オリキャラ登場!
では、どうぞ
日常、それは進展
バベルの医療室に酷似した場所から出た私はギルドの職員に事情聴取された。
一応、答えておいたが、犯人については知らないと言っておいた。念のためだ。
因みにいうと、私が居た場所は
外に出ると、人の量は格段に減っていた。その為、屋根を走らずに済んだ。
じゃが丸くんを通りで買い、食べ歩きしながらホームへ戻ると、既に、ベルとヘスティア様が帰宅しており、何故か二人でそわそわしていた。
片や、満面の笑みを浮かべながら体を左右に振ってる女神。
片や、『何があったか聞いて!』と顔で訴えて来る兎
…ここは乗ってやりますか。
「ベル、何かあったのですか」
『何か』ではなく『何が』で最後は断定してやった。
「あ、わかる~?あのね~神様が僕に武器をくれたんだ~」
あぁなるほど。結局作ってもらえたんだ。
「そうですか、ベル、できれば見せてもらえますか?」
「うん!」
満面の笑みで渡されたのは漆黒の鞘に納められた漆黒の
「【ヘスティア・ナイフ】って言うんだ~!」
「ほ~う。誰が名付けたのですか?」
「神様だよ!」
これはまた大胆なことを。
「ベル。この武器は絶対に手放してはいけませんよ」
「もちろん!」
「あ、ヘスティア様。【ステイタス】の更新お願いできますか?」
「うん~!いいよ~!」
なんかめちゃくちゃ顔が緩んでもはや気持ち悪いレベルなんだが…まぁいい。
「さて!シオン君はどれくらい成長してるのかな~」
――――――――
ステイタス更新中……更新中……
――――――――
「…………」
なんか、さっきまで緩んでた顔が引き締まってるんだが…
シオン・クラネル
Lv.1
力:G257→A 825
耐久:H103→C 611
器用:S913→SS1083
敏捷:A860→SS1021
魔力:C629→S 974
《魔法》
【エアリアル】
・
・風属性
・詠唱式【
《スキル》
【
・剣、刀を持つことで発動
・敏捷と器用に高補正
【
・早熟する
・憧憬との繋がりがある限り効果持続
・
「…ヘスティア様。何間違えちゃってるんですか~さぁ、もう一回更新しなおしましょう」
「シオン君。残念ながらそれが現実だ。ボクは間違えてない。現実を受け止めるんだ…」
…わかってるよ。現実なんでしょ、知ってるよ。唯おかしいだろ。
何?スキルが強すぎるの?チートだ!!チート!!
上昇のトータルが1700オーバーとか、ふざけてるだろ…
「シオン君…何があったらこうなるんだい?」
「説明します?ある程度はできますよ?」
「うんお願い。ベル君も聞く?」
「勿論ですよ神様!シオンの話、聞きたいです!」
「そんなに面白い物じゃありませんよ。なので簡潔に説明します」
「「ごくりっ」」
「毎日鍛錬する。中層に潜る。単身のモンスターとは素手で戦う。都市最強と戦う。です」
「「…………」」
あれ?なんか変なこと言った?
「シオン君。何個か聞くよ。まず、中層に潜ってるのかい?」
「はい。十五階層まで潜りました」
「……じゃあ君は中層のモンスターと素手で戦うこともあるのかい?」
「はい、ありますよ」
「…じゃあ最後に、都市最強と戦ったって…もしかして
「はい。Lv.7の【
いや、まぁ完膚なきまでに叩き止めされたけどね。
「……な」
「な?」
「なにをやっとるんじゃぁぁぁ!!」
いや、【猛者】との戦いは不可抗力だ。私は悪くない。
それでもヘスティア様は、問答無用で私のことを説教した。その間ベルは何故か全く動かず、完全に硬直していた。
* * *
やってきました翌日の朝!(日の出前だけどね)
今日は残念なことに鍛錬が出来ません何故かって?刀に罅が入っているからさ。一応帯びてはいるけど。
と言うわけで今日は、アイズを誘って武器選びでもしようかと思っている。
そのためやって参りました【ロキ・ファミリア】ホーム。ここまで来てやっと日の出。
さすがに早すぎたか?呼んでも来れないかな…
「ん?【ロキ。ファミリア】に何か用か?」
と、考えながら正門へ向かっていた私に、門番らしき人が話しかけて来た。いつの間にか正門についていたらしい。
「はい。アイズ・ヴァレンシュタインさんに用があるんですが、呼べますか?」
「は?無理だな」
「ですよね~」
予想通り。呼んで来る以前に呼べないときた。なら、『あれ』を試しますか。
自分が詠唱なしに操れる風をすべて動かす。何のためかって?こういう理論だ。
まず、私とアイズは精霊の血、つまり、精霊の力に反応する。
そして、私が風を操れるのは精霊の力。
と言うことは、風を全開にしていれば、反応して気づくかも!
