2度目の人生はワンピースで   作:恋音

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第5話 私のお家はここですよ

 

 

「リー、挨拶」

「ぶるぅーん!んだ!」

 

 ペコリと頭を下げて山賊に目を向ける。

 エースから教えてもらったと言うか一方的に話しかけられたんだが、この家は山賊のものらしい。そして私たちは居候としているのだとか。

 

「か、かわ……」

 

 川?そういえば桃が川から流れて来る時の表現ってなんでどんぶらこなんだろうね。ザザーー、とかもうちょっと分かりやすい言葉でいいのに。

 

 と、まあ冗談はさておき。みんな私のベビートラップでメロメロになったようだ。ふふん、前世持ち舐めるなよ。そもそも小さいものは無制限で可愛い。※クソガキ除く

 

「ふん、随分と懐いてるようだねエース、あんたがそいつの面倒見な。あたしらは餓鬼の世話するほど暇じゃないんだ」

「毎日酒飲んでる奴がよく言うよな…」

 

 ぼそっと呟かれた言葉を捉えたのは一番近くにいる私だけだった。

 

 立つこともままならない私は軽々とつまみあげられる。 だから抱えろ。抱けとは言わないから。首がしまる。

 

「リー、外行こう」

「んぶぅ!」

 

 嫌だ嫌だ。わりとガッツリ嫌だ。断固拒否。夜の森は危ないっての知ってる???

 

「やんちゃな子になりそうだね、まためんどくさい……エース!その子寄越しな!風呂に入れてやったりしないといけないだろ!」

「さっき面倒みないっつったのだれだよ!!」

「いいから寄越しな糞ガキ!」

 

 ひったくられる身体。おまえら人の身体をなんだと思ってるんだちくしょう。

 

「ぶーー!!あだ!だだだ!んゆっ!」

 

 くそ、神様お願いです、欠陥だらけの言語能力をどうにかして下さい!喋らせて!意思疎通ってとっても大事!

 聞き取り出来て話せないって面倒くさすぎる……せめて聞き取りもできないとか喋ることもできるとか、ちゃんと統一して欲しかった。

 

 まぁこれで聞き取り出来なかったらそれはそれとして面倒なんだけど。

 

「餓鬼はさっさと食って寝る!ほら、どっかいきな」

 

 しっしっと厄介者を払うように手を動かす女の…たしかそう、ダダン。

 ダダンは湯の張ったタライを取り出して優しい手つきで私の頭を撫でるとお風呂に入れてくれた。子供だからいいけど結構恥ずかしい気もしなくもないっていうか女の身体ジロジロみるなよテメェら。

 

 あー、いいお湯。お世話されるだけの生活って最高。

 

 

 ==========

 

 

 湯冷ましついでに魔法らしきものの練習をしようとエースと並んで玄関前の岩に座る。森に入らないだけマシ。良かった、ホント良かった。

 と言うかエースくん悪い子ね、寝なかったのね。夜更かしは美容と成長の大敵ですよ。

 

 可愛いは正義だ。可愛いだけで色んな強さを手に入れられる。

 

「うー?」

 

 唸り声と共にふと気づく。そういえば今日半日周りや人やらを観察してみて魔法らしきものが登場しなかった。もしかしてイレギュラー要素?私の目標目指せ平凡人生!なんですけど。

 田舎でゆったりのんびりダラダラライフは今現状一番近いと思う。

 

 ただ田舎すぎて森の中だけど。絶対不便だけど。海兵にさせるとか言う厄介なおじいさんいるけど。

 別に海兵ってことは公の機関だし大手を振って歩けるからいいんだよるでも私、あの人に攫われたんだよ、ね?多分?お母さんみたいな人必死に庇ってたし。

 

 意識失った後の事は分からないけど状況的にその可能性が高いかも。

 

 待てよ。じゃあもしかして私のお母さん(疑惑)って、海兵(疑惑)のおじいさんと敵対してたってこと?犯罪的な?……やばくない?

 

 

 冷たい風がゆっくり頬を撫でるよう吹く。

 

 優先的な懸念点は一つ。この魔法もどきがイレギュラーかイレギュラーでないか。もしも仮に魔法もどきがイレギュラーだった場合、知られるのはとても危険。だって利用し放題だもんね。

 となると練習はストップ?

 でもそれはそれで勿体ない気がする。せっかくだから使いたいし。

 

「……!」

 

 いいこと思いついた。風だ。

 

 風なら多少不自然にふいても見えないから分からない。練習の仕様がある。ただ、私も見えないっていうデメリットがあるけど、幸いここは森の中。狙った葉っぱや草に向かって風を起こせば目で確認できる。

 

 ははーん、我ながらいいアイディア。

 

「……」

 

 手に力を込めて全身の血液を循環させるみたいにぐわーって、ぐわーー!!

 

 目指すはあの木の葉。1メートル先の葉を捉え、目を向ける。

 

「リー?」

 

 不思議そうに声をかけるエースがいるけど集中力が大事だからガン無視。

 怪訝そうな顔を見せるけど私は知ったこっちゃない。

 

 ぐんぐん血液が廻って身体が少し熱くなる。風が涼しくて良かった。

 

 それじゃあいってみようリィン選手!

 

 ぐっと手に力を入れ、葉に向かって力を放射するように手を開いた。

 

 動け、葉っぱ!

 

 

 

 

 

──プツン

 

 

 

 

 

 

 ==========

 

 

 目が覚めると朝でした。

 

 

 

 

 

 意識を失っちゃったのかな。

 結果わかんないじゃん!!!馬鹿!! 

 

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