聖姫絶唱セイントシンフォギア   作:BREAKERZ

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気分が乗らず、こんな出来。


受け継いだ想いと誇り、甦る黒曜の鎧

ーマリアsideー

 

「っっ??!! 何、今の感じ? 何かが消えたようなこの感覚・・・・・?」

 

歌っていたマリアは突然自分の身体に走った奇妙な感覚に、歌を中断させた。

 

「マリア、お前も感じたのか・・・?」

 

「アルバフィカ、何が起きたの・・・?」

 

「・・・・・カルディアが、死んだ」

 

「ッッ!!」

 

顔を伏せて答えたアルバフィカの言葉に、マリアは口に手を当て驚愕し、愕然となった。

 

 

 

ー未来sideー

 

未来は藤尭や友里の報告から蠍座<スコーピオン>のカルディアが死んだ事を知り、唖然となった。

 

「カルディア・・・最後まで君は君の“生き様”を貫いたか・・・」

 

「アスミタさん・・・」

 

「随分冷静何ですね、仲間が死んだって言うのに・・・!」

 

「そうだな、だがヤツが敵側に付いた時点でこうなる事は予測済みだ。騒ぐ程の事ではない・・・」

 

アスミタの言い様に藤尭だけではなく、友里達オペレーターも表情をしかめた。仲間が死んだにも関わらず態度を崩さないアスミタに不快感を持ったからだ。

 

「さて、私は少々席を外れる・・・」

 

ブリッジから出るアスミタ。

 

「冷たい人ね、仲間が死んでしまっても全くの無関心を貫くなんて・・・!」

 

「(違う、アスミタさんも本当は・・・)」

 

嫌悪感を出す友里達と違って、未来はアスミタから“悲しみ”を感じていた。

 

 

ーアスミタsideー

 

「(私にも、友の死を悼む気持ちが合ったのだな・・・!)」

 

ブリッジの外で、アスミタは悲しみを堪えていた。

 

 

ー響sideー

 

「今の、大きな地震って・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「レグルス君・・・?」

 

「カルディア・・・逝ったのか・・・!!」

 

「っ!」

 

レグルスの言葉に響は驚愕し、ポツリポツリと呟く。

 

「分からないよ・・・どうして戦いで解決しようとするの? どうして! こんな風にしか!!」

 

「それが、俺達の知る“カルディアらしい生き方”だからだよ・・・」

 

「死ぬ事が“らしい生き方”だなんて可笑しいよ!!」

 

「そうかもしれない・・・でも、カルディアが自分自身で決めた生き方だ、そこに嘘偽りなんて欠片もない、カルディアの望んだ生き方なんだ。そして“戦う事”が、一番カルディアらしい事だからだよ・・・!」

 

「レグルス君は平気なの!? 何でそんな風に割りきれるの!? 何で!!??」

 

「平気な訳無いだろう!!!!」

 

「ッッ!!」

 

思わず声を荒げるレグルスに響は押し黙る。

 

「平気な訳、無いじゃないか・・・でもな、仲間だから、共に命を賭けて戦う仲間だからこそ、カルディアの気持ちが解るんだ・・・自分の全てを賭けてでも挑まなければならない戦いがあるって事を・・・!!」

 

響に背中を向けるレグルス。だが、その足元に雫が落ちた。

 

「!・・・・・レグルス君、泣いて・・・」

 

「泣いて何かいないさ、“覚悟”を持って戦った男に対して、“同情”や“憐れみ”なんて“侮辱”に値する・・・!!」

 

レグルスは先へ進む、響も何も言わず少し後から付いていった。

 

 

ーマリアsideー

 

「ウッ ウゥッ・・・!!」

 

“カルディアの死”、“自分の歌では何も救えない”、その重圧でマリアは崩れ落ち泣き出した。

 

《マリア、もう一度“月遺跡”の再起動を・・・!》

 

「無理よ! 私の歌で世界を救うだなんて!」

 

《マリア! 月の落下を食い止める。最後のチャンスなのですよ!》

 

「ムッ!」

 

アルバフィカが入口を睨むとドクターウェルがやって来た。

 

「・・・・・・」

 

「この邪魔者がっ!」

 

カルディアやデジェル達にコケにされ、“ソロモンの杖<オモチャ>”を取られて苛立っていたウェルは、茫然自失するマリアを殴ろうとするが、その手をアルバフィカが掴んだ。

 

「・・・・・・・・」

 

「引っ込んでろよ、骨董品! 月が落ちなきゃ、好き勝手出来ないだろうが!!」

 

「ふざけるな、この世界は貴様のオモチャではない!」

 

「うるさいうるさいうるさぁいっっ!! オモチャなんだよ! 人間も世界も、この“英雄”たる僕のオモチャなんだよッ!!!」

 

「っ!」

 

突然、ウェルから“漆黒の波動”が放たれ、マリアとアルバフィカが吹き飛ばされた!

