2度目の人生はワンピースで   作:恋音

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第311話 神経逆撫で1級検定

 

「さぁ、人生をかけた戦を始めよう」

 

 一人の男が仮面の下で微笑んだ。

 

 

 ==========

 

 

 

「う……うま……!え、黒足の料理ってこんなに美味いの!?」

「これはやばい、海軍のカレーなんて比じゃないくらい美味い……」

「トロトロに蕩ける……」

 

「はっはっはっ、月組、おかわりあるぞ」

 

「「「「「いただく!!」」」」」

 

 海兵と海賊が仲良くしている。傍から見れば頭を抱える姿だろう。

 実際、何も知らないG-5のやんちゃ海兵達は『海賊にフレンドリーに行く本部の優等生な先輩方』にオロオロと戸惑っている。やんちゃ共よりやんちゃなんだよね、うちの月組。

 

 月組にまとわりつかれているサンジ様は鼻高々と言った様子。

 

「スモやん中将!あれいいのか!?」

「……はぁ、良くは無い。が、よく考えろ。ここで海賊と揉めても子供にとっては悪影響だろう。月組のあれは、毒味や監視だ」

 

 スモさんが建前を説明してくれたので他の海兵たちは落ち着いたようだ。

 

「おい妹屋。こんな所で宴をしている暇はないんだが!?」

「でも、追っ手は恐らく来ぬですよ。それこそベビー5達以外……」

 

「親友!この人のご飯すごく美味しいわ!」

「きゃわいこちゃんにそういう風に言ってもらえて、俺は幸せものだぜ〜!おかわりをどうぞ」

 

 その追っ手達、胃袋を掴まれてる最中なのだ。

 

 連絡用の電伝虫はローさんがスキャンをしてくれたということで海楼石だけつけて解放している。ベビー5は目をキラキラと輝かせ、スープで体を温めていた。バッファローも。

 

「ごめん、なんで敵と飯食ってるのか聞いてもいいか?」

「安心すてください、戦略的宴ぞり」

「お前がルフィに便乗しただけだろうが!!」

 

 

 

 私も暖かいスープを体に入れながら少し考えた。

 

 ドフィさんの失脚計画。

 ──ローさんと麦わらの一味が同盟を組んで大暴れする。

 これがメインの計画であり、世間に広げる話題であり、ドフィさんへの目くらましだ。

 

 実は裏側で複雑に手を組み合っている。革命軍、そして青い鳥(ブルーバード)の面々。だからそこに目がいかないように、せいぜい目立って貰わなければならない。

 

 しかし。問題点を上げるとすれば私が海兵ということだ。

 

 海軍から見てみれば『麦わらの一味が操作しにくいのは分かっているが七武海がこれ以上不安定な状態にする計画を漏らさないとは何を考えている!?』となる。だからスモさんとここで出会えたのもラッキーだ。変な工作をせずに『海兵に会ってるんだから海軍も知ってて当然だよな』って流れに持って行けるので。

 もちろん、ここで出会わなくても始まりの三つの島に海兵を配置していたから、どう進んでも出会ってたんですけどね!

 

 兎にも角にも、私は海兵として『被害を押えるために頑張りました』ってアピールを海軍にしなきゃならない。

 

 

 それに、ここで錦えもんさんとモモの助に出会うとは思ってもみなかったけど、彼らの目的地はワノ国だろう。いづれ、間違いなくかち合う。彼らにここで会えたのはある意味僥倖かもしれない。……計画を練り直さないとな。

 

 

「リィン、少しいいか」

「ん?なんですスモさん」

「お前、心臓はどうしたんだ?」

 

 あぁ。心臓ね。

 

「ここにあるです」

 

 私はアイテムボックスから取り出して見せた。港で結ばれているヴェルゴ中将が目を見開いてムームー唸っている。

 

 ぎゅっと握ってみれば唸り声の悲鳴が聞こえた。

 

「ワァ、シーザーがやってたみたいに本当に痛覚あるんだァ!ふっしぎ!」

 

 まるで初めて心臓を握りしめましたみたいな表情で握りしめた。え、何?心臓が痛いって?恋だよ。

 

「それを渡してくれる、ってのは」

「(ニコー!)」

「……だよなぁ?」

「まぁ、代わりと言うますか、これあげますね」

「なんだ……」

「私のサイン♡スモーカーくんへ、って名前付きにすてあげます」

「いるか!!!」

「欲しいが?」

「大金払っても欲しい」

「リィンちゃんの直筆サインだぞ?」

「スモーカー中将、譲ってください」

「死ぬほど欲しい」

「ころしてでもうばいとる」

 

 私はウインクと共にスモさんに司令と情報の文書を渡した。

 シーザーと一緒にいるタイミングだったけど、書かないわけが無いよね。

 

 内容は色々あるけど。

 ・現在の麦わらの一味の一覧と戦闘力

 ・ローさんとの同盟の報告と対処

 ・ドフラミンゴ失脚の前情報

 ・市民対策や海軍の動き

 

 ・アーロン海賊団の扱い

 

 が主な内容だ。

 

 アーロン達3匹?無茶苦茶に使ってもいい人材で、ずっと魚人を欲しがっていたんだから、そんなの海軍で活用する以外無いじゃない!!!

 せいぜい、働きに応じて給料が出て尊重される女狐の部下として扱き使われるといい。私との奴隷生活、無茶苦茶理不尽だったからね?軍律が優しく思えてくると思うよ。

 

「妹屋」

「なんです?」

「妹屋と白猟屋に聞きたいことがあるんだが」

 

 それ私に許可取らなくても別にスモさんには聞いてもいいと思うよ?そんな伺い立てなくても。

 

「まず、ヴェルゴが言っていた『女狐がリィンだ』というとんでも論について聞きたいんだが」

「あ、リー難しい事わかんなぁい」

 

 きゅるん。

 

 ローさんは『海軍の前で語ることではなかったな』って顔で納得したらしい。

 そうだよ。海賊側が納得できる説明をすることが出来ないんだよね、スモさんいると。

 

「子供故にわかんないぞり」

「仕方ないな、妹屋は赤ちゃんだもんな」

「赤ちゃん……?」

「赤ちゃん??」

 

 どこをどうみてそう言った?

