あと、この作品のタイトル。このままでいこうと思うのですが、どうでしょう?
「いたか!?」
「いない!」
「あっちにいったんじゃないか?」
「よし、探そう!」
響き渡る怒号にノビタニアンは怯えの表情を見せていた。
いくらSAOで多くのモンスターと戦ってきたとはいえ、大勢の怒号を聞くのは気分が良いものではない。
早く向こうへ行ってくれと願いながら隠密スキルを発動させている。
やがて、遠くへ声が聞こえるのを見計らってノビタニアンはぴょこっと樽から顔を出す。
「どうやらいなくなったみたいだね……もう、いいよ」
ノビタニアンの言葉と共に近くの樽からもう一人の少女が現れる。
腰にまで届く銀髪、青を基調としたどこか明るい衣服を身にまとった少女。
シャムロックと呼ばれるギルドのトップにしてALOのアイドル、セブン。
「ふぅ、ありがとう。助かったわ、ノビタニアン君」
「……感謝するくらいなら巻き込まないでよ」
ため息をこぼしてノビタニアンが言うけれど、あまりに小さな声だから届かない。
届いても余計な騒動を招くだけだろう。
「……はぁ」
事の始まりはほんの数十分前。
空都ラインのお気に入り昼寝スポットにいたノビタニアンだが、そこへシャムロックから逃げていたセブンと遭遇。
助けてほしいといわれて、ノビタニアンは路地裏にある樽の中へ隠れた。
自分も隠れたのは昔の癖だろう。
彼らの姿が見えなくなってからノビタニアンは体を伸ばす。
「さて、僕はこれにて」
「待って!」
逃げようとするノビタニアンの腕をセブンが掴む。
「え、なに?」
「見たところ、貴方、かなり強そうね。そうだわ!今日一日、私のボディーガードをやってほしいの」
「へ!?」
「お願い!」
「そういわれても、君のこと、あまり知らないし」
「ウソ!?」
ノビタニアンの態度にセブンは限界まで目を見開く。
「知らないの!?私のこと!本当に?」
「えっとぉ……シャムロックのリーダーで、アイドルということくらいしか、あとリアルで天才博士だっけ?それくらいしか知らないや」
「……へぇ~」
何か調べるようにセブンはまじまじとノビタニアンをみる。
そして、プレイヤー名をみて、彼女は目を見開いた。
「ノビタニアン……そう、貴方が!」
「え?」
「会ってみたかったのよ!あのノビタニアンに!」
「え、どういう」
「ヤバッ!戻ってきたかも」
セブンに言われてノビタニアンは周りを見る。
どうやら大きな声で騒いでいたことでシャムロックのメンバーがやってきたようだ。
このまま見つかったらあらぬ誤解を招いてしまうかもしれない。
「行こう!」
「え、きゃああっ!」
セブンを抱きかかえてノビタニアンは走り出す。
後ろで何やら騒ぎが聞こえたような気がするが振り返らずに全力で逃げた。
「それで、ここに来たってか?」
「他に安全な場所が思いつかなくてね」
ノビタニアンがやってきたのはエギルの店。
キリト達がいるかなと思っていたのだが、エギルの話によると仲間たちと共に攻略に出ているらしい。
おそらく、今日中にスヴァルト・アーヴヘルムの攻略を行うのだろう。
「それより、そのセブン……は、大丈夫なのか?」
エギルはノビタニアンとセブンの前にカップを置く。
机に突っ伏しているセブンは借りてきた猫のように大人しい。
「多分、大丈夫だよ」
ノビタニアンはそういうがセブンが顔を上げてノビタニアンに抗議の目を向ける。
「え?」
「あんな恥ずかしい思い。したことないわ!」
「えっと、それはごめん」
あれが恥ずかしいのか?と心の中でノビタニアンは思う。
SAOでもユウキ相手に何度か行ったことがあるので彼にとってお姫様抱っこが恥ずかしいものなのかどうかという感性が薄れていた。
