聖姫絶唱セイントシンフォギア   作:BREAKERZ

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今回、作者なりにシンフォギアがノイズを倒すメカニズムを考察しました。そしてガリィにオリジナルを与えます。


『自然界の武装』

それは、『フロンティア事変』が始まる少し前、マリア・カデンツァヴナ・イヴは、今は亡きナスターシャ教授から『シンフォギアクリスタル』を渡される。

 

【これはセレナの『アガートラーム』??】

 

【破損したシンフォギアを作戦行動に組み込む事はありません。持っていなさい】

 

【・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・】

 

【これから、“偽り”を背負って戦わなければならない貴女に、“小さな御守り”です・・・・】

 

優しい女性、マリアに“偽り”を背負わせなければならない事へのナスターシャ教授なりの不器用でささやかな優しさに、マリアは涙を流した。

 

【~~~~~! ありがとうマム。大丈夫よ、私、セレナのように強く輝けるかな?】

 

* * *

 

「強く・・・・」

 

S.O.N.G.の食堂で食事を摂っていたマリアは過去の情景を思いだし、静かに呟く。

 

ブーン! ブーン! ブーン! ブーン! ブーン!

 

「っ!」

 

すると、アルカノイズ出現の警報がけたたましく鳴り響き、マリアは司令室へと向かった。

 

 

 

ー響sideー

 

「ーーーー!! ーーーー!! ーーーー!!」

 

どんなに聖詠を唄おうとしても声が出ず、ガングニールを起動できない響に焦燥が浮かぶ。

 

「何で・・・・何でガングニールが応えてくれないの!?」

 

そんな響をガリィは侮蔑を込めたまなざしで見据え。

 

「全く、“役立たず”に成り果ててしまうとは、もう良いです。少し現実を見せてあげますよ、その“お花畑”の脳ミソに!」

 

瞬間、ガリィの目に思いがけない姿が写った。響達の後方を“獅子”が横切った幻影を・・・・。

 

「っ!?」

 

『???』

 

ガリィは目を擦りながら、獅子の横切った方向へ目を向け、響達もその方向に目を向けるとそのには、ガリィによって殺され横たわった人達の見開いた瞳を閉じている、レグルス・L・獅子堂がいた。

 

『レグルス君(レグっち)(レグルスさん)!!』

 

響は驚き、未来と創世、詩織と弓美は“最も頼りになる人物”の登場に喜びの声をあげた。

 

 

ーレグルスsideー

 

「酷いな。こんなの、人間の死に方じゃないな・・・・」

 

既に事切れてしまった人達の亡骸を悼むように、レグルスは呟いた。

 

「何故ここに貴方がいるのですか? 獅子座<レオ>?」

 

「ウチの参謀を甘く見すぎたね、翼の天羽々斬とクリスのイチイバルをアルカ・ノイズにより破壊された。だったら今度は、こっちに残された戦力である響のガングニールを破壊しに来ると踏んで、ずっと俺がガードに付いていたんだよ」

 

「チッ、水瓶座<アクエリアス>ですか? 余計な事を・・・・! まぁ良いですよ。貴方はキャロル<マスター>がご要望の黄金聖闘士、ガングニールの奏者を片付けたら赴く所でしたから、好都合です」

 

パチン・・・・!

 

ガリィが指を鳴らすと、ゆっくりとレグルスに囲むアルカ・ノイズ達、ガリィは勝利を確信したのか、バレエのようにクルクルと回転する。

 

「どうしますか獅子座<レオ>? 貴方には魚座<ピスケス>のような薔薇も、水瓶座<アクエリアス>のような凍技も無い、アルカ・ノイズに触れればその身を炭化消滅してしまいますよ? 大人しく私に付いてきてくれますか? それとも戦いますか?」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

レグルスは瞑目してゆっくりと腰を据える。

 

「おやおや? よもや諦めましたか? キャロル<マスター>が同士として迎え入れたいと願う人物だからどれほどかと多少期待したんですがね、残念です♪」

 

口調を失望した声色だったが、顔は愉快そうにニヤけていた。

 

「貴方がキャロル<マスター>の役に立つとは思えません。だ・か・ら・・・・さようなら♪」

 

ガリィはレグルスに向かってアルカノイズをけしかける。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

しかしレグルスは迫り来るアルカ・ノイズに恐れる素振りも見せずに静かに佇む。

 

『レグルス君(レグっち)(レグルスさん)っ!!』

 

響達が叫び声を上げ、アルカ・ノイズがレグルスの半径5メートル以内に入ったその瞬間、レグルスは瞑目したまま思考する。

 

