艦隊これくしょん 〜第0艦隊、参ります!〜 作:土居内司令官(陸自ヲタ)
2機のF/A-18F スーパーホーネットがヘッドオン(正面)で捕捉した。
〔ありゃ敵機だ〕
〔仕方ない、交戦するか〕
以前、F-14D スーパートムキャットが戦ったのと同じ機種の、敵艦上戦闘機だった。2機は増槽を捨て、AIM-120 アムラーム中距離空対空ミサイルで牽制攻撃する。そして上昇。空戦では、エネルギーを多く持っている方が有利だからだ。
アムラーム命中、36機の敵編隊の内、12機が増槽を捨てて旋回してくる。残りは攻撃機だろう。2機はAIM-9 サイドワインダー短距離空対空ミサイルをリリース、そしてすれ違う。2機はアフターバーナーを点火させて加速、追撃してきた敵艦上戦闘機を突き放す。
そして、500ポンド爆弾を4発懸架した敵艦上攻撃機を20mmバルカン砲で攻撃した。敵艦上攻撃機達は反撃出来ず、海の藻屑と化す。しかしF/A-18F スーパーホーネットの後ろに敵艦上戦闘機がついた。2機は癖でフレア(熱源追尾式ミサイルをかわすための花火)を撒きながら急旋回、しかし、敵艦上戦闘機が弾けた。
〔!?〕
肩にでかいスズメバチを載せたホーネット・パイロット妖精が振り向いた。そこには、緑地迷彩柄のAH-64D アパッチロングボウが飛んでいた。
「お前らの敵はこっちにもいるぜ!」
AH-64D アパッチロングボウが、短翼端からFIM-92 スティンガーを発射、敵艦上戦闘機を撃墜する。
当然、敵艦上戦闘機達はAH-64D アパッチロングボウに襲い掛かる。が、AH-64D アパッチロングボウは機首を上げ、70mmロケット弾ポッドから近接信管付ロケット弾を連射、敵艦上戦闘機を迎え撃った。
敵艦上戦闘機とAH-64D アパッチロングボウがすれ違う。敵艦上戦闘機は急降下から機首を引き上げ上昇を始めるが、AH-64D アパッチロングボウはその場で180°ターン、敵艦上戦闘機を追尾して30mmチェーンガンで撃墜した。
あっという間に敵航空戦力は壊滅した。ニミッツから発艦したE-2C ホークアイ2000が敵水上戦力を見つけ、対艦兵装のF/A-27Cが出撃、ASM-2空対艦ミサイルを放って沈めた。
「敵のタスクフォース(機動部隊)かしら?」
「にしては戦力が少ないですね。威力偵察?」
ニミッツとアドミラル56が艦上機を着艦させながら会話する。
「まあいいわ。こちらは日本帝国海軍 南雲機動艦隊、ひゅうがちゃん、聞こえる?」
「ニミッツさん!?」
ひゅうがが驚いた。すると、ミズーリが信じられないという顔をした。
「ニミッツ? あのニミッツか?」
「ええ。CVN-68の」
そして、補給艦早吸を伴った南雲機動艦隊は無人島に上陸した。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
6人は一心不乱に、早吸とニミッツとアドミラル56が持っていた燃料を飲む(原子力空母は、艦上機や随伴艦の燃料を載せて補給艦代わりに使う事がある)。
「うわぁ……」
あまりの飲みっぷりに、早吸は言葉が出ない。
「ぷはぁ……で、どうしてヤンキーとヤポンスキーと旧日本軍がいるの?」
燃料を飲んだモスクワが言う。すると、ぐんじょうとあさぎが127mm単装速射砲MK45 mod2をアドミラル・クズネツォフとモスクワに向けた。咄嗟にモスクワも130mm連装速射砲AK-130を向ける。
「それはこっちの台詞よ、イワン」
「コミュニズムはくたばれですわ」
「肥え太った豚に言われたくないわね」
「うわぁ」
「一触即発っぽい?」
「危険だね」
