艦隊これくしょん 〜第0艦隊、参ります!〜 作:土居内司令官(陸自ヲタ)
一旦救難捜索チームが鎮守府に帰ってきた。阿武隈達は全員ドック入りし、ニミッツ達は放心状態で第2仮眠室へ。
アドミラル56が部屋の隅で膝を抱え、残りも消沈したようにちゃぶ台を囲む。
「F-4J、A-7、A-6……」
「どれも、ベトナムの時の機体ですよね……」
ニミッツとアドミラルクズネツォフが呟く。
「深海棲艦の技術か、ベトナム時代の米空母の誰かか……」
「後者なら、いきなりトムキャットをスパローで攻撃しないわ……」
「ですよね……」
そこへ、長門と日向がやってきた。
「大丈夫……ではなさそうだな」
「最初に言っておく。私達じゃない」
「分かっている。イソロクの姿を見れば瞭然だ」
ニミッツの言葉に、長門はアドミラル56を指差しながら返した。
2人は座り、日向が尋ねる。
「阿武隈達を襲撃したジェット機に、見覚えは無いのか?」
「ある」
ニミッツが答えた。
「私が就役した年に終わったベトナム戦争、その時の機体よ」
「知り合いが転生した?」
「まさか。だったらいきなり攻撃してくる訳が無い。IFF――敵味方識別信号――は『味方』だったのに」
「いや、ありうる話だ」
長門は立ち上がり、窓の外を見る。そこでは、白露型達が自主トレを行っていた。
「以前、春雨に酷似した深海棲艦が報告された事がある。他にも、神通や加賀にもな。特に、春雨はその深海棲艦を倒した後、海に倒れていたらしい」
「まさか――」
「ああ。深海棲艦が、洗脳している可能性がある」
哨戒飛行を行っていた二式大型飛行艇の電探に、反応が出た。直ちに哨戒中の一式陸上攻撃機の編隊に伝達され、横須賀鎮守府へリレー中継される。
横須賀鎮守府に迎撃命令が発動される。が、高速の航空機が襲来してきた。
直ちに配備されたばかりの橘花と雷電の編隊が離陸していく。艦娘達も艤装室へ走り、艤装を身に着けて海へ出る。
ニミッツ達も出る。既に艦載機は滑走路から離陸していた。
上空を飛ぶE-2D アドバンスドホークアイが迎撃機に指示を出す。
九六式艦上戦闘機、零式艦上戦闘機 52型、烈風改、F6F-3 ヘルキャット、Fw190T改が上空で編隊を組み、E-2D アドバンスドホークアイの管制で飛ぶ。
しかし、突然数機が爆散した。
〔レーダーコンタクト!〕
〔FOX3!〕
F-14D スーパートムキャットとSu-33改 シーフランカーがAIM-120 アムラーム中距離空対空ミサイルとR-77中距離空対空ミサイルを一斉に放った。直後、増槽投下、チャフをばらまきながら一斉に離れていく。
そして、F-4J ファントムⅡとF-8E クルセイダーとドッグファイトを始める。
一方、眼下ではレシプロ機が敵ジェット攻撃機に襲い掛かっていた。
A-1 スカイレイダーの後ろに烈風改とF6F-3 ヘルキャットが回り込む。が、A-1 スカイレイダーは爆弾と航空魚雷を切り捨て、ドッグファイトを始めた。
他にも、Fw190T改や零式艦上戦闘機 52型が、A-7E コルセアⅡのAIM-9 サイドワインダー短距離空対空ミサイルになすすべ無く撃墜されていく。戦果と言ったら、橘花が空対空ロケット弾で撃墜したA-6E イントルーダーくらいだった。
「航空隊、被害甚大! やはり、ジェット機相手では……」
翔鶴が報告する。指揮を預かっている大和や加賀が思慮する中、ニミッツが口を開いた。
「第0艦隊以外、全員撤収せよ。繰り返す、第0艦隊以外全員撤収せよ」
「撤収……!?」
「無茶です! 向こうの戦力は、ジェット機以外不明なんですよ!? レ級や、姫クラスがいたら……!」
加賀が目を見開き、大和がニミッツの意見に反対する。が、ニミッツは真剣な眼差しで返した。
「ジェット機相手じゃ、これ以上いたずらに被害を増やすだけよ! それに――横須賀鎮守府の戦力を演習で全滅した部隊は何処だったかしら?」
その言葉に、加賀は頷かざるを得なかった。
「やむを得ません。第1から第4艦隊の全員は後退し、必要があり次第第0艦隊を支援します」
加賀の言葉に、ニミッツは驚く。
「支援って……私は、撤退を――」
「ここで、ただで引き下がったら一航戦の恥です。ここは譲りません」
その言葉に、横須賀鎮守府艦隊の皆が頷いた。ニミッツは考え、口を開いた。
「分かった。支援攻撃を受け入れるわ。ただ、ヤバいと思ったら直ちに退避する事。鎮守府のモットーを厳守してよね!」