尚、今回はアンチ色がかなり濃いです。
救済は考えていますが、SAO内で終わるかどうかは不明です。
現在、アインクラッドは第八十五層まで攻略をしている。
今までの攻略と比べると異例の速度。加えて死者が一人も出ていないのは素晴らしいことだった。
一時はスキル消失、システム的なイレギュラーといったことが起こったが今のところ落ち着いている。
キリトはホロウエリアと呼ばれる場所を見つけて、そこにいた“フィリア”という少女と冒険を繰り広げ、
シノンは完全に記憶を取り戻し、八十一層にて“射撃スキル”を獲得し弓を用いて最前線のメンバーと共に戦っている。
少し危険な部分は鳴りを潜めたが、強さを求めて危険なことをしようとするのは変わらなかった。
そして、ノビタニアンは――。
「スィッチ!」
ユウキの叫びと共にノビタニアンが前へ入れ替わりソードスキル“ヴォーパル・ストライク”を放つ。
攻撃を受けて鳥類型モンスターが消滅する。
「やったね!」
周囲にいる敵をあらかた倒した二人は武器を鞘へ納めた。
駆け寄ってくるユウキとノビタニアンはハイタッチを交わす。
「なんか、ノビタニアンとコンビ組んでモンスターを討伐するの、久しぶりだね~」
「そういえば、最近はシリカちゃんやシノンと組んでいたからなぁ」
「キリトはホロウエリアをいったりきたりだし、アスナさんは血盟騎士団の立て直しでバタバタしているもんね」
「ボク達、三人でパーティーを組んでいたのが昔みたいだよ」
「そうだね……二年間ずっと組んでいたからいきなり離れるとそう感じるんだ」
「え?」
ユウキが驚いた顔をしてノビタニアンを見る。
「どうしたの?」
「う、ううん。そろそろ街へ戻ろっか!ボク、お腹すいたよ」
「そうだね」
「(そうだよ、ありえないよ。ノビタニアンが今にも泣きそうな顔をしていたなんて……)」
戸惑った様子のユウキだが、ノビタニアンの顔を見て見間違いだと思い街へ歩き出す。
アークソフィアへ戻る途中、キリトと遭遇する。
「あれ、キリト?」
「やっほー、キリト!」
「ノビタニアンにユウキ、攻略の帰りか?」
「うん、これから宿に戻ってご飯のつもり!キリトは」
「俺も戻ろうか……あれは」
転移門の近くで立っている女性。それはアスナだった。
「キリト君、みんなも、こんなところでどうしたの?」
「いや、通りかかっただけだけど、アスナはどうしたんだ?」
「私は見てのとおり、待ち合わせ、攻略に参加したいギルドがあるってね、血盟騎士団宛に連絡があって、そのギルドリーダーと話をするの……本当は二組あるんだけど、時間をずらして、これからその一組目とお話するんだ」
「参加したいって、凄いやる気だね」
ノビタニアンが驚きながらアスナも頷く。
「一組目は最近、頭角を現したハイレベル集団、かなりの強さなんだって、結構評判になっているの。もう一組目は中層で活動していたんだけど、最近、攻略に追いつけるようになったみたいで参加を希望したの」
「へぇ、それは頼もしいな」
驚いた表情でキリトが頷く。
「そうだ、キリト君達もご意見番として一緒にいてよ」
「え、俺、そういうの苦手なんだけど!?」
「ボクはいいよ!強い人ならみてみたいし!」
「僕達で役立つならオーケーかな?」
渋るキリトに対してノビタニアンとユウキはオーケーを出す。
「ね、お願い。居てくれるだけでいいから」
「ん~、でもなぁ」
未だに渋り続けるキリトに対してアスナが最終兵器を透過する。
「ふーん、じゃあ、今日の晩御飯は煮込みハンバーグにしようと思ったけれど、やめて黒パンね」
「えぇ!?」
「あぁ!いいなぁー!ボク、煮込みハンバーグ食べたい!」
