その姿はまさに奇跡の姿。未来と仲間達が、自分達を信じ支えてくれる人達が起こした奇跡。響が、翼が、クリスが、白を基調としたそれぞれのパーソナルカラーが混じったギアを纏う。
響の背中のパーツからオレンジの翼を翼は踵と足パーツから水色の翼をクリスは腰から赤い翼を囃し夜明けの世界に佇む。そして響が吼える!
「シンフォギアーーーーーーーーーーー!!」
*
その勇姿をモニターで確認する一同。少女が歓喜の声を挙げる。
「お姉ちゃん達カッコいい!」
弓美や創世と詩織も喜びの声を挙げる。
「やっぱあたしらが着いてないとダメだな♪」
「助け助けられてこそナイスです」
「私達も一緒に戦ってるんだ!」
笑い会う友達を一瞥した未来を微笑みながら頷く。アスミタも持ち前の感性で響達の進化を感じた。
「(これが“欠片”とは言え人の身が引き出した“神の武具”の力なのか?)」
*
『シンフォギアXD<エクスドライブ>』
高レベルのフォニックゲインで限定解除されたシンフォギア。
それを纏う響達にフィーネはソロモンの杖からノイズを生み出した。
フィーネはノイズをバラルの呪詛により相互理解を失った人類が同じ人類を殺戮する為に生み出された自律兵器と言う。
バビロニアの宝物庫に封印され何千年かの周期で現れるノイズをフィーネは人為的に解放していたのだ。
フィーネの言葉を理解できなかった奏者達だがフィーネは更に大量のノイズを生み出し街に放った!街に溢れる程の小型や大型や飛行タイプとノイズの見本市と言わんばかりにの大量のノイズを生み出した!
響達は街へ向かいノイズの迎撃に向かう。“戦いの歌”を歌いながらたった三人で何千何万といるだろうノイズに果敢に挑む。限定解除されたシンフォギアの力は凄まじく、たった数分でノイズ達を全滅させた!
だがフィーネは自分の腹部にソロモンの杖を突き刺した!そしてフィーネの身体から触手のようなものが生えてなんとソロモンの杖を取り込んだのだ!
するとまだ残っていたノイズがフィーネの身体に集まった。しかし“ノイズがフィーネを取り込んでいる”のではなく“フィーネがノイズを取り込んでいる”のだ!
そしてフィーネは取り込んだノイズの塊をカ・ディンギルのエネルギー炉にされていた“デュランダル”を取り込んだ!地面を突き破り現れたのは剣の形をした塔のような竜のようなノイズ。
黙示録にある“赤き竜 ヒウンペイパル”。
そのノイズが放ったエネルギー波が街を焼く!その塔のようなノイズの中心部にフィーネはいた。
フィーネとの最終決戦がはじまるが大量のノイズと完全聖遺物を取り込んだフィーネに苦戦する奏者達、だが奏者達は“策”を実行する。翼とクリスが先行する翼が『蒼ノ一閃 滅破』を放ち中心部に亀裂を生みその亀裂からクリスが突入しフィーネに弾幕を叩きつける!ダメ出しに翼が斬撃を叩き込み。“デュランダル”をフィーネから引き剥がす!
飛んで来た“デュランダル”を響が掴み再び“デュランダル”に意識を飲み込まれそうになる響。
すると避難シェルターから未来達が出てきた。
弦十郎が。
「正念場だ!踏ん張りどころだろうが!」
緒川が藤尭が友里が
「強く自分を意識してください!」
「昨日までの自分を!」
「これからの自分を!」
暴走しそうな自分に抗いながら響は皆の声を聴く。
「(み、皆・・・)」
翼とクリスが響を支える。
「屈するな立花!お前の覚悟、私に見せてくれ!」
「お前を信じ、お前に全部賭けてんだ!お前が自分を信じなくってどうすんだよ!」
詩織が弓美が創世が。
「貴女のお節介を!」
「あんたの人助けを!」
「今日はあたし達が!」
再生させたフィーネが触手を伸ばし攻撃するが奏者達のバリアが防ぐ。響が“デュランダル”に完全に飲まれそうになる。
「ヴオオオオオオオアアアアアアアアアア!!!!」
響の頭にアスミタの念話が走る。
「(これで終わりかガングニール?お前の“守りたい人”がお前を応援しているぞ)」
「響ーーーーーーーーーー!!」
響の守りたい人<未来>が声を上げ“デュランダル”に呑まれそうになった響にその声が届いた!