 

「グアッ!」

 

「あぁっ!」

 

《マリア! アルバフィカ!》

 

「やっぱりオバハンか・・・!」

 

制御コンソールに立ったウェルは下劣な笑みを浮かべて、コンソールを操作する。

 

《お聞きなさい、ドクターウェル。『FRONTIER』の機能を使って、収束したフォニックゲインを月へと照射し、『バラルの呪詛』を司る遺跡を再起動できれば、月を元の起動へ戻せるのです!!》

 

「そんなに遺跡を動かしたいのなら! アンタが月へ行ってくれば良いだろう!!」

 

ナスターシャ教授の言葉をまるで『大人からのお説教で癇癪を引き起こした幼稚な子供』のように金切り声を上げたウェルが、コンソールを起動させた!

 

すると、ナスターシャ教授がいる区画が月に向かって射出された!

 

「マムッ!」

 

「ナスターシャ教授!!」

 

「有史以来、数多の『英雄』が人類支配を成し遂げられなかったのは! 人の数がその手に余るからだ!! だったら支配可能なまでに、減らせば良い! 僕だからこそ、気付いた議長論!! 『英雄』に憧れる僕が『英雄』を越えて魅せる!! フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッッッ!!!!」

 

醜悪に顔を歪めて狂笑するウェルにマリアは槍を、アルバフィカは黒薔薇を構える!

 

「下衆がっ!!」

 

「よくもマムを!!」

 

「手に掛けるのか?! この僕を殺すことは、全人類を殺すことだぞ!!」

 

「戯れ言を!!」

 

「殺す!!」

 

「ウエエエエエエエエエエエエエエエッ!!!」

 

自分に向かってくるマリアとアルバフィカに悲鳴を上げるウェル。

 

 

 

 

 

しかし、その前に響とレグルスが立ち塞がった!

 

「っ!」

 

「・・・・・」

 

「レグルス! ガングニールの!?」

 

「なっ、ソコを退け! 『融合症例第一号』!」

 

「違う! 私は立花響、16歳! 『融合症例』何かじゃない! 只の立花響が、マリアさんと話がしたくてここに来ている!」

 

「お前と話す必要は無い! マムはこの男に殺されたのだ! だから私もコイツを殺す! 世界を守れないのなら、私も生きる意味が「マリア!」っ! アルバフィカ・・・?」

 

突然大声を上げたアルバフィカにマリアは戸惑いながら見ると、アルバフィカがマリアのマントの胸ぐらを掴んだ。

 

「“生きる意味が無い”だと? ふざけた事をほざくな! お前が生きなければ、誰が“セレナの想い”を継ぐんだ!?」

 

「っ!!」

 

セレナの名が出て、マリアの心が揺れた。

 

「(今の内に・・・・・)「ドガッ!」グゲェッ! ヒィイッ!!」

 

こそこそと逃げようとするウェルの背中をレグルスが踏みつけ捕らえた。

 

「逃げるなよ、ウェル・・・」

 

「レグルス、その男の左腕に気を付けろ。“ネフェリム”の細胞を埋め込んでいる」

 

「“ネフェリム”?」

 

「ガングニールの少女の腕を噛みちぎった化け物だ」

 

「あぁ、アイツか・・・」

 

「そうだ、“ネフェリム”は聖遺物を操る力を有している。この『FRONTIER』もその腕を使って操作しているのだ」

 

「了解・・・」

 

グギュッ!