「(思い出せ・・・・! 『バビロニアの宝物庫』で無量大数のノイズを相手取っていた時に見た、エルシドの『聖剣抜刀<エクスカリバー>』を・・・・!)」

 

レグルスはゆっくりと小宇宙<コスモ>を腕に集中させ、イメージする。

 

「(俺の腕は“破壊と守護の腕”、“地上に災厄を招く邪悪を打ち破る破壊の腕”、“平和を望む牙無き人々を守護する腕”、破壊と守護、相反する力を持つ腕を、“繋がりを断ち切る大鎌”にする!)」

 

アルカ・ノイズがレグルスに間合いに入ったほんの刹那の瞬間、光速の黄金聖闘士にとってはその僅かな距離ならば、アルカ・ノイズを殲滅するには十二分。

 

「『獅子の大鎌<ライトニングクラウン>』!!」

 

ザシュン・・・・・・・・ッ!!

 

その音が小さく響いた瞬間、レグルスの範囲にいたアルカ・ノイズ達は横一文字に斬り裂かれ炭化消滅した!

 

「なっ!!??」

 

『うっそ!?』

 

ガリィだけでなく、響達をも驚愕した、今レグルスは『完全聖遺物 黄金聖衣』を纏うこと無く、シンフォギア世界の人類の脅威である筈のノイズを上回るアルカ・ノイズを、人の身で凪ぎ払ったからだ。

 

「な、何をしたのですか!? 何故人の身でアルカノイズを破壊出来たのですか!?」

 

ガリィにとっても信じられなかった。黄金聖闘士は聖衣を纏わずとも超人的な強さを持っていることは、先の『フロンティア事変』で『完全聖遺物 冥衣<サープリス>』を纏ったジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクスを圧倒した情報から分かってはいたが、所詮ウェルキンゲトリクスは『完全聖遺物を纏っただけの“普通の人間”』に過ぎず、アルバフィカやデジェルのような特殊な技法を持っていないレグルスに、ノイズを凌駕するアルカ・ノイズに対抗できないと考えていたからだ。

 

「俺にはアルバフィカのような薔薇も、デジェルのような凍気も、マニゴルドやアスミタのような特殊能力も無い。だがーーーーーー」

 

『っ!?』

 

流れるような動きで腕を振るうとガリィや響達の目に、レグルスの腕に切歌の『イガリマ』のような大鎌を携えているように錯覚した。

 

「この『獅子の大鎌<ライトニングクラウン>』は“力の流れ”を断ち切る技。ノイズの内部にエネルギーの流れが有り、人間で言えば神経や血管のようなモノが身体中に張り巡らせられている。そしてシンフォギアのフォニックゲインは、その流れに干渉を起こしてノイズの攻撃から奏者を守ったり、ノイズを破壊しているんだ、同じ周波数の音で音の波を消す『ノイズキャンセリング』ってのと同じだ。そして俺は『獅子の大鎌<ライトニングクラウン>』によってノイズを元に造られたであろうアルカ・ノイズの内部のエネルギーの流れを断ち切り、破壊したのさ」

 

「う、嘘です! そのような力の流れが有るとしても! そんな芸当が人間にできる筈が・・・・!」

 

「生憎と、“目”は良いんでね!」

 

愕然となるガリィと対照的に、レグルスは不敵な笑みを浮かべていた。

 

 

ー響sideー

 

そしてその様子を見て創世と弓美と詩織は感嘆としていた。

 

「レグっちって本当に凄いんだね」

 

「圧倒的、ですわね」

 

「まさに無敵のヒーローって感じ?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「(響・・・・?)」

 

ただ、響だけは僅かに浮かない顔色をしており、それに気付いたのは未来だけだった。

 

「(私はガングニールを纏えないとアルカ・ノイズと戦えない、でもレグルス君は戦える・・・・エルシドさんも、デジェルさんも、マニゴルドさんも、カルディアさんも、アルバフィカさんも、アスミタさんも、黄金聖闘士のみんなが、聖遺物に頼る事無く戦える・・・・いつもそうだ、レグルス君達は“最速で最短で真っ直ぐに、一直線に誰かを救う力”を持っているのに、どうして戦う事にしか使わないの? どうして私には・・・・!!)」

 

響は気づいていない、『ルナアタック事変』の頃から自身の中に芽生えている黄金聖闘士に対する“黒い感情”にーーーーーーーーーーー。

 

 

ーレグルスsideー

 

「フゥ、アスプロス様から黄金聖闘士とはなるべく戦うなと言われていましたが、なるほど想像以上ですねこれは・・・・」

 

