大会開始数日前・・・両さんが食い入るように新聞記事を見ていた。
「・・・不味いな。島田系の株が急に上がり出して、大洗の土地の相場も上がってる。」
ギャンブラーの勘がここは降りを選択しなければならいと感じ、ほむに電話をかける・・・。
「それは・・・本当?」
『姫様間違いないです。』
「わかった。ありがとう。」
ガチャ
同志からもたらされた情報・・・黒森峰の情報から引っ張ってきたことだが、大洗に島田愛里寿が編入したらしい。
それもセンチュリオンやM26パーシングも一緒に・・・
『ほむ、島田か大洗に動きがなかったか?ワシの勘だとなにかしら起きてるはずだ。』
「島田愛里寿が大洗に編入した。」
『なに。・・・今回の試合は落とすぞ。夏に調整する。T-34-85にT-44は変えるぞ。幸いどの車両に乗るかはまだ発表してなかったはずだ。』
「わかった。」
隊長に理由を話すと、少し悩んだ末、了承した。
「なんなんだ・・・あれ。」
プラウダの隊員の1名がそう呟いた。
みほはⅤ号戦車パンターG型に乗り、愛里寿はセンチュリオンを操りながら路上をかける。
必死に応戦するが、次々に撃破されていく仲間達・・・。
「あ・・・。」
ドゴン
シュポ
プラウダ対大洗・・・世間は今回の大会からプラウダの暗黒時代が到来したと確信し、一部の学校を除いて練習試合も誘われなくなる。
7-0で大洗の勝ち
「アリサ、これ。」
「ありがとねー。でも本当に良いの?T29なんかくれて。」
「良い。夏に楽しませてほしいし、練習試合もしてほしい。」
「まぁいいけど。」
「私はこれで。」
「ああ。」
数年前から私が製造した戦車の整備をするためにサンダース大学付属高校にちょくちょく行っており、無名革命の元はサンダースの自由を重視する姿勢と最新式の設備だった。
ただ、自由すぎるのもどうかと考えていた時に、現サンダース隊長のアリサと出会い、数回の食事会で友達となり、学年と学校を越えた協力関係ができていた。
両者ともいかにして利を手に入れるかギラついた瞳を他人が見れば狸の化かし合いにしか見えないが・・・。
「お礼と言ってはなんだけど、代金としてこれを渡すわ。」
それは5台の最新式のシミュレーターだった。
「これでどう?」
「ありがとう。」
利には利を。
アリサの戦場以外では借りをなるべく作らない姿勢は今後ほむを多いに助けることになる・・・アリサがいる間は・・・。
大洗に2回目の敗北をしたことで、事情を知らない一般隊員はシベリア行きを覚悟していたが、帰ってくるとピカピカの最新式のシミュレーター、テーブルに並べられた数々の美味しい料理が出迎えた。
「夏勝てば良い。情報不足で負けたのは仕方ない。次に生かせば良い。」