 私とスモさんは同時に首を傾げた。

 

「おい、こいつ何言ってるんだ?」

「さぁ……」

「ところで白猟屋。その、ロシナンテと、聞いたんだが」

 

 ローさんが言いづらそうにスモさんに問いかける。私はカマトトぶって首を傾げた。

 

「ろしなんて?」

「親友!」

 

 私に抱きついてきたのはベビー5だった。

 

「イブ、重き」

「うふふ。あのね親友、ローの言ってるロシナンテっていうのは、コラさんの事だよ。若様を裏切ったやつ!」

「あぁ、昔イブに教えるすてもらった人?」

 

 納得した様子を出せばローさんとスモさんは頷いた。

 

「昔の、まぁ仕事仲間だ。海賊がなんでロシナンテを知ってるのか……ってのは、だいたい察したが。そうか」

「……。」

「ロシナンテは良い奴だろ」

「……あぁ」

 

「センス悪い。あんな酷い男、なんで好きになるんだか」

「そうそう。だってドフィさんの弟でしょ?性格悪くて人で遊ぶの好きで人の不幸を嘲笑って敵対者を容赦なく貶めるすて机ぶっ壊れるくらいぶん殴って笑うすてそう」

 

 

「コラさんを馬鹿にするなよ」

 

 

 バカにするに決まってるじゃん。

 

 

 

 

 ==========

 

 

 

 

 出発の時だ。

 

 海軍と共に子供たちとアーロン達(はっちゃん除く)、そしてヴェルゴ中将とモネさんが島に残って残党を処理するということなので任せた。

 おそらく半日も経たず撤収はするだろう。

 

 白ひげ海賊団の二人は『光月』の名前に驚いたのか急ぎ足で戻るとの事だったので解散だ。

 

 ベビー5とバッファローにドフィさんのお手紙を渡して、二人には穏便に、超平和的に解散。

 「ところでヴェルゴ達は?」と問いかけられたけど、中将なら海兵だし海軍と共に治療するのは当たり前だよね?何を言ってるの?という顔で問いかけたら「それもそうだわ」と納得していた。ラッキー。

 

 

 

 

 海上。

 麦わらの一味にはっちゃんとローさん、そしてワノ国の二人というお客さん。あとボロボロのシーザーという置物が乗っているけど、一同は平和的に出発することになった。

 

「まぁ、というわけで。改めますて、打倒七武海・天夜叉。ローさんと同盟ぞ組みます」

「よろしくな〜!」

「あのよ、トラファルガー・ロー。一応言っとくけど」

 

 ニコニコ笑顔のルフィの肩を組みながらウソップさんは眉間に皺を寄せた。

 

「ルフィにとっての同盟って『友達だから巻き込むしよろしくな』みたいな、身勝手四皇クラスの認識だからな?主導権を握ろうとしたってそうはいかないからな?気を付けろよ」

「どうめいってうまいのか?」

「あとリィンにとっての同盟は『最後に裏切って利用するのが同盟だよね?』みたいな、性格の悪さが海軍大将クラスみたいなものだから?」

「海軍大将クラスなればマイルド!」

「ごめんそこの兄妹黙ってもらっていいか?犠牲者増やさないようにしてんだよこっちは」

 

 お口チャック。

 

「知ってる。どうせそんなことだろうと思ってる。火拳屋ならともかく……?」

「エース元気してるかなー」

「……麦わら屋……火拳屋?」

 

 何に引っかかったのか分からないけれど、ローさんが考え込んだように固まった。

 

 パンクハザードを置き去りにした船の上。そんな固まった空気を破る1人のお客さんが船内から出てきた。

 

 

 

「お、ようやく出発したか。長かったですねぇー?あっ、ミスった。ちょっと待ってカツラつけ忘れた。ワンモアタイム!!!」

 

 サニー号の中からぷーぴーと音のなる靴を履いたピエロが出てきた。

 

 彼は一瞬で船内に戻ったあと、金髪のふさふさの髪を付けて出てきた。

 

 

「どうもどうも〜!初めましての方は初めまして!おひさしぶりの方はおひさ〜。未だに名前らしい名前が無い、名無しのピエロさんだぜ!」

「えっ」

「は!?」

「いつの間に?」

 

 3m弱はあるだろう巨大な体をプピプピ鳴らしながらシーナが仮面の下でニッコニコの笑顔で片手を上げた。

 

「にゅ!!なっちゃん!」

「はっちゃん!」

 

 はっちゃんの顔が輝く。

 

「シーナ、何故ここに?」

「ギャンブラーの勘?俺はこれでも優秀なギャンブラーなので、俺が負けたりディーラーが勝ったり、勝率が高いのでね。麦わらの一味の浮上場所を狙ってた、って、わーけ♡」

「つまり負け越しじゃねーか」

 

「いやー、私ピエロさんなんて初めて見ました」

「僕も僕も!あ、でも金ピカの船でいた人だよね?僕に乗ってたお客さん!」

「皆知ってんのか?」

 

 新参組が首を傾げている。

 

「ところで……」

 

 シーナはローさんを見た。

 

 

 

「──うわぁ、幸薄そう」

「妹屋!どうせお前の知り合いだろ!!!」

 

 どっちかと言うとローさんの知り合いだよ。

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