「さて、ガリィって言っていたっけ? このまま大人しく投降して縛につくなら良し。抵抗するならば無理矢理に踏ん締まるけど?」

 

「ン~♪ 私って他のみんなと違って、あんまり暴力に訴えるやり方は好きじゃないんですよ~♪」

 

無関係な人間を手当たり次第に殺しておいて、いけしゃあしゃあと分かりやすい戯れ言を言いながら、クルクルと回るガリィ。

 

「で・も、獅子座<レオ>の貴方を迎え入れたいと願うマスターの為にも、ここは戦わないとですね~♪ まぁ、五体満足とはいかないですが♪」

 

ガリィは懐から、“青い籠手”を取り出して両手に装備した。

 

「(なんだ? あの籠手は?)」

 

「フフフフフ♪ まだ未完成品なれど、コレの実験には丁度良い相手ですね!」

 

ガシャンッ!

 

ガリィは両手に装備した籠手を叩き合わせて甲高い音を鳴らすと、籠手の手の甲に“魔法陣”イヤ“錬成陣”が現れ煌めく。

 

「ハァ・・・・!? (白い息が出ている? まだ夏頃なのに? それに何だ? 周囲の気温が下がっていっているような)」

 

「それでは、いきますよ!!」

 

ドンッ! ビキビキビキビキビキビキ!!

 

ガリィが籠手で地面を叩くと、アスファルトを貫いて鋭く巨大な霜柱が次々と飛び出してきて、レグルスに向かった。

 

「霜柱っ!?」

 

レグルスは跳躍してかわすが。

 

「これはどうですかね!?」

 

ガリィが籠手を天に翳すと、今度はレグルスの頭上に巨大な雹と巨大な氷柱が雨のようにレグルスに襲いかかる!

 

「『ライトニングプラズマ』!!」

 

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!

 

とっさに『ライトニングプラズマ』で粉々破壊し、地面に着地したレグルス。

 

「ん!?」

 

「シャァッ!!」

 

着地したレグルスに空かさずガリィが籠手の指から伸びた“氷の爪”をレグルスの顔面に向けて突き刺そうとする。

 

「くっ!」

 

間一髪かわすレグルスだが、頬をかすり、僅かに血が流れる。

 

「ハァッ!」

 

「フッフ~♪」

 

レグルスが反撃と拳を突き出すが、ガリィは滑るような動きでレグルスの動きを回避した。

 

「(彼女の足元に氷が張っている。そうか、あの氷をまるでフィギュアスケートのように滑りながら移動しているのか)」

 

「まだまだいきますよ~♪!」

 

ガリィは氷の道を作りながら滑り、レグルスに氷柱の爪で攻め立てる。

 

「うわッ!」

 

「アハハハハハハハハハハハハハ!!」

 

ガリィの楽しげに笑い声を上げながらレグルスを攻め、籠手の腕の前腕から鰭のような形をした氷の刃を生み出し、更に激しく攻め立てる!

 

「くぅっ!」

 

スケートのように滑りながら戦うガリィの動きに翻弄され、レグルスは狂ったリズムを整えようと後方へ跳躍して距離を空ける。

 

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・・」

 

「ウフフフフ♪ どうですか? マスターとアスプロス様が共同開発された、『自然界の武装<エレメントアームズ>』の能力は?」

 

「『エレメントアームズ』? それがその武器の名か?」

 

「そう、『自然界の四大元素』、『火』、『土』、『風』、そして『水』。錬金術において重要な因子であるこの4つの元素の内、私ガリィが司るのは『水』。そして『氷』は水から発生した水に属する事象、大気中やアスファルトの下の地面に含んだ水分を瞬時に冷却固定化する事によって、武器として扱う事が可能なのです♪ この籠手はまだ完全に完成されていない『エレメントアームズ』の極一部の部品、まぁ聖闘士で言えば『完全聖遺物 アテナの聖衣』の“腕の部品”だけなんですがね♪ 私自身の能力と合わさる事で絶大な能力を引き出すのですよ♪」

 

「(腕だけでこれ程の力を発揮するとはな。だが氷使いならデジェルの戦法で理解している)」

 

レグルスは再び構えると、ガリィは不快そうに目を細める。

 

「(やはり簡単に捕まる気は無いですか。しかしこれ以上真正面からこの男と戦うのはコチラがあまりにも不利・・・・)」

 

ガリィとて黄金聖闘士の力を侮ってなどいない、むしろS.O.N.G.の奏者全員よりも、黄金聖闘士1人と戦うのは無謀であることは、先の戦闘で黄金聖闘士に圧倒されたファラとレイラの無様な姿から理解していた。

 

「やはりここは・・・・“足手まとい”を利用しない手はないですねぇ~♪」

 

「っ!」

 

ガリィが響達を一瞥し、邪な笑みを浮かべた事でレグルスは動物的直感が反応した。

ガリィは片方の手で地面を叩き、もう片方の手を天に翳すと、地面から鋭く大きな霜柱が隆起しながら、空からは岩のように巨大な雹が、響達に襲い来る!