 

「イギャアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

もう片方の脚でウェルの左の肩甲骨を踏みつけるレグルスのその目は、以前ぶちギレた時に見せた『百獣の王の威圧感』であった。

 

「レグルス君、やり過ぎじゃ・・・」

 

「コイツが未来にやらかした事を考えれば、この程度でも生温いよ・・・!」

 

「ひ、ひ、ひぎ、ひぎぎ、ひぎひひぃいいっ!!」

 

ウェルはまるで追い詰められたドブネズミのように震え上がった。そんなウェルを眼中に無いのか、アルバフィカが言葉を続ける。

 

「セレナが何の為にその命を燃やして、お前やナスターシャ教授、それに自分の命を“道具”として扱ったソコのウェルに負けず劣らずのクズ共を助けたと思う?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「セレナはな、大切にしていたからだ、お前のことも、ナスターシャ教授のことも、自分の回りにいる人達、全部を大切にしていた。大切だから、守りたいから命を落とす覚悟で“絶唱”を使った。お前が“生きる意味が無い”なんて言ってしまっては、あの時のセレナの何の為に犠牲になった?! セレナの想いを無駄にする積もりなのか!?」

 

「もう良い・・・もう良いよアルバフィカ。マムも、カルディアも、セレナも、皆死んでしまった・・・もう私には、もう何も・・・」

 

「本当にそう思っているのか?」

 

「えっ?」

 

「お前には、セレナから“託された歌”があるだろう・・・」

 

「歌・・・」

 

「セレナは、この世界に転生して間もなく、FISに保護、と言うより軟禁されていた私達によく聴かせてくれた歌だ・・・」

 

 

 

ー数年前ー

 

「♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪」

 

アルバフィカ、マニゴルド、カルディアが軟禁された部屋の外でセレナが歌を歌っていた。

 

「良い歌だな・・・」

 

「うん! 姉さんと歌う大切な歌なの!」

 

「お前も物好きだな、こんな得たいの知れない奴等のいる所に毎日にように来やがって・・・」

 

「ま、俺らも退屈しのぎにはなるけどよ・・・」

 

「・・・ねぇ、アルバフィカ達って強いの?」

 

「? 強いかもな、少なくとも私一人でこの研究所を制圧する事も可能だ・・・」

 

「そう、なんだ。ねぇ、お願いがあるんだけど・・・」

 

「「「お願い?」」」

 

「うん、あのね、私の姉さん、マリア姉さんの助けになってほしいの・・・」

 

「どういう事だ?」

 

神妙な顔付きになったセレナからただならない雰囲気を察したアルバフィカとマニゴルドとカルディアも身を乗り出した。

 

「ううん、もうすぐ何かの実験が行われるようだから、もしも何か起きたらって考えちゃって、ゴメンね・・・」

 

「「「・・・・・・・・・・」」」

 

「アルバフィカ達が強いなら、もしもの時、姉さんやナスターシャ教授の力になって欲しいなって・・・・・ゴメンね、アルバフィカ達だって「良いだろう」え?」

 

「良いと言ったのだ、“友人”の頼みだからな・・・」

 

「ま、歌の代金代わりに働いてやらぁな・・・」

 

「この時代に聖域<サンクチュアリ>が有るかどうかも怪しいしな、退屈しのぎにお前らに協力してやる・・・」

 

「・・・っ!」

 

アルバフィカ達の返答にセレナは嬉しそうに微笑んだ。

 

「ありがとう、皆!」

 

 

 

 

 

ー現在ー

 

「セレナとの約束・・・! もしかしてそれで、アルバフィカ達が私達に協力してくれていたのは、セレナとの約束の為に・・・!」

 

「私にとってセレナは、この世界で始めて出来た友人であり、その友人との誓いの為だ、マニゴルドとカルディアはそれぞれの目的があったがな・・・」

 

「でも・・・・・私には・・・・」

 

「マリア、セレナから“託された歌”が、お前とセレナの“絆”だ。お前にはセレナの想いを受け継いでいる。私にもある、“大切な人”との“絆”がな・・・!」

 

「アルバフィカにも・・・?」

 

「マリア、知っているだろう? 私の身体に流れる“血”の事を・・・」

 

アルバフィカの言葉にマリアは頷くが、響は首を傾げレグルスに聞いた。

 

「どういう事?」

 

「魚座<ピスケス>の黄金聖闘士は、猛毒の薔薇であるデモンローズに対する耐毒体質なんだ、アルバフィカはその“完成形”とまで言われる程で、“血の一滴まで毒に染まった身体”と言われている。だが、アルバフィカはそれで他人に触れられないんだ・・・」

 

「えっ、どうして?」

 

「血の一滴まで毒に犯されているから、下手に他人に触れれば体内に流れる“猛毒の血液”が他人を傷つけてしまうんだ。だから、俺達の世界にいた時から、アルバフィカは誰とも触れあわず、孤独に過ごしていたんだ・・・」

 

「っ!」

 