「ユウキは食べさせてあげるね。ノビタニアン君もどう?」
「え、いいのなら」
ちらりとキリトをみてからノビタニアンも頷く。
再度、アスナはキリトを見る。
「ね、お、ね、が、い」
「わかったよ、そのかわり晩御飯は煮込みハンバーグだからな」
「もちろん、任せておいて」
キリトが了承した時、彼らの前にプレイヤーがやって来る。
「来たみたいね」
「お初にお目にかかります。アルベルヒと申します」
アルベルヒと名乗ったプレイヤーは輝く鎧に流れるような金髪、柔和な笑みを浮かべている。
「(装備はそれなりのものをそろえているようだが、なんだろうこの違和感?装備に相応するだけの気迫というか、経験的なものを感じられない)」
キリトは冷静にアルベルヒを観察する。
「はじめまして私が血盟騎士団副団長のアスナです。本日はよろしくお願いします」
「お噂はかねがね聞いております。閃光のアスナさん。いやはや、お美しい限りです。もしや現実の世界ではご令嬢だったりするのでは?っと、失礼。この世界では現実世界の詮索はタブーでしたね。フフフフ」
「は、はぁ」
アルベルヒの態度にアスナは戸惑ったような顔になる。
「ボク、あの人、苦手かも」
「こら、ユウキ!」
小さく呟いたユウキへノビタニアンが注意する。
「ところでアスナさん、こちらの方は?」
アルベルヒはキリト達が気になったのだろう、尋ねてきた。
「ええっと、この人達はオブザーバーとして同席してもらっている」
「キリトだ、よろしく」
「ユウキ、です」
「ノビタニアンです。どうも」
「オォ!キリト!黒の剣士様でしたか!?それに紫の剣士様に白銀の剣士様とは!!あなた方のご活躍のおかげで僕達もここまで来られました。攻略組の方々のお力になれますよう、粉骨砕身の覚悟で尽力いたす所存です。どうぞよろしくお願いいたします」
「あ、あぁ」
「……どうも」
「は、はぁ」
アルベルヒの態度にキリトは「(不自然に礼儀正しいというかむしろ、慇懃無礼だ)」という感想を抱き、ユウキは「(この人、嫌いだ!)」と嫌悪を表に出し、ノビタニアンはただ苦笑していた。
「さて、それでは本日はどのようにいたしましよう。我々の実力をお見せできれば、攻略組としてお互いわだかまりなく、協力関係になれると思うのですが」
「そうですね、ではお手数おかけしますが、試験代わりに私とデュエルを」
キリトはアスナに待ったをかけた。
「待ってくれ。そのデュエル俺にやらせてくれないか?」
「え?キリト君が!?」
「俺も攻略組の端くれだからな。新進気鋭のギルドリーダーと聞いて、お手合わせ願いたくなったんだ」
「……?」
キリトの言葉にノビタニアンが不思議そうな顔になる。
「これはこれは、光栄ですね。黒の剣士様直々に剣を交えていただけるとは」
「ちょ、ちょっとすいません」
アスナは少しばかり距離を取る。
ユウキもとてとてと二人の傍へ近づいた。
「ねぇ、急にどうしたの?」
「少し変な感じがする」
「変?」
「アスナは横から見てアイツの実力を判断してくれ。ユウキは危険なものを感じたら止めてくれ」
「オッケー」
「え、でも?」
「頼む」
「う、うん」
真剣なキリトの言葉にアスナは折れた。
攻略組へ参加するかどうかの試験としてキリトとアルベルヒのデュエルが始まる。
「じゃあ、アルベルヒさん、そういうわけだから好きなタイミングで始めてくれ」
「ほほう、なんといいますか随分と余裕がおありで……さすがは黒の剣士様だ。それではお言葉に甘えましていかせてもらいますよ!」
アルベルヒが剣を構えて攻めてくる。
ソードスキルなしの斬撃をキリトはエリュシデータで受け止めた。
