艦隊これくしょん  〜第0艦隊、参ります!〜   作:土居内司令官(陸自ヲタ)

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Operation.42 鎮守府のメリークリスマス

「……何じゃこりゃ」

 笹子提督の目の前には、綺麗に飾り付けられた本部棟 正面玄関。

「Hey, テートク! Merry Christmasデース!」

 ミニスカサンタコスの金剛に、笹子提督はクラッカーを浴びせられた。

「イエーイ! 鈴谷もいるよー!」

 おんなじ格好の鈴谷と金剛が、笹子提督を奥へと引っ張っていく。

「おいおいおい、ちょっと待て」

「どうしたデース?」

「どういう風の吹き回しだ? 去年はこんなのやってなかっただろうが」

 すると、金剛が説明を始めた。

「去年まではForegin girlsや戦艦で集まって小規模なpartyをしていたのデスが、流石に寂しいなッテ」

「……あっそう」

「反応薄くないデスカー!? テートク!」

 

 そして、講義堂へ連れて行かれた。

 そこでは、見事なクリスマスパーティーが開かれていた。

「スゲー……1日でやったのか、これ?」

「実質1時間デース! 100人もの人手を借りれば、こんなの朝飯前デース!」

 

「ま、普通のクリスマスパーティーだな」

 あたご、フライドチキンをかじりながら一言。

 

 

 

 瑞鶴の目の前に、巨大な七面鳥が1つ。

「瑞鶴さん、食べないんですか?」

「秋月、私は好きじゃないんだよね。何かこう、グロテスクで」

「確かに、こんな大きなお肉を食べたら、罰が当たりそうですね……」

 すると、サラトガが入ってきた。

「あら、食べないのですか? サラの国ではこれ以上も無いご馳走ですよ?」

 秋月、お腹を抑えながら一言。

「ご馳走と聞いて、痛くなってきました……」

「秋月、休んだら?」

「そうさせてもらいます……」

 今度は、秋月と入れ替わりの如く加賀と赤城がやってきた。

「これ、瑞鶴の? それともサラ?」

「いや、どちらのでも……」

「そう、じゃあ瑞鶴、食べなさい」

「え、いや加賀さん。私はこの見た目が苦手で――」

「食べ物を粗末にしているようなら、間宮さんを呼びます」

「それはちょっと! ていうか、こんな量、1人では――ってサラちゃんは!?」

 サラトガ、巻き添えを食らう前に戦略的撤退を行った模様。

「瑞鶴ちゃんが食べないなら、私が――」

「どうぞどうぞ」

 七面鳥を赤城の方へ動かす瑞鶴。しかし、赤城は満面の笑顔でこう言った。

「でも、加賀さんが瑞鶴ちゃんに勧めているのを私が食べたら悪いわ」

「いやいやいや! 赤城さん!?」

 するとそこへ、アイオワがやってきた。

「このTurkey、誰も食べないの? ならMeが――」

 すかさず瑞鶴は渡そうとするも、加賀の眼光によってアイオワが後退りするのを見て、「駄目だこりゃ」と瑞鶴は悟った。

 アイオワが去っていったのを見届け、加賀が言う。

「ほら、瑞鶴。食べなさい」

「いや、その――」

「まみ――」

「食べます! 食べますから! 食べさせて頂きますから!」

 そして、瑞鶴は首と足を掴み、七面鳥にかじりついた。

 

 

 

