艦隊これくしょん 〜第0艦隊、参ります!〜 作:土居内司令官(陸自ヲタ)
そして、笹子3等空尉の目が開いた。機体は飛んでおり、GE/IHI J79ターボジェットエンジンの振動が伝わってくる。しかし、キャノピーの外に広がる光景は異常だった。
「晴れてる……?」
「何がどうなってるんだ、これ?」
RF-4EJ改 ファントムⅡは、晴天の中を飛んでいた。
榊原1等空尉はTACAN(無線式航法支援装置)で現在地を割り出そうとする。が、通信出来ない。彼は大規模なジャミング(電磁妨害)を疑ったが、それならレーダーに何らかの干渉があるはずである。しかし、一切無かった。
INS(慣性航法装置)によると、御殿場市上空らしい。が、眼下には緑豊かな山々しか見えない。
無線で東京ATC(航空交通管制センター)や横田SOC(防空指令所)に連絡を取っても繋がらない。
その時、何かとすれ違った。
「何だ!? 笹子、ブレイク・ライト!」
「了解!」
RF-4EJ改 ファントムⅡは右急旋回する。そして、「何か」を捉えた。
「…………!?」
「レシプロ機!?」
緑色の機体にプロペラを付けた、紫電改の編隊が飛んでいた。
行方不明となった第17駆逐隊捜索のため、哨戒や遠征の担当から外れている者達は海へ出る。
阿武隈、神通、陽炎、不知火、霞、霰は最後に定時連絡のあった場所へと向かう。
全員無言で辺りを見回す。すると、不知火が何かを見つけた。
「これは……」
それは、25mm連装対空機銃であった。数人の妖精も一緒に浮かんでおり、陽炎がすくい上げる。
グリップには「陽炎型 浦風」と書かれていた。
「浦風の、機銃……」
どうして機銃だけあるか。投棄せざるを得ない状況か、もしくは「機銃だけ浮いている」か。いずれにせよ、交戦があった事に間違いは無い。
「えぇっ!?」
助けた妖精――浦風の対空要員――から話を聞いていた陽炎が驚く。
「ジェット機に襲撃された、だって――?」
その時、阿武隈が何かを察知した。
「みんな! 対空警戒態勢に!」
その声に、不知火も感じ取った。
主砲の砲口を上に向け、対空機銃へ妖精が配置につく。
そして、飛行機が見えた。神通の14cm単装砲と霞の12.7cm連装砲が目標を指向する。が、撃てなかった。何故なら――
「あれは――」
「イソロクさんのA-6!?」
紛れも無く、A-6E イントルーダーだった。主翼には無数の500ポンド爆弾が懸架されている。
そして、爆弾が切り離された。
救難捜索のため、ニミッツがE-2D アドバンスドホークアイを飛ばす。アドミラル56やアドミラルクズネツォフも、戦闘機を発進させる。
「何だか、嫌な予感がするわね」
ピョートルが呟く。それには、こんごうも頷いた。
「全くの同感です」
その時、ニミッツのE-2D アドバンスドホークアイが捉えた。
「ウィッチクラフト、レーダーコンタクト!」
しかし、ニミッツは驚いた。
「え、何で――」
「どうしたんですか?」
こんごうが尋ねると、ニミッツは応えた。
「IFFが、『友軍機』を示しているって……」