ホワイト・エンゲージ   作:リファ

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第10話

目の前で青い物体が蠢く

 

 

 

それは、刃物の腕で人を斬り裂いた。

 

 

何人も

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何人も

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何人も

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見知った顔の人が、戦っている

 

 

 

 

緑色の髪の毛の、長いスカートの女の人だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やがてその人も、同じように

 

 

 

刃物の腕で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うああっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とんでもない悪夢を見ていたようだ…

汗が身体中から滝のように出ている、中に着ていた黒色のシャツはパッと見では分からないが触ってみるとびっしょりと濡れている…

 

 

 

 

 

(汗…風呂、入んないとな)

 

 

 

 

 

寝ぼけた表情のまま、俺は服をバサリと枕元に脱ぎ捨てて脱衣場へとむかう。

あまり周囲は見てない、室内が暑くてあんまり気にしてられないし…正直部屋のなかがまだ汚くて、見てられない。

 

 

 

 

「暑いし、面倒だし…シャワーにするか」

 

 

 

 

シャツと上着は部屋のなか、ズボンやらパンツは脱衣場のかごのなかに投げ捨てて、ガララと浴室の引き戸を開け

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ……」

 

 

 

 

 

 

「ん……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よく聞いてみれば、シャワーの音が最初からしていた。

 

 

 

 

そしてよく見れば、引き戸のガラス部分が曇っていた。

 

 

 

 

よくよく聞いてれば、鼻唄が聞こえていたような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてよくよくよく見てみれば…ファリニスが中にいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 

「……………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キャーーーーーーーッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわわわわわ!!?!いや!待って!!ちょ、いや、違う!そんなあれこのえと覗きとかじゃなくてこんな堂々としてるとかそういう問題じゃないよねというか胸がけっこうおおき」

 

 

 

 

 

 

 

スパーン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、そこで一旦意識がとんだ

 

 

 

 

 

次に目が覚めた頃、俺はまた布団まで戻っていた。

しかし今度は…顔を真っ赤にしたファリニスもいる、うつむいたままなにも言わずに…俺が起きたことには気がついてるみたいだけど…

とりあえず体を起こしてファリニスを促し、隣のテーブルのある部屋に移動した。

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

 

 

「………///」

 

 

 

 

 

 

(や、やばい!!さっきのことが頭から離れくてなに話せばいいかわかんねえ…!!)

 

 

 

 

 

なんだか顔が熱くなっていく気がしたけど…気にしない気にしない…

 

 

 

 

 

「あ、あの…ごめんなさい、私咄嗟に…その……恥ずかし、くて…」

 

 

 

 

 

 

ファリニスの第一声は、謝罪だった。

顔は真っ赤にしたままでうつむいたまま、さっき布団の横にいたときとまったく変わらない体勢だ。

 

 

 

 

(って、なにファリニスに謝らせてんだ俺ぇぇぇ!?よく確認しなかった俺が悪いに決まってる!)

 

 

 

 

 

「あ、いやファリニス?俺が確認とかしなかったし…正直いって、俺が断然悪いと思う…いや、俺だろ!悪いのは、かんっぜんに俺だ!……ごめん」

 

 

 

 

「いっ…いえ!あの、そもそも私がセグレトさんのバスルームを勝手に使ってたのが悪い

ですから……その、洗面器も…すみません」

 

 

 

 

 

 

洗面器?と、ファリニスの奥の方の廊下に転がっている浴室にあるはずの洗面器が転がっているのが見えた。

ああ…きっとあれだな、気絶した原因は…

 

 

 

 

 

「そ、それはともかくさ…あの、思念の…集合体だっけ?あいつは、どうなったんだ?」

 

 

 

 

 

 

「あ、そ、それはですね…」

 

 

 

 

 

 

ファリニスの話によると

 

俺があの巨大な爪で思念集合体を真っ二つにして、勝負はついた。

そのあとに俺はそのままぶっ倒れて、巨大な光の爪も消えていた…意識が無くなったかららしい。

 

 

 

 

 

「…ほんとに…夢じゃない…んだよな」

 

 

 

 

 

正直…ファリニスと出会ってからのあの短い間は、夢としか思えてない…思念集合体とかも辻褄が合うのは分かるし…でも、自分のなかではとても非現実的で…

 

 

 

 

「セグレトさんを、あんな戦いに巻き込むのは…私もしたくはなかったのですが…」

 

 

 

 

そう言いつつ、ファリニスは服をぺらりと捲って脇腹の辺りを見せてきた。

そこには、昨日刺された場所と同じところに刺し傷が…しかし、傷跡はまだあるものの傷口は塞がっているようだ。

 

 

 

 

「この傷を受けて…私が今ここにいられるのは…紛れもないセグレトさんのおかげです、ありがとうございます」

 

 

 

 

そう言うと、彼女は深く頭を下げた。

 

 

 

 

「いや…なんていうか、俺もあんな力があるとは思わなかったというか、俺も生きてるのが不思議…かな…ハハ」

 

 

 

 

 

 

そうだ、あの力…あの巨大な光の爪があったからこそここに俺とファリニスがいるんだ。

…でも、俺はあの力について何一つ分からないでいた。

 

 

 

 

「生きてて10年以上にもなるけどさ、ファリニスや俺の不思議な力とか…全然わからない、まだ記憶喪失って気分になるくらいに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの力は…ポケモンとしての、能力です」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ポケモン…?」

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