聖姫絶唱セイントシンフォギア   作:BREAKERZ

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今回はあるキャラとあるキャラを弄くります。


古の恋バナ 魔羯編

それは過ぎ去った思い出の一つ。

 

天羽奏と風鳴翼、シジフォスとエルシドは自衛隊基地に赴いていた。シジフォスとエルシドはヘリコプターの操縦訓練の為にその場を離れ、翼はバイクの整備をしていた。翼の鼻唄が工場に響く。

 

「♪~♪~♪~♪」

 

整備をしていた翼に奏が近づく。

 

「「♪~♪~♪~♪」」

 

「?!奏!」

 

「ご機嫌ですな♪」

 

「今日は非番だから、バイクで少し遠出に」

 

「特別に免許貰ったばかりだもんな。それにしても任務以外で翼が歌を歌ってるなんて初めてだ」

 

奏の言葉に翼は顔を赤らめる。

 

「奏・・・」

 

「そうゆうのなんか良いよな♪」

 

翼のオデコに軽めのデコピンをする。

 

「さ~て、暇だしシジフォス達を冷やかしにでも行ってくるかな。また鼻唄聴かせてくれよな♪」

 

そう言って工場の出口に向かう奏。翼はその後ろ姿を見つめ。

 

「奏!鼻唄は誰かに聴かせるものじゃないから!」

 

「分かってるって、んじゃ行ってきな!」

 

苦笑いを浮かべた翼は手をヒラヒラさせて工場から出ていった。

 

メディカルチェックを受けていた翼は過ぎ去った思い出が甦った。もう戻ってこない“片翼”に思いを馳せて。

 

「ただいま、奏・・・」

 

憑き物が取れた晴れやかな笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

その日の放課後、響と未来は二課本部へと出頭した。初めて見る二課の設備に未来は驚嘆した。

 

「うわ~~、学校の真下にこんなシェルターや地下基地が・・・」

 

「あっ!翼さーん!レグルスくーん!」

 

自販機がある区画で翼とレグルスとエルシド、緒川と藤尭がいた。

 

「立花か。そちらはたしか“協力者”の」

 

「こんにちは、小日向未来です」

 

「えっへん!私の一番の“親友”です!レグルス君とエルシドさんが前から未来を“協力者“として師匠に推薦してくれてたんです!」

 

「初めて彼女が立花の戦闘に巻き込まれたあの日に弦十郎殿に話していたのだ」

 

「ま、翼に慎司ってマネージャーがいるし、響にも私生活で助けになる人は必要だと思ってね♪」

 

レグルスとエルシドの説明に翼は苦笑いを浮かべ。

 

「確かにな。立花はこういう性格故、色々面倒掛けると思うが支えてやってほしい」

 

「いえ、響は残念な娘ですのでご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします」

 

「未来って響のお母さんみたいだな(笑)」

 

「ええ?!何、どうゆうこと?!」

 

「響さんを通してお二人が意気投合してると言う事ですよ」

 

「はぐらかされた気がする」

 

緒川の言葉に響は剥れる。皆の顔が笑顔に綻ぶ。緒川は微笑む翼を横目に微笑む。

 

「でも、未来と一緒にここにいるのはなんかこそばゆいですよ」

 

「小日向を“外部協力者”として二課に移植登録したのは指令が手を回してくれた結果だ。それでも不都合を強いるかもしれないが」

 

「説明は聞きました。自分でも理解している積もりです。不都合何てそんな」

 

「あっ、そういえば師匠は?」

 

「あぁ私達も探しているのだが」

 

「「・・・・・・・・・」」

 

弦十郎の所在を知るのは“約二名”であった。

 

因みに指令室に『TATHUYAに緊急返却』と書き置きがおかれていた。

 

「あーら、良いわね。ガールズトーク♪」

 

と了子がにこやかに現れた。緒川はゲンナリとした顔になり。

 

「何処からツッコムべきか悩みますが、取り敢えず僕達を無視しないでください」

 

緒川のツッコミが空しく響く。響と未来は了子の恋愛経験に興味津々の態度を取り、了子自身も“恋ばな百物語”

なんて言い出す始末。響はおおはしゃぎ、未来は百物語に苦笑い、翼は頭痛を堪える。

 

了子は自分は一途な女であると言い出し。

 

「“命短し恋せよ乙女”と言うじゃない。それに女の子の恋するパワーって凄いんだから♪」

 

「女の子ですか・・・」

 

ガンッ!

