艦隊これくしょん  〜第0艦隊、参ります!〜   作:土居内司令官(陸自ヲタ)

54 / 56
尖閣SOS
Operation.45 超時空艦隊


 魚釣島南東40kmを航行中の、海上自衛隊 第6護衛隊群旗艦・いずも型ヘリ搭載護衛艦〈ふそう〉――

「航空自衛隊 第201飛行隊より入電! 現在こちらに、J-15が飛行中!」

「全艦、対空見張りを厳となせ! ロックオンされたらチャフとECMを忘れるな!」

 

 現在、第6護衛隊群のいずも型ヘリ搭載護衛艦〈ふそう〉、こんごう型ミサイル護衛艦〈なち〉、あたご型ミサイル護衛艦〈まや〉、あきづき型汎用護衛艦〈ういづき〉、むらさめ型汎用護衛艦〈しぐれ〉、たかなみ型汎用護衛艦〈ながなみ〉、あさひ型汎用護衛艦〈かげろう〉、あさぎり型汎用護衛艦〈さぎり〉の8隻は、中華人民解放軍海軍の機動艦隊が、領海侵犯しないか見張っていた。しかし、艦上戦闘機・殲-15 フランカーX2や艦上攻撃機・殲-10D ファイアーバードを有する001A型航空母艦〈山東〉を筆頭とする空母艦隊相手に、滞空時間が限られる邀撃戦闘機・F-15MJ イーグルやF-35AJ ライトニングⅡ相手では、制空権は無いに等しい。実際、現在第6護衛隊群に向かっている殲-15 フランカーX2を発見したのは、CAP(戦闘空中哨戒)から帰投しようとしたF-15MJ イーグルと、ビンゴヒュエル(帰投最低限燃料残量)ギリギリまで粘っている早期警戒管制機・E-767である。

「空母艦隊相手に、航空戦力皆無の艦隊じゃ、無力っすね」

「馬鹿、何のために『神の盾』が2隻もあると思っているんだ」

 艦橋で、航海長と艦長が話す。

「しかし、こんなに霧が酷いと、見張りどころではありませんね」

 航海長が、艦橋の外を見ながら言った。東シナ海ではまず有り得ない、深い霧に囲まれていた。

 

 その時、見張り員が何かを見つけた。

「左80°に大型船!」

 

「大型船!?」

「対水上レーダーには何も反応が――いえ、ECMです!」

〔こちらCIC! 全てのレーダーが反応しなくなった! 大規模なECMです!〕

「艦橋よりCIC! ECCMを行え! 何のための電子戦装置だ!?」

〔了解! ECCM実行!〕

 そして、航海長が見張り用デッキに出て、双眼鏡を覗く。

「……かなりでかいな。船橋しか見えないから、タンカーの類か? だとしたら、船橋の位置が前後逆だな」

「航海長! 発光信号です!」

「何!?」

 見れば、謎の大型船から発光信号が出ていた。

「『ワレヤマシロ、コレヨリキカンノゴエイヲオコナウ』……はぁっ!?」

 見張り員が、解読した発光信号に困惑し、航海長が口を開いた。

「山城って、あの戦艦〈山城〉か!?」

 そして、艦橋の中の艦長に報告する。

「あの大型船、〈山城〉と名乗っています!」

「何ぃ!? 〈山城〉はスガリオ沖で沈んだんじゃなかったのか!?」

 

 

 

 その頃、2機の殲-15 フランカーX2は、編隊を組んで第6護衛隊群へ向かっていた。主翼下には、4発のKAB-500 500kg爆弾がぶら下がっている。

 受動警戒装置に反応、出力からしてAEW(早期警戒機)だ。

 すると今度は、後方警戒レーダーに反応、後ろを取られた。

〔た、大尉!〕

「落ち着け。どうせ日本空軍(航空自衛隊)のF-15だ。こちらから敵対行動を取らなければ、連中は撃ってこない」

 2機はそのまま進む。すると、後ろにいた2機の内1機が横に並んできた。1番機の陳大尉が横を見ると、そこには航空自衛隊のF-15MJ イーグルではなく、F-14D スーパートムキャットが飛んでいた。

「なっ……!?」

 まさに、有り得ない光景だった。F-14はとっくにアメリカ海軍から退役しており、現在使用しているのは、イラン空軍だけである。勿論、イラン空軍機がここまで飛んでくるなんて有り得ない。

〔China Navy, this is the 0 Fleet. You are closing Japan's territorial airspace. Change your course. I say again, change your course.〕

 

 

 

【こちらは、日本国 海上保安庁である! 貴船は、日本国の領海を侵犯している! 直ちに停船せよ! 繰り返す、直ちに停船せよ!】

「……止まる気配がありません」

「だな、L旗掲揚!」

「L旗掲揚!」

 海上保安庁の巡視船〈あまみ〉は、尖閣諸島周辺にいた国籍不明の漁船を追っていた。L旗(『停船しなければ砲撃する』の意)を掲げても、出来るのは威嚇射撃だけだし、領海スレスレを航行する、中華人民解放軍海軍の空母艦隊に逃げられれば、こちらは何も出来ない。

「霧が深いからな、決して見失うな!」

「了解!」

「上空への警告射撃準備! ビデオ回っているな!?」

「勿論です!」

「警告射撃よぉーい、ってぇ!」

「発射!」

 〈あまみ〉船首の、20mm JM61バルカン砲が空へと20mm曳光徹甲弾をバースト射撃する。しかし、当然ながら漁船は止まらない。

「水面への警告射撃を進言します!」

「駄目だ! 奴らに難癖付けられるのがオチだ!」

「しかし、あの船は領海を侵犯しているんです! 国際慣習法に乗っ取り――」

「沈めて構わんと言うのか? それでは、海上保安庁が何のために――」

「船長! 前方に大型船が!」

 言い争いをしている所に、見張り員が割り込んできた。

「な、何だあの大型船は――」

「対水上レーダーは!?」

「電磁妨害です! 何も映りません!」

「面舵いっぱーい! 回避しろ!」

 〈あまみ〉は右旋回を行い、正面にいる大型船を回避する。漁船も同様に回避運動を取る。

「くそっ、こちらが見えていないのか? 霧笛くらい鳴らせって――」

「船長! あれは――」

「どうした!?」

 見張り員が、信じられないという顔をする」

「あれは、大和型です!」

「戦艦のか!?」

「ま、間違いありません!」

 そして、謎の大型船は、25mm連装対空機銃を発射した。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。