ちなみにエギルはその光景を見て「また、やっちまったか」と額に手を当ててため息をこぼしている。
「はぁ、いいわ。あなたはとても変わっているわね」
「そうかな?まぁ、よく言われるかな。相棒と一緒に色々とやらかすから」
たははは、とノビタニアンは苦笑する。
「まぁいいわ。それにしても、貴方、本当に私のことを知らないの?」
「うん、ありふれたことしか知らないね」
「信じられないわ」
「まぁ、僕、色々あって、アイドルとかそういうのに疎いから」
昔なら星野スミレとか大好きだったのだが、SAO事件や様々な出来事を通してアイドルというものに興味が薄れていた。
「ふーん、本当に変わった人ね」
セブンは驚きの声を漏らしつつもその目は興味深いという顔をしている。
「僕からも聞きたいんだけど。キミはどうして僕のことを知っていたの?」
「あら?あなたは有名よ?科学者としての間で」
「……え?どうして」
「茅場晶彦に匹敵する才能の持ち主。数年前にあったという衛星事件を解決に導いた少年!あの事件を知る者の間じゃ、有名人よ!」
「あー」
セブンの言う事件についてノビタニアンは困った声を漏らす。
あれを解決に導いた人物は自分であって自分ではない。
もしもボックスで自分が魔法の世界に行っている間に代わっていた魔法世界の野比のび太なのだ。
「それなんだけど、誤解だよ?僕は違う。ただ単に同じ名前なだけだから」
前にも有名な科学者が自分に意見を求めてくる事件があった。
その際に人間違いですと説得して終わっているのだが、まさかテレビでも有名なセブンが自分のことを知っているなんて、というところにノビタニアンは驚きを隠せない。
「でも、貴方はALOで強いのよね?あのサラマンダーのユージーン将軍を倒したって聞いているけれど」
「あぁ、あれは。たまたまだよ。仲間を守ろうとして彼と決闘することになって。本来なら僕の相棒がデュエルする予定だったんだから」
「でも、倒したのはあなたよ。誇るべきよ!」
「そうかなぁ?」
セブンの強い口調にノビタニアンは首を傾げることしかできなかった。
「おい、ノビタニアン。外が騒がしくなってきたぞ?」
傍観を決め込んでいたエギルの言葉にノビタニアンは窓から外を見る。
頭に羽飾りをつけたプレイヤー達。
どうやらシャムロックのメンバーだろう。
「ヤバイな、逃げようか」
「ううん。もう満喫できたからいいわ」
「え、いいの?」
「問題ないわ。楽しみも見つけたし」
小さく呟いたセブンの言葉はノビタニアンに聞こえなかった。
「え?」
「ううん、また会いましょう!」
セブンはそういうと店の外へ出ていく。
残されたノビタニアンは茫然とすることしかできなかった。
「なんというか……」
とんでもない子と知り合ったのかもしれない。
ノビタニアンの予想は当たっていたことになる。
その答えは少し先のことになることを知る由もなかった。
「あれ、ノビタニアン!来ていたの?」
エギルの店の扉が開かれてユウキがやってくる。
「あ、うん。そうだよ。ユウキは一人?」
「あー、うん。今は一人だよ!そうだ。これからクエストでも受けない?」
「僕は別にいいけれど。なんのクエスト?」
「レジェンダリーウェポンを入手しようかと」
「え!?」
「実はアルゴさんからその情報を手に入れたんだ~」
にっこりと微笑んでいるユウキだが、その内容はとんでもないものだった。
レジェンダリーウェポン。
それはALO内における最強クラスの武器。
通常、NPCが販売している武器やプレイヤーメイドのものと異なり強力な力を持っている。
少し前にノビタニアンがデュエルしたサラマンダーのユージーン将軍が持っていた魔剣グラムがその一例だろう。