レグルスの話に響は息を呑む。もしも自分がアルバフィカと同じようにだったら、誰とも触れあわず孤独な人生を歩むようになっていたら、翼やクリス、弦十郎達や弓美達にも、未来とも手を繋ぐ事が出来ない生き方だなんて自分では絶対に耐えられない。そんな生き方を選んだアルバフィカの考えも響には理解出来なかった。

 

「私の身体に流れる血はな、私の師であり、育ての親でもあった前魚座<ピスケス>の黄金聖闘士 ルゴニス先生の血なのだ・・・」

 

「アルバフィカの先生・・・」

 

「先生は、赤子であった私をデモンローズが群生する場所で見つけ、生まれながら耐毒体質であった私を戦士として育て、そして私自身も先生と共に戦う為に、“ある儀式”を行った・・・」

 

「“儀式”・・・?」

 

「その“儀式”とは・・・私と毒の血液を持つ先生の“血液を一滴ずつ交換”する事だ。私はその“儀式”で何度も死線をさ迷いなんとか生き延びてきた。だが、時が経つにつれ、私は先生の“毒の血”に耐性が生まれ、徐々に先生の方は窶れていった・・・」

 

「まさかっ!」

 

「そうだ、私は先生の毒を受け続ける内に耐性が出来てしまい、逆に“先生の毒より強力な毒”を体内で生み出すようになったのだ、そうとは知らず私は愚かにも、“儀式”を続け、ルゴニス先生を死なせてしまったのだ ・・・!」

 

「「っ!」」

 

「・・・・・」

 

「(なにをべんちゃら言ってんだ・・・! 早くここからずらからないと・・・)「グギュゥッ!」ウギャウンッ!!」

 

懲りずに逃げようとするウェルの頭をレグルスはアルバフィカの方を見守りながら踏みつける。

 

「魚座<ピスケス>の黄金聖闘士は、儀式により血の循環の過程でより強い毒性と耐毒の肉体を得た物が生き残り、戦いの道を往くのが掟。双子の魚が描かれておきながら、魚座の黄金聖衣が一匹の魚で作られているのがその証、旧き魚座から新たな魚座に受け継がれる姿なのだ・・・」

 

「そんな・・・そんな生き方、悲しすぎるよ・・・悲しすぎるよそんな生き方!」

 

アルバフィカに向かって響が叫ぶ。

 

「なんで、アルバフィカさんそんなは生き方を受け入れられるの!? なんで!!??」

 

「アルバフィカ、貴方は怨まなかったの? 自分の師であり父であるルゴニスを殺したその“血”を、憎まなかったの?」

 

「憎んだ、恨みもした。だがな、この血は“先生を殺した血”であると同時に、先生から“受け継がれた血”でもあるのだ・・・!」

 

「受け継がれた・・・」

 

「この血から感じるのだ。先生の想いを、先生の熱さを、先生の・・・私へ込められた願いを感じるのだ。先生は私を信じてくれたから私はこの血を忌々しい等と思わない、この血こそ、私が先生から託された“誇り”なのだから・・・!」

 

「先生から託された誇り・・・」

 

「マリア、お前にも託された筈だ。セレナから託された歌が、お前とセレナの絆だ・・・!」

 

「セレナとの歌・・・私とセレナの絆・・・私の誇り・・・!」

 

アルバフィカの言葉にマリアはギアが解除され、静かに佇んだ。

 

「・・・・・・・・」

 

「響、アルバフィカの生き方を理解出来ないのは仕方ないと思うよ、人が他人の生き方を理解する事は簡単じゃない、他人にとっては度しがたい生き方でも、当人は誇りの持った生き方だから・・・」

 

「でも、そんな生き方、アルバフィカさんが可哀想だよ・・・!」

 

「アルバフィカは、自らこの生き方を選んだんだ。それを響の物指しで計って、憐れみ哀れむのは、アルバフィカに対する最悪の侮辱行為だ・・・!」

 

「でも!」

 

「それに、アルバフィカは別に、孤独って訳じゃないんだよ。ちゃんと、アルバフィカの毒を怖れず近づく奴等がちゃんと居るんだからさ♪」

 

アルバフィカを見るレグルスの目は、優しさに満ちた眼差しであった。

 

「・・・・・」

 

響はアルバフィカの生き方も、カルディアの生き方も理解出来ない。しかし、レグルスのアルバフィカを見守る目を見ていると自然に自分も・・・・・。

 

「(私も、アルバフィカさんと・・・・・)」

 

「さて、コレどうしようか?」

 

