艦隊これくしょん 〜第0艦隊、参ります!〜 作:土居内司令官(陸自ヲタ)
こんごうの目が開いた。
眩しい光に、目が眩む。そして、あの時と同じように頭ががんがんと痛む。
「……まただ」
上半身を起こそうとしたこんごうは、抱きついていた金剛や榛名、卯月を引き剥がし、起き上がった。
やはり、講義堂は死屍累々――いや、酔人累々――という光景であった。
見れば、ひゅうがが倒れている。
『ひゅうがー! 私の酒が呑めないってのかー!?』
『瑞鶴さん、ちょっと待――』
『瑞鶴、後輩いびりも大概にしなさいよ。葛城が引いているし』
『加賀さん! 人の事言えるんですか!?』
『瑞鶴、後で倉庫裏に』
そんなやり取りがあったのを思い出した。
「こんごうぅ……」
床に寝そべる金剛が、寝言を言う。
「娘みたいでカワイイデス……」
こんごうは、金剛にドロップキックを喰らわした。
数時間後、横須賀鎮守府 本部棟 提督室――
「二日酔いで辛いだろうが、今回集めたのには訳がある」
笹子提督が言う。その正面には、横須賀鎮守府が誇る戦艦達と、第0艦隊、そしてかがの姿があった。
「先日、海上自衛隊のヘリ搭載護衛艦かががここに紛れ込んだ。話を聞けば、ひゅうがやあたごの世界の日本は侵略されそうになっているらしい」
すると、長門が手を挙げた。
「何処の国だ? アメリカか?」
「いや違う。中国、中華人民共和国だ」
それには、日本製の戦艦達が驚いた。
「中華人民共和国って、国際停戦条約で旧満州を領地としている国ですよ!?」
その大和の言葉に、あたごが返した。
「あたしらの世界では、ソ連の後ろ盾で力を付けた共産党が、中国全土――台湾を除けばな――を支配し、アジア有数の軍事大国に成り上がった国になっているのさ。ソ連が崩壊し、ロシアが侵略してくる可能性が無くなった代わりに、中国が台頭してきたって訳だ」
「俺もそっちの世界の出だ。放っておける訳が無い」
そして、笹子提督が口を続けて動かした。
「よって、第0艦隊と選抜した戦艦を、向こうの世界に派遣する。派遣の目的は、あくまでも中華人民共和国に対する牽制であり、戦闘行為ではない。が、自衛と日本の領土防衛の為の武力行使は許可する。長期戦になりそうならば、随時交代要員や補給を送ろう。出発は明日だ」
そして、彼女達は兵器科にやってきた。
「提督から話は聞いてますよ。全く、ドンチャン騒ぎをした翌朝に緊急の改修だなんて、ブラックもいい所です」
そう愚痴りながらも、艤装に様々な装備を乗せていく明石。
「改修内容としては、20mmCIWS ファランクス MK15とMK49 二一連装RAM発射機、あとはきりさめちゃんに積んであったのをコピーしたOPS-24B改 アクティブフェイズドアレイレーダー?の搭載のみで、大したものは積んでいません。正確には、積めないんですけどね。ただ、これら装備をフルで使うと、発電装置のスペックを超過するので、くれぐれも使用には気を付けてください」
それを聞き、選抜された戦艦達――武蔵、長門、日向、山城、金剛、霧島――は頷いた。