アイズを書くのが難しい!
では、どうぞ
訳が分からん。どうして抜刀許可をもらうだけで契約しないといけないの?
「おっとすまねぇ。いきなり言われても訳が分からんよな。まぁざっと説明すると。俺は、契約者を探していた。自分の刀を使えるな。そして、それにお前さんが選ばれた、と言うことだ」
うわ~なんか上から目線だし…てか、まだ意味わからん
「…もう少し詳しく説明すると、その刀の名は『選定の剣』。俺が契約者を探すために作った刀だ。そしてその判断基準が、三段階、まず一段階目、その刀を見つける。二段階目、その刀に触れられる。三段階目、その刀を抜ける。今まで二段階目までいったヤツはいたが、抜けたのはお前さんが初めてなんだよ。だから、提案した」
ほ~う。つまり私はお眼鏡にかなったと。
「そうですか。あの、一つ聞きますが、契約する私のメリットは」
「簡単だ、うちの刀なら何でも使っていい。そして刀なら何でも直してやる。さらに言うとオーダーメイドも無料でいいぞ」
まじですか…魅力的な提案…これは。乗った!
「わかりました、契約しましょう。ですが、気がかりがあります」
「なんだ?言ってみな」
「どうしてそんな、あなたにメリットの無いことをするんですか?」
普通、これだけの優遇はしないはずだ。明らかにあちらが大損だろう。メリットが無い。
「メリット?おいおい、鍛冶にメリットなんか求めてんじゃねーよ。やりたいからやるんだよ。俺はお前さんに俺の刀を使ってほしいって思った、そしてお前さんの刀を俺が作りたいと思った。だからこうするだけだ。」
ほーう。中々いいこと言うじゃん。まあ結局は自己満足がしたいだけか。なら
「いいですよ、そういう理由なら。もう問題はありません」
「そうか、ありがとよ。俺の名はカグラ・草薙。Lv.4。お前さんは?」
「私の名はシオン・クラネル、Lv.1です。よろしくお願いします、カグラ・草薙さん」
「よしてくれ。草薙でいいぜ、シオン。家名で呼ばれんのは嫌いなんだ」
「そうでしたか。失礼しました。では、草薙さん。早速ですが、この刀の修理をお願いできますか?」
そう言い、差し出したのは愛刀『一閃』。やはり罅が入っても、直せるのなら直して、再度使いたい。
「この刀……二級品だぞ。それに
それは最もな意見で、実際『一閃』に入った罅は、剣先から、半ばまで無数の罅が入っている。下手に衝撃を与えれば、朝に見た、
「シオン、この刀で何をした?もっと大事に扱えよ」
「いえ、私もそうしたいですよ。ですがね、流石にその刀も、第一級冒険者の本気の攻撃がまともに当たればこうなってしまうのですよ…」
「……シオン、確かLv.1だって言ってなかった?」
「そうですが、どうかしましたか?」
「なんで第一級冒険者と本気で戦って生きてんだよ…」
「いえ、死にかけましたよ。軽く」
「そうかよ、んで、その第一級冒険者てのは誰なんだ?【剣姫】さんか?」
あはは、それ聞いちゃいますか…
「シオン、私も聞きたい」
アイズまで入らないでよ…答えなきゃいけなくなるじゃん…
「…アイズが聞きたいのなら仕方ありませんね。私が戦ったのは【フレイヤ・ファミリア】所属の都市最強冒険者と謳われるオラリオ唯一のLv.7。【
「「………」」
「シオン私聞いてない。いつ戦ったの?」
「昨日ですよ。問題事とはそのことです」
「……シオン。お前本当にLv.1か?」
「あはは、信じられないのなら無理に信じなくてもいいですよ。もう終わったことですから。それより、修理、可能ですか?」
「あ、あぁ。修理は可能だ。ついでに言うと強化も可能だ。どうする」
ほほう、強化か…
「因みに強化の内容は?」
「属性付与。て言っても、
「…なら、どんな属性が付けられるんですか?」
「あー、珍しいで言うと、修復属性とか吸血属性とか非殺傷属性とかか」
「…なら、その効果を選ぶことはできますか?」
「ある程度は、何がいい?」
「では吸血属性で。一番カッコいいです」
「……シオンって、見た目は女だけど中身は完全に少年だな」
「見た目も男って言ってほしかったです…」
「いや、無理言うな。じゃあ、この刀は直しておく。明日の夕方にでもここに来てくれ」
「わかりました。では失礼します。また明日、草薙さん」
* * *
現在昼時、場所は南西のメインストリートにある『ウィーシェ』という洒落た喫茶店だ。『雰囲気が良い』『出されるスイーツが美味しい』等々の理由デートスポットとしても人気である。
『昼食にしましょうか』と言ったらアイズが『ここがいい』と言うことなのでお姫様のご要望に応えることにした。因みに、他意はない。うん、無いからね?