基本的に情報が少ないレジェンダリーウェポンの居場所を見つけたというユウキにノビタニアンは困惑するしかなかった。
「それはいいけれど、二人で?」
「ううん、ボクの所属しているギルドで行くんだけど、タンクが不足していてね。ノビタニアンの力を貸してほしいんだ」
「それはいいけれど、ユウキはギルドに属していたんだね」
「あ、うん。隠していたわけじゃないよ?」
戸惑ったような様子のユウキにノビタニアンは首を傾げる。
「別にユウキがギルドに属しているからって問題はないでしょ?少しは驚いたけれど」
「……本当に?」
何かを確認するように見上げてくるユウキにノビタニアンは頷く。
「当然だよ。ユウキだって、色々な人と交流するべきだよ。まぁ、変な人だったら止めるけどさ」
「うん!大丈夫!とにかく、行こう!」
ユウキに引っ張られてノビタニアンは外に出る。
二人は飛び立つ。
「スヴァルト・アーヴヘルムで見つかったの?」
「うん!あるNPCのクエストで発覚したんだ!」
嬉しそうに話すユウキからノビタニアンは情報を聞く。
山岳地帯に住み着いている魔女によって村人の花嫁が誘拐されてしまった。
クエストはその魔女と使役する魔龍を倒すことらしい。
報酬の中身が伝説級の武器だという。
「クエストをクリアしたらレジェンダリーウェポンが手に入るんだ。それと……もう一つあるんだ」
「もう一つ?」
「うん、それが目当てなんだ。ただ、ボク達だけじゃ力不足で」
「一回チャレンジしたの?」
「うん、ドラゴンが強くてねぇ。ボクだけじゃ攻めきれなかったんだ。だから、ノビタニアンの力を借りようと思ったんだ!」
「まぁ、いいよ。それで、ユウキの属しているギルドって」
「あ、あそこだよ!」
ユウキの指す場所を見る。
緑豊かな森。
その先に続く山はどこか不気味な空気が漂っており、山頂付近は暗雲が広まっていた。
森の入り口にて、集まっているプレイヤー達がいる。
「あ、ユウキー!……っと、誰だ?」
「インプみたいだけど?」
集っているのは六人のプレイヤー。
種族はバラバラでキリト達のパーティーのように感じられた。
「いやぁ、みんな、遅くなってごめんね!」
ひらひらと手を振ってユウキはプレイヤー達のもとへ向かう。
しばらく談笑したところで、彼女はノビタニアンの前に立つ。
「みんなに紹介するよ!彼はノビタニアン!今回のクエストの助っ人だよ!」
「あ、えっと、はじめまして、僕はノビタニアン、インプで、主にタンクを務めています」
ユウキに促されてノビタニアンは自己紹介をする。
周りが戸惑っている中、一人の少女が前に出た。
「……ノビタニアンさん」
ユウキとどこか似たような顔立ちの少女は自然とした動作で背中から槍を取り出す。
「ユウキからあなたのことを聞いていました。私とデュエルしてください」
同時にノビタニアンの前にデュエル申請がなされる。
突然のことに面食らっているとユウキが前に出た。
「ちょ、ちょっと待ってよ!姉――」
「ユウキ」
諭すように微笑む少女は真っすぐにユウキをみた。
それだけのことなのにユウキは直立してしまう。
「下がっていて」
「……はい!」
慌てて仲間のもとへ向かい、申し訳なさそうな目でノビタニアンを見る。
彼女に「大丈夫」といいながらデュエル申請を受け付けた。
半減決着モード。
デュエル内容を確認すると同時に少女が突撃してくる。
「は、やっ!?」
咄嗟に体をずらして目の前の槍を躱す。
あまりの速度に驚きながら後ろへ下がることなく、前へ踏み込む。
「残念です」
派手な音を立てて片手剣と槍がぶつかり合う。
「今、下がっていたら貫いていたのに」
「危ない、危ない」
苦笑しながら振るわれる槍と剣がぶつかり合う。
