艦隊これくしょん 〜第0艦隊、参ります!〜 作:土居内司令官(陸自ヲタ)
「選抜メンバーですって? これ、どう見ても鎮守府総戦力で無くって?」byあさぎ
という事で、また演習だった。第0艦隊16人対横須賀鎮守府艦隊(事実上の日本海軍主要戦力)の対決だ。
「うん、やっぱり弾が足りない気がするよ。無理ゲーだねこれ」
「無理ゲーは嫌だね……」
「私に野垂れ死ねと言っているのが聞こえるわね」
きりしま、さざなみ、ピョートルが言う。第0艦隊旗艦のニミッツは頭を抱えている。
「……やっぱ航空機で波状攻撃しつつ、同航戦で逃げるしかないか」
「やっぱりですか……」
アドミラルクズネツォフが、溜め息をつく。
今回の演習の条件はただ一つ、「殲滅せよ」。つまり、どちらか全員がやられるまで決着はつかない。しかも、横須賀鎮守府艦隊は陸上機による航空支援ありである。
第0艦隊は戦艦 1、航戦 1、正規空母 3、軽空母 1、重巡 1、軽巡 2、駆逐 7。
一方の横須賀鎮守府艦隊は戦艦 14、航戦 4、正規空母 10、軽空母 7、装甲空母 3、水母 5、重巡 15、航巡 6、軽巡 19、雷巡 3、連巡 2、駆逐 87、補給 2、潜水 10、潜母 1、揚陸 1。
簡単に言えば、「16対189+α(陸上機)」である。これを無理ゲーと言わずに何と言う。
「とりあえず、全員のSSM(艦対艦ミサイル)を確認しよう」
ニミッツが言う。まずミズーリが答えた。
「90式が16発、トマホークが40発だ」
「グラニート 20発」
「私は12発ですね〜」
「16発」
「2人合わせて56発ね」
「私ときりしまで36発です」
「あたしは18発」
「4人で32発」
計算してみると――
「あれ、190行くぞこれ」
意外にも足りた。無理ゲー感何処行った。
「しかし、戦艦や航空戦艦、装甲空母相手に、SSMでは微細なダメージしか与えられませんからね。やっぱり――」
「航空機総動員の総力戦、か。やだなぁ」
こんごうの意見に、ニミッツが溜め息をついた。
零式艦上戦闘機やF6F ヘルキャット、Fw190改が飛んでいく。横須賀鎮守府艦隊旗艦の加賀が、キュッと唇を結ぶ。
「翔鶴姉ぇ、大丈夫?」
「大丈夫よ。心配しないで」
「ショーカク、sorryネ……」
「気にしないでよ、金剛」
翔鶴の額には、絆創膏が貼ってあった。
「そこ、気を引き締めてもらえますか? 特に『五航戦』」
『ごめんなさい!』
「相変わらずカガは手厳しいネー」
「あなたもよ」
「Oh.」
「とにかく、目はいるから上げておこう」
「了解です」
ニミッツとアドミラル56が、E-2D アドバンスドホークアイを飛ばす。更に、CAPとしてF-14D スーパートムキャットとSu-33改 シーフランカーが飛び上がった。
機上のレドームをくるくる回し、E-2D アドバンスドホークアイは警戒電波を撒き散らす。やがて、複数の目標を発見した。
「ウィッチクラフト、レーダーコンタクト!」
ニミッツがそう宣言、即座にデータリンクで全員に共有される。
「これは……」
「ちょっと多過ぎですね〜」
ピョートルとアドミラルクズネツォフが苦い顔をする。今、第0艦隊と横須賀鎮守府艦隊は反航戦で近付いている。勿論横須賀鎮守府艦隊からも航空機がやってきているが、挟み撃ちするように背後から陸上機がやってきていた。
「潜水艦の位置は不明だから、どう動くかで命運が分かれるわね」
そう言うニミッツに対し、こんごうが提案した。
「私ときりしま、あたごで敵陸上機を迎え撃つ、というのは?」
