6月・・・音沙汰無かったみほ姉が大洗が居ることがわかり、そこで戦車道を復活させたらしい。
臨月が今の私はいけないが、出産後にはプレゼントを持っていこうという気持ちになった。
「・・・そろそろか。」
日に日にお腹が痛くなる。
出産予定日もそろそろのため、いつでも産科に行けるように準備している。
思えば私が子供を産むことになるとは・・・前世の記憶でも弟の産まれるときくらいしか人間の出産には立ち会っていないな。
牛はいっぱいあるけど・・・。
「うっぷ。アギャァーアギャァー。」
「元気な女の子ですよ。」
「ちょっと痛くて喜びと半々。」
「初産なんてそんなものですよ。」
元気な女の子が産まれた。
祖父母は部屋の外で待ち、父も来ている。
お母様は明日到着する予定だ。
孫は父親がどんな人であれ、やっぱり可愛く見えるのだろう。
「ほむ、この子の名前は決まってるのか?」
「うん。かな。この子の名前はかな。」
「かなか。良いんじゃないか?」
「良いと思うんだな~。」
「かなちゃん可愛いのー。」
私の指先を小さな手で握っていた。
「これから大変よ。」
「わかってる。1学期は完全に休むことになるけど・・・色々何とかなる。校長、教頭には話をつけている。」
「そう・・・ほむ、池田から西住に戻る気は無いの?」
「私は無い。・・・ただ、かなは西住姓になるから、私に何かあったらお願いしたい。」
「良いわ。・・・普通はこれぐらいの歳では母親にならないのだけれど、私もほむも早すぎたわね。」
「16の子供は厳しい。22歳で小学生にこの子が上がるから色々言われそう。」
「安心したわ。楽観視してなくて。」
「凡人を自負してるから、今後を必死に見ないと厳しい。・・・生活のために黒森峰には勝たせてもらう。」
「頑張りなさい。」
「はい。」
「ウサミン星から来ました!!ナナです!!キャハっ!!」
「お姉さん、今時キツいぞ、それ。」
「忠告ありがとうございます!!でも、これがナナです!!キャハっ!!」
「勝手にしろ!!」
「聞いてくださいナナの歌を!!」
安部菜々・・・千葉県津田沼に住む17歳、高校2年生である。
なぜ陸上に住み、地下アイドルをやっているか・・・それは中卒であることを物語っている。
バイトで生活費を稼ぎ、夢に向かって走る少女である。
なぜこの少女のことを話したか・・・
「ヒャッハー!!逸材を見つけたッスィー!!」
黄色いスイカの妖精こと名門戦車道の千葉の妖精(大企業)に発掘されたのである。
「歌って、踊って、戦車道ができる選手を見つけたッスィー!!」
「え、ちょっとお客さん引っ張らないで!!ナナを何処に連れていくの!!」
「妖精の園(本社、社長室)スィー!!」
メチャクチャ荒ぶるスイカの妖精に連れていかれる安部菜々であり、後の日本戦車道の広告塔となる逸材であり、ほむが神様のように敬う唯一の人物になる。