2度目の人生はワンピースで   作:恋音

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第79話 ゴーイングメリー号

 

「ふぁ〜〜…」

 

 思わず欠伸が出る。

 

「あ、おはようリィン」

「あ……おはようございます…」

 

 悪執事をアフロヘアーにした後、その情景を見ていたカヤお嬢様が納得してくれてとりあえず一段落つくとすぐに眠気が襲ってきた。

 脅威も無いことだしとりあえず睡魔に任せてかくーん、と。そりゃまた見事に意識を飛ばしました。

 

「ここまでゾロが運んでくれたのよ…私が運びたかったけど」

「流石ゾロ剣士…」

 

 後半のセリフに何故か寒気が走ったがとりあえず無視する。『知らなければいい事もある』成長途中では気付かなかったが今では良くわかる。現実逃避大事。

 たとえば親が伝説の海賊だったり巨大トルネードに飛ばされた先が四皇だったりシャンクスさんが四皇だったりetc…

 

 勿論知った方がいい事もあるがこの警報音は無視する案件だと信じてる。

 

「所でここは?」

 

 宿にしてはお粗末で見慣れない部屋。

 

「そうね…どこから説明するべきか…」

 

 

 説明された事を簡単にまとめると、

 1.とりあえずお礼にと言うことでキャラメルだとか美味しそうなお菓子の船『GM(ゴーイングメリー)号』を貰う

 2.いつでも出航出来るように食糧を買い込む

 3.ウソップが仲間に加わる

 

 私寝すぎな。

 

 

 てかいつの間にウソップさん仲間になっちゃったの?え、大丈夫なの?彼。

 なんかウソップ海賊団だとか言ってたよね?そう言えばカヤお嬢様は?ハニー置いてけぼりでいいの?え、いいの?

 

「うほー!すっんげ〜〜!」

 

 外でルフィとウソップさんの賑やかな声が聞こえて来た。

 

「何事?」

「あ!リーおはよう!」

「太陽考えるするともう昼ですたか、おはようルフィ」

 

「いようリィン!お疲れさん!」

「大方の説明は聞くますた、ウソップさんよろしくです」

「おう!」

 

 様子を見る限り大砲を撃ってたみたいで砲煙が上がってる。視界の先には崩れた岩山があるし遠距離攻撃が得意な狙撃手の名前は伊達じゃないだろう。

 

「はァ…久しぶりの船…やはりパーソナルスペースは落ち着くぞ…」

 

 海軍の軍艦と比べるとやはり見劣りしてしまうが見張り台も部屋もあるし船首は…羊?うん、なかなか上等。古い型なのかもしれないが小さいと海軍から逃げる時有利になったりするんだよね〜!そこは航海士の腕の見せどころか。任せたナミさん私は船に関してはからっきしだ。

 

「電伝虫使うしてくる。邪魔するなかれ」

 

 今まで海賊になってからなかなかタイミング掴めなくて生存報告出来なかったからもうそろそろしてもいいだろう。

 

「……リー」

「…?」

「お前友達いたんだな」

「まて、私ボッチと思うされてたか!?え!?少なくともコルボ山にて引きこもるしてたルフィよりは存在するぞり!?」

 

 え!私友達いなかった!?少なくともスモヒナコンビは友達だと思ってるし、私は思いたくないけどビビ様やしらほし姫様レイジュ様だって友達だと言ってくれてたよ?恐れ多くて言えないけど!マジで!

 

「てっきりマキノくらいかと」

「彼女はもはや保護者説」

 

 私ら兄妹は服を大量に貰ってただろ。

 

「疲れるた…怖いが見張り台行く…」

 

 そこそこの大きさしかないし見張り台登っても下見なければ怖くないだろう。

 私は箒に跨ってマストの上に向かった。

 

 

 

 

 

 

『おかき』

「あられ」

 

 初めて交わすスパイの挨拶。

 

 何故この言葉なのか私は知らないがセンゴクさんに電伝虫を繋げた。

 

『数日ぶりだな、どうだ』

「海賊になりますた。賞金首は居らぬですし名も売れてない、先ほど航海用の船ゲットした所です。正直小舟は辛いですた」

『約束は守れてる様で何よりだ』

 

 問題行動は起こしてます。ごめんなさい。私が無力でした。

 

『ローグタウンには向かうか?』

「確定は無いですが恐らく」

『ふむ、とりあえずスモーカーと協力体制を取り捕縛をした方がいいな──と言っても、彼はお前がソレ(潜入)してると知らなかったか。説明は任せた』

 

 ……来たか。私が回避すべき最大の難所『海軍と協力して海賊一網打尽』

 これを上手く回避しなければ。

 

「知る知らぬ云々は置いておき、バレる可能性は怖い故とりあえず『海賊側』としての参加でも宜しきですか?」

『………。そう、だな…。許可しよう』

「ありがとうございますた」

 

 ホッと息を吐く。

 センゴクさんには潜入を1番止められてしまったから何かと思うところがあるのかもしれない。

 とりあえずスモさんと会うの楽しみだなー!