「それで、アイズ。ここにした理由は?」
「うん。前から食べたかったものがあるから」
「というと?」
「これ」
そういい指で示されたのはとあるパフェ。ビックサイズのものらしい。それと…
「カップル専用……アイズ。これは大丈夫なのですか?」
「うん。食べれる」
「いえそう言うことではなく。この場合私とアイズがカップルですよね」
「うん」
「それはいいんです。むしろ望むところなんですが」
「うん」
「これ、いらぬ誤解を生みません?」
「誤解?」
これ、正直言いたくないんだけど…
「私、見てわかる通り、見た目完全女性じゃないですか」
「うん」
「それとカップルと言うことは、所謂『百合』というものに、勘違いされてしまうと思うのですが…」
「大丈夫、シオンは男の子」
「男の子って言ってるのは分かるんですが、話の流れから、男の娘にしか聞こえません…」
「あの、ビックサイズパフェ、小豆クリーム味を小豆ましまし、クリーム多めで」
「あ、私はパンケーキのクリーム多め。それと苦めのコーヒーを」
「……はい。かしこまりました」
ほら、店員の人私のこと見て苦い顔したよ、絶対勘違いしてるじゃん!
というより、じゃが丸くんと同じ選択なのね。
「それで、シオン。話し合いたいこと、って何?」
「あぁ、そうでしたね。アリアについてです。情報共有と定期的な報告をするための周期と場所を決定をしようかと思いまして」
「…うん。わかった」
「…それでアイズはアリアの情報は入りましたか?何でもいいですよ」
「…無い、かな。でも、気になることは、ある」
「何ですか?」
「最近、ダンジョンがおかしい。それに、少しだけど、『反応』する」
「反応?ダンジョンで?何階層あたりからですか?」
「前の遠征で、五十階層あたりで戦った時、少し」
「何か異変はありましたか?」
「うん。変な芋虫みたいなモンスターが居た。黄緑色の、あと、それが巨大化したモンスターもいた、人型に近い」
そんなモンスター、ギルドには登録されていなかった…
「新種…」
「うん、フィンもそう言ってた」
「でも、そのモンスターとアリアの関係性が見えませんね…」
「やっぱり、反応は関係ない?」
「現状では無いとは言い切れませんね。情報が少なすぎます。ですが、反応した場所、そして芋虫型に注意しておきましょう。私はできる限り情報を漁ってみます」
「うん、わかった。それと、新種でもう一つ」
「特徴と出現場所はどこですか?」
「花みたいだった、極彩色の。でも、ティオナ達は『最初は蛇みたいだった』って言ってた。あと、魔力がある方を狙う。それと斬撃に弱い。場所は
「地上?それはどういうことですか?」
「そのモンスター、昨日のフィリア祭の時に『地面から出て来た』ってティオナ達が言ってた」
「昨日?そんな情報届いてませんが…」
「多分、規制されてるんだろう思う」
「あれ?私に話して大丈夫なんですか?」
「うん、多分」
テキトーだなおい。いいけどさ。
「では、出て来た原因は分かりますか?」
「わからない」
と言うことは、極彩色の花形モンスターで出現原因正体共に不明。か。アリアとの関係は見えないな…情報が少なすぎるのもあるけど…仕方ない。
「あとはありますか?」
「ない」
「わかりました。では、情報共有は終わりにしましょう。タイミングよく、来ましたし」
「お待たせしました。……ごゆっくり」
いや、また苦い顔で見ないでよ…一応男だから。
「「いただきます」」
―――――
パンケーキ完食。パフェ残り五分の四。
やっぱり私って食べるの速いのかな…
でも、食べているアイズを眺められるのはやはりいい。眼福眼福。
そんな私の目線に気づいたのかアイズが此方を凝視してきた。
「どうかしましたか?」
「ごめん」
そう何故か謝られ、手が伸びて来た。油断していたため反応が少し遅れ、頬を触られる。そして、スルッと指が通った。その指を見ていると、クリームがついていることに気づく。どうやら取ってくれたらしい。それをアイズは
「…………」
ナニコレメッチャハズカシイ。
やる方もやばかったけど、やられるとさらにヤバイ。とにかくヤバイ。何がヤバイかって?
