艦隊これくしょん 〜第0艦隊、参ります!〜 作:土居内司令官(陸自ヲタ)
ニミッツ、アドミラルクズネツォフ、アドミラル56から、空対艦ミサイルを装備した攻撃隊が飛び立つ。F-35B ライトニングⅡやF-35C ライトニングⅡすら、主翼下にAGM-84 ハープーン空対艦ミサイルを懸架して飛んでいく。
その編隊の遥か前方を、TAC(戦術偵察)ポッドを懸架したF-14D スーパートムキャットが飛ぶ。翼を閉じ、超音速飛行で敵艦隊に近付く。RWR(受動レーダー警戒装置)が警鐘を鳴らし、チャフ散布。そして、敵艦隊の真上を飛び抜けた。
F-14D スーパートムキャットが収集した情報が、ニミッツに送られてきた。
「これは……エンター姉さん?」
「何だって?」
ミズーリが驚く。しかし、データリンクで送られてきた画像を見て、頷かざるを得なかった。
「確かに、エンタープライズだ……」
「あの世界初の原子力空母?」
アドミラルクズネツォフが尋ねた。すると、ニミッツは頷いた。
「私の唯一の義理の姉の、CVN-65 エンタープライズよ」
敵機を捕捉したSu-33改 シーフランカーが、R-77中距離空対空ミサイルを発射、先制攻撃を行う。
そして、F-14D スーパートムキャットとF/A-18FX アドバンスドスーパーホーネットも自衛用AIM-120 アムラーム中距離空対空ミサイルを一斉に発射した。そして、F-4J ファントムⅡやF-8E クルセイダーとドッグファイトを始めた。
その隙に、第0艦隊 攻撃隊は低空でくぐり抜け、敵艦隊へ向かう。
「1つ、身勝手な注文していいかしら?」
ニミッツが、そう口を動かした。第0艦隊の皆は、首を傾げる。
「『エンタープライズへの攻撃』は無しってお願い出来る?」
「それは、エンタープライズは生かせておけ、そういう意味ですか?」
アドミラルクズネツォフが問うと、ニミッツは頷いた。
「ごめん、身勝手だって分かってる。でも――」
「私は賛成ですよ、ニミッツさん」
ニミッツに向かって、アドミラルクズネツォフは微笑みながらそう言った。
「私も、異論はありません。艦隊の指揮官は、あなたですから」
アドミラル56も言う。他も、やれやれという顔をしていた。
「ネツォフが言うなら、仕方無いわね(ピョートル)」
「イソロクが反論しなきゃ、私が反論出来ないじゃないですか。ま、反論する気はありませんでしたが(こんごう)」
「艦隊防空能力はカンストしてんだし、別にいーよー(きりしま)」
「不届き者だったら、すぐにトマホークを撃ち込んでやっからな(あたご)」
「ま、異議は無いわね(モスクワ)」
「確かに、同胞を殺すのは気が引ける(ミズーリ)」
「人助けも、対応任務の1つですから!(ひゅうが)」
「異議なーし!(さざなみ)」
「私は、常に僚艦に付き従います(ふゆづき)」
「狩る目標が減ったけど、またの機会ね(きりさめ)」
「私も、アメリカ空母相手に引け目感じてましたし(ありあけ)」
「イソロクさんの仰せのままに、ってね(ぐんじょう)」
「わたくしも、反対しませんわ(あさぎ)」
「皆、ありがとう……」
ニミッツは顔を拭き、頬を叩いて気合いを入れた。
やがて、F/A-27CMがウェポンベイを開き、ASM-3空対艦ミサイルを2発ずつ発射した。目標は、全弾戦艦レ級である。今までの演習や実戦で、戦艦や装甲空母相手に対艦ミサイルは通用しない事が判明した。しかし、マッハ4.5という超高速で飛ぶASM-3空対艦ミサイルなら、その衝撃波でダメージが与えられると踏んだのだ。
残りの攻撃隊も、続々とAGM-84 ハープーン空対艦ミサイルを発射する。
そして、アクティブレーダーホーミングによって、ASM-3空対艦ミサイルは戦艦レ級に続々と命中していく。AGM-84 ハープーン空対艦ミサイル達も、重巡リ級等に命中していった。
彼女は困惑する。見た事の無い兵器で、仲間がどんどんやられていく。しかし、自分は一切攻撃を受けていなかった。
仲間? 仲間ダッテ? ワタシハ、ワタシハCVN――
「目標エコーを除き、敵艦隊全滅! 周囲にストレンジャー無し!」
E-2D アドバンスドホークアイからのデータリンクを、アドミラル56が報告した。ニミッツは頷き、ミズーリに指示を出した。
「ミズーリちゃん、帰ってきたF-35は?」
「収容を終えたのは3機、残りは空中待機中だ」
「OK、2機にガンポッドを装着させて、直ちに発艦させて。エンター姉さんのファランクス砲を破壊するわ」
「I see.」
そして、ミズーリの飛行甲板から2機のF-35B ライトニングⅡが発艦した。
ワタシハ、私は――
――DLGN-25 ベインブリッジ、CLGN-160 ロングビーチ、DLGN-35 トラクスタン、DLG-23 ハルゼー、CV-62 インディペンデンス、CV-9 エセックス、CV-15 ランドルフ――皆は、何処に?
2機のF-35B ライトニングⅡが、海面を掠める超音速飛行を行う。そして、IRST(赤外線索敵追尾装置)でエンタープライズの姿を捉えた。
球磨のような、稲妻型の癖毛を持つライトニングⅡ妖精の右人差し指が、サイドスティックのトリガーに触れる。HMD(ヘッドマウントディスプレイ)で、エンタープライズの20mmCIWS ファランクス MK15を狙い、トリガーを引き絞った。
F-35B ライトニングⅡ胴体下の25mmガンポッドに内蔵された、25mm GAU-22/Bガトリング砲が唸り、20mmCIWS ファランクス MK15を破壊する。更には、そのままエンタープライズのクロスボウも破壊する。
何なの!? 私の唯一の武装が! 命より大事なカタパルトが!
F-35B ライトニングⅡの攻撃が成功し、第0艦隊はエンタープライズに近付く。勿論、厳重態勢で。
やがて、エンタープライズの姿を捉えた。ニミッツはその姿を認め、手を振った。
あれは、CVN-68の――