という、ヘンテコ理論だ。
そしてどんどん動かす風が多くなっていくと、ビリッと電気が走る感覚。成功だ。
あとは待つだけ。
「…お前、何をしてるんだ?」
「お気になさらず。少し待つだけなので」
―――――十分後。
足音が此方に向かってくる。見ずともわかろう。
「シオン」
「おはようございます。寝てましたか?」
「うん。でも、大丈夫」
やってきたのは勿論アイズ。門番の人が凄い顔をしてるけど…どうでもいいよね。
それより、
「よくここにいると分かりましたね」
「うん、大体の位置は、わかる」
へ~熟練冒険者だからかな?
「そうですか。あ、そうでした。アイズ、昨日はすみません、あのあと少し問題事に巻き込まれてしまって行けませんでした」
「ううん。私もそうだったから、気にしてない」
「そうでしたか。ありがとうございます。で、ここに来た理由ですが、、今日一日空いてます?」
「…何かするの?」
「はい。買い物と街歩きとあとは話し合いたいことが少し」
「うん。なら大丈夫、私も行くところあるけど…いい?」
「勿論、大丈夫ですよ」
「わかった、用意してくる」
「待ってますね」
するとアイズは物凄いスピードで走って行った。速いな…
「では、門番さん。また少し待たせていただきます」
「…………」
返事が無かったけど…いいよね。
* * *
「うおおおおおおおっ!!
ここは奇声と金属と槌がぶつかり合う音が聞こえる【ゴブニュ・ファミリア】のホーム『三槌の鍛冶場』。私たちはその中で、とある
ここに来たのは、整備を頼んでおいたアイズの愛剣。『デスペレート』を受け取るためだ。
「まさか、三日で使い潰すとはな…」
『デスペレート』は受け取った。そして借り受けた代剣の
その代剣…台の上に置かれているのだが、柄のみが原型を保っていて、それ以外は粉々に砕けている。完全に修復不可能。これが数年とかなら納得できるだろう。だけどね、
三日ですか…アイズ、もうちょっと大事に使おうね?
「お前等は本当に鍛冶屋泣かせだな」
「……ごめん、なさい」
二人は台の上にある、元
周囲の人たちを見渡すと、『また【ロキ・ファミリア】かよ…』『ほんと散々だな…』などの声が聞こえてくる。ほんと何やったんだよ…
「……あの、お代は?」
「4000万ヴァリス、と言ったところか」
高いな!私の手持ちより全然多い!
「そう、ですか…」
それを聞いたアイズは分かりやすく落ち込んでいた。それすらかわいく見える。病気かな?
「それとよ、そっちの
あぁ、もう慣れた。慣れたよ。慣れちゃったよ。
「あの、この人は、男、です」
「「「「「は?」」」」」
「……アイズ。私ってそんなに女性に見えますか」
「うん」
即答しないでよ。泣きたくなるじゃん。
「あ、私は単にアイズと出かけているだけなのでお気になさらず」
「デートか?」
「胸を張ってそう言えるようになりたいです…」
ほんと、私たちの場合、デートじゃなくて、友達または姉妹にしか見えないからね…
「アイズ…行きましょうか…」
「うん」
もう、やだ…
* * *
時は移り朝食時、絶賛食べ歩き中だ。
いや~オラリオはいい。朝方でもじゃが丸くんが売っていた。
私はシンプル・イズ・ベストの考えで塩味を三つ。
アイズはクリーム多め小豆ましましの小豆クリーム味を二つ。
因みにいうと、私が好きなじゃが丸くんの味は
一位 塩味
二位 クラネル家特性ソース味
三位 小豆クリーム味
である。
私は既に三個すべて食べきっているが、アイズはまだ一つ食べきったところだった。私って食べるの早いのかな?
