かなが日本に戻った年は狂った年、不透明な年と呼ばれる時代と後の世で言われることとなる。
西住かなの宰相就任、ロシア戦車道の魔女風見幽香のロシア政治家との結婚(後のロシア首相)、とある大企業が別の企業で十数年前に破綻したセル計画を繰り返すかのごとく似たような計画を社運をかけた博打に走ったこと等があげられる。
別にこの時期だけが日本にとって不透明な時期とは言えないが・・・
島田の分裂による求心力の低下を抑えようと努力していた天才島田愛里寿も疲労でリーグ中に倒れてしまった時や、戦車道のティア制度による高校戦車道の下克上、アメリカからの中型学園艦4隻の輸入問題等々、この年だけではないのだ。
まぁ、いつも以上に不透明なのは確かだが・・・。
そんな中、かなは家元であるしほと中学生の制限上限であるティア4の車両もしくはティア3の車両をどれにするか悩んでいた。
チハに乗りたいがチハは知波単系列や、戦車道の入門用に各地に渡ってしまっているので、直ぐに動かせるのが無いと、元々私を呼ぶことに反対していた者達が嫌がらせをした。
なまじ正論のため家元であるしほが強制徴収すれば摩擦が発生するのでしほは10年前の自分の時代がいかに纏まっていたのかをあらためて思わせられた。
「仕方がないし、 Ⅱ号戦車が有ったはずだし。それを使わせてもらうし。」
(あれは・・・これも時代・・・。)
思い出すのはまだ小さかった頃、まほ、みほ、ほむの3人がいた頃・・・ほむは記憶に無いかもしれないが、1度だけしほも含めた4人でそのⅡ号戦車に乗った。
乗るといっても中に入ったわけでなく、戦車の車体に乗っかって、記念写真を撮った程度だが・・・。
その後、ほむは居なくなり、Ⅱ号戦車にはまほとみほの玩具となり、これも別の思い出がある。
「わかったわ。中学時は貸し出します。ただ、高校はティア6までの戦車を選んでおいてくださいね。」
「検討している戦車はあるし。・・・ただ、今の妖夢と言葉は厳しいから徹底的に鍛えるし。」
「ほどほどにしなさい。」
「かながいなくなった今、誰が池田の隊長をやるのかな。僕は気になるんだけど。」
安心院なじみは円卓テーブルを囲んだ義姉妹達を見ながら言う。
「うにゅ?」
「ん~、こなたでいいでしょ。」
春香は言う。
「えー、めんどくさいなぁ。」
「しかし、こなた様、春香様の言う通り、なられた方が私達も動きやすいかと。」
「咲夜はかたいなぁ~。実力ならお空でしょうに。」
「隊長として任せるのは不安だよね・・・。」
「うにゅ・・・隊長はやだなぁ・・・。私頭よくないし・・・。」
「まぁ、今は仮でこなたに頑張ってもらえば良いしさ。私達も手伝うから。」
「なじみ、押し付ける気満々だったでしょ。」
「はて、なんのことかな。」