「どうです!これが僕の力ですよ」
「(パラメータは高い、おそらく俺やアスナよりも……しかし、この稚拙な動きはなんなんだ?経験もテクニックも何も感じられない)」
高揚しながら叫ぶアルベルヒだが、キリトの中で疑問が膨れ上がっていく。
その間もアルベルヒの攻撃は続いた。
「(システムフォローのない動きのところはまるで初心者が最強のアバターを操っているようなものだ)」
疑問を解消するべくキリトはアルベルヒへ問いかける。
そのやり取りを見ているアスナ、ノビタニアン、ユウキの表情も険しい。
彼らもアルベルヒに疑いの目を向けていた。
「なぁ、アルベルヒ。まさか手加減しているってことはないよな?」
「なっ、なに!?それは僕が弱いとでもいうのか!?いいさ、僕が戦いというものを教えてやる」
アルベルヒは激怒すると少し距離を取る。
ソードスキルを出すのか?とキリトが身構えていると――。
「(砂埃エフェクトでめくらまし?)」
「キリト君!」
「この!」
「駄目だよ。ユウキ」
止めに入ろうとしたユウキをノビタニアンが止める。
視界を封じられたキリトへアルベルヒが攻撃を仕掛けた。
「こんな使い古された手を今更」
キリトは過去に同じ手を受けたことがありその対処法を知っている。
「おっと外したかタイミングよく転んだな」
「(俺がローリングで攻撃を避けたのを転んだと勘違いしているのか、何もかもビギナーレベルだ)」
アルベルヒについてキリトは結論を下す。
「(レベルは高いんだろうが、この実力でこられても攻略組と足並みを乱すだけだ)」
攻めてくるアルベルヒを前にエリュシデータで受け流しソードスキルを放つ。
受けたアルベルヒは敗北となり勝者はキリトとなる。
「勝負あったな」
「う、うそだ僕が負けるはずがない!データがおかしいんじゃないか!このクソゲーが!」
負けたことで隠していた本性が露わになったのか自分の敗北をゲームシステムのせいにする。その姿にユウキは興ざめという顔をして、ノビタニアンも溜息を吐いている。
「あの、アルベルヒさん、残念ですけど、もう少し力をつけてからご連絡をいただくということで」
おずおずとアスナが結果を伝える。
「能力的には問題ないはずなのですが」
アスナに声をかけられたことでアルベルヒは冷静さを少し取り戻した様子だ。
笑みを張り付けて尋ねる。
「最前線はレベルが高ければ攻略できるというようなものではないんです。ですから、ごめんなさい」
「わ、わかりました」
悔しさを滲ませながらアルベルヒは頷く。
「しかし、いずれ僕の力を必要とする日がくるでしょう、その時は遠慮なく声をかけてください」
そういうと彼は去っていく。
「なんだか、おかしな人だったね」
「おかしすぎるよ!キリトに目くらましなんて最低だね!ボクだったら容赦しないよ」
「あとあと、何かの火種にならなきゃいいんだが」
「そうだね……」
アスナが神妙な表情で頷いた。
「そういえば、もう一組いるんだよな?どんなギルドなんだ?」
「えっとね、メンバーは四人なんだけど、最前線でも戦えるみたい」
「さっきみたいな人だったら嫌だなぁ」
「そこは大丈夫だと思う。団長も気にかけていたみたいだから」
「ヒースクリフが?」
アスナの言葉にキリトが目を見開く。
「ねぇねぇ、どんなギルドなの?」
「えっとね……あ、来たみたい」
前を見たキリトは目を丸くした。
やってきたのは四人の男女。
一人は丸い体格をしているが腕は太く、リアルに殴られたらとても痛いだろう。
もう一人は独特な髪形をしており、それを大事そうに撫でて居る。あとメンバーの中で低身長。
