モンスターハンター 人竜秘録   作:傘沙羅

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ちなみに説教は水中で

 

 

 

 アグナサイド

 

 

 

(これであらかた片付いたかな・・・)

 

 ジャギィ一味を吹き飛ばし、頭領であるドスジャギィを仕留めた。

 は、いいが問題はそこで暴れてる馬鹿の方なんだよなぁ。

 

「食いもん寄越せぇぇぇ!!!」

「少しは黙ってろ!!」

 

 アンディのアッパーカットがライガの顎を捉える。

 客観的に見ると、ジンオウガが人に素手で押されているという状況に見えるが仕方ない。

 しかし、これでアッパーカットを通算で八発食らってる筈なのにライガってやっぱタフだなぁ・・・・・・。

 

「い・い・か・げ・ん・に・し・ろ!!!」

 

 あ、ついにアンディのフィニッシュブロー・・・・・・二連アッパーカットがライガの顎を捉え、勝負が着いた。

 二連アッパーカットとは相手の頭が下がっている状況下でのみ効果をあらわすアンディの伝家の宝刀である。

 まず一撃目の左によるアッパーカットを顎に叩き込み相手の意識を削ぐ。

 そして二撃目に腰をひねる反動と左の拳に伝わってきている衝撃を合わせた強烈なアッパーカットを一撃目と同じ位置、角度からかち上げる。

 大抵のモンスターならこれだけで絶命し、亜種や希少種すらも一撃で昏倒させる。

 そしてあの古龍種すらふらつかせることが出来るとアンディは自負している。

 

「お疲れさん、さてコイツをどうするかな?」

「もういっその事、ナバル老師のトコにでも放り込んでもいいと思うぜ、俺はな」

 

 どうやらアンディも思う存分暴れられてスッキリしているようだ。

 という訳でライガはナバル老師のところに送ることにした。

 ナバル老師とはこの孤島の近海を統治している古龍で、その大きな巨体と水を操る事から『大海龍』とも呼ばれているとんでもない程お強い老師である。

 ちなみにライガはこれまでに三度ほどお叱りを受けている。

 

「海に行ってクレアにこいつ引き渡してくるわ」

 

 そう言ってアンディは竜状態に戻ってライガをその背に乗せて走って行った。

 あの調子なら三分ぐらいで帰ってくるだろう。

 

「・・・・・・・・・ひ、人が竜になった!?」

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・あ、やばい見られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 慧香サイド

 

 

 

 

「・・・・・・・・・ひ、人が竜になった!?」

 

 どうも、慧香です。一体今日は何回驚けばいいのでしょうか?

 いつものように出店の商品の材料の調達に来てみれば、ハンター達にモンスターを擦り付けられて、生き延びるために必死で戦って、そして見たことの無い二人組に助けてもらって、しかもその一人が目の前で竜に変わって。

 あれ?ここは天国でしょうか?もしかして今までのは全部夢で私はドスジャギィに食べられてしまったのでしょうか?

 

「お、おーい。聞こえてる?」

「は、はい・・・・・・」

 

 ・・・・・・・・・どうやら夢ではないようですねこれは。

 

「あ、あの助けていただいてありがとうございます」

「いいって、目の前で死にそうな人を見捨てるほど自尊心高くないから。

 それになんだか身内が迷惑かけたみたいだし」

「え、それってどう言う━━━」

「イィヤァァァァァ!!!!!!」

 

 突然海に続いてるエリア9からこの世のものとは思えない悲鳴を上げて全力疾走してくる人影が表れました。

 しかもその後をさらに二つの人影が猛スピードて追いかけています。

 

「オラァァ!!待てぇぇぇ!!!!」

「早いうちに止まらないと報告に尾ひれつけますよぉぉ」

「ウォォォ!!アグナ助けてくれぇぇ!!」

「因果応報、おとなしく受けてこい」

 

 アグナさんの蹴りが逃走してきた男性の腹部にめり込んで、走ってきた女性の方に突き飛ばしました。

 ・・・・・・今、メゴッ、て音がしたんですけど大丈夫でしょうか。

 

「クレア、その馬鹿を今すぐナバル老師の所に連れてけ。もちろん口の中にイキツギ草ぶち込んどいてからな」

「アイアイサー。そんじゃライガ、お叱り受けに行こうねぇ」

 

