「ちょ、待ってリィンちゃん。俺
「知るか。クザンさん、ややこしい事申してなきて仕事をするしてろ!です」
「最近リィンちゃん厳しくない?ねェ、絶対俺に対して厳しいよね!?」
騒ぐクザンさんに逃げられないように海楼石の塊が所々ある縄をぐるぐる巻いて拘束し、引きずりセンゴクさんの部屋に来た。
「お邪魔しますです」
私ももう6歳。いや、常識的に考えてまだ6歳だけど。
それなりに言葉も治していくことにした。油断すると不思議語が出てくるけど何でもあと2年のうちに治せと言われてしまった。何故だ。
「リィン来たか…っと、……………手土産まであるとはな」
「
うん、微妙に間違えてる気がするけどノー問題!私は私だ!
「今回飛んで欲しい所があるんだ、が」
区切られた言葉の続きを待つが苦々しい顔をして
「……少々……いや、かなり厄介な相手でな」
「………お断りの許可願い」
「却下」
ですよね。
「七武海の海賊女帝ボア・ハンコックの所に行って最近の縄張りの増減確認をして来て欲しい…」
「それ、電伝虫では不可…でござりますか?」
私の記憶が確かなら海賊女帝はいつもでんでん虫でやり取りをしてた筈。どうして今更になって私に言い渡す?
「それがな…向こうの指名なんだ」
「…………女狐に来い、と?」
海賊女帝とは関わった記憶が全く無い。そして私がわざわざ呼び出される可能性はただ一つ、海軍大将女狐だ。
「いや。それが雑用に来いと言う事だ」
「…………………へ?」
ちょっと予想外れすぎて頭痛くなってきた。
なんで!? 雑用の私は七武海と言う組織自体にはなんの関係も無いはず! なぜ!?
「七武海の面々から聞いたリィンという少女。と、いう事だ」
原因は他の七武海だったのかーー。
……誰だそんな厄介事を引き受けざるを得なくなった原因を作り出した奴は!
「何しろクロコダイルやジンベエのみならず鷹の目からの評判もあると…」
「次回、邂逅すれば、コロス………」
お前らかァァ!
何、七武海仲良いの!? そんな下らないお茶くみ係の名前のやり取りするくらい仲良いの?
海軍本部の上層部の皆さん見習って欲しい切実に。特に赤と青。仏と英雄。
「女ヶ島 アマゾン・リリー。海図は必要無いだろうが
「すぐ?」
「めんどくさいんだ」
七武海1人に振り回されて大丈夫なのか海軍本部、って思ったけど私も面倒臭いので反抗するのはやめておいた。
私1人くらい政府は消せれるだろうしね! 自分で言ってて泣きたくなってきた!
==========
許可証を提示するとすんなり通してくれ、私はそこ人に付いて海賊女帝の元に案内されている。
正直さっきまで5時間かけて飛んできたんだから休ませて欲しい。船だともうちょっと時間かかるけど私は単独で自由自在にスピードを調節出来る。ブンブン飛ばしてると目が乾燥してすっごい痛いからゴーグルを着けるようにしたけど。
なんとこのゴーグル私のお友達であるヒナさんとスモさんに買ってもらったのだ!いや〜、いい友人を持ったね!ホントに、常識人が有難い……。
ここは海賊女帝ボア・ハンコックが根城とする国、彼女はここで皇帝として
「ついたぞ。ここに蛇姫様が居られる。決して失礼の無いように」
「はい」
心の中で独り言をブツブツ言っているとどうにも蛇姫──海賊女帝が居るだろう部屋についた。
案内してくれた戦士に無難に返事をしてノックするとゆっくり扉を開けた。
「失礼しますぞ…じゃなくて、失礼しますです」
「主、名は」
ビリッと重みがかかるような空気を
私に胸くれや。
「海軍本部雑用、リィンです」
「ほぉ…主があの鷹の目や砂男を
いや、して無いです。どちらかと言うといじめられてます。
「わらわは九蛇海賊団船長であり、このアマゾン・リリーの皇帝 ボア・ハンコックじゃ……ではリィンとやら。ひとまず…───わらわの為に死んではくれぬか?」
「……………は?」
「〝メロメロ
手をハートの形にしてビームの様な何かを放ってきた。
「うわぁっ!………あれ?」
当たった筈なのになんとも無い?一体なんの攻撃なの?
「そんな…姉様の攻撃が効かない!?そんな、そんな人間初めて見たわ!」
「どういう事!? あの子人間じゃないの!?」
なんかよく分からんが人間じゃないとは失礼極まりないぞこの野郎!野郎じゃなかったけど。
あと出会い頭に死んでくれとは一体キミの常識はどこに捨ててきたの?
「な、なぜじゃ…わらわに魅了されないとでも言うのか!? ……おのれ、おのれ雑用め……っ!」
「魅了?」
「この世の全ての人間はわらわに魅了される……なのになぜじゃ、全く意味が分からぬ」
「ね、姉様! 多分きっとこいつは死の恐怖の方が打ち勝ってるのよ! だから効かないんだわ!」
「そ、そうじゃな…わらわに魅了されぬなど……」
「意味が分からぬのはこちらぞだが、私は魅了ぞするしてるされてないぞ?」
人が黙って聞いてれば私が人間じゃないとか。
魅了されないとか。
自己中か。
「悪魔の実? 私は何故殺すぞ申されねばならぬぞ!」
「気に入らぬからじゃ。妾が気に入らぬものは何であろうと排除するのが世の理であろう」
「自己中の上更に自意識過剰で妄想癖!」
「な、なななななっ、なんじゃと!? 妾を愚弄するか!」
「第一、私は人の顔の判別ぞ効かぬ! そんな私に魅了されろなど……不可能に等しいぞりんちょ!」
グッ、と握り拳を作りドヤ顔してみせれば可哀想な子を見る目をされた。
「その歳でわらわの美しさが分からぬとは…………その、すまぬ…」
「「姉様が謝った!?」」
海賊女帝の隣にいる2人──多分妹──が驚愕の表情を浮かべた。
おい、海賊女帝。お前今まで何してた。
「ええい!気に入らぬわ!さっさと妾の前から消えよ!」
「呼びつけておいて失せろとはいいご身分!」
「当たり前じゃ……何をしても妾は許される……───なぜなら妾は美しいから!」
「私は許さぬぅ!私の苦労ぞ返せバカ!」
「だ、誰がバカじゃ!」
なんだこのワガママ感。ルフィかよ。
私とは馬が合わないな、確信。
私はこれ以上居たら殺される可能性を考えてゾッとなり、身を
「あ、……縄張りに変更は!」
「無いわ!」
「なれば結構!失礼しましたです!海賊女帝さん!」
──バタン
重い扉がしまった。
「早く帰ろ」
ベットでゴロゴロしたい。
==========
重い扉の中、ハンコックはぼそりと呟いた。
「……なんじゃあの小娘は」
「ね、姉様」
焦りからか妹達はハンコックを持ち上げる発言を繰り返す。その言葉に見向きもせず、ハンコックは考え込んだ。
「(妾は、間違いなく普通以外の感情をあの小娘に抱いておる。必然と、それが当然であると言わんばかりに。本能で、求めておる)」
まるで覇気により威圧される者の様に。だが覇気による威圧は無かった。
「理由が分かれば良いのだが」
その謎を解くまでしつこく絡んでみるのも暇つぶしには丁度いいだろうと、リィンが後に苦労をしまくることを決めた。
ハンコックツンデレ説。(ただし対リィンがツンで対ルフィがデレ)
海軍編=親の七光りを利用してツテを作り出す編