【ステイタス】の内容考えてない!
それでは、どうぞ~
「もっと力を抜け! 余計に力を入れれば切先がぶれるぞ!」
「はいっ! はっ! はっ!」
私は今、お祖父さんから木刀での素振りを命じられていた。
真剣もあったがまだ危ないとのことだ。
「シオン! 右腕に力を入れすぎるな! バランスが崩れているぞ!」
「はい!」
私が今使っている木刀は、どうやら極東発祥の『刀』という物を木で作り、練習や稽古のために使う物だそう。
家にあった剣は全部で三本。全部刀だった。
「やめ! どうだシオン。疲れたか」
「はい……予想以上です……こんなに疲れるとは……思いませんでした……」
実際、肩で息をするほど疲れていた。体力にはかなり自信があったのだが。
無駄に力を入れたことが原因か、加減を見誤るとこうなるらしい。
これでは長く持たない。
「そりゃそうじゃ。お前はまだ構えもなっとらんし余計な力や動作が多すぎる。疲れるのも当たり前じゃ」
「斧を振るう……感覚で……いけると思った、んですが……そう甘くは……無いですね……」
刀と斧では同じ振るうでも力の入れ方、振り方、握り方、重さが全然違った。
お祖父さん曰く、重心の位置ももう少し考えろとのことだ。
「先は遠そうじゃの」
「頑張ります……」
「お前は自分で決めたんじゃから諦めるんじゃないぞ」
「
「いい心がけじゃ。じゃあ、本気の素振り百回! 直すべきところは自分で見つけい!」
「は、はい!」
私の鍛錬は苛烈を極めた。だが、唯の一度として諦めると思ったことは無かった。
それは執念、そういっても
怖いまでに、私はひたすら努力し続けた。
* * *
あれから三年と経ち私の体に著しい変化を遂げていた。
全身に無駄なく筋肉がつき、手の皮は何度も剥けたことで厚く硬い皮となっていた。服を着ている上からでは全く分からないが。
だが服を着ても隠せなかった一番大きな変化と言えば、髪と瞳の色が変わったこと。そして、不思議な力が使えるようになったことだ。
家族そろって白髪だった髪の毛が私だけ
瞳は、村の人たちからも夏の若葉のように綺麗、と言われてた瞳の左目が
変化してからはお祖父さんの
無論、このことをベルは知っている。
大きな変化の最後、これは本当に驚いた。始まりはある日、お祖父さんと模擬戦闘をしていた時だ。本気を出し全力でお祖父さんを倒そうとして、全力で踏み込んだ時に、風に乗せられたかのよう――――いや、風に乗せられた。そして、今までに無い程の踏み込みをし、制御できず岩に突撃した。その後模擬戦闘の際、本気を出すと風に乗ることが出来るようになり、今では少しだが、その風を制御できるようになった。
お祖父さん曰く、それは魔法だそうだ。お祖父さんからベルには言わないようにと口止めされている。
何故口止めされたかはベルを見れば誰でもわかる。ベルは英雄に憧れていて、昔から『僕も魔法が使えたらいいのにな~』と言っているほどだ。それに私としてもあまり言いたくは無かった。
私の大きな体の変化は、
ベルは大切な家族だ。危険に
だが、たとえ変化が訪れようと私のすることは変わらなかった。
朝起き、朝食の準備をして、あまり時間を掛けずに摂り終え、走り込みをする。毎日村を三周した。
家に戻り、木刀を持っていつもの場所へ。真ん中に立ち刀を構える。そして振り続ける。修正点を見つけそれを直す。そして、また一つ、また一つと直していく。だが、その度に新たな修正するべき点が生まれる。
問題を直し、また生まれる。そんな一進一退を繰り返す。完璧には程遠い。だが、極稀に二進し一退することがあり。ほんの少しずつ、近づいていく。
それをお祖父さんが来るまで繰り返す。
お祖父さんが来たら、模擬戦闘。対人戦でお祖父さんの指摘を聞きながら、剣技を磨いていく。
休憩と昼食を挟めながら模擬戦闘を日が沈むまで繰り返す。
家に帰っても夕食を取ったらすぐに外へ、一人で素振りを五百回を二回し計千回。
終わったら風呂に入り布団に入る。ベルと一緒に毎日お祖父さんがしてくれる英雄譚を聞きながら眠る。
ただただ、それを繰り返す。
偶に模擬戦闘の相手がベルになることもあったが……それは例外だ。
そして、私は剣第一となっていった。常に剣のことを考えていて、剣に必要のないことは一切しない。髪を切る時間も惜しいとまったく髪を切らなくなったりもして、今ではばっちり長髪だ。
村の人たちからは怖がられ、段々と人は私を忌み避け、結局家族以外、誰一人として近寄らなくなったが、そんなことも気にせずひたすら剣を磨いた。
そして、変化が訪れてから五年、私の15歳の誕生日。私は祖父からたくさんのことを聞かされた。
その内容はとても驚くべきものだった。そして、強い悲しみにも襲われた。
お祖父さんは
お祖父さんは明日、身を隠すため崖から落ち、失踪すること。
お祖父さんとはもう会えないかもしれないということ。
私は、アイズ・ヴァレンシュタインさんから血を分けてもらい九死に一生を得たこと。
私の、髪や瞳の色はその血の影響で変化したこと。
アイズ・ヴァレンシュタインさんが精霊の血を継いでいて、その血が輸血により私にも引き継がれていること。
アイズ・ヴァレンシュタインさんは【
その他にもいろいろ教えてもらった。大切なこと、忘れてはいけないこと、肝に銘じておくこと。様々だった。
私はその全てを疑わず、受け入れた。
お祖父さん―――――いや、本当は違うのか。でも、私にとってはお祖父さんだ。そこに変わりは無いからお祖父さんと呼ぼう。お祖父さんが神であり祖父でないこと、失踪してしまうことは、とても悲しかった。でもお祖父さんは私に言った。
「ベルを頼んだぞ。お前が頼りだ、シオン。兄として導いてやれ」
私は任された。そして、受け入れた。だから、兄として、ベルは正しい道を進ませてやろう。ベルには可能性があるとお祖父さんは言ったのだ。一つに決めた私とは違い。
だから、後押ししよう。可能性への道へと向かうベルを。
驚くこともあった、特に精霊のなんたらは。だが、やることは決まった。
驚いている暇はないのだ。進み始めたら止まらない。
私はまだ
スタートは明日だ。お祖父さんの最後の言葉ベルに伝えて、向かおう。
「可能性と未知に溢れた【
夜に独り、近所迷惑にもなりそうなその声は、虚空へあっさりと失せた。
3/23.ちょっと修正させてもらいました。
7/5 加筆修正(暇つぶし)