 

「あ…そう言えば」

『どうした?』

東の海(イーストブルー)にバギー海賊団が居ると思うですが」

『…あまり、聞かないな』

「逃げられますたが彼の一味と一戦交えますて」

『ごフッ』

 

 なんか吹き出した音が聞こえた。

 

「だ、大丈夫です?」

『続けてくれ』

 

「えっと、船長のバギーさん1人ですがどうやら海賊王の船の見習いでシャンクスさんの兄弟分と推測され──」

『懸賞金を上げてくる』

 

 ごめんなさいバギーさん。どうやら私の一言でキミは世界中の賞金稼ぎ及び海軍から狙われるみたいです。いや、うん、まじでごめん。確信犯だけど。

 

「それとー、シェルズタウンだかシェリズタウンだかの支部のモーガン大佐の件…は恐らく情報が回るしてると推測」

『あァとりあえずはな。──関わっている、よな?』

「ゔぐ…わ、()()()は…関わりますた」

 

 彼の息子やそこで会ったコビー君がガープ中将をクッションに女狐の部下になるというのだからそりゃまぁすぐに足は付くと思ってた。

 支部をぶっ潰したのが『モンキー・D・ルフィ』だとバレない様に手回しを考えとかないと…あ、だめ、胃が…!

 

「手続きよろしくお願いするです。追加書類があれば私の伝書バットを」

『あー…あの無駄にでかい伝書バットか。わかった手配しておこう』

 

 アレが居ないと副業(情報屋ブルーバード)も出来ない。お金の引渡しはバットマン使ってるからね。

 一応バレるバレないの危険性があったから本部に置いてきたけどルフィがそんな事気付く脳みそを作成してなかったし一味の何人かには『海軍に所属していた』という事実は知ってるから大丈夫だろう。呼び寄せよう。

 

『アラバスタ王国で怪しげな動きがあるから気を付けておく様に』

「ビビ様の所です〜?はァ、クロさんが拠点に活動する上で世界会議(レヴェリー)にも参加可能な国が情緒不安定とは世も末ですな」

『そう言うな…気持ちは分かるがな』

 

 ふぅーっと息を吐き出す音が聞こえて思わず同情する。

 胃を痛めやすいのに暴走海兵に振り回され苦労が絶えない元帥に合掌。

 

『今どこにいる?』

「いや。眠るしていた故少々現在地不明更に目的地も不明です──あ、賞金稼ぎに喧嘩売るされますたね」

 

 ふと下を見れば刀か何かで傷を付けられた船と吐血している男、相棒っぽい男。

 目を離した隙に何してんだあいつら。

 

『まぁいい、死なない程度に頑張ってくれ。ガープやクザンや七武海に振り回され無いから休暇とでも思ってゆっくりしてくれて構わん──危なすぎる休暇だが』

「もはや休暇とは言うしないですよね、お気遣い感謝するです」

 

『所で船長の名前は──』

「おおーっと流れ弾ー!」

 

──ガチャ…

 

 

 ひぇぇ、危ない危ない。

 ルフィの名前出してふとした拍子にガープ中将に聞かれたら…非常にやばい。

 モンキー家の血筋怖いって言うのは共通認識だからね!ガープドラゴンルフィ!

