みなさん、おはようございます。 吉井暁です!
よくわからないまま転生させられてから十六年経ちました。
いま、わたしはリビングで大好きなココアを飲んでいるのです。
キッチンでは改良された土台をつかい、朝食を作ってくれるつぐ姉。
なかなか、お兄ちゃんは降りてきません。
どうしようかなと考えていると・・・。
「暁くん、わたし。 アキくんを起こしてくるね」
「うん、待ってるね」
つぐ姉がタオルで手を拭いてからエプロンを脱いで、いそいそとお兄ちゃんのいる階にあがる。
毎度毎度わざとやってるんじゃないかって思うほどだよ。
そんなことを思っていると、お兄ちゃんとつぐ姉がなにか騒いでいるみたい。
なかなか起きないお兄ちゃんが悪いと思うんだけどなぁ。
そんなことを思っていると、つぐ姉がぷりぷり怒りながら降りてきていた。
「アキくんたら、部屋キレイにしたのにまた汚しているんだよ?」
「そうなの? お兄ちゃんキレイ好きだと思ってたんだけどな~」
そんな会話をしているとお兄ちゃんが階段を下りてきてあくびまじりにこちらに来た。
「アキくん、ちゃんと顔を洗ってきてね」
「ふわ~い」
つぐみに言われるとあくびしながらも洗面所へと向かった。
ぼくのお兄ちゃんはどじな方だと思う。
そのてん、僕はうっかりミスしそうになるけど。
だれ、遠坂凛のデータいれたの。
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明久SID
どうもみなさん、吉井明久です。
あの後、急いでごはんを食べて桜が舞う並木道を全力疾走しております。
「も、もう・・・・暁くんだけじゃなくてアキくんまでなんで制服間違えてきれる、の」
「いや、なんかノらないと負けかなって思って」
「わたしはうっかりミスだよ~」
つぐみは運動は得意ではないので青息吐息状態でいまにも倒れそう。
僕と暁は運動は苦手じゃないからぶったおれはしないけどね。
「こ、これで遅刻、したら、二人、のせい、だからね」
「うん、なんかごめん」
「ごめんなさい、つぐ姉」
走りながらもそういうつぐみを見て僕と暁は謝っていた。
でも、そろそろ限界そうかな。
「わ、わたしは後から行くから。 二人は先に行ってて」
「それはダメ」
「うん、ダメだよね」
樹にもたれるようにして座り込むつぐみに僕と暁は言った。
「ほら、背中に乗って」
「えー、そこはお姫様だっこでしょ~」
僕はつぐみの前にいき、背中を見せてしゃがむと暁からブーイングがでた。
そんなことしたら、つぐみがショートするって。
「え、おんぶなんて高校生にもなって」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ? もとはといえば僕たちのせいだし」
「うぐう」
つぐみはやはり乗ることを拒んできたが、僕は冷静にそう告げる。
暁のうめき声があったけど、気にしないでおこう。
「自覚はあるんだね・・・」
「そりゃそうでしょ」
「そ、そんなことより! 早く乗ってよ!」
じと目のつぐみに僕は当然のように言うと慌てたように暁が告げる。
そして無理やり僕にもたれさせる。
つぐみは慌てていたが、なんとか耐えたようだ。
うわ、つぐみの果実が・・・やばい。
い、急がないと。
「つぐみ、しっかりつかまっててね」
「う、うん」
「いっそげー!」
僕はつぐみに声をかけて言うと走り出す。
暁も並走するように走る。
あ、そうだ。 暁の髪色は僕と同じで同じ顔で暁の方が髪が長いんだよね。
母さんが伸ばさせていたというのもあるかな。
しばらくして校門まえまでくると、あの先生がいた。
「吉井兄弟に雨宮、遅刻だぞ」
「す、すいません。 西村先生」
文月学園の玄関前で、浅黒い肌をした短髪のいかにもスポーツマン然とした男に、ドスのきいた声で呼び止められた。
つぐみは慌てて謝っているようだ。
