「・・・お母さま、それは本気ですか?」
『本気だ。勿論ほむとかなが反対なら取り止める。』
西住後継者問題の池田流としての介入は保留として池田流の幹部会議は終わったが、ホットライン(家族電話)での話し合いは加熱していた。
家族の前で話しているので子供達も家事をしながら聞いている。
子供達は15人。
実子、里子、養子に違いが有れど、家族にしてライバル。
彼女達はその家族愛とライバルとしての競争心を混ぜ合わせ、常に負荷をかけ続ける。
その頂点にいる池田かなが口を開く。
「かなは・・・日本に行きたいし。」
福岡空港
「かな。待ってましたよ。」
「お婆様・・・いや、御母様?」
「家元でいいですよ。あなたを西住家宰相に任命します。まほの長女のくじらが中学になるまでお願いしますね。」
「謹んでお受け致します。・・・何から始めるべきだし?」
「まず、まほの葬儀からです。そこで宰相就任をさせます。」
「わかっただし。」
西住かな、公の場に初めて姿を現す。
西住分家の当主達は苦い顔をしながら、その他は驚きの表情で固まった。
葬儀の主役がまほからかなに変わる。
吸い寄せられるようにかなに全ての視線が集まる。
誰も言葉を発することが出来ない。
葬儀であるので当然であるが、本来お経を唱えるべき坊さんも言葉を発せない。
圧倒的な存在感と威圧感。
移動による疲れなのか、それともまほに対しての感情なのか、真っ赤に充血した瞳は光の反射で獲物を狙う肉食獣に見間違うほど恐ろしく感じられる。
(西住かなではない・・・池田の娘ではないか!!)
散々擁護して、担ぎ出した御輿は皆で担ぎ上げる物ではなく、勝手に動くモンスターマシンだった事にこの瞬間、その場にいた人物が認知した。
(西住を池田などという下等なものにやるものか。)
(どうする・・・我々が反発すればいけるか?)
(実力しかない者だろう。なに、常識と称して首輪を着ければ・・・。)
(西住まほさんが居ない今、私達が西住を守るのだ。)
(分家以外にも西住を守ろうとするものは多いのだ。)
(戦車道は1人でやるものではない。なに、人員で困らせれば勝手なこともできんだろうに。)
「かなは、西住流宰相の就任を受けるし。この困難期を穏和に済むとは思ってない。中学1年のかなは家元のご意向により本家在住になるし。」
日本中を掻き乱すかなの行動は後に極右と呼ばれるようになる。
「家元、ひとつお願いがあるし。」
【人を殺した経験がある同じ年がいれば私の乗務員にしたいし。】