 

『っっ!!?』

 

響達も気付くが、すでに氷柱と雹が自分達に迫っていた。

 

「『ライトニングプラズマ』!!」

 

聖衣が無くとも光速に近い速度で拳を飛ばす事ができるレグルスは、すぐに響達に襲い来る氷の凶器を『ライトニングプラズマ』で破壊するがーーーーーーーー。

 

「ス・キ・あ・り♪」

 

「っ!?」

 

ガリィは響達に目を向けて一瞬の隙が生まれたレグルスの眼前に来ると、籠手で掌底を叩き付けようとする。

 

「うおぉっ!!」

 

ドンッ!

 

レグルスはガリィの掌底を右手の拳を叩き付けて受け止めるが。

 

「ウフフフフ」

 

ガリィは掴んだレグルスの右腕を掴み、含み笑みを漏らす。

 

「触っちゃいましたね~♪」

 

「何?・・・・っ!?」

 

レグルスはガリィの笑みに嫌な予感を感じて拳を見るとレグルスの右腕が、“凍りついていた”。

 

「レ、レグルス君の腕が!」

 

「凍っている!?」

 

「こ、これは・・・・! ぐああああああああああああああああああっ!!」

 

右腕の氷が砕けると、レグルスの制服の腕の部分が破け、凍傷を受けたように腕が色黒く変色し、亀裂のような傷が走り、血が吹き出た!

 

『レグルス君(レグっち)(レグルスさん)っ!!』

 

「ぐぅぅううううっ!! だぁらああああああああああああっ!!」

 

「ヒヒヒヒヒヒ、それじゃダメですね♪」

 

レグルスは今度は左脚で攻撃しようとするが、ガリィは歪んだ笑みを浮かべてレグルスの左脚を掴むと。

 

ジュウウウウウウ・・・・ジュワァンッ!!

 

「がああああああああああっっ!!」

 

今度はレグルスの左脚の制服が膝まで破れ倒れる。レグルスの左脚が火傷したように赤くなり、湯気を出していた。

 

「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!」

 

ガリィは後方へ跳躍して距離を空けて、愉快そうに笑い声を上げる。響達はレグルスに近づく。

 

「こ、これって一体・・・・!」

 

「レグルスさんの右腕が、まるで凍傷にかかったように色黒くなり、とてつもなく冷えきっています!」

 

「左脚なんてまるで沸騰したみたいに真っ赤になって、物凄い熱いよ!」

 

弓美が愕然となり、詩織と創世がレグルスの右腕と左足を見て驚愕する。

 

「ま、まさかこれは・・・・!」

 

「レグルス君!」

 

「一体これって!?」

 

「前に・・・デジェルに教えてもらった・・・人の身体は70%が“水分”でできている・・・ガリィは空気中と地中の水分をあの籠手で瞬間冷却させることで武器として使っていた、もしかしてこの右腕と左脚も・・・!」

 

「ご明察!パチパチパチパチパチパチ!!」

 

レグルスの言葉にガリィは大正解と言わんばかりに賑やかに手拍子をした。

 

「そう! この籠手は“水分”さえあれば瞬間的に冷却ならびに氷結させる・・・・勿論! 人間の“体内の水分”でもね! 一瞬で気化冷却させる事ができるのですよ!!」

 

「でも、レグルス君の左脚の火傷は一体・・・・?」

 

「フフフフフフ、何も冷却させるだけの一辺倒だけではないのですよ♪ 気化させる事で冷却の逆である沸騰も引き起こす事ができます! 氷結と沸騰も水に属する事象! このガリィと『水のエレメントアームズ』にかかれば造作もなし! しかし残念♪ 後コンマ数秒長く触れていれば、獅子座<レオ>の右腕は切断♪ 左脚は内部からの沸騰によりボイルになる所だったのに♪」

 

ゾッとする事をガリィは楽しげに喋り、その態度に響達は寒気がした。

 

「貴方は、キャロルちゃんが仲間に迎えようとしているレグルス君を殺そうとするの!?」

 

