シミュレーター・・・というよりworld of pantaというゲームであり、戦車道を始めるきっかけがこれだったというくらい人気でクオリティーの高いシュミレーションゲームである。
その回線が繋がれた、コンピュータを使って1対1で幽香と美琴が戦う。
幽香、美琴共に車両はT-34、57mm ZiS-4砲型であり、ステージは市街地。
「蹂躙開始。」
「進軍!!」
それぞれ掛け声を言って戦車を進める。
初めに動いたのは幽香だった。
市街地中央にある高台になっている教会を砲撃で破壊し、進路を封鎖。
そのまま高台に陣取った。
(俯角が足りていない。)
美琴はほむの影響で散々戦車の性能を詰め込んでいたので俯角が足りないT-34が中途半端な高台から若干車体下部が見える位置にいる愚策を瞬時に見抜いた。
川に隠れていた美琴のT-34はギリギリ見える履帯を切る。
「あ!?」
履帯が切られたことで角度が下に下がり側面が見える。
約2秒で装填が終わる57mm ZiS-4砲は履帯が回復する約10秒に8発の砲弾が突き刺さる。
履帯ハメと呼ばれるテクニックで完全に動けなくなってしまい幽香は降参。
どちらも小学生であるが、幽香は建物を壊して進路妨害するのは評価できるし、美琴は戦車の性能しっかりわかっていたこと、川に隠れてじっと待てる忍耐はとても良い。
「鮮やか。技前。」
「・・・くそ。」
「・・・いいや。この話は無し。別のところに行く。行こう。美琴。」
「え?え?」
「お茶、美味しかった。ありがとう。」
「あ、ありがとうございました。」
「また来なさい。」
「お母様、なぜ止めなかったの!!」
「幽香、あなたは試されていたのよ。勝負に乗った時点で評価が開始されていたの。いくらゲームとはいえ、戦車の性能もわかってない娘に戦車を乗せたくはないわ。・・・幽香は評価していた方の池田ほむにね。」
「・・・池田ほむ。もう一人は?」
「美坂美琴。・・・相手の名前も知らない時点でアウトよ。池田ほむは幽香の事を少しだけ知っていた。それが明確な敗因よ。・・・悔しくないの?やられっぱなしで。」
「悔しい!!」
「見返してやりなさい。どうするかは幽香、貴女次第よ!!」
「はい。」
ある意味私は孤独な戦いをしているのかもしれない。
裏方で才能があったのが教育と製作の能力・・・他は良くても秀才レベル、戦略眼や資金運用能力は凡人、戦術、戦車運用はくそ雑魚ナメクジ。
今誰かに評価されていることは無いだろう。
先輩達は製造の方で才能が有っても、最終的な事を言えば、戦車の工場で作った方が遥かに安いし・・・。
「くしゅん。」
西住の本家で1人がくしゃみをする。