大洗女子の完敗は戦車道に関心が高まっていた日本全土・・・特に関東と九州では凄まじい反響だった。
軍神やら飛び級の天才やら報道関係を巻き込んで持ち上げていたスターが、踏み台と思われていた敵に瞬殺されたのだから・・・。
今回の勝利によって、美琴と幽香の知名度は大幅に上がり、1年生ながら新設されたプロリーグからオファーが入るようになり、我らがほむは新聞社関係者やテレビ局の関係者が八百長を持ちかけてくるようになり、対処で忙しかった。
「ほむさん、個別に時間を取っていただきありがとうございます。僕は毎夜新聞の富竹と申します。」
「用件は?」
「勝利の秘訣と決勝の予想を。」
スッと茶色い封筒を2通渡してくる。
「・・・決勝ではプラウダに勝たれては困る?」
「いやいや、そうとは言ってませんよ。」
1通は現金が、もう1通にはかなの写真が入っていた。
「受け取れない。・・・言わせてもらう。ジャーナリストあるまじき行為。下衆が。今後近づくな。」
「おやおや?良いのですか?」
「失敗すれば私とかなの水死体がどっかで打ち上げられるだけ。」
「隊員はどうするのですかな?」
「私の活動範囲外。まぁ買収は無駄。家族を脅したら脅した本人が社会的に消える。」
風見家に買収に行った記者がなぜか全身複雑骨折状態で警察署につき出され、記者が実刑判決を受ける事件が数日後に実際に起きる。
「そもそもかなの事がバレてもなにか起きる?プラウダは子供が出来たから辞めろだなんて言う学校ではない。」
「・・・後悔するなよ。」
「ほむ・・・と言います。泉そうじろう・・・さん。」
「池田ほむさん。時間が無い中お会いする時間を取っていただきありがとうございます。」
お見合いの前の顔合わせとしてプラウダ学園艦内のファミレスに来ていた。
かなと泉そうじろうさんの娘である泉こなたもいる。
「モーリシャス国際大学と学園艦の事は調べた。・・・戦車道の実力も。」
そもそもモーリシャスとはアフリカにある島国で、神様は天国をモーリシャスを真似て創ったと言われるくらい綺麗な海があるリゾート地で、国民総中産階級と言われるくらい産業も発展し、宗教、人種を越えて争いが殆ど無い平和な国。
そのモーリシャス共和国が海軍戦力、本島で震災が起こった際に国民が逃げるための避難所、海外資本を呼び込むための投資先として造られた巨大学園艦シウサガル・・・その大きさは沖縄本島と同じくらいある。
「僕もあなたも色々問題があります。・・・モーリシャス国際大学の講義となると、子育てをしながらは色々厳しいものがあります。今は産休でなんとかなってますが・・・。」
「・・・結婚だとか共同生活だとかはどうとでもなる。泉そうじろうさんもまだ奥さんの事があり、踏ん切りがつかないと思う。だけど利が一致しているから良いと思う。幸いフランス語と英語ができる。・・・卒業したらそっちに行きたい。」
「え?え?いいの?そんなに簡単に決めて。」
「どちらにしろ日本から出ないといけなかった。」
「電話でもう少し話そう。」