艦隊これくしょん 〜第0艦隊、参ります!〜 作:土居内司令官(陸自ヲタ)
Operation.13 南方海域
太平洋上を大規模な艦隊が進んでいた。3つある深海棲艦の拠点の1つ、サブ島を空襲するため、日本海軍はほとんどの戦力を投入していた。
「しかし、本土防衛は大丈夫なんでしょうか?」
「私の知った事では無いわ」
「ピョートルちゃん! でも、陸軍や海軍航空隊が全力で守ってくれるわよ」
南雲機動艦隊改め、第0艦隊配下のこんごう、ニミッツ、ピョートル・ヴェリーキイが話す。
「楽しそうだなぁ……」
「ヤキモチですか、あたごさん?」
「なっ!? 馬鹿、ちげぇよ!」
第0艦隊 第37駆逐隊所属のあたごとふゆづきが話す。サブ島に近い港へ移動する日本海軍 連合艦隊の先鋒を担う第37駆逐隊の旗艦ひゅうが、あたご、ふゆづき、さざなみが先行し、対潜・対空警戒を行っていた。
「でもよ、何だって敵基地襲撃にこんだけの戦力投入すんだよ? トマホークぶち込めば済む話じゃないか」
「それを言ったら、日本海軍の方々の顔が立ちませんよ」
「くっだらねー。効率ガン無視な作戦じゃねえか」
その時、先を飛んでいたS-3B バイキングの磁気センサーに反応が出た。ニミッツは他艦に連絡、S-3B バイキングに先制対潜攻撃を命じる。
S-3B バイキングは急降下、海面に突き出ている潜望鏡を視認する。そして、翼下のMK44誘導魚雷を投下した。
放たれたMK44誘導魚雷は、急速潜航する潜水艦カ級を受動探知して追跡する。
そして命中した。
ひゅうがのパッシブソナーがそれを確認した。が、周囲を飛ぶ航空機から次々と情報が寄せられる。
「そんな――」
「どうしたの? ひゅうがっち」
さざなみが尋ねる。すると、ひゅうがは真っ青な顔で応えた。
「当連合艦隊、敵潜に包囲されました――」
「敵潜包囲……罠に嵌められましたね……」
加賀が苦い顔をする。旗艦である大淀が、素早く指揮を執る。
「全戦隊、対潜警戒! 駆逐隊は対潜攻撃を開始!」
〔待ってください!〕
すると、ひゅうががストップを掛けた。
〔敵潜の合計は、今んとこ20。私達を壊滅させたいのであれば足りません。駆逐隊以外は、対空・対水上警戒を行わせるべきです!〕
「確信は、あるんですか?」
大淀が尋ねると、ひゅうがは応えた。
「あります。対潜艦としての勘です」
大淀は考え、新たな指示を出した。
「航空戦隊、駆逐隊は対潜戦闘用意! 戦闘戦隊は対空・対水上警戒を厳となせ!」
『了解!』
「よっしゃ、ここをおめぇらの墓場にしてやるぜ!」
あたごが速力を上げ、ふゆづき、さざなみも続く。アクティブソナーで敵潜水艦を捕捉、ふゆづきが敵潜水艦を惑わすために自走式デコイを左舷に向けて射出、面舵を取る。
敵潜水艦の位置は、SH-60K シーホークが垂らすデッピングソナーではっきりと分かる。ひゅうがが許可を下し、あたご・ふゆづき・さざなみが攻撃を開始する。
「CIC指示の目標、07式攻撃始め!」
ふゆづきが、2目標へ向かって2発の07式垂直発射魚雷投射ロケットを発射する。放たれた07式垂直発射魚雷投射ロケットは慣性誘導で指向され、空中分解して12式魚雷を投下、アクティブソナーでロックオンする。
そして、巨大な水柱が上がり、3人はずぶ濡れになった。
「敵潜捕捉!」
春雨が叫び、第2駆逐隊は爆雷を用意する。が、時雨が何かを見つけた。
「雷跡だ!」
咄嗟に第2駆逐隊は回避運動、4発の22インチ魚雷をかわす。
「まずい! 2駆より全戦隊、魚雷4発がそっち行きました!」
4発の魚雷が航空戦隊や輸送隊へ向かう。九七艦攻や天山が爆雷を投下、2発の魚雷を誘爆させる。が、残りが加賀と翔鶴へ向かう。
「07式、撃ちぃー方始めぇ!」
ひゅうがのMK41 VLSから2発の07式垂直発射魚雷投射ロケットが発射される。
ひゅうがから発射された2発の対潜ミサイルは、低空飛行で秋雲と朧に向かう。
「げっ」
2人は青ざめる。が、07式垂直発射魚雷投射ロケットは空中分解、12式魚雷を投下する。
2発の12式魚雷は、それぞれ22インチ魚雷へ向かう。そして、至近距離で自爆して誘爆させた。
AH-64D アパッチロングボウが敵潜水艦を発見、搭載していた70mmロケット弾ポッドで攻撃する。その時、ロングボウ対地レーダーに反応が出た。
「アパッチ隊が敵水上艦を発見、数6!」
ひゅうがが叫ぶ。すぐに蒼龍・飛龍が反応し、九九艦爆と流星改を飛ばす。が、対空警戒を行っていたE-2CJ ホークアイが敵航空機を発見、第2航空戦隊 攻撃隊の護衛の零戦 52型と第1・第3航空戦隊の烈風が迎撃に向かう。