アイズがこれを恥ずかしがりながらやっているところがだよ!
「お返し、やられっぱなしは、いや」
お返し?…あぁ小豆クリームのあれか。思い出すだけで恥ずかしい。と言うかやられっぱなしって…意外と負けず嫌いなところあるんだな…
―――――
パフェ残り二分の一
足りない。全然足りない。じゃが丸くんより燃費悪いぞパンケーキ。
なんか頼むか…そんな気持ちでメニューを開いたことが始まりだった。目に留まったのは食べているカップル専用ジャンボパフェ。その下の欄には、味と注意事項が書かれていた。味はまだいい。だが注意事項が問題だった。
注意事項
・この商品を注文されたペアは必ず一度は食べさせ合うこと。
・使うスプーンは一本まで。
・尚、事項を一つでも破れば、代金が全額の十倍となります。
「…アイズ、少しこれを見てください…」
「これ?」
見せたのは勿論注意事項。それを読み終わったアイズの顔は中々面白かった…っとそんなことではなく、どうしてやろうか、これ…
「シオン」
さすがに食べさせ合うのは私の心が持たなそうなので、切り抜ける策を考えていると。アイズが私を呼びながらスプーンを私に差し出す。その上には小豆クリーム。これは…まさか…
「あ、あーん」
ですよね~これはまずい。私の心も痛むし何より、視線が痛い。もはや殺気が込められているものまである。
「シオン、早く」
やばい、戸惑ってるさまもカワイイ。見ていたいけど、視線が痛いので諦めて早く終わらせよう。
「…よし!いいですよ」
「うん。あ、あーん」
差し出されたスプーンの上の小豆クリームを口内へ、味が全然わかんない。
と言うかこれ、ヘスティア神が毎日狙ってる『関節キス』と言うヤツではなかろうか…
「次、シオン」
「は、はい」
渡された―――アイズの手、ぷにぷにして柔らかい―――スプーンでパフェの小豆クリーム、それと白玉らしきものを掬う。覚悟を決め、差し出す。
「あ、あーん」
差し出したそれをアイズはパクッっと一口、スプーンをその小さな口から取り出す。艶かしい音でも立てそうなくらいだったがそんなことは無かった。そしてアイズは微かに頬が赤い。私はそれ以上だろうが…
渡されていたスプーンを返す。なんか気まずい空気になったので話題を提示しよう。あ、
「まだ決めてませんでした」
「?」
「定期的な報告の周期です。どうします?」
「……一週間?」
「まぁ、妥当ですね。短すぎたら伸ばせばいいだけですし。場所は?」
「ここ」
「ここ、ですか…まぁ大丈夫でしょう。時間はなるべく正午近く。私が【ロキ・ファミリア】のホームに迎えに行きます。いいですか?」
「いなかったら?」
「アイズに何か用事があったら門番の人に伝えておいてください。私は基本的何もありませんが、無いとは言い切れませんので、正午頃…昼の一時になっても私が来なかったら何かあると思ってください」
「わかった」
「決めることはこれくらいですかね。どうぞ食べてください。待ってますから」
「うん」
――――――――――
姫様食事中……食事中…
――――――――――
「お会計、1200ヴァリスです」
「え?安くないですか?」
私の計算では、2300ヴァリスだったんだが。
「はい。少しサービスしました。お陰様で凄い儲けが出ましたので」
「儲け、ですか?」
「ええ。あちらのお客様が『いいおかずじゃあぁぁあ!!百合最高ぉぉ!!』と言いながらたくさん頼んでくださったので、儲かりました」
店員さんが指示した方向には三人の男神が完全に逝った顔でテーブルに突っ伏していた。
「そ、そうですか…」
ごめんなさい…私は男です…
「これ、1200ヴァリスです。またきます」
「はい、お待ちしております」
その後、用事が済んだので、アイズは【ロキ・ファミリア】ホームへ、私は家へと向かった。
今日の感想。
収穫が多い日でした。
オリキャラ紹介!
前回に続き鍛冶師の彼。
名前:カグラ・草薙。 因みに25歳
刀鍛冶でありそれに関しては椿すら上回る。珍しい能力を持っていて、そのせいで、本当は使ってもらいたい自分の刀を使える人が限られていて、選定など面倒くさいことをしていた。そして、シオンに出会えた。
何故か家名(ファミリーネーム)で呼ばれることを嫌っている。
原作と日にちはそんなに変わってないよね?