 

「グハッ」

 

余計な事を言う緒川に裏拳を叩きつける了子。

 

「私が聖遺物の研究をするようになったのも」

 

「「うんうん!それで!」」

 

興味津々に聞く響と未来。だが。

 

「・・・・・・ま、まぁ私と忙しいから、ここで油を売ってられないわ」

 

「自分から割り込んできたくせに」

 

ゲシッ!

 

「グアッ!」

 

「緒川さん?!」

 

「あ~あ」

 

「“雉も鳴かずば打たれまいに”」

 

今度は顔面に蹴りを入れる了子。藤尭は心配したがレグルスとエルシドは呆れ顔だった。

 

「とにもかくにも!デキル女な条件はどれだけ良い恋してるかに尽きるわけなのよ。ガールズ達も良い恋しなさいよ♪まぁ響ちゃんと翼ちゃんの場合は、相手の男次第になるけどね♪」

 

「ええ?!//////」

 

「なッ!//////」

 

了子のセリフに紅くなった響と翼はチラッと緒川をケタケタ笑うレグルスと我関せずの態度のエルシドに目を向ける。

 

「ふ~んそうだったんだ♪」(ニタニタ)

 

響の様子と目線で全てを察した未来は目を細めていやらしい笑みを浮かべる。

 

「み、未来!何その笑顔?!」

 

「ち、違うぞ小日向!これはだな!」

 

「いえいえ、響と翼さんの事。私応援してますから♪あーあ、早く私にも王子様が現れてくれないかなー♪」

 

「「待って(待ってくれ)未来!(小日向!)こっちの弁明もきいて!!(聞いてくれ!!)」

 

「んじゃ!ばはは~い♪」

 

「「ちょっと了子さん!(櫻井女史!)そんな無責任な!!」」

 

トンズラする了子に響と翼は救いの手を求めるが無視された。了子の姿が見えなくなると突然レグルスが。

 

「あっ、そういえばエルシド。エルシドって修行時代よく“女の子”と一緒にいたって聞いたけど?」

 

「ん?“峰”の事か?」

 

「「「「えっ?」」」」

 

「うわ~、エルシドさんにも恋バナがあるんですか?」

 

エルシドの言葉に未来を除いた四人は・・・。

 

「(エルシドさんに?・・・)」

 

響は呆然となり。

 

「(女?・・・)」

 

藤尭は驚愕に目を見開き。

 

「(あの堅物のエルシドに?・・・)」

 

緒川は顔の痛みも忘れるほど驚き。翼に至っては。

 

「(エルシドに・・・女?・・・)」

 

目が死んでいた。足元の床が崩れ、奈落の底に落ちる浮遊感を味わった。

 

 

 

 

そんな事露知らずの了子は通路を歩いていた。

 

「(らしくない事行っちゃったかもね・・・・・・変わったのか・・・それとも・・・変えられたのか?)」

 

自分の変化に戸惑い黄昏る了子。

 

 

 

 

 

 

 

そして二課の通路に置かれたベンチではエルシドへの尋問が行われていた!

 

「さぁ!エルシドさん答えてください!“峰”さんって誰なんですか?!エルシドさんとの関係を包み隠さず誤魔化さず洗いざらい全~部暴露してください!!」

 

響が凄い勢いでエルシドに詰め寄る。未来はワクワクしレグルスは面白そうにケタケタと笑う。藤尭は仕事があるので渋々退場した。

 

「緒川殿、何故俺は尋問を受けているのだ?」

 

何故こんな状況になったのか理解できないエルシドは緒川に聞くが。

 

「取り敢えずエルシド。“峰”って方の事を話してもらえないでしょうか?じゃないと翼さんが不味いです」

 

「ななな何がままま不味いのですかかか?おおおお緒川さん?かかかぜ風鳴つつつ翼はここここの通りだだだだ大丈ぶぶぶでででですがががが?」(ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ)

 

瞳からハイライトが消え目元に影が射し、身体は小刻みに震え、手にはいつまにか刀(それも真剣)を握り今にも抜いて暴れそうになる翼を抑える緒川。

 