それにしても、食べているところもかわいらしいね~小口だから少しずつしか減らないから長い間見てられるし。目福目福。
そんなかわいらしいアイズを見ていると、頬にクリームがついた。自分で気づくと思っていたが一向に気づかない。
ここで問題。
クリームを私が取るか。自分で取らせるか。
回答
私が取る!
「アイズ、ちょっと失礼」
一応断りは入れ、頬に手を伸ばす。ぷにぷにして柔らかい頬からクリームを取る、そして、
やった!やってやったぞ!かなり勇気がいるな、これ…
「すみません、クリームがついていたものですから」
「う、うん。ありがと…」
おや?すこし頬が赤い。アイズとて恥ずかしいことはあるのか…当たり前だけど。
* * *
またもや時が移り、午前九時頃。あの後いろいろ食べ歩いてしまった。
そして場所は摩天楼施設、バベルの四階。八階に行く予定だったがアイズから『シオンは一級装備を持った方がいい』と言われたので買えないが、貯金の目安を確認するために見ることになった。なんか、物凄い周りから視線感じるけど…めちゃくちゃ気配紛らわせたい…
「おや?」
アイズを先頭に回っていた私はとある場所で足を止めた。それに気づいたアイズも足を止める。
「どうか、した?」
「いえ、この刀。素晴らしく良い物に見えたので」
私が足を止めた原因、それはショーウィンドウに飾られた刀。一切無駄な装飾が無く、唯斬るためにある刀。しかも何か、変わった
「アイズ、少し此処の店によっても?」
「うん、いいよ」
店の中に入ると、そこには刀、何処を見渡しても刀。刀だけの空間。
一本一本から変わった気配、そして何一つ同じ気配は無い。
「なんだお前ら、客か?」
声を掛けて来たのは、極東出身の人に多く見られる肌に、黒髪赤眼、長身のヒューマン。
「客になりたい人ですよ。いい武器ばかりなので、思わず見てしまいたくなって。お金が足りないのが残念です」
「ほ~う。そうかい。と、そちらさんは【剣姫】かい?」
「どうも」
「アイズにはついてきてもらってるだけなので客じゃありませんよ?」
「わかってるよ。【剣姫】さんは刀を使わないようだからな、
あはは…安定ですか…
「一応、言っておきます。私は男です。男ですよ。大事なことなので二回言いましたからね」
そういった私に長身のヒューマンは『は?』と言いたげな顔をしていた。
「【剣姫】さん。こいつが言ってることは本当か?」
その質問にアイズは首肯する。そしたらなんか申し訳なさそうな目で見て来た。
「大丈夫ですよ。慣れてますから。慣れたくなかったですけど」
「そ、そうか。じゃあ、ゆっくり見て行ってくれ」
そう言い残し、長身のヒューマンは奥のカウンター席に座った。ここからは放っておくそうだ。
それはありがたい。いろいろ見させてもらおう。
そう思い、刀を見始めて数分が経過した時だ。
ショーウィンドウの近く、角に寄りかかるように置かれた刀。その刀から他の刀とは系統の異なる気配を感じた。
「すみません。この刀、抜いてもいいですか?」
刀の実態が気になり、抜刀の許可をもらおうと聞いた、だが返されたのは、
「お前さん、どうしてその刀にしたんだい」
と、意味不明な質問だった。
「その刀は、周りにある刀と違った気配を感じて、気になったんですよ」
意味は分からなかったが、答えられない質問ではないので、一応答える。すると、長身のヒューマンの目が人を観察するような目になった。
「いいぜ、抜いてみな」
「ありがとうございます、では」
その刀を持つと、何故か自然と鞘と柄を固定していた紐が
「お前さん、確か、この店の客になりたいって言ってたな」
「はい、そうですけど、それがどうかしましたか?」
「なぁ、これは提案なんだが、お前さん、俺と契約しないか」
「…はい?」
……どうしてそうなった!
オリキャラ紹介!!
今回のオリキャラはまだ名前を公開してないので、名前は伏せて。
【ロキ・ファミリア】の門番 性別:男 種族:ヒューマン
【ロキ・ファミリア】のLv.3で一応美形。
密かに、アイズ・ヴァレンシュタインに憧れている。
長身のヒューマン 性別:男 種族:ヒューマン
【ヘファイストス。ファミリア】所属、Lv.4の刀鍛冶
極東出身で身長はシオンより高いが、筋肉質な訳では無い。
ちょっと特殊な能力を持っている…