聖姫絶唱セイントシンフォギア   作:BREAKERZ

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今回で無印編完結します。G編のネタばれが少しあります。


エピローグ 夢旅人

フィーネの起こしたノイズの事件とリディアン襲撃と月の破壊、後に『ルナアタック事変』と呼ばれる事件から数日が過ぎ、“ガングニールの奏者 立花響”と“立花響の親友 小日向未来”は以前からの約束であった“琴座流星群”を見ていた。満天の星空に流れる流星群を響と未来はお互い手を繋ぎながら見つめていた。

 

「綺麗だね響」

 

「うん、ようやく約束を守ることができたよ」

 

二人は星空を眺めながら出会ってきた人達の事を思い出していた。

 

「翼さん、今海外で何してるのかな?」

 

「きっと世界中の人達に歌を届けているよ」

 

“ルナアタック事変”が終わってすぐ風鳴翼は海外進出を果たし世界の人々に歌を贈るために歌っている。マネージャーとして緒川慎次も一緒にいた。だが、ボディーガードのエルシドはそこにいなかった。

 

「エルシドさん、旅に出ちゃったんだよね」

 

「うん、武者修行の旅に出たんだ。翼さんも納得していたし」

 

響の脳裏に翼とエルシドの言葉を思い出していた。

 

『エルシドはずっと武者修行の旅に出たがっていたんだ。だが奏もシジフォスも居なくなって気落ちしていた私の事を心配してずっとそばにいてくれたんだ。エルシドにはエルシドの友との“誓い”と“夢”がある、だから行かせたいんだ』

 

『俺はこの手刀を真の聖剣へと完成させる。それが友と俺自身の夢だからだ。それに一つの戦いが終わったに過ぎない。また新たな戦いが何れ起きる、その時に備えて俺は自分を鍛えておかなければならない』

 

そう言って翼とエルシドは共に手を握る。

 

『エルシド、私はお前のようになれないかもしれない。だが、少しでもお前の背中を守れるようになる。お前がどんなに遠くに行っても私の歌をお前に届かせて見せる』

 

『あぁ、待っているぞ翼』

 

そう言って二課の誇る双刃は再会を信じてそれぞれの道を歩んだ。

 

「クリスちゃんとデジェルさんが日本に残ってくれたのは嬉しいね」

 

「うん、あの二人はラブラブだからね。きっと離ればなれにはならないよ」

 

クリスは今までの罪滅ぼしや自分の夢を叶える為に日本に残った。デジェルも二課の再建の手伝いと自分の目的をはたす為に日本に残った。

 

「でもデジェルさんの夢を聞いたときは驚いたね」

 

「うんデジェルさんの夢が“医者になる”って聞いたときは驚いたよ」

 

デジェルが“医者”を目指す為に日本の医大を受けようとしたのだ。

 

『クリスを探して紛争地帯を旅していた時に何度も見てきた。戦場で最も必要なのは医師です。クリスが再びこの世の地獄に戻るとき、医療の心得を持っていれば救える命が多くなります。それに我々<聖闘士>の手は“破壊”に特化した手です。ですが、この手が“破壊”だけではなく“命を救う”になる事を証明したいんです』

 

現在クリスとデジェルは同じマンションに同棲し、デジェルは医大を目指して勉強中なのだ。だが時折クリスとのデートもしているらしい(二人共、美男・美少女なのでちょっとした名物カップルになっている)。

 

「それはそうと未来ちゃん♪アスミタさんがいなくなって寂しくないの?」

 

「うん。アスミタさんまた会おうって言ってたから、きっとまた会えるって信じてるから」

 

アスミタはルナアタックが終わって直ぐに皆の元を去り諸国巡りの旅に出た。今度は己の感性だけではなく己の耳で感覚で世界と人々に触れていき己の足で世界を歩いてみると言っていた。

 

『小日向未来、店主殿に《お世話になった。その内また会いに行く》と伝えてくれ』

 

 

そう言ってアスミタはどこかにこやかな笑みを浮かべ霞のように消えていった。

 

「響こそレグルス君が旅に出て寂しくないの♪」

 

「あ~えーと仕方ないよ。レグルス君の“唯一の家族”を探す為に旅に出たんだから」

 

それはレグルス達が“月の破片”を破壊して皆の元に帰ってきたときだった。消滅間近のフィーネにレグルスと響が近づく。

 

「流石だな。私の最後の悪足掻きを打ち破ったか」

 

「了子さん、やっぱり消えてしまうんですか?」

 

「消える訳ではない、また眠りにつくだけだ。何十年後か何百年後か、もしかしたら一年後に目覚めるかもしれないがな」

 

「そっか、んじゃ未来で会おうぜスペラリ。またお前が悪さすることがあっても未来の聖闘士やその仲間達がまた止めて見せるからさ」

 

「フン、今度こそ貴様らを越えて見せる。“デキル女”を舐めるなよ♪」

 