「……瑞鶴さんが七面鳥を泣きながら丸かじりしてる」

 シャンパン片手に、アドミラル56が一言。

 その隣には、シャンパンの瓶を抱きかかえたポーラ。

「うへへ〜、イソロクさんのおかげでぇ、ザラ姉様に見つからずにすみますぅ〜」

「ホントホント、イソロクさんは包容力あっていいです〜」

 アドミラル56の両隣には、すっかり出来上がったイタリアの重巡とロシアの正規空――いや違った、ミサイル重航空巡洋艦が座っていた。

「で、誰に見つからないだって?」

 ポーラの背後から、とある声。そして、ポーラの酔いが一気に醒めた。

「ざ、ザラ姉様……」

 そこには、般若のような顔のザラの姿。

「あんた、『今日は2本まで』って言ったよね? それ、6本目だよね?」

「いやあの――」

「言い訳ムヨー(無用)! 今すぐそのアルコール漬けの頭を雪に突っ込んでやる!」

 そう言って、ザラはポーラの首根っこをひっつかみ、外へと引きずっていった。

 

「外、積もるほど降ってないけどね」

「その時は海水でしょ」

「待って姉貴。この時期は死ぬって」

「艦娘でしょ? 死にはすまい」

「死ぬって。どう考えたって死ぬって」

 語り合うこんごうときりしま。

 

「それでは那珂ちゃん、1曲歌わせていただきます!」

 ステージに上がった那珂が、マイクを握り締めて歌い出した。すると、食事をしていた加賀が立ち上がった。

「加賀さん!?」

「流石に気分が高揚してきました」

 そしてステージに上がり、那珂とデュエットを始めた。

 

 

 

 その頃、本部棟 第2取調室――

「それってどういう――」

「どうしたもこうしたもありません。中華人民共和国は、尖閣諸島周辺に大規模な空母艦隊を展開しました。1個護衛隊に匹敵する戦力が無くなっている今――そもそも、尖閣周辺に空母を置かれた時点で分かりきってはいますが――尖閣諸島を守りきるのは不可能です。空自の航空支援だって、那覇から20分も掛かるんです。尖閣諸島の制空権を奪われたら、もう取り返しはつきません。さて、一体どうしますか? ひゅうが先輩」

 

 

 

「みんなー、クリスマスケーキのご登場よ!」

 講義堂に、カートに載った巨大なケーキが入ってきた。そして、ニミッツが皆を呼ぶ。

 ぞろぞろと人が集まり、ケーキを囲む。

 ケーキは普通のショートケーキだが、上には横須賀鎮守府と浦賀飛行場が再現されており、さらには小さなフィギュアも立っていた。

「人形は、妖精さん達の手作りの砂糖菓子だから、食べられるわよ」

「流石に、気が引けますね」

 照月が一言。

 

 

 

「――アメリカは何と?」

「『領土問題は日米安保の想定範囲外である』と。以前の宣言を堂々ひっくり返してきましたよ。今やロシアに次ぐ軍事大国相手に、殴り合いをするのは気が退ける、そんな魂胆でしょうね」

「じゃあ――」

「私達は、自力でどうにかしなくてはならない。そういう事です」

 

 

 

「それにしても、このしゃんぱんというお酒は美味しいですね」

「だろー!? さぁさぁ、鳳翔さん、どんどん行っちゃ――」

「隼鷹、大概にしなさいよ。鳳翔さんだって、そろそろセーブ――」

「何だよ飛鷹ー。いいだろ今日ぐらい――」

「とか言って毎日呑んでる癖に」

 そのやり取りを尻目に、鳳翔は再びグラスにつがれたシャンパンを呑む。

「もうあかんで。そろそろ止めといた方がいいで」

 しかし、鳳翔は龍驤の忠告を受け入れなかった。

「まだ酔ってません! ――ヒック」

「酔っとるで。だいぶ酔っとるで。司令官! ちょっと鳳翔を頼むわ!」

 龍驤に呼ばれた笹子提督は、先程からやたらと絡んでくる戦艦や重巡を引き剥がし、鳳翔を立たせた。

「全くこんなのになるまで呑んで――隼鷹だな?」

 笹子提督に呼ばれ、隼鷹がピクッと震えた。

「禁酒1ヶ月な。龍驤、飛鷹、ちゃんと見張れよ?」

「任しとき!」

「了解しました」

 そう言って、笹子提督は鳳翔を連れて出ていった。

 

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