仮面ライダービースト ~Magic Girl Dinnertime~ 作:流離太
魔梨華は原作魔法少女勢の中でも変身前と後のギャップが楽しい魔法少女ですよねw
ちなみに時系列的には魔王塾追放前と考えております。
花売り少女の二つ名も健在です。
そういえば、ドラマCD版魔法少女育成計画で魔梨華を演じているのは、アニメでハードゴアアリスを演じてる日高さんでした。
このお話でも日高さんボイスで想像していただければ幸いです。
「はぁ……」
先程まで激戦が行われていた川辺で、一人の女性が溜息を吐く。
年は二十代後半から三十代前半くらいだろうか。サラサラと風に流れる黒髪ロングヘア。スラリとした身体を包むワイシャツとタイトスカートの上から白衣を羽織り、眼鏡をかけた知性を感じさせる容貌は、理系女子という言葉がぴったりだ。
「はぁ、じゃないでしょ馬鹿魔梨華」
「この姿の時は魔梨華って呼ばないでよ」
「どうすんの? ついに殺っちゃった?」
白衣の眼鏡美人―― 「真理子」は再び溜息を吐く。彼女こそ、先程大立ち回りをしていた花売り少女「袋井魔梨華」その人である。
すぐ後ろではエステティシャンを思わせる魔法少女が腰に手を当てて仁王立ちしている。魔梨華の他称相棒件保護者たる「スタイラー美々」だ。
「水飛沫の音がしたから、多分池に落ちたんでしょうね。けど、いくら池を浚ってもいなかった」
「下手したら、監査部門(魔法の国の警察機関)も動くかもねぇ……」
「そうなったら美々ー、かくまってー」
「嫌よ」
戦闘狂である袋井魔梨華が一番熱狂できるのは命の懸かった殺し合いだが、相手の命を奪ったことは一度も無い。
戦う相手がいなくなってはつまらないし、お尋ね者にはなっては両親に迷惑をかけてしまう。
特に今回は親に強く勧められていたお見合いが近く控えていた。タイミング的にもまずい。
「まぁ、大丈夫でしょ。アギトもファイズも川に落ちたけど生きてたし」
「ちょっとなんの話かわけがわからないわ」
「それに死ぬようなタマには見えなかったし、流されてなければまだそこら辺に沈んでるでしょ。がんばって探そ?」
「なんで私が手伝う前提よ」
ぶつくさ文句を言いながら、美々は川にじゃぶじゃぶと入っていく。
自分のような無法者にも、なんだかんだ言って美々は付き合ってくれる。
そのお人好しゆえ、いつか悪い男に捉まってズルズルと貢いでしまうんじゃないかと心配になる。
―― それにしても、
「あのメール」
真理子は川に入るためスカートを捲りながら、思考する。
あのビーストとかいう男、恐らく魔法少女ではない。知り合いにああいう姿をした者もいなくはないが、纏っている雰囲気が異質だった。
魔法の国はやつの存在を把握しているのだろうか?
していないとすればメールの発信者は、監査部門でも研究部門でもなく、何故よりにもよって魔梨華にその存在を伝えたのだろう?
「ほら、まりか! あんたも手を動かしなさいよ!」
「だからこの姿の時に魔梨華って呼ばないでよ」
いずれにせよ、ビーストのやつが見つかったら事情を聞いてみよう。
そして、可能であればもう一度戦いを申し込もう。
あの戦いは、久しぶりに血湧き肉踊った。
「ヒヒッ……今度は逃がさねェぞ」
真理子は変身前にも関わらず、魔梨華のような凶悪な笑みを口元に浮かべた。
次回、流されたビーストはどこに行ったのか……?
スタイラー美々「スーパーヒーロータイム!」
袋井魔梨華「次回も見てくれよなァ!!」