艦隊これくしょん 〜第0艦隊、参ります!〜 作:土居内司令官(陸自ヲタ)
国際連合 緊急安全保障理事会――
中国「我が国の領海で演習を行っている空母艦隊に対し、日本は海上自衛隊の艦隊や航空自衛隊の戦闘機を差し向け、挑発行為を行っている。おまけに何だあの艦隊は? アメリカ、ロシア共々止めてもらいたい」
日本「尖閣諸島は我が国の領土である。異議があるというなら、裁判所でどうぞ。海上自衛隊や航空自衛隊の活動は、国際法に乗っ取った『国境監視任務』である。そして、海上自衛隊の艦隊に引っ付いているあの艦隊は、我々は知らない」
ロシア「我が国にとって、東シナ海で起きている事はどうでもいい。そして、海上自衛隊の艦隊に寄り添っているあの3隻は、私は知らない。ご存知の通り、クズネツォフ級はたった2隻、うち1隻は現在黒海のドックに、もう1隻は中国に売った。だからあの『3隻目』は存在しない」
アメリカ「こちらもだ。これは日中間の問題であり、我が国がとやかく言う事ではない。そして、あの2隻の原子力空母は、我が国の者ではない」
中国「白を切るのは止めていただこうか? 既に、我が国の戦闘機が貴国のF-14やSu-33によって針路妨害を受けている。おまけに、我が国の領海で合法的に操業していた漁船に対し、日本の戦艦から銃撃を受けている」
アメリカ「F-14は既に退役しており、アメリカのF-14が飛んでいる訳が無い。見間違いではないのか?」
日本「先ほどから、いかにも我が国が戦艦を保有しているようにいわれているが、我が国には駆逐艦に相当する艦しかない。戦艦など、保有するだけで国家予算が吹き飛ぶものを保有するか。そして、あれだけの数を極秘で作る事など到底不能。よって我が国の艦隊ではない」
中国「では一体何処の国と? 何処の国家にも属さない船は、海賊と見做す事は可能だ」
日本「我が国に対して、武力を行使するのか?」
中国「あくまで、海賊に対する武力行使であり、日本には損害を与えない」
日本国 首相官邸 JNSC室――
「――大和型と思わしき戦艦は、中国国籍と思われる漁船に対し、機銃を発砲。しかし、巡視船〈あまみ〉は被弾を確認しておりません。その後、漁船は逃げるように領海を出ていった所を巡視船〈あまみ〉が確認しています。更に、同海域にて海上自衛隊のP-3C哨戒機や他の巡視船が、全ての不審船が領海及びEEZ――排他的経済水域――を出ていくのを目撃しています」
若い事務官の報告に、安田首相が唸る。
「……完璧に、日本の船と勘違いされたな」
「大和は日本の誇りです! 他国なんぞに――」
「違う」
鼻息を荒くした小野里防衛大臣を、安田首相が止める。
「今もなお日本が戦艦を有し、そしてそれが攻撃をした。中国はそう思っているだろうな。そして、中国が武力行使を行うきっかけが出来てしまった」
空母〈山東〉から、鷹撃-82空対艦ミサイルを4発搭載した艦上戦闘機・殲-15 フランカーX2が次々と発艦していく。目標は、当然ながらX艦隊であった。
殲-15 フランカーX2の編隊は、上空で空軍の殲-11D フランカーや殲轟-7A フラウンダーと合流、空警-2000 メインリングの管制を受けて飛行する。
「中国の連中、私達を海賊呼ばわりしやがったよ」
「遺憾だな。大日本帝国海軍の誇る戦艦が海賊などと」
「まぁ、仕方ないっちゃ仕方ないか。得体のしれないのがいきなり現れたらねぇ?」
「日本のためにここまでやるなんて、気が進まないんだけど」
「そう言わないでよ。中国の攻撃隊がこっちに来てるし」
「何で来ちゃうかなぁ……」
「仕方ないですね。自衛のための武力行使を提言するわ」
「当然ね。迎撃するしかないか!」