27歳、アイドル・・・貯金は数百万・・・月給は沢山。
「醜いですね。」
「仕方がないんじゃない♪シュガハとウサミンは綺麗な人間ではもういれないんだし。」
「シンデレラプロジェクト・・・再編で忙しそうですが、本当のシンデレラは私達じゃないですかね?」
「・・・あの日・・・世界が変わった☆走馬灯も、臨死体験も・・・1秒が数分に感じた☆」
「たった2日。それでも私達は醜い姿でアイドルなんかをやっている。」
「英雄なんかじゃない♪」
「かといって一般人にも戻れない。」
「「生きる衝動。」☆」
「・・・ふぅ。少し熱くなりましたね。愚痴を言わないと精神的にきますね。」
「私も久々に溜め込んでいたのが出ました♪・・・さて、私はこれからドラマのキャストに選ばれたので346プロにいる時間が数ヵ月減るよ☆・・・だから新しい時代のシンデレラ達に渇を入れてあげなよ♪菜々先輩☆」
「はぁ・・・もしかしたらこれを見越してプロデューサーは私をスカウトしたのかもしれませんね。・・・見捨てられたか。」
私を担当していたプロデューサーは別の若い子を集めたアイドルユニットを編成し、シンデレラプロジェクトと競い合わせることでトップグループを増やす方針に切り替えたようで、見込みのある年配組はドラマかロケで長期の日程を組まれ、若い子の邪魔にならないように隔離するようです。
では見込みの無いのは・・・
「・・・飼殺し。」
「・・・。」
わかってました。
今会社に残った予定の無い20代後半は若い子の為の踏み台。
「・・・私の他の人は既に数年働いて、近々引退を自主的にする方達。恐らく私は踏み台の数が足りないから見繕ってきた人材なんでしょう。・・・適度に実績を与える為に社内の仕事を与える。偶々祖父の会社の繋ぎもできたけど別に他の人でも良いと考えてますね。・・・畜生・・・。」
涙が零れます。
会社では絶対に見せないウサミンの内側はこんなもんです。
「・・・ふー、菜々さん、どうしますか?このままこんな会社に埋もれますか?」
「まさか、そんなことしたらほむさんに失礼でしょう。終わりに大輪の花・・・いや、爪痕を残しましょうか。」
「それでこそ菜々さんだよ♪」
「ではもう少し飲みますかっ!」
「いぇーい♪」
その後数日間、仕事やカフェのバイト、レッスンをしていると、とあることを耳にしました。
シンデレラプロジェクト再開。
「・・・さて、私も私がすべきことをしますか。」
安部菜々は今日もアイドルをする。