 な、何でしょうかこのカオス空間は。

 蹴られて気絶してる男性をクレアって呼ばれた女性が担いで連れていってしまいました。

 

「お!お前無事だったのか?」

「あ、あなたはさっきの」

 

 男性を追いかけていたもう一人の・・・・・・たしかアンディさんでしたっけ、その人が話しかけてきました。

 でも未だに信じられません、この人がディアブロスに変身できるなんて・・・・・・・・・。

 

「おいアンディ、お前人化する瞬間この子に見られたぞ」

「マジで!?しくじったなぁ、どう説明すりゃあいいんだよ・・・・・・」

「あ、あの」

 

 なんだかとても親しげそうに話しているのでただの他人ではないようなんですが・・・・その・・・・・・。

 

「ん?どうしたよ嬢ちゃん」

「嬢ちゃ!・・・・・・私には慧香っていう名前があります!そうじゃなくて、その、お、お二人は付き合ってるんですか?」

 

 だ、だって仕方ないじゃないですか!だって見た目が同じで声も私より少しだけ低いアグナさんと見るからに男性だって断定できるようその塊のアンディが親しげに話してたら、な、仲のいいカップル以外に見えませんよ!!

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

「えっと・・・・・・その、あのぉ・・・・・・」

 

 どうしたのでしょうか、お二人共お互いの顔を見あって一言も喋りません。

 なにか地雷を踏んでしまったのでしょうか?

 

 そ、それによく良く考えてみれば私って同じ同性の人に初恋してしまったんですか!?

 ど、どうしましょう!こんなこと友達にも家族にも言えませんよぉ・・・・・・。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・ブフゥ!!」

「え?」

「・・・・・・・・・おい笑うなアンディ」

 

 え?え!?私なにかおかしな事言ってしまいましたか!?

 

「ククククッ!!な、なぁ慧香、お前に一つ朗報を教えてやるよ・・・・・・・・・そいつ男だぜ?」

「・・・・・・・・・え、えぇぇ!!!???」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アグナサイド

 

 

 

 はぁ、まさか初対面の子にまでそう思われてしまうのか・・・・・・・・・いや、逆に初対面だから仕方ないのか。

 たしかに俺の人化は限りなく女性に近い男性という少々マニアックな格好になる。

 他の雌の人化と比べても遜色ないレベルの美形だとアンディや孤島、そしてこれまで世話になってきた連中にも言われた事もある。

 

 全くの余談であるが一度ナルガクルガに本気で求婚されたという過去もあったりする。

 もちろん熱線で尾を三分割(縦に三枚おろし)して追い返してやった。

 

「と、言う訳でそろそろ帰るぞ、もう時期日も落ちる」

 

 空を見上げれば太陽だわずかに近くなっていた。

 ざっと考えて正午から四時間たったくらいだろうか、昼飯を食わなければ。

 

「あ、あの!」

「ん、どうした?」

「あの良かったら家に来ませんか?その、お礼もしたいですし」

 

 ・・・・・・・・・・・・確かに魅力的な誘いではあるな。

 何せさっきの戦闘のせいで草食竜達は巣穴に閉じこもってしまってアンディはともかく主食が肉の俺にとっては獲物をとるのが非常に手間がかかる。

 

「だがよ慧香、俺らは見た目は人間だが中身は竜族だ。

 ひょっとしたらお前のことも食ってしまうかもしれないぞ?」

「そんなことをおふたりがしないのは分かっています。

 だって私を助けてくれたことがおふたりの良心だと思っているからです」

 

 しかしそれでも慧香はめげようとしない。

 本心から俺らに恩返しをしたいと思っているからなのだろう。

 

(どうするよアンディ。この子、芯が通ってるからそう簡単には引き下がってくれそうもないぞ・・・)

(って言っても、竜族である俺達を信用してくれるのもありがたいが・・・・・・・・・何か裏があるかもしれねぇだろ、一応・・・)

「あ、ちなみにサボテンの花を大量に入荷したのでそちらも出しますよ」

「よし行こう、今すぐ行こう、なにがなんでも行こう」

「オイ」

 

 改めて言う、基本的にアンディは食いもんに弱い。

 

 

 

 

 

 






ちなみにアンディは、乙女心とかをある程度熟知してい
ます(決してオカマではありません)
そしてアグナ(仮)は根っからの鈍感です。

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