艦隊これくしょん 〜第0艦隊、参ります!〜 作:土居内司令官(陸自ヲタ)
こんごうは目覚めた。頭がガンガン鳴っている。こんな目覚め方は2度目だった。
起きようとするが、起きれない。何かが体にのしかかっているのだ。いや、抱き締められている?
「…………」
首を回したこんごうが、何とも言い難い顔をする。こんごうは今、眠っている金剛と榛名に抱き枕の如く抱き締められていた。
こんごうは2人の腕と足を振り解き、ようやく立ち上がった。そして周りを見る。
「…………」
今度は言葉を失った。
有り様が酷いの域を通り越していた。並んだちゃぶ台達の上には、食べ物なのか飲み物なのか、はたまたお土産(注・鉄道用語)なのか、判断し難い流動性物体がぶちまけられている。さらに何人かが全裸で倒れている。提督の姿は見えないから、犯罪行為(意味深)は無かったのだろう。
いやいや、即決過ぎるぞこんごう。
彼女は頭を振るう。
そして気付いた。
鳳翔さんがいない……
「悪いな、鳳翔さん」
「いえ、構いませんよ」
提督室にて、提督がお茶漬けを食べていた。その隣には鳳翔の姿があった。
「作戦終わって祝勝会して、その上面倒まで見てもらって……上官としての立場は無いな……」
「もう! 今は勤務時間ではありませんよ提督! いえ、薫さん」
「これは……」
「青葉さんに連絡ね。たたき起こして」
「トマホークでですか?」
「死屍累々になるから止めて」
「分かりました、127mmで――」
「何もキルしろとは言ってないわ」
「対空弾なので死にはしないでしょう」
こんごうによって普通にたたき起こされた青葉は、目をこすりながらニミッツが見せるタブレット端末を見る。
「何です、これ?」
「まあまあ、よく見て」
「……こ、これは!?」
1人、また1人と起き上がる。ある者は頭痛に唸り、ある者はトイレに駆け込み、ある者は自分の姿に羞恥した。
片付ける間宮と伊良湖を、ひゅうが達ときりしまが手伝う中、青葉はニミッツのタブレット端末を食い入るように見、ノートに書き込んでいた。
「さすが未来ですね〜。こんな小さくて、かつアンテナや配線の要らないテレビなんて便利過ぎますよ〜」(注・すでに、第二次世界大戦中にはテレビ放送が研究されていた)
青葉はノートに書き込み続ける。そのタブレット端末の画面には、アンブラッセ状態(訳注・リア充末永く爆ぜろ)の鳳翔と提督が映っていた。
「にしてもニミッツさん、一体この映像は?」
「私が飛ばしたシーホーク(MH-60R シーホーク)から」
「哨戒機からですか!? これは非常に便利な技術ですね〜」
すると、衣笠と金剛がタブレット端末を覗き込んできた。
「青葉ー、何それ?」
「ニミッツさんから借りてる小型持ち運びテレビだよ」
画面を見ていた金剛の顔から、徐々に血の気が引いていっていく。
「…………」
「金剛お姉様!?」
榛名が驚く。そして、金剛の目から涙が溢れ出した。
「榛名ぁ……ワタシには提督を勝ち取れないデス……」
そして榛名に抱きついた。思いっきり号泣しながら。
「何なんですかあれ」
こんごうが尋ねると、衣笠が答えた。
「金剛さん、提督にお熱だったからね。でも、鳳翔さん相手じゃあ、ねぇ?」
青葉が頷いた。
「どうせワタシなんか……! フランスかイタリアで生まれていれば、料理なんていくらでも出来るというのに……!」
「お姉様、それだと榛名達はこの姿で生まれていませんよ?」
まだ泣いていた。