「(ッ!・・・・・・そうだ・・・今の私は・・・私だけの力じゃない!)」
「ビッキー!」
「響!」
「立花さん!」
「・・・・・・」
未来達が見守る。
「(そうだ・・・この衝動に・・・塗り潰されてなるものか!!!)」
黒く染まった響の身体が元に戻り響の身体が光輝き“デュランダル”の刀身が天高く伸びる!
「その力・・・何を束ねた!?」
「響き合う皆の歌声がくれた。シンフォギアだーーーーーーーーーーーーー!!」
光輝く“デュランダル”を振り下ろす。
『Synchrogazer』
振り下ろされた刀身がノイズを断ち切る!
「“完全聖遺物の対消滅”か・・・・・・・・・聖遺物ごとき玩具を相手に“コレ”を使う事になるとはな」
フィーネは念話であるノイズを呼ぶ。
チュドオオオオオオオオオオォォォォォォォ!!!!
斬られた巨大ノイズが大爆発を起こした。
奏者達が地面に降り立つ。
「響・・・「待て未来くん」司令さん?」
「・・・・・・」
響の元に向かおうとする未来達を弦十郎達が止める。
「「「・・・・・・・・・」」」
響と翼とクリスも戦闘体勢を解いていなかった。三人は見たのだ“馬型ノイズ”に乗って脱出したフィーネを。元のネフシュタンの姿になったフィーネは“馬型”に跨がりながら降り立った。
「まさか、シンフォギアのような玩具にこの私が遅れをとるとはな」
フィーネは忌々しいと云わんばかりに奏者達を睨む。響はフィーネに向かって口を開く。
「了子さん、もうやめましょう。これ以上の戦いなんて・・・」
「・・・・・・フフフ、何処までも甘い」
「(何故笑っている?)」
「何笑ってやがるフィーネ!お前はもうおしまいなんだよ!とっととデジェル兄達を返しやがれ!」
肩を振るわせながら笑うフィーネの態度を怪訝そうに見つめる翼。クリスはフィーネに詰め寄ろうとするが“馬型”がフィーネを守るように立ち塞がった。
「立花、雪音、アレをただのノイズと思うな。レグルスやエルシドの攻撃を防いだノイズだ。油断はできん」
「「はい/わーてるよ」」
構える奏者達をよそにフィーネは“馬型”を見つめ語りかける。
「ノイズよ。お前には助けられた事が多くあったな。だが、お前に預けていたものを返してもらうぞ!」
ザシュッ!
『ッ!?』
奏者達だけでなく弦十郎達も驚いた!フィーネが突然“馬型”の首を切り裂いたのだ!驚く一同を無視しフィーネは“馬型”の胴体に手を突っ込み“何か”を引っ張り出す!
「んだアレ?」
「アレって・・・聖衣レリーフ?」
「ッッ!?(あ、あれは!)」
『ッ!?』
フィーネが“馬型”から取り出したのは聖衣レリーフであった。
響とクリスは首を傾げて見つめるが翼と弦十郎、緒川と藤尭と友里の顔が驚愕に染まった!その聖衣レリーフに描かれた紋章に。
そして、脳裏に“ある人物”が浮かぶ。大きく頼もしく優しい背中、常に皆の支えになった男の背中を。
「な・・・何故“それ”を・・・何故“それ”を貴様が持っているフィーネ!!」
突然翼が激昂する。響とクリスは驚き今にもフィーネに斬りかかりそうな翼を抑える。
「翼さん!どうしたんですか!?」
「なにやってんだよ!?」
「離してくれ!あれはっ!“シジフォス”の!“射手座<サジタリアス>”の聖衣レリーフだッ!!!」
「「え!/何!」」
翼の言葉に響とクリスは驚きながらフィーネの持つ聖衣レリーフを見る。
その聖衣レリーフには射手座の紋章が描かれていたのだ。
二年前ツヴァイウィングのライブ事件と同時に起こった日本海側と太平洋側で同時に現れた大型ノイズの迎撃の際“MIA<消息不明/任務中死亡>”になってしまった黄金聖闘士。レグルスの叔父にして弦十郎が認めた男であり奏の恋人。
射手座<サジタリアス>のシジフォスの聖衣レリーフであった!