「そんなつもりはありませんよ。ですが、あまりにも獅子座<レオ>さんが頑なですからね~・・・・手足の何本か破壊して連れて行こうと思ったんですよ♪」

 

『(ゾクッ!!)』

 

悪びれ無しでレグルスに対して残忍な行動を起こそうとするガリィの歪んだ笑みに響達はゾッと背筋に恐怖が走った。

 

「それじゃ、役立たずの奏者とついでにオマケのお友達の人達を片付けたら、獅子座<レオ>さんを連れていきましょうかね♪」

 

「ーーーー!! ーーーー!! ーーーー!!」

 

響がレグルスと未来達の前に出て、シンフォギアクリスタルを取り出してガングニールを起動させようとするが。聖詠が歌えず起動できなかった。

 

「(何で、何でこんな時に歌えないんだよ!? 何でシンフォギアが起動しないんだよ!? 何で私は、こんな時に!!)」

 

「役立たずの奏者は早々にご退場して下さいよ、うっとおしくて目障りですから!」

 

戦えない響の惨めな姿に、苛立たしそうな態度のガリィが空気中から巨大な氷柱を生み出し、響に向かって投擲した!

 

「あぁ!?」

 

「響ーーーーーー!!」

 

響の小さな悲鳴と未来の悲痛な叫びが響くが・・・・。

 

ヒュン・・・・グワシャンッ!!

 

響の後ろから光が一閃すると、巨大な氷柱な粉々に砕け散った。

 

「えっ・・・・?」

 

「レグルス君・・・・?」

 

「・・・・・・・・」

 

響は眼前まで迫ってきていた氷柱が破壊された事に唖然となり、未来は左手の拳を突き出して氷柱を破壊したレグルスに驚き、ガリィは目を細めてレグルスを睨む。

 

「まだ抗うのですか? 獅子座<レオ>? あまり悪あがきが過ぎると、無様になるだけですよ?」

 

「生憎と、諦めるって単語は知らないんだよね・・・・」

 

左足が沸騰により動けず、右足だけで立ち上がり凍傷にかかっていない左腕を構える。

 

「フン、手足を二本ほど動けなくしてしまえば大人しくなると思いましたが、どうやら残った手足も使えなくしないとならないようですね!」

 

ガリィは籠手『エレメントアームズ』で再び大量の巨大な氷柱を出現させると、機関銃のように巨大な氷柱を乱射した!

 

「『ライトニングプラズマ』!!」

 

レグルスは残った左腕から光速の拳を放ち、氷柱を破壊する!

 

「『完全聖遺物 黄金聖衣』を纏っていない状態でまだ戦おうと言うのですか? 聖闘士と言うのは状況判断ができないのですか? 脳ミソまで筋肉で出来ているから“思考”って言葉が、欠落しているのですね!!」

 

ガリィは籠手を地面に叩き付けて、巨大で鋭利な霜柱がレグルスに襲い来る!

 

「・・・・・・・・嘗めるな!!!」

 

左腕から閃光が煌めき、霜柱を破壊する!

 

「あっ!」

 

その際、霜柱の欠片が響の首に掛けられたシンフォギアクリスタルの紐を切ってしまい、シンフォギアクリスタルが空に吹き飛ぶ。

 

「手足の一本や二本使えなくなった? 聖衣を纏っていない? そんなの些細な事だ。例え手が砕け、脚がもげようとも、この命ある限り! 俺が戦わない理由になんかにはならないんだ!!」

 

レグルスが叫ぶのと同時に、黒塗りの車がレグルス達の近くに急停止し、その車からS.O.N.G.エージェントにして翼のマネージャーである緒川慎司が降り、助手席から桃色の長髪の女性が飛び出した。

 

「ハァアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

その女性、マリア・カデンツァヴナ・イヴが、ガングニールのシンフォギアクリスタルを掴み戦いの歌、聖詠を唄う!

 

「♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪」

 

「マリアっ!」

 

「マリアさん!?」

 

『っ!?』

 

マリアが聖詠を唄うと、ガングニールのシンフォギアクリスタルが光輝き、マリアの衣服が弾け、その身を黒き鎧を纏う。

 

「ハァッ!」

 

先の『フロンティア事変』の最後の局面、響に渡した『撃槍 ガングニール』が、再びマリアが身に纏った。

 




ー『水の自然界の武装<エレメントアームズ>』ー

大気中ならびに地中の“水分”を一瞬で氷結と沸騰させる能力を持つ。“水分”があれば生物や植物にも有効。
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