「それより、その槍、なんなの?」
ノビタニアンの剣はリズベット武具店製品のもので性能は折り紙付き。それとやりあえる槍はただの槍でないことを見抜く。
「レジェンダリーウェポンですよ?神槍レーヴァティン……それとやりあえるなんて素晴らしい武器ですね。プレイヤーメイドですか?」
「まぁね。大切な仲間が打ってくれた武器さ」
二人は話し合いながら激しくぶつかり合う。
一旦、距離を取る。
「キミが誰なのか知らないけれど、強いね」
「そうですね。流石はSAOをクリアに導いた英雄の一人です。納得ですよ。その強さ……でも」
槍を構えて彼女は体勢を落とす。
それだけで相手が本気だということにノビタニアンは察し、盾を収納する。
「勝負をあきらめたのですか?」
「まさか、使えるかわからないけれど、奥の手を使うだけさ」
メニューを操作してノビタニアンは片手にもう一つの剣を取り出す。
「え!?」
ユウキが驚きの声を漏らす中で、銀と黒の二つの剣を構える。
「二刀流、ですか」
「付け焼刃だけど」
槍が輝きに包まれる。
――ソードスキル。
相手の繰り出すソードスキル。
それがノビタニアンの体を貫くという瞬間、彼の姿がぶれる。
「!?」
槍は空振り、少女の前で二つの斬撃が煌めく。
ブザーと共に決闘の勝敗が決まる。
「僕の勝ちだよ」
剣を鞘に納めてノビタニアンは勝利を宣言した。
「私の負けです」
槍を仕舞って少女はノビタニアンを見た。
「凄いね!ノビタニアン!」
「ウソ、リーダーに勝っちゃった」
「すっげぇ、てか、二刀流だよな!?あんなに速いの!」
外野の言葉に少女は苦笑しながら微笑む。
「みんなもあなたを認めたみたいですね。改めて自己紹介させてもらいます。私はラン……ギルド、スリーピング・ナイツのリーダーを務めています。そして」
にこりと駆け寄ってくるユウキをみながら少女、ランは微笑む。
「ユウキの姉です」
「え、姉!?」
ランこと紺野藍子は妹の木綿季同様にAIDSに感染していた。
木綿季より症状が悪化していた彼女の命は風前の灯火。
そんな彼女を救ったのはのび太のウソ。
木綿季から事情を聞かされた藍子は驚き、彼と会うことを望んだ。
会いたいと思っていた時に命の恩人がALOにログインしていると聞いて、いつかは会えるだろうと思っていた。そんな時にユウキが連れてきたインプのプレイヤー。
彼こそが命の恩人だとわかり。
「貴方を試すようなことをしてごめんなさい。ユウキから話を聞いていたんですけれど、どんな人なのか面と向かって確かめたくて」
藍子ことランはノビタニアンに謝罪する。
「別にいいよ。それより、僕がクエストの手伝いをしても問題、ないかな?」
「はい、貴方みたいな優秀なタンクなら大歓迎です。みんなもいいよね?」
ランが問いかけると全員が頷いてノビタニアンのもとへ集まっていく。
「俺!ジュンっていいます!よろしくお願いします!」
「テッチです」
「……た、タルケンといいます」
「コイツ、極度の上がり症なの、あ、ノリっていうんだ。よろしく」
「彼らに私とユウキを含めた全員が今のスリーピング・ナイツのメンバーです」
「僕はノビタニアン、普段は他のパーティーと行動しているけれど、よろしくね」
「それじゃあ、みんなそろったことだし!クエストの内容を確認しようか」
ランの言葉に全員が真剣な表情で頷く。
ぞろぞろとスリーピング・ナイツのメンバーと共にノビタニアンは山道を歩いていた。
本来なら飛んでいけばいいのだが、話によると魔女の結界によって飛行制限がかなり低く設定されているらしい。
「ノビタニアンさん」
「はい?」
後ろを歩いていたノビタニアンにランが話しかける。
「ユウキはノビタニアンさんに迷惑かけていませんか?」