レグルスに絶讚踏みつけられ、ゴキブリのように這いつくばるウェルに目を向ける。

 

「レグルス、何故ソイツを庇うのだ?」

 

「まぁさ、こんなのでも殺したら殺人罪って奴になるし、マニゴルドともマリアやアルバフィカの身を安全と自由を約束したからさ、こんな雑魚殺して無用な罪を背負わせる訳には行かないからな・・・・」

 

「(ピクッ!)雑魚・・・・・?」

 

「確かに、このような矮小な小物を殺して罪を背負うなど馬鹿げているな・・・」

 

「(ピクピクッ!)矮小な・・・小物だと・・・!!」

 

レグルスに踏みつけられながらウェルは歯ぎしりし、顔を憤怒に歪めまくる。自らを英雄と称える自尊心<プライド>が高いウェルにとって、雑魚や矮小な小物と呼ばれる事は我慢出来なかった。しかも散々屈辱と恥辱と汚辱を与えられた黄金聖闘士と言う“骨董品の遺物”で“異分子”達に・・・・・。

 

「テメェら・・・テメェらテメェらテメェらテメェらテメェらテメェらテメェらテメェらテメェらテメェらテメェらッッッ!!!!!!! どこまで!どこまで!どこまで!どこまで!どこまで!どこまで!どこまで!どこまで!どこまで!どこまでっ! どこまでもこの僕ををををををを!!! コケにしやがってええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええぇッッッ!!!!!!!」

 

ウェルは“ネフェリムの細胞”を移植した左腕から“黒い玉”を取り出した!

 

「「っ!!」」

 

その“黒い玉”を見た瞬間、レグルスは響とマリアを抱えてアルバフィカと後方へ飛ぶ!

 

「見せてやる!! この僕が! この僕こそが! この世界に顕現した最高最強のスーパーヒーローだと言う事をなあああああああああああああああああああああああああああああああッッッ!!!!!!!」

 

ウェルの手の中の“黒い玉”から邪悪な小宇宙<コスモ>が吹き出した!

 

「まさかっ!」

 

「あれはっ!」

 

レグルスとアルバフィカに戦慄が走る!

 

 

 

ー遺跡近くー

 

「ぬっ!?」

 

「エルシド・・・?」

 

「んっ!?」

 

「どうしたのお兄ちゃん?」

 

エルシドが翼を、デジェルがクリスをお姫様抱っこしながら遺跡に向かう途中、二人も小宇宙<コスモ>を感じた

 

 

 

ー『黄泉比良坂』ー

 

「あん?」

 

「どうしたのマニゴルド?」

 

「こりゃヤベェかもしれねぇ・・・!」

 

「(ギリギリギリギリギリギリ)あのぅ! それよりもアタシへのお折檻はそろそろ勘弁して欲しいんデスけどおおおおおおおおおおっっ!!」

 

切歌への折檻を続けていたマニゴルドも、邪悪な気配を感知した。

 

 

 

ー二課仮説本部・レグルスの部屋ー

 

「フム、これがレグルスが見つけた・・・っっ!! あの小物、厄介なモノを取り出したか・・・!」

 

アスミタはレグルスがフランスで見つけた“あるもの”を持ち出すと、ブリッジに戻った。

 

 

 

ーレグルスsideー

 

「アルバフィカ、あれって・・・!」

 

「あぁ、間違いないっ!」

 

レグルスとアルバフィカが睨む先には、ウェルが下劣に、醜悪に歪めまくった笑い顔を晒していた。

 

「イィイヒャァハハハハハハハハハハハハハハっ!! イイイヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッッ!! 見せてやる! コレが僕が手にした英雄足らしめる力あぁっ!! 出でよっ!! 冥界の鎧っ!! 冥衣<サープリス>ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッッ!!!!!!!」

 

ウェルは、頭上に“黒い玉”を投げると、玉が砕け、ソコから顕現したのは!?

 

黒曜石の如く輝く禍々しくも美しい鎧、神話の魔物や邪悪な精霊がデザインされた鎧、魔星に選ばれた者が纏う事を赦された鎧、死者の世界、冥界を統べる神『冥王 ハーデス』が造り出した漆黒の鎧ーーーーーーーーーーーその名も、『冥衣』!

 

背中に“無数の腕を生やした仏像”の形の冥衣は妖しい輝きを放っていたーーーーーーーーーーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ウェルが持っていた黒い玉は、冥衣の待機状態の形です。
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