている画面を見た。

 

「シーザー、これなに?」

 

 よっこいしょ、とシーザーの膝の上に乗り込めば、シーザーは画面を指さしながら教えてくれた。

 

「これはシノクニと呼ばれる殺戮兵器だ」

 

 自慢げに言う。

 シノクニは外の世界で蔓延しているガスの名前のようだ。白く蝋のようななにかに覆われた人型のオブジェクトがあった。

 これ、人間かなー。どういう状態だろう。火山灰みたいな?

 

「効果は?」

「毒が効いても人間は多少動けるだろう?なら、逃げられないようにすればいい。灰のように体にまとわりついて硬化し、皮膚から侵入したガスは全身を一気に麻痺させる」

「あー、なるほど。即死に至るような毒では無きですか?」

「そこがなー、難点なんだよ。外側の硬化には麻痺くらいしか相性が良くなくてな。まぁ、数時間もすれば死ぬさ!」

 

 シーザーが得意げに笑ったので、なんだか無性に腹が立った。

 

 私は顎に手を当てて少し考えた。

 実用的使えるか少し考えてみる。

 

「どうした?酷いとでも思ったか?」

「ロギアには効くです?」

「へ?」

「いや、自然系(ロギア)は人間体では無きでしょ?空気や自然物が固まるすてないってことは厳しいのかなって」

「あー、まぁ、そこは実験出来てないな。貴重だし」

 

 私はさらに質問を続けた。

 

「このガス、重たいと思うのですけど」

「あっ、はい、そうです」

 

 島の地面に溜まるガスを見る。層が綺麗に分かれているため地面を歩く人間にとっては厄介だろう。

 

「飛行系の能力者が少なきとはいえ、伝達能力が高き人物は飛行系でしょ?『逃がさぬ』『伝えぬ』を重視すているのであれば、飛行系対策を怠るべきでは無きでは?そこら辺の対策は」

「……してません」

「もうひとつ疑問ぞあるですが、重すぎませぬ?」

「あ、それは元々がスライム体のせいで。物理的な重さを体積に変えているんだよ」

「重さのせいでガスの蔓延速度、遅きですよね。多分月歩使いは余裕……ですぞね、ヴェルゴ中将」

「……。うん、これくらいなら」

 

 ヴェルゴ中将がガスを見ながら確認した。

 

 だよねー。うちの一味でもサンジ様やブルックさんや鳥達は無事だよね。

 後、マルコさんもおそらく無事だろう。

 

「後、ガスに色が着くするてるのが気に入らない!」

「な、なぜだ!?」

「無色透明!もしくは雪国で使うのですたら白!あからさまに『避けやすい』を演出するの、すごく嫌!」

「嫌ァ!?」

「もちろん、段々飲まれていく仲間たち、逃げ惑う恐怖の演出としては最高ですぞ?でも実用化にするにはちょっと爪が甘きですぞね。この兵器の開発目的って、何が目的ですたっけ?」

 

 使い勝手が悪い。発生源がスライムということは見た目も派手でしょ?

 それ、どこで使える?どこで保管しておく?

 もちろんこの島だけならともかく、この毒を取引するのであればちょっと……もう少し自然な生物に擬態させておければなぁ。

 

 せめてイレギュラー対策で室内使用………。いや、壁か破壊されたら逃げ場が出来るか。

 

「も、もう許して…………」

 

 シーザーが顔を覆った。

 私の頭上でしくしくと鬱陶しいくらい泣いている。いいおっさんの癖に、小娘に指摘されたくらいで開発者やってんじゃないよ。

 そんなんだからベガパンクに叱られるしジャッジ様に敵わないんだよ。

 

「ところで、もう少しカメラなきですか?施設内全体の要所要所を確認可能なカメラ」

「もちろんだ!R棟2階のベガパンクの部屋にある!」

 

 私は映像を見た。

 

 ところで、私の能力ってなんだと思う?

 正確なところ分からないが、思考や思い込みで現実世界に作用出来るものだと『思い込んで』いる。だから箒で飛べるし収納できるし、風だって起こせる。戦闘面では敵わないけど、最強たちと渡り合える。

 

 

 だから。

 

「うーん……」

 

 映像の中のガスだって、海兵に当たる前に止めちゃえるのだ。

 

「シーザー、部下使うすていい?」

「なんだ?」

「麦わらの一味、ぶっ潰すしようぜ!」

 

「……仲間って何?」

 

 ここには居ないので無いですね。

 

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