「あ、鉄じ――じゃなくて、西村先生。おはようございます」
「蛇先生。おはようございます!」
「おはようございます、西村先生」
僕と暁とつぐみは西村先生にそう挨拶をした。
まあ、僕は間違えそうになりつつ、暁はわざとみたいだったけどね。
「今、鉄人って言わなかったか?」
「ははっ。気のせいですよ」
「ん、そうか?」
ふぅ、ヤバかった。危うく普通に『鉄人』って呼ぶところだった。あ、鉄人というのは生徒の間での西村先生のあだ名で、先生の趣味であるトライアスロンがその由来だ。まぁ、真冬でも半袖でいるあたりも理由の一つだけどね。
「ところで、雨宮はどうした。 けがでもしたのか?」
「えっと、これは吉井くんたちの遅刻に巻き込まれて」
そう言いながらつぐみは僕から降りようとするので、ささえておろす。
「そうか、あんまり雨宮に迷惑をかけるんじゃないぞ」
「え、僕たちのせいなの!?」
「ひどいよ、てっちー!」
西村先生の発言に僕と暁は驚いていた。
「日ごろの行いだ馬鹿もん! それと普通に『おはようございます』じゃないぞ、吉井兄」
「あ、すいません。先生は今日も肌が浅黒いですね」
「今日も日焼けサロンしてきたんですか?」
そう言いながら注意する西村先生に僕と暁は思ったことを言う。
双子の神秘だねぇ。
「まったくお前らというヤツは・・・・・・、いくら罰を与えても全然懲りないな」
ため息混じりに先生がつぶやく。こう言われると、なんだか僕らが遅刻の常習犯のように聞こえてしまうじゃないか。
「先生。僕ら、遅刻は今日が初めてですよ?」
「そうだよ、否定してよ!」
西村先生は去年は僕らのクラスの担任だったから、(つぐみのおかげで)僕が遅刻をしなかったことは知っているはずだ。
「遅刻は、な。ほら、受け取れ」
そう言いながら封筒をわたしてくる西村先生。
「あ、どーもです」
「ありあっした」
「ありがとうございます」
僕らはそういいながら封筒を受け取る。
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つぐみside
「それにしても、どうしてこんな面倒なやり方でクラス編成を発表してるんですか?」
「そうですよ、掲示板とかで大きく張り出しちゃえばいいのに」
「普通はそうするんだけどな。まぁ、ウチは世界的にも注目されている最先端システムを導入した試験校だからな。この変わったやり方もその一環ってワケだ」
「ふ~ん。そういうもんですかね」
アキくんたちは適当に相槌をとりながら封に手をかけているけど、結構頑丈に糊付けされていてなかなか開かないみたい。
「雨宮、今回は残念だったな」
「途中退席しちゃいましたから、仕方ないですよ」
西村先生はとても残念そうな様子でそう言ってくれたので苦笑をうかべるあたし。
熱がでちゃったからね、無理もないことだし。
「本当に残念だよね。 つぐみならCクラスは固いだろうに」
「そうだよね~」
アキくんと暁くんはそう言いながらなんとか開けようとしている。
「俺はお前らを去年一年見て、『もしかすると、吉井兄弟はバカなんじゃないか?』なんて疑いを抱いていたんだ」
「それは大いなる間違いですね。そんな誤解をしているようじゃ、さらに『節穴』なんてあだ名をつけられちゃいますよ」
「鉄人二十八号なんていわれちゃいますよ?」
「ああ。振り分け試験の結果を見て、先生は自分の間違いに気が付いたよ」
「そう言ってもらえると嬉しいです」
アキくんと暁は封を開けることをあきらめて、上の部分を破りながら返答します。ビッと軽い音を立てて封筒が破られ、二人はその中から一枚の紙を取り出しました。そして折りたたまれた紙を開いて、書かれているクラスを確認しました。
あたしも横から覗き込むと、紙にはこう書かれてありました。
≪≪吉井兄弟・・・・・・Fクラス≫≫
「吉井兄、おまえはうっかりドジだ。 吉井弟、お前はうっかりだ」