プラウダ対黒森峰の決勝戦・・・建て直しに成功したプラウダはカチューシャニズムと呼ばれ、下馬評ではそれだけでは西住に勝てないだろう・・・と、良くて3割くらいの勝率と見られていた。
「天はカチューシャに味方した。」
普段は絶対に言わないが、今日の天気は雨。
少ししたら土砂降りになる。
「カチューシャ様、準備が整いました。」
「KV-2は勝利のために絶対に動かさないで。・・・ノンナ、クラーラ、勝つわよ。」
「「Да。」」
「流石美琴、マウスが完全に進行ルートの制約になってる。」
「マウスは化け物だけど迂回すれば怖くない。しかも長距離射撃が不可能な市街地を通るから私はこんな戦車はやっぱり玩具にしかならないと思うんだよね。」
「悪い伝統が才能を潰す。」
「確かに、あたいたちもそんな伝統はやだ。」
「ほむはこの化け物どうする?」
「ん、ほっぺを狙う。それを貫通できる戦車も設計中。資料が古くて復元させてる。」
「流石ほむ!!あたいたちにできないことを平然とやってのける!!」
「そこに痺れる憧れる!!」
「ジョジョにハマった?」
「いや、言ってみたかっただけよ。」
「あたいはハマった。」
「「え。」」
「これは・・・ちとアカンかもしれん。」
「義美、どないした。」
「包囲される。」
「・・・どうする?」
「決まってる。後退する。幸いこちらは別動隊だ。隊長と副隊長には迷惑がかからない。」
「そうするか。」
「流石島津・・・といったところですが、退くのが早すぎですよ。」
ノンナはIS-2に乗っていた。
ソ連のガバガバ砲でバカスカ敵に砲弾を当てる彼女は今回の戦術の肝となる狙撃を任されていた。
島津の退きは正解でもあるが、失敗でもある。
これはほむが提供した島津の早退きという秘伝情報だが、ほむ自身もとある人物からこの情報を仕入れた。
「島津の早退きは周りの部隊から孤立しないために2両で行動する・・・ですが、今回は失敗ですよ。」
島津姉妹の前にカチューシャとクラーラのT-34-85が現れる。
「カチューシャ様囮をありがとうございます。」
フラッグ車であるカチューシャが囮となりヘイトを集める。
「今よ。」
カチューシャは合図を送る。
待機していたKV-2が島津が退いたため隙ができた別動隊が移動する橋を砲撃する。
橋に着弾し、中央から石材でできた橋が崩落する。
このため本体と別動隊が分断され、マウスは市街地に取り残され、他の別動隊の車両も山に囲まれたぬかるんだ畑を通らなければならなくなる。
つまり本体10両以外は戦力外となり、島津姉妹をカチューシャ、ノンナ、クラーラのプラウダの最高戦力が潰しにかかれる最高の舞台が整った。
この戦略はカチューシャが描き、ほむ、ノンナ、クラーラが別視点から補強した物だった。
ただ、イレギュラーはおこる。
みほが指揮する小隊が本体から分離し、川沿いの悪路を進行しているとのことだった。
「KV-2は全てのキーよ。やりなさい。」
KV-2、川沿いの悪路に適当に砲撃を開始。
3発目・・・赤星と呼ばれる車長が乗る3号戦車の付近に着弾。
「川に落ちた。」
「ほむ!?冷静すぎない!!」
「南、落ち着いてください。ちゃんと整備されてれば脱出用ハッチで逃げれるハズです。」
「そ、それなら・・・。あれ?美琴詳しくない?」
「ほむに詰め込まれました。」
「100点。」
「あれ?みほ副隊長が救出しようとしてますよ。」
「・・・姉に限って性能を理解していないってことはないはず・・・感情論。」
「感情・・・。」
「そ、戦車道は道を外れないから戦車道。私は勝つためなら何でもやるけど。」
「あたいには・・・。」
「価値観はそれぞれ。私が間違っていると思えば止めれば良い。」