憎まれ口を叩いているがどこかスッキリとした笑顔を見せ、最後は皆が知っている櫻井了子の顔でウィンクし、お互いに笑い合っていた。

フィーネの身体の消滅は徐々に進んでいき、とうとうフィーネの身体の大半が消滅した。フィーネはレグルスに“ある事”を伝える。

 

「獅子座<レオ>、いいえレグルス君。貴方たち皆に伝えなければならない事があるわ」

 

「?」

 

「射手座<サジタリアス>と分離し、気を失っている間に私は“小宇宙<コスモ>”を感じた。“彼の小宇宙<コスモ>”を感じたの。“彼”はこの地上の何処かにいる」

 

「“彼”って・・・まさか?!」

 

『?!』

 

フィーネの言う“彼”が誰なのかレグルスと翼とエルシドそして弦十郎達は察した。フィーネは消滅する寸前になり最後の言葉を伝える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レグルス君。“シジフォス”は生きている!」

 

 

 

 

 

 

そう言ってフィーネは光の粒子となって消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてレグルスはシジフォスを探す為に旅に出た。

 

「レグルス君の叔父さんが生きているかもしれない。だからレグルス君は旅に出たんだ。寂しいって言ったらそうだけど。未来と同じ、きっとまた会えるって信じているから」

 

曇りない瞳で言う響に未来も頷き、優しいそよ風が二人を撫で響と未来は再び星の光が輝く満天の夜空を見上げていた。

 

 

 

 

場所は変わりどこかの国の大平原にリュックを背負ったレグルスが歩いていた。ふとレグルスにそよ風が吹く。

 

「ン響?・・・・・・・・・あぁきっとまた会えるよ。俺達はいつもこの空と大地で繋がっているから」

 

そしてレグルスはリュックを背負い直し再び歩み始める。これからどれ程の険しい道を歩いて行く事になろうと、どんなに過酷な運命が待ち構えていようと、彼は嫌彼等は歩みを止めない。この世に邪悪が蔓延る限り、聖闘士の戦いに終わりはないのだ。

 

 

 

 

聖姫絶唱セイントシンフォギアー第一部ー 完

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は遡り。

 

レグルスとエルシドとデジェルが“月の破片”を破壊した直後、世界中が目映い光に包まれた時。

 

某国のとあるホテルの屋内プールでデッキチェアに寝そべりサングラスを掛けトランクス水着にアロハシャツを着た“男性”がいた。時間帯は夜になり他に客がいなく殆ど貸し切り状態のプールにその男とプールの中に潜水している“男性”以外誰もいなかったが、突然新たにプールに入ってきた“美男子”が現れた。

 

ウェーブがかかった水色の髪を腰にまで伸ばし、レザーズボンにYシャツを着た美男子は、デッキチェアに寝そべる男に近づく。

 

「今のを感じたか?」

 

「あぁ感じたぜ、ありゃあレグルスとエルシドとデジェルの小宇宙<コスモ>だな」

 

寝そべっていた男は上体を起こしサングラスを外すと整っているが悪人のような風貌をした青い髪を横に伸ばした男性だった。

 

すると今度はプールの中から潜水していた男性が出てきた。群青色の髪を腰にまで無造作に伸ばし整った顔立ちに獰猛な猛獣のような笑みを浮かべトランクス水着を着た男性だ。

 

「俺も感じたぜ!しかもアイツら更に力を上げやがった!くぅ~っ!早くアイツらと戦いたいぜ!」

 

「焦んなっつの。んで?俺らの“雇い主”はなんて言ったんだよ?」

 

「行動を起こすのは今から数ヶ月後だ。それまでに準備を進めておけとの事だ。それと私が“彼女”の護衛でお前達二人は“あの子達”の護衛だ」

 

美男子がそう言うと悪人風貌はデッキチェアに寝そべる。

 

「おいおいマジかよ、俺らが“アイツら”のお守り?どうせなら色気のある“アイツ”の護衛の方が良いぜ!オイ、お前もそう思うだろう!?」

 

「俺はどちらでも構わないさ。この命を燃やせる程の戦いができればな!」

 

「あぁお前はそう言うやつだよな」

 

たくっと言わんばかりに悪人風貌は立ち上がりデッキテーブルに置いてある氷水がたっぷり入ったワインバケツからシャンパンを取りだし開けるとクーラーボックスからシャンパングラスを三つ取りだしシャンパンをグラスに注ぐ。

 

「まぁ、一先ずは乾杯といこうや。いずれ再会する“盟友”達の勝利と記念すべき再会を祝ってな♪」

 

「“敵として”だがな」

 

「細けぇ事は良いだろう?楽しみだぜ、アイツらと戦えると思うとよ。熱くなってくるぜ」

 

三人の男性はそれぞれグラスを持ち乾杯する。

 

「「「乾杯」」」

 

チンとグラスを合わせた音が誰もいないプールに響いた。

 

そして、デッキテーブルに置いてあるワインバケツの隣には“星座の紋章が描かれた三つのレリーフ”が淡く光を放っていた。




今回で無印編はおしまいです。

G編は多分12月か来年の1月中旬に投稿します。何故かって?プライベートが忙しいのと休載した作品も書こうかなと思ったからです。
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