こんごうが提案するが、あたごが止めた。
「いや、陸上機は60機、あたし1人で充分だ。こんごう姉さん、ここはあたしに任せてくれ」
こんごうは頷く。ニミッツは頭を抱え、決断した。
「どのみち、それしかないか……OK、背中は預けたよ」
あたごは敬礼し、RGM-109B トマホーク艦対艦巡航ミサイルを発射した後に取り舵で敵陸上機迎撃に向かう。
「んじゃ、こっちも行きますか!」
ニミッツが、クロスボウへとF-35C ライトニングⅡをセットする。残りのメンバーも、P-1000艦対艦巡航ミサイルやP-700艦対艦巡航ミサイル、RGM-109B トマホーク艦対艦巡航ミサイルを発射する中、アドミラルクズネツォフがニミッツに質問する。
「いくらなんでも、防空がジュラーヴリク(Su-33改 シーフランカー)だけでいいんですかね?」
「んー、何といってもファイアパワーの不足感が補えないから、ボムキャット(爆装F-14D スーパートムキャット)を注ぎ込まないといけないし、それにSM-6が果たして使えるか、っていうのも調べないといけないし?」
「なるほど」
「ヤバくなったら全力防空、期待してるから」
「お任せあれ〜。ニミッツさんのためなら弾丸・対空ミサイル安売りセールを幾らでもやってやりますよ〜」
E-2D アドバンスドホークアイからのデータリンクで、Su-33改 シーフランカーがR-77中距離空対空ミサイルを敵艦爆へ発射、戦闘が始まった。
その下を、500ポンド誘導爆弾を装備したF-35C ライトニングⅡやF-35B ライトニングⅡ、F/A-27CMが飛んでいく。ステルス性能を生かした「ファーストデイ・ストライク(先制奇襲攻撃)」チームだ。それより高い高度で、空対艦ミサイルを装備したF/A-18FX アドバンスドスーパーホーネット、MiG-29K シーファルクラム、AV-8B+ ハリアーⅡ、A-6E イントルーダーが飛ぶ。
横須賀鎮守府艦隊直衛機に向かって、EA-18G グラウラーがAIM-120 アムラーム中距離空対空ミサイルを発射、直後にAGM-88 ハーム対レーダーミサイルも発射、ECMを続行する。
やがて、第0艦隊 第1波攻撃隊がSM-6ERAM長距離艦対空ミサイルの射程に入った。まだSPY-1対空レーダーには映らないが、E-2D アドバンスドホークアイのデータリンクで手に取るように分かる。
「艦隊、対空戦闘用意!」
『了解!』
ニミッツが叫び、ミズーリとぐんじょう、あさぎ、こんごう、きりしまがMK41 VLSを構える。
「CIC指示の目標、SM-6撃ち方始め!」
「Recommend fire!」
「Salvo!」
一斉に大量のSM-6ERAM長距離艦対空ミサイルが放たれた。
一方のあたごは、SPY-1D対空レーダーとパッシブソナーを総動員し、陸上機迎撃に向かっていた。
(相手は60機、SM-6はぎりぎり足りる。が、これは持久戦だ。無駄弾は極力避けてぇところだ!)
あたごは右腕のMK41 VLSを水平にした。
「前甲板VLS、1番から20番開口! CIC指示の近付く目標、SM-6攻撃始め! Salvo!」
イージスシステムの制約を受けないSM-6ERAM長距離艦対空ミサイルなら、細かい事を気にする必要が無い。この近代化改修を誰よりも喜んでいたのは、あたごだった。
18機の一式戦闘機 隼Ⅱ型の護衛と共に、一式陸上攻撃機と銀河の編隊が進む。しかしそこへ、アクティブレーダーホーミングで飛んできたSM-6ERAM長距離艦対空ミサイルが炸裂した。