T-44・・・大戦後期に造られたT-34の進化形であり、冷戦時ソ連の主力戦車T-54の原型となった戦車である。
今回私は戦車道用に改造したT-44を2つの試作機仕様にさらに改造した。
1つがT-44-100P・・・シュルツェンが特徴的であり、ほんの少し防御力があり、主砲の100mmは十分な攻撃力がある。
もう1つはT-44-122であり、搭載できる弾薬が24発と少ないが、T-54プロトタイプができるまでの繋ぎとして使用しようとほむは決めていたので別に損はない。
両車ともに弾薬庫が破損しやすく誘爆による撃破がされやすいこと、装甲がドイツ、イギリスの駆逐戦車や重戦車、貫通力がある中戦車だと正面装甲を抜かれるので、湿式弾薬庫、塗装による数mmの装甲のかさまし等、職人業の域でギリギリ大会規定内に収まるようになっており、砲安定装置、トランスミッション系をT-54と同じようにするなどの改良もされていた。
車長はイエローと淡・・・他の隊員はカチューシャに連れていかれなかった者達で、私のやり方に共感し、手伝ってくれた者であった。
「やっぱり餌が大きいと食いつきが違うね。」
「でもイエロー、吸い寄せる私の身にもなって欲しいな・・・食い付きすぎて重たいよ!!」
「仕方ないな。シーちゃんお願い。」
「誰がシーちゃんだ☆私は高1だぞ☆」
「心でしょ、だからシーちゃん。」
「おい☆部長のお気に入りだからって怒るぞ☆いや怒る☆」
「でも何でシーちゃんクラスの選手が3軍にいたの?」
「ハデな私服着て初練習に参加したらシベリアにぶちこまれたぞ☆今の部長は知らないと思うけどな☆」
「今度見せてシーちゃん!!」
「シーちゃん言うな☆シュガーハートと呼んで☆呼べよ☆」
グダグダ言っているが、心はしっかりイエローの要望にこたえた。
「車長さんよ☆ここでいいか☆」
「大丈夫。・・・後はリールを引くだけ。」
「よし!!お姉ちゃんいくよ!!」
IS-3の後退指示を淡が無線で知らせる。
化け物2人は後退も完璧にこなし、カチューシャの作った半包囲をやすやすと突破する。
そこに全速力で淡のT-44-122が突入。
一気に包囲の穴をすり抜け、隊列を乱し・・・
「捕った。」
イエロー、美琴、幽香の3両が個別に、そして確実に仕留める。
ノンナ、クラーラ、カチューシャの3両だけは淡の突入に冷静に対応したが、勢いというのは簡単には覆らない。
後に鎌倉の陣という新戦術(突破1両を海に見立て、後ろ3両を山とし、山はある程度の防御がある車両とし、海は快速戦車が前提であり、突破する1両の技量が全てのためほむはあまり好きではないが、ほむが直接指導した選手は普通に使った)は一気にほむ側を優勢にした。
「勝ちました。」
「おぉ!!ざぁすがぁほむだぁ。この調子でがぁんばれぇ。」
校長は新戦術の完成度、即席部隊の練度の高さから来年の戦車道部優勝を確信する。
・・・相対的にカチューシャの存在感は低下していく。