こんにちは毎度お馴染み転生者リィンです。
目が覚めて驚くことが幾つかあったので今回はそれをご紹介したいと思いまーーす。
パーンっとBGMか頭の中で再生されるけど関係なし。
「んぶ…」
まず一つは私の首が繋がっていること。
どうやら腕も足も四肢無事なご様子……。良かったね!私!
途中で意識プッツーンって切れたと思ったら悪夢に魘されてたね。
なんというかもう思い出したくない悪夢ばかりだったよ。
例えるなら全身に切り傷擦り傷付けられた状態で熱い塩水の中に放り込まれた感じ?
やだ何それ痛い。
自分で例えているクセに痛がるとか私なんなの…。
あぁ臆病ですよ!!それがどうしたちくしょう!!
というか虎さんはどうしたんだろう。逃げれたってことですよね?
でも果たしてそれが私の想像通りになったのかが疑問でございます。
次の課題はこのすこーし使うと切れてしまう意識だな。
1回でもいいから私の思い込みがどれほどのものか見てみたい。
我ながらイタいわぁ…
もう諦め入ってるんじゃない?
それともう一つ。
なんと朝起きたらダダンさんの家にサボが居るんだぞ!
あれ、そういやサボってどこの人だっけ?って思ってたけどどうやら〝ぐれいたーみなる〟っていう所の出身者だとか。
もしや都会人ですか?サボの暮らしてたぐれいたーみなる行ってみたいなぁ。
よく見りゃ服もボロボロだけど質のいい服を来てるからやっぱり山賊暮しとは違うんだなーって思うね。
さらにもう一つ。
「うりゃ!」
「まだまだぁっ!」
サボとエースが戦ってるんです。
何でこうなった…って思ったけど1勝、また1勝、と続けていく事に「あ、これ訓練か…」という結論になった。
今のところエースが38勝でサボが35勝らしい。全部で100戦するとか。やりすぎだろ
木盤に何か書き込んでるけど文字が分からないからふと呟かれた言葉でこう判断した。
あ、でも文字は二種類あるみたいで私も読める日本語とあともう一つは…ローマ字に似てるな…ちゃんと時期が来たら教えて貰おう。
サボはぐれいたーみなる出身だからある程度教養があるのかな。エースはところどころって感じだし。そもそも山賊が文字なんか教えてくれるわけないか。
いや、どうかと思うよ。山賊。
栄養面とかどうよ、3日目にして私にはお粥しか回って来ないんだぜ?いや、エース達が狩った獲物も焼くか煮るかしかしてないしむしろそれしか食べてない。
野菜摂れよ野菜。もうそろそろ味気のある食事が恋しい………。お母さんと思う人と一緒にいた時はもっとまともな食事だった。
「よし、また1勝!」
「くそ〜っ、エース強いなぁ…」
強いも何も普通君たちの年齢の子供はそんな戦闘能力は発揮しません。
素人目で見てもどうかしてると思うレベル。
異世界標準レベル怖い。
話は変わるが今日は何をしよう。一応子供と言えども寝るのは時間が勿体ない。
何故寝るかを前提に考えるかと言うと、まぁ睡眠が好きだからって言うのもあるけど魔法だよ、ま、ほ、う!
使うと意識プッツーンだから使うのは様子みながら夜かなーって思うね。
まぁ試してみんことにはどうにもならない。
この後2人は海賊貯金をするとか言ってたし、「リーは危ないから連れていけない」だってよ。
別に仲間はずれとか良いけどね!いじける歳でも無いけどね!
つまるところ日中暇になったわけです。
こんな身体じゃやることも限られて………。
いいこと思い出した。
そうだよ昨日邪魔された筋トレ!早く走れる様になる為に筋トレしなくちゃならないんだ!
