艦隊これくしょん  〜第0艦隊、参ります!〜   作:土居内司令官(陸自ヲタ)

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Operation.11 航空戦艦

「まさか、あなたがここにいるなんて」

「いては悪い? スラヴァ、いやモスクワ」

「私としてはスラヴァの方が好きだけど。誇りの塊のあなたが、ヤポンスキーの指揮下に入るなんて」

「生き残るための選択よ」

 2人が会話する。巡洋戦艦(正しくは重巡洋艦)と重巡洋艦が、ニコリともせず会話する光景は――

「はわわわ」

「喧嘩なんて、レディーのする事じゃないわ!」

「長門さん! 天龍さん! 2人を止めて!」

 駆逐艦達をビビらせるのに充分だった。

 

 

 

「……こんごうさん?」

「あなた誰?」

 一方で、生き別れた姉妹に再会したような顔をするあたごに対し、こんごうは遠慮無くそう言った。あたごは一瞬泣きそうになり、そしてひゅうがに掴み掛かった。

「おいゴラひゅうが! あたしの知ってるこんごうさんじゃねぇぞ!」

「何も私達の知ってるこんごうさんだって言ってないよ。それに、こう言わないとあたごちゃん来ないと思って」

「いらねーお節介だ! あたし1人でも生きられる!」

 すると、ふゆづきが言った。

「腹ぺこ(燃料切れ)でぶっ倒れた人が、何をほざいているんでしょうか?」

「うるせーふゆづき!」

 すると、こんごうがあたごに近付き、手を差し出しながら口を開いた。

「よろしくね、あたごさん」

 あたごは一瞬どうしていいのか分からずフリーズしたが、こんごうの手を握った。

「役立たずだったら、承知しないからな」

 

 

 

 一方で、ニミッツとアドミラル・クズネツォフは波止場に腰掛け、サンドイッチを食べていた。

「まさか米露の空母が肩を並べるなんてね」

「ですよね〜。お互い対立しない方が有益なのに」

 そんな事を言い合いながら、サンドイッチをぱくつく。上空を、新たに配備された陸上攻撃機・銀河が飛んでいく。

 するとそこへ、醤油煎餅を手にした加賀と赤城がやってきた。

「隣、いいかしら?」

「どうぞどうぞ」

 左から、アドミラル・クズネツォフ、ニミッツ、加賀、赤城が座った。

「それにしても」

 加賀が言う。

「立て続けに新入りがやってきたわね。名前を覚えるので精一杯よ」

「珍しい、加賀さんが人の名前を覚えようとするなんて」

「赤城さん、今日の夜食は抜きね」

「えーー!?」

 煎餅を頬張りながら、赤城が涙をこぼす。

「話変わるけど、以前の演習で私を襲った『曲がる爆弾』、あれは何なのかしら?」

「『曲がる爆弾』? ああ、ペイヴウェイですね」

「ぺいぶうぇい?」

「500ポンド精密レーザー誘導爆弾、赤外線レーザーという特殊な光を当てて、それを爆弾が追い掛ける特殊な爆弾ですよ」

「私の彗星でも使えるかしら?」

「レーザー誘導装置が必要ですからねぇ……でも、急降下しながらなら、機銃のように狙いを定めればいけると思いますね」

「そう。明石さんにお願いしてみるわ」

 

 

 