お互いの艦戦が空中戦を開始する。そして、敵味方の攻撃隊がすれ違った。
「対空戦闘、撃ち方始め!」
大和が叫び、戦艦と重巡洋艦が三式弾を発射、第36駆逐隊のこんごうときりしまもRIM-162 発展型シー・スパロー短距離艦対空ミサイルを発射する。
敵攻撃隊が次々と数を減らす。しかし、側面護衛の駆逐隊が主砲や25mm対空機銃で弾幕を張るも、敵艦爆だけは減らない。
艦隊直衛のF-35B ライトニングⅡがAIM-9 サイドワインダー短距離空対空ミサイルを発射、さらには25mm機関砲ポッドで攻撃し、敵艦爆を減らす。
「見せてもらおう、深海棲艦の艦爆の実力とやらを!」
アドミラル・クズネツォフが全力迎撃を開始する。キンジャール短距離艦対空ミサイル、短SAM・30mm複合CIWS コールチク、30mmCIWS AK-630で圧倒的弾幕を張り、敵艦爆を撃ち落とす。
「あれがネツォフさんの全力迎撃……」
「怖いのです……」
雷と電が呟く。すると天龍が叫んだ。
「コラァ! ぼさっとしてねぇで迎撃しろ!」
「4個機動部隊で待ち伏せか。敵さんも必死だな!」
「全く同感だよ!」
敵戦艦を捕捉、ミズーリと日向が砲撃を始める。
着弾の水柱が上がる。金剛が飛ばした零式水上観測機が着弾観測、日向が放った4発の位置を知らせる。
「日向1弾、全遠、下げ6、急げ!」
日向の第3・第4砲塔が、その連絡を受けて仰角を下げる。
「ミズーリ、射撃数3、発射!」
日向の初弾を基に、ミズーリの第1砲塔が巨弾を放った。
「弾ちゃーく、今!」
再び水柱が上がる。1発は遠く、2発は手前に落ちた。
「夾叉!」
「よし、ミズーリ、一斉射だ!」
「了解!」
『全砲門、ってぇ!』
合計7発の砲弾が放物線を描く。
「現代艦が砲戦とか信じらんねーよ!」
「あたごさん、文句言わない!」
あたごとふゆづきが、127mm単装速射砲MK45 mod4を撃つ。真鍮製の薬莢が海へと落っこち、砲弾が飛んでいく。
「着弾観測!」
「んな暇ねーよ! 機関後進!」
あたごとふゆづきが急停止、そしてバックし始める。直後、2人の目の前に砲弾が落っこちて水柱が上がった。
「同航戦、右舷・砲雷撃戦用意!」
神通率いる第2水雷戦隊配下の第16駆逐隊、第17駆逐隊、そしてぐんじょう・あさぎ・こんごう・きりしま・きりさめ・ありあけの属する第0艦隊 第36駆逐隊が単縦陣を取る。
右舷10km離れた所に、深海棲艦の水雷戦隊がいる。ぐんじょうは127mm単装速射砲MK45 mod2を構え、叫んだ。
「36駆、砲戦開始!」
127mm単装速射砲MK45 mod2、127mm単装速射砲OTTメラーラ コンバット、76mm単装速射砲OTTメラーラ コンパクトが砲弾を放つ。レーダーFCS(射撃統制装置)による射撃のため、ほぼ確実に命中する。
「敵、発砲!」
「自動防御!」
20mmCIWS、RIM-162 発展型シー・スパロー短距離艦対空ミサイルを使い、迫り来る敵弾を迎え撃つ。
「距離五○(5000m)、2水戦、右舷雷撃始め!」
だいぶ数が減った敵水雷戦隊へ、第2水雷戦隊が次々九三式61cm魚雷を射出する。
零戦 52型や烈風が、敵艦戦と空中戦をする中、F-14D スーパートムキャットやF/A-18F スーパーホーネット、F/A-27C、A-6E イントルーダー、彗星、九九艦爆、流星改、瑞雲が低空飛行で敵艦隊に迫る。当然、敵の直衛隊が降下してくる。
F-14D スーパートムキャットは増槽を捨て、AIM-120 アムラーム中距離空対空ミサイルを発射する。そして、F/A-18F スーパーホーネットやF/A-27C、A-6E イントルーダーが一斉に空対艦ミサイルを放って離脱、残りは残敵を叩くために直進する。
彗星、九九艦爆、瑞雲は一斉に上昇、急降下爆撃高度まで上がる。流星改は九一式航空魚雷を投下、一部は犠牲になりながら離脱する。
そして、艦爆隊は一斉に急降下を開始した。次々撃ち上げられる対空砲の曳光弾が機体を掠め、撃墜していく。
爆撃照準器で空母ヲ級を捉える。高度450m、一斉に爆弾を投下する。パイロット妖精達は操縦桿を手前に引き、離脱を始める。
艦爆隊は防御砲火で2/3がやられた。艦攻隊も1/4が未帰還機になった。
「敵勢力、撤退していきます!」
「深追いは禁止です! とにかくトラック泊地へ!」
「損害報告! 急いで!」
日本海軍 連合艦隊はトラック泊地へ向かった。