入学早々の出来事に慌てはしたが、凡人は慌てれば慌てるだけ逆に開き直ることができる。
いや、開き直らないといけないと本能がそう動いた。
必死にこの状態をどうするか移された産科の待合室で考える。
まず記憶で今世か前世で現状を打破するヒントになるようなものがないかを探す・・・
「あ・・・。」
前世の祖父の兄弟の中に満州から帰国中に身籠った姉の話を祖母から聞いたことがあったし、その姉の人にも記憶の中だけだか会ったこともある。
身籠った子供も地方局アナウンサーをしていた。
(その場合は両親の協力で片親でもやっていけたらしい。・・・けど、今回は違う。・・・両親と祖父母、姉達、黄炒と淡には言わないと。黄炒と淡は後日。)
人工中絶も頭によぎったが、ここまで来たら産んだ方がまだ良いと思った。
(この世界基準では)圧倒的に体が弱いので母体である自身の体が耐えれるか耐えれないかわからないが、直感で耐えれると感じ、それに従うことにした。
「池田ほむさん。」
「はい。」
とりあえず診察室に入る。
「初めに相談してぐれてぇ良かっだぁ。」
「熊さんよう、ほむ嬢ちゃんが気に入ってるからってあんたは大丈夫なのか?」
「ばぁれなきゃぁ良いんだぁよ。」
親もそうだが、まずは近くにいる学校のトップと話すことにした。
賭けであったが熊さんと鈴木副校長はとりあえず病気でしばらく実家で病養に入ってもらい、7月には復帰すれば退学はしなくて良いとおっしゃってくれた。
「レイプで未来ある若者がぁ進路をぉ潰すことほどぉ先公やぁっててやなことばぁない。」
「同感だな。しかし実の子扱いは無理だからな。それやったらこっちも庇いきれない。」
「わかってる。迷惑掛けて本当にすみません。」
「ぐぅちべたぁなほむがぁ土下座とは・・・わがっだぁ。安心しろ。守ってやる。」
プラウダのトップ2人は秘密にしてくれるようだ。
「・・・。」
「・・・。」
私とお母様のしほ、お父様はほむの話を聞いて絶句した。
いつ生まされたか記憶に無いこと、8か月前に黒森峰から帰る際に日にちが違うこと、産みたいこと、お母様の養子として渡し、姉という立場で産まれてくる子を育てたい旨を話された。
西住はみほが黒森峰から出ていった混乱の余波がまだ残っているのにこれとは・・・。
「ダメです。そもそも育てられる筈がない。」
「言われると思ってました。が、我が子が可愛いのです。産まれてないけれど身籠っている我が子が可愛いのです。」
「育児費は?」
「3年間は頼らせてください。その後は自力で何とかします。」
「・・・ただ・・・いや、いいわ。産まれたら連絡を。」
「ほむ、犯人の男は必ず探し出してやる。待ってろ。」
「言いたいことがあるから私刑にはしないで。」
「・・・わかった。」
ほむはその後池田家で産休に入る。
「しほ、何て言おうとしたんだ?」
常夫さんが聞いてくる。
「こちらで預かろうとした。だけど・・・私の母が何をするかわかったものじゃない。ほむの子供ってだけで何かをするかもしれないと思ったのよ。」
「確かに・・・なぁしほ、そろそろしほが継いだ方が良いんじゃないか?このままだと義母様が死ぬまで強権を続けるぞ。」
「・・・そうね。」
後に西住家御家騒動と呼ばれる押し込めが発生することに繋がる。