うっわ、面倒臭い…。でも人間誰しも通る道だし文句言ってても仕方ない。
でも身動き取れないまんまあの虎事件みたいになったら怖いし良心痛むけど2人を囮にしてでも逃げたいし。
わぁ、私屑だなー…ごめんなさい反省はしてません。
「リー?」
「あい?」
「海賊貯金に行ってくるから大人しくして待っててな?」
「んだぶ!」
「よし、いい子だ」
考え事してた私に気付いてサボが心配そうに声を掛けてきた。
くそぅ、さっきまで囮にするとか思ってたから罪悪感がハンパ無いぜ。
ちゃんと行ってらっしゃいくらいの声は掛けたい
「じゃあ行ってくるぞリー!」
「ぶるんちょ!」
だからこのへっぽこスキルもどうにかしないと。
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ふむ、今の私の課題をまとめてみよう。
上から重要順に
・走れるようになる為の筋トレ
・へっぽこコミュニケーションスキルの強化
・アイテムボックス的なのが使えるかの確認
・魔法の威力確認と練習
・栄養面の強化
・この世界の知識
栄養…もっと上でも良くないか?
ま、まぁいいや。
筋トレはとりあえずつかまり立ちしたりバランス取るのはきっと前世の感覚で大丈夫だろう思うから歩くところから始めよう。
へっぽこスキルね。これも重要。危機的状況に陥った時に喋れないのはとても困る。「逃げる」と「嫌だ」と「助けて」位は言えるようになりたいな…。ちなみに私はこれをスキルだと信じてる。私の学習能力が無いだとかそんなことは頭の隅っこに追いやってやりました。
えーと、アイテムボックス的なの。これね、半分くらい存在忘れてたとかそんなの、な、な、ななないからね?ほら、魔法の方が瞬時的な重要度が高いから…うん。
はい!次!お待ちかねの魔法!やって来ましたーー!!まだ何も来てないけど。
これはもう寝る前にドパーンってやっちゃったらいいかな?1度火の種は出したことあるけどそれだけじゃ不安だよね。練習も必要だし、それに虎を追い払えた威力が果たして出るのかその真実も追求しないと。
栄養面の強化はかなり後になりそう。だってこれよく考えたら台所を預かるのと同じじゃないかなー…。そうなると1・2歳で台所を持たせないと思う。前世の常識では。
異世界常識がどんなモンか知らないからそこは困るよな。下手な常識は身を滅ぼすと思ってる。6・7歳くらいの男の子がクマとか普通に狩ってる時に身にしみた。
何度でも言おう。異世界常識怖い。
そう、その常識を付ける為に!知識が必要!一般家庭に必要な知識が!常識が!
もしこの世界にサンタクロースがいるのなら私は迷わずに一般常識っていうモノを欲する。切実に。
何が悲しくて転生なんぞしなくちゃならないんだ……っ!環境が変わると常識も変化してくる!こんなちびっこい身体じゃ出来ることに限りが出てくるし!
あれ、世の中全員が転生するんだっけ。
あれ、確か記憶をもって転生してしまったのって私が狭間に落ちたからじゃなかったっけ。
「……」
気付きたく…いや、自覚したくなかった現実を突きつけられた。
突きつけたのはもれなく自分であるが。
えぇい、ままよ!気にするな!
「あだぶ!」
ひょっとして1人でこうやって悶々と考えてるからいつまで経っても喋れないのか?まて、新たな事実を作ろうとするな。現実から目を背けろ!得意だろ!私!
ひとまず独り言をブツブツ言いながら筋トレしよう。
よし!そうと決まれば岩から降りてつかまり立ちの練習から…………………………………。
〝岩から降りて?〟
「……おっふ………」
筋トレは明日に持ち越しになりましたとさ。
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立ち直りますよえぇ!!いつまでグジグジウジウジしてたって仕方ないもの!
ダダンさんに頼めばいいんじゃないかって思って大声出したけど誰1人として出てこな…いや、1人だけ出てきた。
背が低い変な発音する男の人が。名前なんて言ったっけ……
ドラッグ?
いやいやいやいやそんな危ない名前じゃなかったはずだ。
『随分元気で二ーか』って言ったら笑いながら中入ってったよ!ドアホ!
いいさ、過ぎたことは過ぎたこと。2人が帰ってきたら中に入れてもらおう。
さて、空間をイメージしてアイテムボックス的なのを使える訓練しましょう。コミュニケーションスキルは長丁場になりそうだしね。
アイテムボックスにアイテムをしまう…………物は?
物、は…どこ?あるかないかの証明するための物は?物が無いとしまえない、よね?
あ、そこら辺の小石とかでも良いのか。
「……」
と、れ、な、い。
そこらに落ちてる小枝の様に私の心もポッキリ折れたのであった。