私は西住しほ、西住流次期家元候補だ。
私には3人の娘があり。
まほは幼い頃の私に似ている。
それでいて、西住流を姉妹の中で一番理解し、実践し、それでいて私にはない姉妹に対する優しさがある。
みほは私から見ても天才だ。
初代の生まれ変わりと言っても過言ではない。
ただ、優しすぎるところが有るが。
ほむは・・・まず感情がない。
死んだ魚のような眼をいつもしている。
それでいて何を考えているのかわからない。
また、ひ弱で、一般的な人よりも筋力が無い。
なにも訓練していない同じくらいの少女達でもほむの2倍から3倍の量をこなせる。
今までこんな人を見たことが無かったが、西住に産まれたからには一般以上に育てなければ・・・。
何時からだろうか。
ほむが1号で生活するようになったのは。
私も昔、1号戦車で生活していた。
ほむよりは才能があったけど、家元を引き継ぐ立場の能力としては心許なかった。
私は我慢した。
ずっとずっと耐え続けた。
ほむもやってくれる。
私にできたのだから。
ほむならきっと・・・。
西住常夫はほむの父親である。
僕は西住流本家に婿として入籍した。
けれども4つある分家の人とも、お義母様とも友好的ではないから少々義実家である西住家は居ずらいところがある。
そんな中、お義父様は僕の気持ちがわかってもらえる数少ない人物だった。
「義息子よ、ほむはどうにかならんのか?」
「お義父さん・・・。すみません、戦車道に関してはしほさんに口出し無用と言われているので・・・。」
「・・・私も昔そうだったよ。それでしほに大変な思いをさせてしまった。・・・義息子よ。これでほむと一緒に連れて行きなさい。」
「お義父さん、これは・・・。」
「自由に使いなさい。このままではほむが壊れてしまう。息抜きをさせてあげなさい。」
「わかりました。感謝します。」
「堅いな。まぁ、そうでなければしほの婿にはなれんだろうが。しほや、もう少し優しさを前には出せんのか?」
「お父様、私は次期家元です。家族よりも西住流を大切にしなければなりません。」
「・・・そうか。」
「お父様、私も昔、同じことをしてもらいました。あれはお爺様から言われたのですか?」
「いや、自らだよ。」
「そうですか。」
「聞きたいことがある。四家は今どの様な感じなのだ?」
「南の島津は今までと同じく、福岡の津田、山口の吉田は後継者が私と同期のため弱体化、長崎の久保は後継者が多すぎて分裂する可能性が多々。」
「・・・。いつもいつも西住はこれか。・・・厳しいな。」