2度目の人生はワンピースで   作:恋音

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第70話 上り坂 下り坂 ま坂

 

「で。質問に答えてもらおうかフェヒター」

 

 王様のように椅子に座り正座をしているフェヒ爺を見下ろすレイさん。

 今まで私に散々してきたからとても気分が良いよフェヒ爺!

 

「小娘…そのムカつく顔をやめろ…」

 

「 フ ェ ヒ タ ー ?」

「…はい、何でしょうか副船長様」

 

 おお!写真に収めておこう!ルフィやエースに会ったら絶対にみせよう!絶対に!ついでにレイさんもセットで。

 

「まず質問だ。お前が姿を眩ませた後どこに居た」

「……国に帰るのもアレだし…麦わらも居ねェし仕方ねェからゴア王国に…」

「よりにもよってそこか」

「っぐ、ガープの野郎が居たのは予定外だったけど1人で大人しく静かに海賊稼業と離れて清々してました!」

 

 なんだ、フェヒ爺はゴア王国出身じゃないのか。

 にしても麦わらって誰だ?シャンクスさん?いや、でもシャンクスさんの事は小僧って言ってた様な…。

 

「お前の事は正直どうでもいい」

「質問したのはテメェだろ!?」

 

 私の中でフェヒ爺のイメージがガラガラ崩れてるのが分かる。そして覇王色の覇気ぶつけられたのにレイさんを尊敬してる自分がいる。世の中何が起こるか分からないものだ…。

 

「リーちゃんジュースお代わりあるけどいる?」

「あ、お願いするです」

 

「じゃあ次。お前が知ってるカナエの情報を全て話せ」

「いや、俺は娘がいるって事と今インペルダウンに入れられてるって事しか知らねェって」

「………役立たずめ」

「テメェは小娘がいる事すら知らなかっただろう!?」

 

「父親はお前じゃないだろうな」

「どう考えても違ェよ!全く覚えが無い!…まァ誰か、は察してるが…」

 

「私以外居ないだろ」

 

「……お前のその自分を全く疑わない所が長所だと思うさナルシスト」

 

 レイさんがハッキリ言ってフェヒ爺が否定しない、となると。まさか、まさかまさかまさか!え、待って、まさか!

 

「あ、れ?──小娘は父親が誰か知らなかったり……」

「…………知らぬ。だった」

 

「リィン、私がキミの父親だよ」

 

 

 世に言う〝海賊王の右腕〟〝冥王〟などと恐れられる大犯罪者が私の父親ぁ!?母親が戦神な時点でまともな人間じゃないだろうと思ってたしフェヒ爺じゃなければ別にいいかとか思ってたけどまさかの副船長!?え、こんなあっさり分かっていいの!?

 

 助けてエース。

 

「おーい、リィン?」

「…は!な、内密に!内密にお頼み申すぞろろんぴー!」

「あー…口調戻ってやがる」

 

 口調が戻るのは危険だ、私は一応王族相手にする事があるから口調には気を付けないと。

 

「く……!フェヒター如きに出し抜かれるとは…!」

 

「レイさんって壊れる?」

「まァ時々ね」

 

 シャッキーさんにこっそり聞けば否定されなかった。私の中での冥王という伝説はフェヒ爺同様ガラガラと音を立てて崩れてる気がする。いや、確実に崩れてる。

 

「安心しろ、性格面はとーーってもそっくりだよ、テメェらは」

 

「…………」

「微妙な顔をするな助けを求めるな。喜んでる顔をしてくれなきゃお前の横で殺気振り撒いてる野郎に殺される」

「別に殺すされても私は…」

 

「お前自分の師匠の対応酷くねぇか?」

 

 久しぶりなのにとブツブツ言ってる人をガン無視する。キミが渡した鬼徹のせいで私が目をつけられる事になったと言うのに。

 

「私師匠と認める否定」

「フェヒターくん…いい加減私の嫁と娘に手を出すのをやめてくれないか」

「嫁じゃねェだろ…!結婚してねェだろ!」

「私には敵が多すぎて困る…どっかの大仏然りテメェ然り」

「 一 緒 に す る な !」

 

 大仏?大仏って私1人しか思い浮かばないんですけど大仏ってあの仏?仏様?