続く男の子はさわやかな笑顔が似合う、知的なイメージを持つ。
最後の一人は女の子で肩にまでかかる髪の毛をうなじ当たりで左右に分けている。
驚いているキリトは隣を見る。
ノビタニアンも同様で信じられないという表情をしていた。
「あなた達がギルド“ジャイアンズ”ですね?私はアスナ、血盟騎士団副団長を務めています」
「おう!俺さ……俺は“ジャイトス”、このギルドのリーダーだ!」
「話ではギルドのリーダーだけが来ると聞いていましたが」
ちらりとアスナは他のメンバーを見た。
HPバーの近くに表示されているマークから同じギルドのメンバーということがわかる。
「すいません、僕達も攻略へ参加するつもりなので、話を聞きたかったのですが彼が話を勝手に進めてしまい、後になる形となってしまったんです」
話へ入ったのは“ヒデヴィル”という名前のプレイヤーだ。
「ま、僕ちゃん達にかかればすぐに攻略組に入れるもんね~」
呑気な態度をとっているのはスネミスという低身長の少年だ。
「あのぉ……その人たちは?」
最後の一人、シズカールという女性プレイヤーがキリト達をさす。
「彼らは私のオブザーバーとしてきてもらっています」
「キリト、こっちはノビタニアン、ユウキ、この二人とパーティーを組んで攻略に挑んでいる」
「ふーん、強そうに見えないねって、お前達“和人”に“のび太”じゃないのか!?」
スネミスが二人をみて驚き、特にノビタニアンをみて指さす。
さらにいうとリアルの名前を叫ぶ。
「間違いない。おい!のび太!お前、攻略組にいたのかよぉ!ふーん、お前みたいなドジでノロマな奴でも攻略組になれるんだぁ!なら、僕ちゃん達でも楽勝じゃん!」
「ちょっと」
「やめろ、スネミス。攻略組を甘く見るな。彼らは多くの階層のボスと戦っているんだぞ」
止めようとするアスナよりも早くジャイトスが注意する。
「へ?なぁにいってんのさ!この、のび――」
ジャイトスがスネミスを睨む。
それだけで冷や汗を流してスネミスは口を閉じる。
「すまない、俺の仲間が」
「い、いや」
ジャイトスの言葉にキリトが首を振る。
コイツ、こんな奴だったか?と内心、キリトは思っていた。
見計らってアスナが提案した。
「それじゃあ、皆さんが攻略組に入れるかどうかデュエルをしてもらいます。デュエルの相手は」
「僕ちゃんがやりまーす!相手は!」
スネミスが勝手に名乗りを上げてデュエル申請を行う。
その相手は。
「お前だ!のび太!!」
スネミスが選んだ相手はノビタニアンだった。
「おい!」
「いいじゃん!こいつみたいな最底辺とやりあえるならとりあえず攻略組に入れることはわかるんだからさ!」
「ちょっと!」
「いいよ」
我慢の限界を迎えたユウキが叫ぶよりも早く、ノビタニアンが頷く。
しかし、その声を聴いたとき、アスナ、キリト、ユウキは驚きを隠せなかった。
いつもと変わらない表情。
だが、彼の発した声は今まで聞いたことがないほど低く、暗い何かを含んでいる。
それに気づけたのはともに死地を潜り抜けてきた仲間だけだった。
「の、ノビタニアン?」
「デュエルは半減決着でいいよね?初撃だと判断できないだろうし」
「ふふん!いいとも~!」
相手が自分の知っている人物だから余裕だとスネミスは思っているのだろう。
手の中にある短剣をくるくると遊びながら構えるスネミスに対してノビタニアンは愛用している片手剣を水平に構えた。
「(楽勝、楽勝!だって、相手はあののび太だぜ?僕ちゃんが負ける理由なんかないもんね!)」
リアルのノビタニアンを知っているからスネミスは浮かれていた。
だから、彼は見落としていた。
ここはSAO。