「迷惑なんて全然、色々と助けてもらっています」
「そうですか。あの子はやんちゃなところがあるから……迷惑かけていないか心配で」
「僕はユウキに助けてもらってばっかりですよ。多分、ユウキは気づいていないけど」
仲間たちと楽しく話をしているユウキの姿を見ながらノビタニアンは言う。
そんなノビタニアンの顔を見てランは微笑む。
「どうやらユウキは素敵な人に出会えたみたいね」
「え?」
「ノビタニアンさん、ユウキを泣かせたら槍で串刺しにしますから」
「えぇ!?」
ランの言葉にノビタニアンは驚きの声を上げることしかできなかった。
それからスリーピング・ナイツのメンバーと話をしながら山頂にいる魔女とドラゴンと対峙することになったのだが。
「……滅茶苦茶、見覚えがあるんだけど」
ノビタニアンの前にいる魔女。
それはかつてマヤナ国を支配しようとした魔女レディナにそっくりだった。
違いがあるとすれば本来の老けた顔であるということ。
彼女が使役しているドラゴンは石造りだが、レディナの配下が作り出した幻影によく似ていた。
「ドラゴンをノビタニアンさん達、お願いします。ユウキと私で魔女を相手します!」
ランの指示にノビタニアンは頷いて前に出る。
ドラゴンは唸りながら巨大な尾を振るう。
その攻撃をテッチとノビタニアンが防ぐ。
「ジュン!」
「は、はい!」
ノビタニアンの指示で戸惑いながらサラマンダーのジュンが攻撃を仕掛ける。
攻撃を受けてドラゴンは苛立ったような声を出しながら手でジュンを叩き落とす。
ウンディーネのシウネーがジュンや仲間にヒールをかける。
「つ、強い」
「いいや、大丈夫!」
叫びと共にノビタニアンがレイジスパイクを放った。
ブレスを仕掛けようとしていたドラゴンはダメージを受けて転倒する。
「みんな!囲んで倒すよ!」
ノビタニアンの指示でジュン、テッチ、タルケンといった全員がドラゴンへ攻撃を仕掛ける。
総攻撃を受けたドラゴンは一際、大きな咆哮をあげて消滅する。
ユウキ達の方を見ると魔女は悔し気に顔を歪めて去っていく。
「ノビタニアン~」
「ユウキ、お疲れ」
駆け寄ってくるユウキとハイタッチしてノビタニアンと微笑みあう。
周りのメンバーもノビタニアンの勝利を称える。
他愛のない話をしていると巨大な石柱が現れた。
「あれ、これって?」
ノビタニアンはその表示に見覚えがある。
次々と石柱にプレイヤー名が書き連ねられていく。
「ねぇ、ユウキ」
「そうだよ。ここのボスを倒すとプレイヤー名が刻まれるんだ。この世界で生きたっていう証」
「……生きた証かぁ」
周りを見ると全員が喜びの表情を浮かべている。
彼らの顔を見て、本気でこの世界に自分たちが存在したという証を残そうとしているのだろうということがわかった。
「そういえば、レジェンダリーウェポンは?」
ノビタニアンは周りを見る。
誰もドロップした様子がない。
「あれぇ?どうしてだろう」
「何か足りないとか?」
「うーん?」
あれから全員で探してみるが武器は見つからなかった。
「ノビタニアン、ごめんね」
「……ううん、僕は気にしてないよ?今日は楽しかったし」
「ありがとう!そうだ。また、みんなで攻略するときは付き合ってよ!」
「僕は良いよ、みんなは」
「俺は大歓迎!」
「じ、自分も……」
「私も、ノビタニアンなら歓迎しますよ」
微笑むランの言葉にノビタニアンは「ありがとう」と感謝した。
時間となりノビタニアンはALOをログアウトした。
「あれ?メッセージが来ている」
アミュスフィアを机に置いたところで端末にメールが届いていた。
のび太は端末を手に取ってメッセージの中身を確認する。
相手は総務省の菊岡だった。