 

「セ、センゴクさん…?」

「あ、知っていたのか。そうかお前海兵だもんな」

 

「……。」

 

 レイさんが固まった。びっくりするくらい固まった。

 

「私の可愛い娘がセンゴクの…下に…?………私の娘とのラブラブライフを邪魔するのかセンゴクッ!」

「シャッキーさぁぁーん……」

「あらあら、こんなお父さん嫌ね。無駄に束縛力がある分タチが悪いわ」

 

 シャッキーさんの好感度が私の中でうなぎ登り。レイさんの好感度はダダ下がりだけど。

 

「リーちゃんは?海軍のどこで働いているの?」

「本部の雑用です。それと大将!」

 

「「「………え?」」」

 

「本当ですぞ?MC(マリンコード)04444海軍本部リィン大将でござります」

 

 

「……お前どんだけ出世してんだよ」

「流石私の娘だ!」

「海軍本部は何を考えているのかしら…」

 

 上からフェヒ爺レイさんシャッキーさんの反応。

 シャッキーさんの反応が一番好き。

 

「私が手に入れられなかった情報の一つとして大将女狐…。まさか、こんな所に居ただなんてね」

「シャッキーさんは情報通です?」

「えぇ、情報は時に自分の命を左右するからね…、話の流れから察するに……あなたは表向きは雑用として過ごしているのかしら」

「はい、その通りです。部屋も無ければ(大将女狐)が出る出番も出撃も無きです故に情報が圧倒的に少ないと思うです」

 

 納得したらしくニコニコとした表情を浮かべている。カッコイイ女の人本当にカッコイイ。頭悪いな私、うん。

 

青い鳥(ブルーバード)って情報屋知ってる?」

「まァ、それなりに」

「不思議よね。海軍本部の情報を売るだなんて…貴女(女狐)の正体はバレているのかしら」

「あ、バレるも何も青い鳥(ブルーバード)所属です」

 

 ちゅーっとジュースを飲むと周囲の時が止まった。まァ多分バレても大丈夫でしょ。

 

「アッハッハッ…!レイさん、貴方の娘最高だわ!本部も思わないでしょうね、大将が情報屋として周囲と通じてるだなんて…!」

「お褒めにレンタル恐悦至極でごぞりますた」

「〝レンタル〟じゃなくて〝あずかり〟だからな」

「アッハッハッハッハッ!」

 

 シャッキーさんは結構笑い上戸らしい。腹筋大丈夫だろうか。

 

「リーちゃん1人の存在に世界がどれほど影響を受けているか…!」

 

 確かにかなりの影響力がある筈。

 三大勢力の一つ、海軍本部の最高戦力と数えられる大将の地位につき。三大勢力の一つ、七武海の殆どに()()()ながら気に入られ繋がりを持ち。三大勢力の一つ、四皇の2人と繋がり。革命軍の新勢力やそのトップの息子や海賊王の息子と義理の兄妹で。母親と父親はロジャー海賊団初期メンバーで。王族にもツテはあり。青い鳥(ブルーバード)として働き支持を得ている。

 

 (ほとん)どが成り行きで作られた影響力だけれども、これ私魔王にでもなんでもなれるんじゃね?お前に世界の半分をくれてやろうってか。

 

「末恐ろしいわ……」

 

 一呼吸置いてシャッキーさんが呟く。私はきっとシャッキーさんが思ってる以上に影響力があると思う。

 

「私の存在の奥底が知れたならば、きっと政府は秘密裏に私を処分する、でしょう?」

「自分の置かれた状況をハッキリ分かっている様で一安心したわ」

「残念ながら私は素直に従う気は皆無です。その様自体にならぬ様、私はツテを作るした。四皇七武海王族()()()、世界で()が存在する人間に」

 

 ギョッと目を見開かれても私の口は止まらない。

 

「私、他人より自分が大切故になんでも利用するですから」

 

 生憎世界の為に死んでやるだとか迷惑掛けるからこの身を差し出すとか微塵たりとも考えれない、他人を犠牲にしてでも生き延びてやるって精神ですからね。

 

「それに、最強のパパが私には付くですから」

 

 ニッ、とレイさんに向けて笑ったら四皇でも七武海でもセンゴクでも斬ってやるという頼もしい反応が得られました。シャッキーさんと目を合わせ一言呟く。

 

「ね?」

 

 利用出来るでしょ?と。

 