レベルの差が大きければ大きいほど、その力はおそろしいものになると。
なによりスネミスは知らなかった。
ノビタニアンは攻略組において最底辺ではないと。
キリト同様に白銀の剣士という呼び名を持つタンクとしても、剣士としても実力のある人物だということに。
デュエル開始と共にスネミスが駆け出す。
瞬間、眼前に刃が見えた。
「へ?」
間抜けな声を上げるとともにスネミスの顔に片手剣ソードスキル“ヴォーパル・ストライク”が炸裂する。
「ぶべら!?」
顔にダメージはないが衝撃は相当なものだ。大きく仰け反る。
ブンと剣を振るう。
「こ、このぉ!僕ちゃんの顔に!!」
怒ったスネミスがソードスキル“ラプッド・バイト”を繰り出す。
短剣が当たる直前、ノビタニアンはバトルスキル“パリング”を発動。
衝撃によってスネミスの動きが止まり、ソードスキルがキャンセルされ、硬直する。
「え、ちょっ」
動けないスネミスに容赦のないソードスキルの嵐が降り注ぐ。
「や、やめっ!」
HPがみるみる減少していく。
デュエルなので死にはしないが目の前でHPが大きく減ることは恐怖する。
ぶるぶると震え、瞳に涙を浮かべ始めた。
「これで終わりだよ」
冷たい声と共に放たれたバーチカル・スクエアがスネミスのHPを奪う。
HPが半分となりデュエルの勝敗が決まった。
「キミの負けだよ」
表情を変えずノビタニアンが告げる。
恐怖のあまりスネミスは座り込んでしまう。
「酷いわ!」
デュエルが終わり、瞳に涙を浮かべながらシズカールが抗議する。
「酷い?」
「そうよ!動けない相手をここまでいたぶる必要なんてあったの?」
「いたぶるなんて勘違いしないでくれない?」
ノビタニアンは肩をすくめる。
「僕はこれでも“手加減”していたんだよ?最初のソードスキルもわかりやすいものをチョイスしていた。攻略組の人なら予想して対策をとることもできた。僕がソードスキルを出す直前、少し間をおいていた。普通ならそれがわかるはずだ。だよね?アスナさん」
「え、えぇ……」
いきなり話を振られてアスナは戸惑いながらも頷く。
「だとしても、こんなの!“のび太”さんらしくないわ!!」
「シズカール君、落ち着いて、リアルの名前は駄目だよ!」
涙目で訴えるシズカールをヒデヴィルが止める。
だが、その声はノビタニアンへ届く。
「らしくない?」
ノビタニアンは顔を上げる。
その顔は怒りに染まっていた。
視線は気絶しているスネミス、佇んでいるジャイトスだけではない。二人にも向けられている。
「キミ達が僕の何を知っているのさ?“あの日”止めることもせず、みているだけだった二人やあんなことをしたこいつらを僕は許せない……僕は」
そこで冷静さを取り戻したのだろう。
ノビタニアンはハッとした表情で周りを見た。
ユウキは不安そうな表情を浮かべ、
アスナは困惑している。
キリトは何も言わない。
「ごめん、少し冷静さを欠いていた。アスナさん、あとは任せるね。僕はエギルさんの店へ戻るよ」
剣を鞘に納めるとノビタニアンは去っていく。
茫然としていたアスナだが、しばらくしてジャイトスをみる。
「ジャイトスさん、攻略の件ですけど」
「うちの仲間がすまないことをしたな。結果は後日でいい。こいつを連れて帰る」
淡々とした態度でジャイトスは気絶しているスネミスを抱えるようにして立ち去る。
残された二人もその場を離れた。
「……なんか」
アスナが疲れた顔をして呟く。
「色々ありすぎて頭がパンクしそうだよ」
「そうだな……」
――まさか、アイツらもSAOに囚われているなんて。
キリトは去っていくギルド、ジャイアンズの後姿を見て神妙な表情を浮かべた。