「シジフォスって、レグルスくんの叔父さんの?」
「何でそれをフィーネが持ってんだ!?」
「教えてやろう」
驚く一同を見てフィーネは歪んだ笑みを浮かべて語り出す。
「運命だった・・・まさに運命だったのだ。あの日、ライブ会場にノイズの大軍を出す為に私は黄金聖闘士共を引き離す為に日本海と太平洋側にノイズを出し射手座<サジタリアス>と山羊座<カプリコーン>を分断させた。だが、“あの国”が突然弾道ミサイルを撃ったのは私にとっても計算外だった。そのせいで射手座<サジタリアス>が消息不明になった時は肝を冷やしたぞ。忌々しい女神が生み出した唯一の功績と言っても良い完全聖遺物の黄金聖衣を失ったと思ったのだからな。1ヶ月にも及ぶ射手座<サジタリアス>の捜索の際、私は見つけた、見つけたのだ!捜索本部が設置された岬の近くの洞窟で見つけたのだ!主を失い!悲しみに暮れるように佇む傷だらけの射手座<サジタリアス>の黄金聖衣を!」
まるで吟遊詩人の話のようにフィーネは射手座<サジタリアス>が見つけた時の状況を仰々しく語る。
「まさか、捜索本部の近くに射手座<サジタリアス>の黄金聖衣があったとは・・・」
「今までの戦いで出さなかったのは、対黄金聖闘士の為にとっておいたのですね」
弦十郎と緒川はフィーネの切り札に驚いていた。
「了子さん!それをどうする積もりなんですか!?それはレグルスくんの叔父さんの聖衣ですよ!」
「ッ!まさか・・・」
クリスの脳裏に以前デジェルと共にフィーネのアジトで見つけたフィーネの“研究結果”を思い出した。
「フフフ、どうする積もりだと?こうするのだ!!!」
『ッ!?』
フィーネは聖衣レリーフを頭上に投げ飛ばす。
「二年の月日を越え姿を現せ!黄金に輝く人馬よ!その太陽の輝きを愚か者共に見せるのだ!!」
聖衣レリーフがフィーネの言葉に反応してレリーフから聖衣匣<クロスボックスorパンドラボックス>へと姿を変え匣が開くと幾つもの光が飛び出す!光は一ヶ所に集まり形を作る!太陽のように燃え翼を持ち弓矢を構えた人馬の形をした炎の塊へと!
「何をするつもりだ?」
「“取り込”むつもりだ・・・」
「クリスちゃん?」
「フィーネはネフシュタンの鎧に黄金聖衣を取り込ませるつもりなんだ!!」
「「え!?/何だと!?」」
フィーネは四本の鞭で“射手座”の形をした炎を包み込む!
「さぁ!ネフシュタンよ!今こそ太陽を喰らいその輝きを我が物とせよ!!」
聖衣を包み込んだ鞭が光輝き伝達してフィーネの身体も光輝く!まるで太陽のように!
『ッ!!!???』
余りの輝きに奏者達や未来達も目を閉じる。そして光が収まったのか目を開く一同はフィーネの姿を刮目する。
「ッ!」
「何ッ!」
「マジかよ!」
「バカな!」
「あれは!」
「なんなのあれは?」
そこにフィーネが立っていた。ネフシュタンの鎧は金色から太陽のように輝く黄金に変わり射手座<サジタリアス>の趣向が入ったような装飾が施され背中には黄金の翼を装備し、左手には大きな黄金の弓を携え、頭にはサジタリアスのヘッドギアが装備されていた。
「光栄に思え奏者共、獅子座<レオ>達に使う予定だった“切り札”を貴様らごときに使ってやることをな」
「ッ!!!」
「翼さん!」
「おい!」
翼はフィーネの姿を確認すると刀を巨大化させてフィーネに斬りかかる!
「フィーネ!返してもらうぞその聖衣を!それは貴様の道具に使われるものではない!」
翼は許せなかったのだ。戦友であり片翼の恋人の魂と言っても良い聖衣を自らのエゴの為に利用しようとするフィーネが許せなかったのだ!
だがフィーネは斬りかかる翼を冷めた目で見つめ。
「・・・・・・」
なんとフィーネは四メートルはあるであろう翼の大太刀を“指二本”で白羽取りした!
そして手首を少し捻ると翼の大太刀が粉々に砕けた!
「何・・・だと?」
「脆いな」
ドガッ!!
「ッ!?」
呆然とする翼の目の前に“一瞬”で移動したフィーネは翼の無防備になった腹部に膝蹴りをし吹き飛ばした!翼は上空に飛ばされるが響とクリスが翼を受け止めた!受け止めた反動で響とクリスも少し飛ぶがなんとか踏みとどまる。
「翼さん!しっかりしてください!」
「ゲホッ!グホッ!ガハッ!」
内臓と骨にダメージがいったようで血を吐きながら咳き込む翼。
「フィーネ、てめえ!!」
「クリスちゃん!」
翼を響に任せクリスは武装を展開しガトリングやミサイルの弾幕をフィーネに叩き込む!