「・・・まあ良かろう。あまり色気のある話ではないがな。皆も知っての通り俺達は聖闘士はこの時代より300年近くの平行世界からやって来たことは知ってるな」

 

響達(シンフォギアの事と聖闘士の事を聞いていた未来も含む)は頷く。

 

「あれは、俺がまだ正規の聖闘士ではない候補生だった頃。“峰”は俺のかつての友、いや友と言うより“好敵手”だ。俺は聖闘士として己を鍛え己自身を“聖剣”へと完成させようとした。峰の父上は遠い東洋の国の出身者でな峰は黒い髪と朱色に輝く瞳をした刀の研ぎ師だった、そして峰は究極の研ぎにより刀に魂を宿らせ聖剣の完成を目指した。俺達は己を鍛える者と研ぎ師の技巧で聖剣を目指す“好敵手”であり“盟友”であった」

 

「「フムフム。それでそれで♪」」

 

「・・・・・・峰は、亡くなった」

 

「「えっ?」」

 

「「?!」」

 

「・・・・・・」

 

ワクワク顔が崩れる響と未来。シリアスになる翼と緒川。レグルスは黙って聞いていた。

 

「峰は胸の病で倒れた。完成されぬ刃と痩せ衰えていく身体、まだ年若い峰は夢半ばでその命を散らせていった。峰の父上の国では女が刃に拘わることは許されぬ事、自分が刃を汚したから病に落ちたと言っていた」

 

「昔はそう言った風習があったからな。でも」

 

「あぁ、峰は刃を汚してなどいない。峰は俺に死に目を見せず逝った。だが、最後に峰が言った言葉が今の俺の理念になっている」

 

『無念だ・・・私はもうお前と共に刃の完成を目指せない・・・・・・せめてお前は・・・至れよ・・・!!聖剣へ・・・!!』

 

「峰と俺自身の夢、“聖剣へ至る”事、例え死しても峰の夢と想いは常に俺と共にあるのだ。ん」

 

顔を上げたエルシドの目に涙を流す響と未来と翼、峰の冥福を祈るレグルスと緒川の姿があった。

 

「・・何故泣く?」

 

「だって・・・ヒック・・・峰さんがあまりにも不憫で・・・!」

 

「エルシドさんも辛かったですよね・・・」

 

「すまないエルシド・・・お前と峰殿の関係を下世話に考えてしまって・・・」

 

「泣くことはない峰の想いは“ここ”にあるからな」

 

己の胸を指すエルシド。その目には“優しさ”に満ちた瞳をしていた。

 

 

 

 

 

そしてその頃の弦十郎は、雨が降りしきる中傘を指しTATHUYAにDVDの返却と別作品をレンタルし廃マンションへと向かっていった。

 

 

 

 

 

響達も泣き止んだが未だに暗い雰囲気の空気を変えようとする話を変える緒川。

 

「指令、まだ戻ってきませんね」

 

「ええ、メディカルチェックの結果を報告しなければならないのに」

 

「次のスケジュールが迫ってきましたね」

 

「もうお仕事入れてるんですか?!」

 

「少しずつよ。今はまだ慣らし運転のつもり」

 

「じゃあ、以前のような過密スケジュールじゃないんですね!」

 

「?」

 

「だったら翼さん!デートしましょ!」

 

「デート?」

 

「あっ!もちろんエルシドさんとレグルス君も!!」

 

「「えっ?」」

 

「未来も一緒に行きますし!」

 

未来は響に耳打ちする。

 

「響、それだと私凄いお邪魔虫なんだけど・・・」

 

「お邪魔虫なんかじゃないよ。皆でゲーセン行ったりカラオケ行ったりするんだから」

 

「それってデートじゃなくて遊びにいくって言うんじゃ・・・」

 

「細かいことは良いから!で!翼さん!エルシドさん!レグルス君!どうですか?」

 

「・・・・・・構わないわ」

 

「・・・異論ないが」

 

「楽しみだな♪」

 

「よーし!皆でデートだーーーーーー!」

 

響の元気良い叫びが響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

聖闘士の恋バナシリーズはその内またやるかもしれません。デジェルの時はどうなるか(主にクリスのリアクションが)お楽しみにwww
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