ザッ
「ほむさん、こっちです。」
学園艦に戻った私は安部菜々さんに案内してもらいながら安置所に杖をつきながらいどうした。
「・・・南。」
体の一部が水を含んだことで膨脹し、均等の取れた巨体は見るも無惨な姿になっていた。
「・・・。」
この時ほむはこれからの事で頭が一杯であった。
南の両親に南を届け、事情を説明しなければならないし、死者が出た部活の存続を学校側に一応交渉しなければならない。
マスコミもわらわらと沸いてくるためその対処も必要。
新たな隊長を置かなければならなかったり・・・。
ただでさえやることが多いこの時期にチルノの急死(自殺)は、ほむに少なくないダメージを与えることとなる。
「ナンマハラミヤ・・・・・・」
お経が詠まれるなか、まず南の事を最優先で終わらせることにした。
両親への説明は私より同伴した校長先生が殆ど言ってくれた。
そして今に至る。
周りに居る部員は全員泣いているが、私は冷めていた。
私が入院してからの事は聞いている。
一部の2年が抗議を繰り返し部活を邪魔していたことも知っている。
「・・・。南、お別れだ。」
私はその場にいた誰よりも早く区切りをつけ、帰宅した。
「福田閣下、プラウダは本当にこの状態で活躍できるのでありますか?正直土台が腐っておりませんか?」
「くどいぞ山田。私は空気が読めない女だ。・・・だから西前隊長のように優柔不断には行動しない。」
「・・・西先輩は粛清されて当然の方でした。福田閣下の行動は当然です。」
「だろう。ならこの福田についてこい。今は中立こそ正義だ。」
「・・・集まってくれてありがとう。」
8月31日、隊長が決まらないまま練習が再開され、士気はどん底になっていたが、腐らずに1年は練習していた。
2年は私に協力的な者と昔シベリアと呼ばれる罰を受け、反カチューシャ派と呼ばれる者以外は全員ボイコットしていた。
その現状に痺れを切らした私はエース組と佐藤心、安部菜々を召集した。
「現状隊長不在は問題。そこで新しく佐藤心を隊長としたい。」
「え☆正気か?」
「少し無茶じゃないか?いや、佐藤先輩を貶している訳じゃないが。」
「隊長といっても佐藤は私の補佐として練習を近くで指導するコーチの役割を頼む。隊長の権限は副部長を新たに作りそこに権限を半分以上移す。佐藤が卒業後隊長職は廃止し、完全に部長をトップにする体制をとる。」
「それなら・・・まぁ☆」
「副隊長は廃止し、代わりに外部コーチ枠を作る。そこには安部菜々を置く。これは数ヵ月前から学校側に通達していた。副部長廃止は後で付け足す形になる。」
「え?良いんですか?」
「その能力なら問題ない。今もコーチみたいなことはしてもらっているからそれに役職と給料が発生しただけ。」
「あ、ありがとうございます!!」
「で、試合の指揮は慧音を1位として2位に紫とする。補佐は大ちゃん。・・・大ちゃん、チルノの意思を無駄にしたくなかったら2人を補佐しろ。」
「はい!!」
「美琴と幽香は分隊の隊長にする。」
「わかったわ。」
「ういー。」
「もしもう1分隊必要なら高垣楓に今はする。・・・人材が補充されたら外す。」
「そうなのかー・・・いや、そうしてくださいマジで。」
ルーミアがここまで言う理由は彼女が使用している練習場所にある冷蔵庫に問題であった。
ウォッカは当たり前、焼酎に日本酒、ワインにシャンパン、梅酒にアサヒスパー○○○が常に置かれており、シミュレーター内が外から見えない事を良いことに必ず飲酒しているからだ。
注意しているのだが、校長達と飲み友らしく校長室で飲みだしたのでシミュレーター内での飲酒は黙認することが部内の暗黙のルールになり、その問題行為から先程のルーミアの反応になる。
実力は飲酒するとルーミアクラスになる。
ちなみに前ほむが酔ったのも楓の酒気の影響もあったりする。
「・・・同学年の反対派は退部届けをポストに入れた。ニーナとアリーナには自主退学届けを送った。学校側とも話してある。」
カチューシャの革命よりも熾烈な粛清は後に大粛清と呼ばれ、ほむはチルノの葬儀中1滴も涙を流さず、仁王立ちをしていたため、とあるテレビ局が鋼の女だと言ったことから悪の皇帝と呼ばれるようになる。