 

 とりあえず情報屋のお金を受け渡せる伝書バットが手元に戻ってくるのはありがたい。

 

「リー!」

「うわっほぉい!?」

 

 グンッ、とルフィの顔がいきなり現れて女子じゃない驚き方をしてしまった。誰か女子力プリーズ。

 

「な、ななな、何事です」

「海のコック探しに行こう!な!」

 

 そして誰か説明プリーズ。

 

 

 

 

 ==========

 

 

 

 

「はァ…まァ健康面に対して不安は多大に存在するですが、その『バライティエ』は何処に存在するのかご存知で?」

「「「知らん」」」

 

 どうやら食糧問題に付いてヨサクとジョニーという賞金稼ぎに教えられたようでコックを探すとの話ですが。ちょっと待て。

 

 お前ら目的地分からないのに海さ迷うつもりか。

 

「リィン、『バライティエ』じゃなくて『バラティエ』よ。間違う所も可愛いけど…」

「ありがとうございますた」

 

 ナミさんの視線に寒気を感じるんですけど。

 

「とにかく、この残りの食糧で場所も分からぬ船を探すなど愚の骨頂」

「でも俺行きたい!」

「ルフィの言い分はとても理解可能…私だって行きたい!」

 

 美味しいご飯が食べたい!

 

「ルフィ船長が行くと言うなれば従うは船員の役目、しかしながら考えるして欲しいです。──餓死したいか?」

 

 胃袋拡張男と心許ない食糧で何日かかるか分からない船探しをしたいか?

 

 私はハッキリ言ってしたくない!

 

「じゃあお前どうするつもりなんだよ…」

 

 要領の掴まない会話に少し不機嫌そうなウソップさんが聞いてくる。

 

「今、この一味の目標地点は偉大なる航路(グランドライン)。そうなれば偉大なる航路(グランドライン)に入る前のローグタウンに行くべきです」

「んー?まァ場所的にそうか」

 

 地図を広げて見れば偉大なる航路(グランドライン)の入り口とローグタウンの場所はそれほど距離は無い。

 ただ、今の現在地とローグタウンとの距離は長い。シロップ村のあるゲッコー諸島からローグタウンのあるボルスター諸島まで行くにはサンバス海域を抜けないといけないし1週間程度で付くとも思えない。

 その上で船を探すとなるとザッと計算しておよそ2週間。

 

「つまり2週間分食糧が持つとは思えぬのです」

 

 きちんと説明すればルフィ除く人達は理解出来た様で納得してくれたようだ。

 私は餓死で死にたくない。1番嫌だ。

 

「じゃあよ…どっかで食糧補充して探すのがいいのか?」

「それが最良と思うです」

 

 幸いな事にここの近くは諸島が固まってるから赤い土の大陸(レッドライン)に沿って進むようにすれば村には着く。

 諸島の群生の中でローグタウンに1番近い所はコノミ諸島ココヤシ村。

 

「ここが妥当ですね」

 

 地図上の村を指さすと突然反対の声が上から降った。

 

「だめよ…」

「ナミさん…?」

 

「ココヤシ村だけはダメ!絶対に!」

 

 手を握って強く否定する姿に少し違和感を覚える。何か怯えてる様な…

 

「おいおいナミ…どうしたってんだ?俺も飯が無くなるのは嫌だぜ?」

「それでもダメ!」

「おい。テメェがそう主張しようがそれなりに理由が無いと認められねェ。ここは海賊船で船長はルフィ…理解してんだろ?」

 

 ゾロさんがキツめの口調で説くとナミさんは狼狽えた。

 まァ、彼女今の状態は全員じゃなくてどちらかと言うと手を組む同盟だからあまり当てはまらないんだよなー…。立場的にルフィと同等。

 

「か、海軍支部がその近くにあるからよ…。海賊なら避けて通るべきだわ」

 

 ナミさんは自分の左肩を抱きながら反論した。

 

「支部程度なら裏技ぞ存在…」

「え?」

 

「この場には賞金稼ぎと名の知れた人物が3名存在するです。『海賊船を奪うした』『船が壊れるした故使用中』などと言う理由が出来るです」

「おおー!すげえなお前!悪巧みさせれば世界転覆出来るんじゃねェのか!?」

 

 ウソップさんが冗談混じりに言うけど実際出来そうで怖い。知名度バックツテ全てに置いて世界最高峰だからね。自分が怖い。

 

「で、でも…ッ」

「腹ァ括れ。俺とルフィとリィンは既に支部1個潰してんだ。大船に乗ったつもりでいろよ」

「………。あんた達何してんのよ」

 

 不可抗力です。

 

「……」

 

 私はこっそり別の地図を取り出した。海軍第16支部…、支部長は──。

 

 

「っ、なら!船を停める所なんだけど…停めてほしい場所があるの」

「ほへ?」

 

 




素直にバラティエ行くと思いました?残念、これから先の矛盾点を無くす為に順番入れ替えます。
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