「女って怖ェ………」

 

 そこら辺で呟いてる剣帝殿はガン無視します。

 母親もチートだと思ったが私も大概チートだなー…。とりあえず海楼石の錠が使えないっていうのは強いと思う。うん、大丈夫きっと生き残れるから。

 

「心配は、しなくて良いみたいね」

 

 私とエースの血筋のせいで他人が怖いと思う気持ちは似ているけれど。結構違ってたりする。

 きっとカナエさんも生きているしレイさんだってこんなに元気、無条件に守ってくれる存在がいるっていうのは心の平穏本当に。

 

「あ…」

 

「どうしたの?」

 

「忘れるすた…」

 

「何がだ?」

 

 ルージュさんの家に泊まった時手に入れた写真、別にしてアイテムボックスに入れておいたから渡すの忘れてた。

 

「これです」

 

「あら」

「うわ」

「…フッ」

 

 取り出して3人に見せればシャッキーさんは驚いた顔、フェヒ爺は苦笑い、レイさんは嬉しそうに目を細めた。

 

「ルージュの撮った写真か……また随分と懐かしい……」

「シャンクスさんとカナエさんくらいしか顔の判断不可能ですがロジャー海賊団ですよね?」

「リィン、この盲目野郎もきちんといるよ」

「言うなよそれを…、ったく、こりゃ結構珍しいな──麦わらに腹黒にバカにアホに岬野郎に小僧に赤っ鼻に大食いに引きこもりにイカサマ野郎に……」

 

 フェヒ爺は人を名前で呼ぶという頭は無いんだろうか。

 

「あの、戦神は何の能力者ですたか?」

「カナエがか?超人系(パラミシア)チュウチュウの実の吸収人間、なんでもかんでも吸引してしまうんだよ」

 

 

 …私の災厄吸収能力ってこの人から来てるんじゃないだろうか。確か幸運体質だったよね、え、私が反動で不運体質になった?ちょっと酷くない?

 

「良く若さと運を吸引していたんだがそれに負けないくらい厄介事に飛び込む性格でね、尻拭いはもう慣れたものだ」

 

 最早自業自得。

 

「パ、パワフルなお人です、ね」

「リィンは何かの能力者だったりするのか?」

「うーん…」

 

 一応表面上は能力者だけど能力者じゃ無いんですよね…説明が難しい。どうしたもんか。

 

「小娘?」

 

 手のひらをフェヒ爺に向けて集中してイメージする、相手が吹き飛ぶ様な風を──起こす!

 

──ブワッ!

 

「うわ…ッ!」

 

「……………大体この様なる感じです」

「彼を実験相手に使ったのは正解だな」

 

「俺ァお前ら親子が嫌い……」

 

 昔の威厳もチリに等しいフェヒ爺が唸ってる。頑丈なんだね、様は。

 

「フェヒ爺…3代鬼徹はどの様に手に入れるした?」

「ん?……………………どうだったか」

「リィンこいつは本気で忘れてるから期待しない方が身の為だ、無駄だからな」

「ほんとに俺の事嫌いだよな」

 

 ギャーギャー騒ぎ出した男2人をシャッキーさんと共に眺める。

 

「男ってバカね…」

「………同意」

 

 私とシャッキーさんの仲が深まった瞬間だった。

 

 

 

 

 

 ==========

 

 

 

「お世話をかけますた、私は仕事ある故にもうそろそろ戻るです」

「あら、何のお仕事?」

「……ゴミ掃除?」

「一人で平気?レイさんとフェヒターくんを味方に付けたら百人力どころじゃないわよ…?」

 

 どうやらゴミ掃除の意味をきちんと理解している様だ。

 

「…………………まぜるな危険」

「よーくお分かりで」

 

 フェヒ爺とレイさんは合わせちゃダメだ。かと言ってそれぞれどちらかと私が1人対応するとはとてもめんどくさい気がする。

 

「それでは失礼しますた……──2年後、再び」

「あら」

「今度は、ルフィ…兄と共に!」

「そうなったらご馳走するわね」

 

 ペコリとお辞儀をしてシャッキーさんと別れの挨拶をする。

 

 絶対にまた来ます。私は頑張ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──そして時は過ぎる…、波乱な日々がリィンに襲いかかる事は

 予想は簡単だったかもしれない。

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