魔法処刑人りりかるまじにっ!   作:スピデル

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第一話

「……犯人を確保した……そちらへ向かう。」

 

「了解した。バリアジャケットを解除した後合流地点に迎えをよこす。場所は・・・だ。いいか、絶対にバリアジャケットは解除してから来い。絶対だ。」

 

「……了解。」

 

 

 

今話している相手は、上司のレジアス中将。魔法主義の現代において質量兵器の重要性を説いている珍しい人で、今回の任務の指揮をしてもらっている。

中将の質量兵器開放へ対しての意見は賛否両論で批判する人も多いが、実は娘第一の親バカだということはほとんど知られていない。

 

紹介が遅れたが、俺の名前は八雲(やくも)栄斗(えいと)

管理局の地上本部にて、日本で言う警察のような仕事をしており、今年で8年目。

今や検挙率は管理局全体で五本の指に入っていて、そのおかげか地上本部のお偉いさんであるレジアス中将からもこうして仕事の依頼が来たりするのだ。

 

しかし、俺の魔力量はBランク。一般局員としてはまあまあなのだが、それだけならば他のもっとランクの高い局員に依頼するはずだ。

その上、俺は砲撃魔法や飛行魔法をほとんど使えない。

使えるのは身体強化ぐらいで、飛行魔法さえも使えないのでポータルを使って直接現場へ送ってもらってる。

局員ならば必ずと言っていいほど行えるそれらを行えない自分がなぜお偉いさんから依頼が来るのかと疑問に思うはずだ。

 

理由としては、自分の得意魔法である『五感強化』があるからだと俺は考えている。身体強化魔法の派生のようなもので、名前のとおり五感を強化するものだ。

直線ならば5km先は余裕で見ることができ、隠れている人間の呼吸も聞くことができる。

最近の犯罪者には魔力隠蔽の上手い奴が多い上に、夜中となると視覚にも頼ることができない。そこで俺の出番ってわけだ。

 

今回もこれのおかげで捕縛できた。聴覚様々である。

まぁ、コイツの他にも理由があるわけなんだが……

 

 

 

…………っと、話しているあいだに合流地点についたようだ。バリアジャケットを解除しておこう。

 

 

 

……そう言えば先程から誰かに見られているような気がしてならない。

 

レジアス中将が言っていた迎えのものだろうか?

 

ならばなぜ姿を現さないんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合流地点に着くと、管理局員の服装をした人がビルの影から出てきた。

おそらく迎えの者っていうのは彼のことだろう。

 

「やっ……八雲二等陸佐ですか?!お迎えにまっ参りました!」

 

緊張しているようで声が上ずっている。

時間は丑三つ時といったところか。この時間帯になると幽霊も出ると聞く。

 

そりゃあ怖いだろう、かくいう俺も幽霊だのゾンビだのといったものは怖い。

 

 

「……あぁ。」

 

 

……もっと明るく話してやりたいとは思うのだが、昔からあまり話すのは得意ではない。

無口はかっこいいと思っていた時も一時期はあったのだが、いざなってしまうとなかなか大変だ。

 

まぁ皆優しく接してくれるので、これといった問題が起こったことはないのだが……

 

 

「っ!…………はい。中将から連れてくるように言われています。」

 

 

そんな事を考えている内に、局員さん(仮称)は転移魔法の準備を始めていた。

 

……いいなぁ、転移魔法。俺は全然使えないんだよなぁ。

 

なんてことを思いながら局員さんの後ろに立ち、ブツブツと呟きながら時々乾いた笑いをこぼす強盗犯を肩に担いだまま転移先へと消えていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

…………そういや最近は薬物中毒のような症状の犯罪者が多いな。

 

    まったく、担当の部隊は何をしているのだろうか?

 

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