「きりしまぁ!」

「何よ!」

 天龍がきりしまを呼ぶ。きりしまは頭をポリポリ掻きながら近付く。天龍の周りには、暁達第6駆逐隊と白露達第2駆逐隊がいた。

「何の用?」

「6駆の連中、全く砲撃が出来ないんだ。砲撃精度一の2駆を手本にしようとしても――」

「あー、察し。『砲撃なんて勘!』とかの一点張りでしょ?」

「その通りだ! だから――」

「私が教えろって?」

「頼む!」

 きりしまはため息をつく。

「ちなみに、あんたはどうなのよ?」

「あー、オレは、勘でだな」

「ブルー○スお前もか」

 きりしまが頭を抱える。

「私も、ほぼ勘だし、それに真似出来ない方法だからなー」

「一度見せてくれよ、きりしまの砲撃」

「えー」

 そう言いながらも、きりしまは127mm単装速射砲OTTメラーラ コンバットを構えた。

 対水上レーダーで的を捉え、イージスシステムが動きを予測、距離は20km、頭の上の75式主砲管制装置で照準、そして発砲した。

「ざっとこんな感じかな」

 きりしまが127mm単装速射砲OTTメラーラ コンバットを下ろす。放った6発の砲弾は、綺麗に全て的に当たっていた。

「すげー!」

「あんな簡単に!?」

「すごいのです!」

「ハラショー」

「惚れ惚れしちゃうわ!」

 皆口々に言うが、きりしまは平然としていた。

「ぶっちゃけレーダーとFCS(射撃統制装置)の賜物だよ。機器が故障しない限り確実に当たる」

 それを聞き、第2駆逐隊や第6駆逐隊、天龍が首を傾げた。

「えふしーえす?」

「まあ、魔法みたいなもんよ」

 

 

 

 帝都 海軍大本営 第1戦略会議室――

「第708偵察航空隊や、アメリカの護衛哨戒隊によりますと、深海棲艦の前線補給基地は3ヶ所、バシー、リランカ、サブで、少なくとも2個機動部隊、2個戦闘隊、4個重巡艦隊、6個水雷戦隊を確認しています」

 かなり大きな地図がライトアップされ、真っ白な海軍士官制服を着た青年士官が説明を行う。この会議室には今、日本陸海軍やアメリカ、イギリス、オーストラリアといった国々の将校達が集まっていた。

「今までも、我々横須賀鎮守府の機動部隊やアメリカの機動部隊で散発的な攻撃を行っていましたが、1つの拠点を攻撃していると、異なる拠点から日本本土やアメリカ本土に反撃が行われ、結果として防戦一手でありました。当作戦において、この3ヶ所を同時に奇襲、一挙に殲滅・奪取を行います。予め回答を頂きましたが、当作戦には――」

 

 

 

 その頃、ミズーリは日向に捕まっていた。

「奇遇だな、こうして未来の航空戦艦に会えるとは」

「あーうん、離してく――」

「瑞雲を積んでないのか? 瑞雲はいいぞ」

 端から聞いていたさざなみの頭の中に、某野獣先輩が出てきたのは気にしてはいけない。

「何で未来からやってきた航空戦艦に瑞雲が積まれていると思ったのよ」

 瑞鶴が突っ込むと、

「瑞鶴、貴様は瑞雲の良さが分かっていない。零観(零式水上観測機)ほどではないが、それなりに空戦は出来るし、何と言っても高い爆撃能力だ。いや、性能だけでは無い、洗練された主翼設計や流線型のフロートに――」

「はいはいストップ!」

 瑞鶴の我慢が切れた。

「前々から思ってたけど、航空戦艦の何処がいい訳? 航空戦力も火力も中途半端なのに」

 すると、瑞鶴は突然寒気を感じた。

「中途半端ですって、お姉さま。不幸ですわ……」

「やっぱり戦艦のまま大人しくしてた方が良かったのかしら……」

 振り返ると、彼女らがいた。

 

 さてさて、ミズーリと日向は――

「私としては、戦艦のままが良かったな。色んな人から『金食い虫』と揶揄されるのが嫌だった」

「そうなのか。だが、自分の戦い方が大きく広がる航空戦艦は――」

「確かにそう思うが、私にはトマホークも積まれている。ぶっちゃけ航空機を積む必要は無い」

「そんな事は無いぞ」

「そうか?」

「よし、演習でそれを示してやる」

「え?」

 ここに、航空戦艦同士の戦いが生まれようとしていた。

 

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