第2駆逐隊は何も出来ない。何せ、重巡洋艦と軽巡洋艦が主砲を突きつけ合っているのだ。
ピリピリとした空気が流れる。あたごやふゆづき、さざなみも主砲をいつでも撃てるよう準備し、ニミッツは爆装したF/A-18F スーパーホーネットをクロスボウにセットし、アドミラル56とひゅうがはてんやわんやしている。
「「とりあえず喧嘩はやめようか」」
すると、ミズーリとアドミラル・クズネツォフが同時に口を開いた。ミズーリは2基ある16インチ三連装砲をモスクワと、ぐんじょう・あさぎに向け、アドミラル・クズネツォフは飛行甲板のP-700艦対艦巡航ミサイル用VLSのハッチを開いた。
「また外れです。もう1回」
神通が言う。そして天津風達はリアタック、標的ブイ(射撃訓練に使う、海に浮かべる的)へ主砲を撃つ。
「アナログだねぇ……」
その光景を、きりしまが見ていた。横にはこんごうやきりさめ、ありあけがいる。
「私達だって、75式主砲管制装置壊れたら手動操作よ」
「それに、対地艦砲射撃は全て手動じゃない」
こんごうときりさめの文句に、きりしまは黙る。
「こちら横須賀タワー。浜田隊、着陸を許可します」
〔了解。1番機、着陸する〕
鎮守府から突き出るように設置された、桟橋滑走路へ、ジェット戦闘機・橘花がランディングアプローチに入る。ランディングギアを下ろし、滑走路に引かれた白線と機銃照準器を合わせ、高度を落とす。
「ジェット戦闘機、ですか? プロペラが無いのは、何だか違和感がありますね」
滑走路を見下ろす位置にある執務室で、鳳翔がそう言った。提督は頭の上で腕を組む。
「ドイツの技術や、アメリカの機械工学を取り入れた、新型の局地戦闘機だとさ。今はまだ試験段階だが、実用化すればこいつを元に艦戦を作るとか」
「実戦配備はまだなんですね」
無人島の6人は、ひゅうがや村雨から説明を受けた。
「つまり、第二次世界大戦をおっ始めた所で深海棲艦とかいう化け物が出てきて、それどころではなくなったと? そうだとすりゃ、深海棲艦は平和の守護神じゃねぇか」
あたごが腕を組んで言う。
「平和の守護神って――」
「事実そうだろ? 人間同士の阿保らしい殺し合いが無くなったんだからよ」
春雨の言葉を遮り、あたごが言った。すると、ニミッツが神妙な顔で口を開く。
「まるで、『インディペンデンス・デイ』ね。宇宙からの侵略者を撃退し、地球は平和になったあの映画そっくりよ」
すると、ひゅうがが言った。
「何でニミッツさんがそれを知っているんですか?」
「おっと失言」
そこで、アドミラル56が提言した。
「このまま話しても、埒が空きませんから鎮守府に来てもらいましょうか?」
「イソロクちゃん、nice idea!」
しかし、あたごとモスクワが難色を示す。
「旧日本軍なんかの手下になれと? 冗談じゃねぇ。あたしは崇高なる海上自衛隊のDDG(ミサイル搭載護衛艦)だ!」
「ヤポンスキーの指揮下は気に入らない」
それには、ニミッツや第2駆逐隊があちゃーと言う。すると、ひゅうががにっこり笑って言った。
「あたごちゃん、こんごうさんと会いたくない?」
「はぁ!? いきなり何言って――」
「モスクワさんも、ピョートルさんと会いたいですよね?」
「――まさか、ピョートル・ヴェリーキイが? 誇りの塊である彼女が?」
「どうする? お2人さん」
ひゅうがは、終始にっこり笑っていた。
「つまり、これ以上に仲間が増えると? 大本営が許すと思うかい、村雨ちゃん?」
「彼女達を野放しにして飢え死させるんですか? それに、もし深海棲艦に捕まったりしたら――」
「分かった分かった。上層部に頭下げてくるよ」