「たかが弓一本じゃこの弾幕は防げねえだろ!」
だが弾幕の雨を貫いてレグルスの『ライトニングプラズマ』のような閃光がクリスに襲いかかる!
「嘘・・・だろ?」
唖然とするクリスは幾つもの閃光が、フィーネの拳が、その身体に叩き込まれた!
ガガガガガガガガガガガガガガガガ!
何千何万の拳を受け続けたクリスはギアがほぼボロボロの状態で地面に落下する!
「クリスちゃん!!」
「ゆ、雪音・・・」
翼を支えながらクリスの元に行く響。
「・・・う・・・ぐ・・・くそ・・・」
意識はあったがまともに身体が動かない程のダメージを負っていた。
響達は弾幕で土煙が上がったフィーネのいた場所を見るがそこには“無傷”のフィーネが悠然とこちらに向かってきた。
「くそったれ・・・無傷だなんて・・・」
「・・・・・・」
響は翼をクリスの隣に下ろしデュランダルを地面に突き刺した。
「立花・・・無理だ・・・フィーネは最早・・・我々とは違う次元の強さを得てしまったのだ・・・」
「バカ・・・死にたいのかよ・・・」
「でも・・・ここで了子さんを止めなきゃならないんです!だから・・・あたしが戦います!」
そう言ってフィーネに突っ込む響!無防備に悠然と歩くフィーネの腹部に拳を繰り出す!
「うおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
ドガンッ!!
フィーネの腹部に拳をぶつけた響。だが。
ビキビキビキ!
「うッ!うああああぁぁぁぁぁ!!」
なんと攻撃した響の腕のアーマーに亀裂が走った。響は傷付いた右手を左手で抑える。
「な、何で?攻撃した私の腕にダメージが?」
戸惑う響の頭に手を乗せるフィーネ、フィーネは冷めた口調で語る。
「簡単な事だ。このネフシュタンの鎧は黄金聖衣を取り込んだ事により破格の防御力を得たのだ。余りの防御力に貴様の腕は自らの力の反動で砕けたのだ」
「ッ!!!」
グシャッ!!
フィーネはそのまま響を頭から地面に叩きつける!
「ッ!・・・うっ!・・・」
「まだ動くか?」
フィーネは立ち上がろうとする響の頭に足で軽く踏んで押さえる。
「うぐぐぐぐぐ!!」
「どうした?私を止めるのであろう?さっさと立ち上がってこい」
嘲るような口調で語るフィーネ。響は立ち上がろうとするがフィーネの足を退かすこともできなかった。
「うッ!うううぅぅぅぅぅぅぅッッ!!」
歯を食い縛りながら立ち上がろうとする。しかしどれだけ力を込めてもフィーネはピクリとも動かなかった。
「・・・・・・フゥ、所詮この程度か・・・」
期待はずれと云わんばかりにため息を溢すフィーネは響の頭から足を退け。
ドウッ!!
「ぐはッ!!」
響を蹴り飛ばし翼やクリスのいる所に倒れた。
「た、立花・・・」
「しっかり・・・しろ・・・」
「うっ!・・・くっ!・・・」
ほぼ虫の息状態の奏者達を死にかけの虫けらを見るような目で見ながらフィーネは語る。
「これで分かったであろう?所詮貴様らごとき有象無象が力を合わせ、力を束ねた所で。“圧倒的な力”の前では全くの無意味なのだ!」
「おのれぇ・・・」
「フィーネ・・・」
「そんな事ない・・・皆で力を合わせればどんな事だって・・・」
「口先だけならなんとでも言える。だが貴様らは私に勝つどころかまるで相手になっておらんではないか?どれだけ言葉を尽くしても綺麗事を並べても“結果”が全て語っているわ・・・フフフフフフハハハハハハハハハハハハハハ、アーハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」
「くっ・・・」
「チクショウ・・・・・・」
「うっ・・・うぅ・・・」
高笑いを上げるフィーネに奏者達は悔しそうに涙を浮かべる事しかできなかった。
「(・・・・まだか、仕方ない。私が出るか・・・)」
盲目の闘士が動く。
今回はここまで。
シンフォギアファンの皆様、奏者達を虐めまくって申し訳ありません!
次回はシンフォギア世界に聖闘士要素をこれでもかとぶっこみます!